【免許更新】70歳以上の方の免許更新の流れをわかりやすく解説

2017年3月12日の道路交通法の改正により、70歳以上の方の運転免許更新までの流れが大きく変わりました。この改正によって、75歳未満の方の更新は3時間講習から2時間講習へと時間が短縮され、また料金も多少お安くなるなどメリットのある改正となりましたが、75歳以上の方にとっては、より流れが複雑になり、最悪は運転免許が取り消される恐れがあるなど、不安に感じている方も多いと聞きます。

そこで今回は70歳以上の方の運転免許更新までの流れをわかりやすく解説させていただきたいと思います。

更新までの流れを表にしてみました

1、自宅にハガキが届きます

運転免許更新時の年齢が75歳未満(70歳〜74歳)の方と75歳以上の方とでは流れが異なりますが、いずれの方もまずは自宅にハガキが届きます。
※最近住所を変更したばかりの方や引っ越したのに免許証の住所変更をしていない方はハガキが届かない場合がありますので、変更手続きはお早めに行っておいてください。

ハガキが届くのは運転免許の有効期限満了の6〜7ヶ月前に届きます。ここで注意しなければならないのが、運転免許更新がまだ半年近く先なので何もせず放置してしまうことです。
※半年前に届くハガキは高齢者講習用で、運転免許更新の案内ハガキではありません。
運転免許更新の案内ハガキは、運転免許有効期限満了の約3ヶ月前に届きます。

ハガキが届いたらとにかく早く電話しましょう

高齢者講習は都道府県によっては予約は5ヶ月待ちのプレミアムチケットとなっています。ハガキが届いたらとにかく早く最寄りの教習所に電話し、高齢者講習または認知機能検査(75歳以上の方)の予約をしましょう(教習所も高齢者講習のために本来の教習業務が回らないなどの理由で門前払い。または音声ガイドでお断りなんてこともあるようです。更新期限ギリギリになるときっとかなり焦りますよ。)

»【高齢者講習】予約が取れない問題について

予約の際に気をつけること

75歳未満の方は「高齢者講習の予約をしたい」と言ってください。
75歳以上の方は「認知機能検査の予約がしたい」と言ってください。

そうすると生年月日や名前、電話番号等聞かれますので、すぐ答えられるように準備しておきましょう。

当日の持ち物は
・ハガキ
・免許証
・講習または認知機能検査の料金
・眼鏡(読み書き用と運転用の両方)
・黒のボールペン

日時や持ち物など案内がありますので講習ハガキに直接メモをとるようにしましょう。これは時間を間違える方が多いためです。当日、間違えて隣の教習所に行ってしまう方も稀にいらっしゃいます。電話の担当者の名前もしっかりメモしておくと良いでしょう。

尚、75歳以上の方は、認知機能検査終了後、再び高齢者講習の為の予約が必要になります。
認知機能検査の結果通知書を手元に用意し、
・いつどこで検査を受けたか
・何点だったか
・結果通知書の紙の色は何色かなど

聞かれますので準備しておいてください。

高齢者講習について

70歳〜74歳の方

2時間講習を受講します。当日は、なるべく早めに行きましょう。万が一遅刻をすればせっかく早めに取った予約がパアになります。再度予約の取り直しは厳しいので、交通渋滞や電車の人身事故など何があるかわかりません。時間にはゆとりを持って早めに行動しましょう

»【高齢者講習】具体的内容について

高齢者講習は、試験ではありませんので、2時間の講習を受講された全ての方が修了証明書を受け取ることができます。

75歳以上の方

75歳以上の方は、まず認知機能検査を受けなければなりません。
検査は100点満点で結果が出ますが、その結果によってこの後の流れが大きく変わります。

»【認知機能検査】点数計算の仕方、認知症のボーダーラインは何点??

ここで良い点数をとることが、今後安心して運転するために、またご家族の方に心配をかけないためにも重要となりますので頑張ってください。

認知機能検査の問題はこちらで解説してます。

»【認知機能検査】問題1「時間の見当識」徹底解説!

»【認知機能検査】徹底解説!問題2

»【認知機能検査】問題3、4 記憶力テスト「手がかり再生」完全解説!!

»【認知機能検査】問題5「時計描画」満点時計の書き方

認知機能検査の点数

・76点以上だった方      → 2時間講習(75歳未満の方と合同で講習を行います。)
・49点以上75点以下だった方 → 3時間講習
・48点以下だった方      → 医師の診断の結果認知症の疑いがなければ3時間講習
                     〃    認知症と診断された場合は運転免許の取り消しや停止となる

私は、体調など万全な状態にも関わらず75点以下だった方や交通の便が悪くないかたなどには運転免許の返納をお勧めしたいです。やはり何かあってからでは遅いのです。

»【運転免許】返納のすすめ〜こんな方は免許を返納しましょう

点数の結果が出ましたら、なるべく早く教習所に再び連絡をし、今度は高齢者講習の予約を取得してください。
講習を受けられた方は、修了証明書を受けとり免許更新に向かってください。

高齢者講習を受講された方

高齢者講習終了時に受け取る「修了証明書」は絶対に無くさないでください。講習を早く受けすぎてしまったために無くされる方がいらっしゃいます。高齢者講習は期限の半年前からできますが、運転免許の更新手続きはどんなに早く講習が終わっていたとしても期限の2ヶ月前からしかできませんのでご注意ください。

更新手続きは69歳以前と全く同じです。最寄りの警察署か運転免許センターなどで行ってください。更新の案内ハガキにどこで更新するかの説明がありますのでご参照ください。

尚、本来交通違反をされている方は、試験場で行う違反者講習を受けて更新しなければなりませんが、実は高齢者講習が違反者講習を兼ねているためそのまま更新ができる形となっています(私はなぜ違反者にメリットがある法律になっているか理解ができません。)。

おわりに

今回は、70歳以上の方の運転免許更新の流れについて解説いたしました。近年何かと話題になる高齢ドライバーですが、警察庁も高齢者の事故防止についてかなり力を入れています。また講習についても予約が取りずらい現状やその仕組みについて今後再び改正されることを期待したいところです。

【自動二輪免許】バイクの免許を取得すべき7つの理由

自動二輪免許を取りたいけど悩んでる方、危ないからという理由で家族に反対されている方、また乗りたいけど身長が低くて諦めている方へ

悩んでいるなら、まず取りましょう。その後いらないなら乗らなければ良い。

家族に反対されているなら、自動二輪の安全性をご家族の方にしっかり説明しましょう。

身長が不安なら教習所で相談しましょう。身長が140cm台の方でも勇気と根性があれば取得できます。

経済的な面で取れないなら、削れる経費は削ってヘソクリしましょう。

今回のタイトルは「二輪免許を取得すべき理由」ですが、私が思うに二輪免許を取らない理由が見つかりません。むしろどうしても取れない理由、例えばハンディキャップなどがあり物理的に不可能でなければ、全ての方が取得すべき免許だと思っています。

バイクの免許を取りたいと思っている方も全く興味のない方も少しでも二輪免許に関心を持っていただけたらと思っています。是非参考にしてください。

二輪免許のススメ〜取得すべき7つの理由〜

1、原付や車より安全

 

全国の状態別交通事故死者数を見ると、毎年1位が歩行中、2位が自動車乗車中、3位に二輪車乗車中、4位が自転車乗車中となっています。因みに割合は歩行者と自動車乗車中で合わせて70%程度を占めていて二輪車乗車中は17%程度。運転手がむき出しである二輪に比べ自動車乗車中の方が多くの方が亡くなっていることがわかります。

しかも自動二輪が第一当事者となる死亡事故の大半が125CC未満(原付及び原付二種)の車両によるものとなっているようで、普通自動二輪の免許に関わる車両の交通死亡事故件数は圧倒的に少なく、二輪車=危険というのは、統計的に見ても否定される結果となります。

また自動車よりも二輪車の方が安全性が高い理由としては、死角が少ないという点です。自動車にはピラー(柱)があり、運転手の視界を遮ってしまうデメリットがあります。見えない場所にこそ多くの危険が潜んでいる為、こうした死角の少ない二輪車は危険の見落としが少ないと言えますね。

もちろん二輪車は100%安全なわけではありません。安全に道路を使う為に技術を磨く必要はあるでしょうし、知識も備わってなければなりません。さらに安全意識が高ければ、事故に遭遇するリスクはかなり軽減され、安全な乗り物であると言えるわけです。

「バイクで死なない為の考え方」についてまとめた記事はこちら

 

自動車の運転スキルが上がる

二輪免許を取得するメリットは、自動車の運転にも現れます。

道路は、様々な車種が混在し、走り方や考え方、また危険予測も車種によって様々です。もし互いの気持ちが理解できていれば、相手の動きを事前に予測し柔軟な対応が可能になるのではないでしょうか。

であれば、普通自動車と自動二輪車、両方の運転スキルを身に付けることによって互いの動きがより深く読み取ることができ、普通自動車にしても自動二輪にしても運転のレベルが明らかに変わていくはずです。

運転免許の車種を追加するということは、単に追加した免許に関わる車種の運転ができるようになるだけではなく、その他所持する免許の運転スキル向上に繋がると言えます。

現に自動二輪免許を持っている方が普通免許を取得する為に教習所に通うと、明らかに新規で普通免許を取得される方より始めから上手に運転できることがほとんどです。事故を起こさない為の技量を身につける意味でも、いろんな車種の免許を取得することがオススメですが、特に自動二輪は他の車種とは車両特性が大きく異なる為、自動二輪免許を取得すれば、他の車種のスキルアップだけでなく普通車から見た二輪車の動きを深く読み取ることができて、セイフティドライブに大きく寄与することになります。

車に乗るよりリーズナブル

車を維持するためには様々なコストがかかります。保険(自賠責保険及び任意保険)、税金、車検、駐車場、燃料、その他消耗品などは最低必要です。
車とバイクだとその維持費は大きく異なり、圧倒的に自動二輪の方が低コストで乗ることができます。

保険料

車に乗るために絶対に加入しなければならない自賠責保険ですが、2年間(車検ごと)に更新したとすると普通自動車の場合で約26,000円、自動二輪(125cc超250cc以下のクラス)で約12,000と倍以上の開きがあります。

また任意保険は、保険会社や加入内容によって金額が大きく変わりますが、全年齢で最低限加入すべき内容(対人対物無制限など)で考えた場合、年間で自動車は150,000円程度、バイクは70,000円前後といった感じで、やはり金額に倍以上の開きがでます。

税金

税金に関してはどうでしょう。

普通車は毎年払わなければならない自動車税に加え、車検ごとにかかる重量税があります。1年ごとの金額で考えると合計約47,000円(1500ccクラス)程度の負担となり、自動二輪は排気量によって重量税がかからない場合がありますが、125cc超250cc以下クラスの場合で年間合計8,500円(重量税+自動車税)の負担となります。金額差は5倍以上で圧倒的に二輪車の方がコストが抑えられます。

駐車場代

また駐車場は普通自動車の場合、車庫証明を取らなければならず、自宅に止められない場合は近所に車庫を借りなければなりません。車庫証明を取らなくて良い事以外は自動二輪も同じ条件ですが、車両自体の大きさが全く違うので自動二輪の場合は自宅に止めるハードルがかなり低くなりますね。

燃料代

燃料代は、もちろん車種や乗っている頻度によって様々ですが、車種ごとの燃費で普通車と二輪車で比較すると
普通車は、約10km/l前後
二輪車は、約20〜30km/l

といった感じです。もちろん車種によっては、もっと走るものがあったり全く走らない(燃料の垂れ流し)のものがあったりしますが、平均的にみるとこんな感じでしょうか。ここでも倍以上の開きが生じますね。

消耗品

タイヤやバッテリー、ブレーキパッド、各種オイルなど車を維持する上では、絶対に必要な経費となります。それぞれ毎年交換する必要はないと思いますが、もちろん乗っている頻度によっては毎年のように交換しなければなりません。例えばタイヤで比較してみると、もちろん金額はピンキリですが、タイヤの大きさや本数は違うのにそこまで変わらない印象です。消耗品に関しては、二輪の料金設定はかなり強気なものとなっています。二輪の方が割高なものも数多くあります。ただし、年間通じて必ずかかるコストではないので、命を守るためのお金なので惜しみなく使うべきだと思います。

普通車と二輪車の年間コスト総合比較

普通車(1500ccクラス)

・保険 (自賠責保険+任意保険) 約180,000円(年齢や等級、車種によって異なる)
・税金(重量税+自動車税)47,000円(排気量等によって異なる)
・燃料(年間10,000km走る方の場合)約130,000円
・駐車場(都心部)20,000×12ヶ月 約240,000円
・消耗品(オイル交換等)約20,000円

合計 約617,000円

二輪車(250ccクラス)

・保険(自賠責保険+任意保険)約76,000円(年齢や等級によって異なる)
・税金(重量税+自動車税)8,500円
・駐車場 ご自宅の敷地内に止められればタダ、野ざらしの駐車場契約で約5,000円×12ヶ月 60,000円ってとこでしょうか。
・燃料(走行距離10,000km、20km/l計算で)約65,000円
・消耗品(オイル交換その他)約20,000円

合計 約229,500円。

ざっくりですが両者とも多く見積もってこのくらいの年間コストがかかります。しかもこれに加え1年に一回の定期点検代、2年に1回の車検代(250cc以下の二輪車は車検がありません。)がかかります。こう考えると乗り物を維持するのって大変ですね。何れにしても決して安くない金額ですが、自動二輪の方が圧倒的に低コスト。学生のアルバイトレベルでも維持が可能ではないでしょうか。

移動手段の幅が広がる

通学、通勤、その他ちょっとした買い物など、車で行くほどではないけど自転車では遠いってことありませんか。
また、電車で行くと遠回り、直線距離だと物凄く近いとか、車で行くと時間が読めない、バイクで行けば時間に余裕が持てそうとか、、、。

自動二輪があれば様々な場面で活躍してくれそうなことが、かなり多く考えられると思います。

東日本大震災の時も東北地方や関東地方では、電車が止まってしまい、交通が大混乱する事態となりました。帰宅難民が街に溢れ、また都心部に取り残された人を迎えに行く車で大渋滞となり、全く動きがとれなくなるという経験をした方も多かったのではないでしょうか。今後大規模な震災に見舞われた場合、交通規制がかかり都心部への進入ができなくなりますが、街は再び大混乱することが予想されます。震災に限らず電車が動かなくなった場合など、とにかく移動しなければならない状況になった時、最も活躍するのが自動二輪ではないでしょうか?

様々な場面で移動手段の選択肢が広がれば、きっとあなたにとって重要なお助けアイテムになるでしょう。「持っててよかった自動二輪」きっとそう感じるに違いありません。

趣味が増える

移動手段だけでなく趣味として二輪に乗っている方も多いですね。春先や秋の紅葉シーズン、肌で季節を感じながらツーリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。みんなで車に乗って楽しい会話をしながらのドライブも良いですが、ツーリングだって、ドライブでは味わえない達成感と壮快感!最高ですよ。いろんな人に出会い、いろんな美味しいものを食べる。突然の雨や気候の変化、辛いこともありますが、それがまたツーリングの醍醐味で良い思い出になります。

あなたの趣味の1つに加えてみてはいかがでしょうか?

映えが狙いやすい

旅先では、絶景や美味しいもの、そこでしか味わえないいろんな出会いがあります。インスタグラムをやってる方にはこれ以上ないインスタ映えの宝庫です。特に女性ライダーには、お勧めですね。そのカッコよさと、美しさに注目されること間違いなし!インスタだけでなくモトブログを初めてみてもいいかもしれませんね。あなたの生活が一変すること請け合いです。

仲間や友達が増える

そういったSNSやブログなどを通じて、多くの仲間や友達が増えます。

また入ったばかりの学校や職場でなかなか仲間ができない方、共通の趣味の人がいれば、そこから仲間の輪が広がっていきます。既に存在するツーリングチームやサークルに入っても良いでしょうし、自ら立ち上げて仲間を増やす方法もあります。

もちろん仲間なんかいらない、一人で楽しみたいという方もいらっしゃいます。そんな方には一人で行くツーリングもお勧めですよ。一人で行くツーリングをソロツーリングと言います。でもソロドライブって言葉は聞いたことがありませんよね?ということはツーリングの場合、一人で行くからこそ魅力的なこともいっぱいあるということです。バイクって一人で楽しんでいても、知らないうちに仲間が増えてるなんてこともあります。

どんどん仲間を増やしてバイクライフを楽しんでください。

おわりに

これまで、二輪車の魅力についてまとめてみましたが、他にももっとあるはずです。そんな魅力に溢れた自動二輪免許、取らない理由が見つかりません。逆に二輪免許がいらない理由がわかりません。

ここまで読んでいただけたなら少しは二輪に興味があるはずです。二輪免許取得に迷っている方、親御さんや奥様に反対されている方、身長の問題で躊躇されている方、経済的に難しい方、二輪に乗るのが怖い方、いろんな方がいらっしゃいます。まずは、教習所に行って話を聞いてみてはいかがでしょうか?

まずはスタートラインに立たなければ何も始まりません。あなたの二輪のある生活、応援してます。

 

【自動二輪】バイクで死なない為の考え方

バイクは一度事故を起こせば「死に直結する乗り物」だということで、敬遠される方も多くいます。私は20年以上バイクに乗ってますが、今もこうして生きています。それって運が良いからでしょうか?因みに最近は危ないと感じる事もほとんどなくなりました。(いや、昔は危ないと感じた事も今では危ないと感じなくなったという方が正解か)経験値が上がれば、全ては予測の範疇にあるからです。

バイクは乗り方によっては危ない乗り物。

でも少しでも事故が起こりづらい走り方や考え方が備わっていれば、防げる事故がほとんどです。

そもそもバイクの事故って何で起きるのでしょうか?

・スピードの出し過ぎ?
・安全不確認?
・すり抜け?
・法令違反?
・技量不足?
・技量過信?
・自分に原因はなかった?

もちろん事故のケースによって様々ですよね。

でも死にたくないのはみんな一緒。死にたくて乗ってる人なんて誰もいません。

では、絶対死なないためにはどうしたらいいのでしょうか?

10代の頃バイクに乗って帰ってくるとよくこんな事を思ってました。
「ああ、今日も生きて帰ってこれた。」
そして夜中に帰ってきてすぐ寝ようとすると、心拍数が上がってしばらく眠れない、なんてことも。

今考えると、その頃の運転は「物凄く危ない走りをしていたなあ」とつくづく思います。

簡単にいうと、ただ走ってただけ。若さゆえの反射神経で標識標示なんて関係ない、ただ道路をくぐり抜けてきました。そして運が良かった。
そんな無謀な走りから年数を重ねるごとに、また教習指導員という仕事の助けもあり、あの頃から比べれば無意識に道路を読む習慣が身についていると思います。もちろん100%ということはありません。道路は想像を超える出来事が起こる場合がありますので。

では、元指導員という立場はもちろんですが、20年以上の運転経験から、私が意識している「バイクで死なない為の考え方」をまとめました。

バイクで死なない為の考え方

技量は必要、過信は禁物

当然のことながら、転倒しない為の技術を磨くことは必要です。教習所を卒業するレベルは最低ライン。年数を重ねるごとに多少上手くはなりますが、それはただ慣れただけで決して本当に上手なわけではありません。私も二輪を乗り始めて何年かした頃、自分自身では上手いと思って走っていました。大型二輪も敢えて試験場の一発試験で取得し、取得した喜びは感じず、当然という気持ちでしかありませんでした。しかし、普通自動車の教習指導員課程を経て、自動二輪の指導員試験の為に訓練が始まった頃、練習に付き合ってくれた先輩指導員の走りに驚愕しました。コーナーリング、低速バランス、小旋回、とにかく何もかも歯が立たず、私の自信も全て崩壊し、かなり悔しい気持ちになった記憶があります。

運転に自信のあるあなた。ハッキリ言ってあなたの運転も下手です。
一本橋3分以上乗れますか?
スラロームで3秒台のタイムが出ますか?
自動二輪に乗ったまま足をつかないで1分止まってられますか?

これができる人も上手だと思ってません。
上手だと思った時点でそれは過信です。

よく初心運転者講習(免許取得後1年以内に1回の違反で4点以上、2回の違反で3点以上の行政処分の付けられた方に対する講習)を担当していた時に、自信に満ち溢れた彼らに対し、絶対ついてこれないようなスピードで、かつ難しい課題をやってもらっていました。ついてこれた人は一人もいませんでした。そしてその後私はこう言います。「よくこの程度の運転で違反運転ができましたね。私なら怖くてできませんよ。」と。

上手な人ほど道路の怖さを知っています。
上手な人ほど違反運転が事故につながることを知っています。
上手な人ほど自分を抑えることができます。

転倒しないための技量は必要ですが、過信は禁物です。
その本当の意味がわかった時、事故を起こさないためのマインドが1つ備わったことになるでしょう。

法律は勉強せよ!

違反をした人の中には、違反をした自覚のない方も多くいます。
事故で亡くなってしまった方の中にも、自分で悪いことをしていたと知らずに亡くなった方もいるでしょう。

道路を使う上で、道路交通法を知らずに運転するのは自殺行為です。もっと言えば、殺人者です。

車は時に凶器になり得るからです。

私の持論ですが、違反者に対する罰則をもっと強化すべきだと思います。例えば、違反した者は、更新時に学科試験を受験しなければならないとし、合格点が出なければ運転免許を取り消しとする法律はいかがでしょう?絶対に誰しもが反対ですよね。でもそれって甘くないですか?人の命に関わる免許、法律を知らなくても反則金を収めればそれで良いというのは、いかがなんでしょうか。例えば法律を知らない人に自分の子供を轢き殺されたらどう思いますか?もう子供は戻ってきませんよ。

法律を勉強するということは、周りの人たちの命を救うことはもちろんですが、みんながそれを守れば、道路はとても安全になるのではないでしょうか?

法律を知らない = 死ぬ(殺す)可能性が高くなる

私はそう思います。

すり抜けは、あの世への近道

以前すり抜けが違法になるかどうかについて記事にしました。見てない方はこちらをどうぞ。

その記事でも触れていますが、そもそもなんですり抜けをするのでしょうか?
すり抜けること自体が運転の癖になってしまっている方も多くいらっしゃいますが、ほとんどの方は先急ぎが理由なのではないでしょうか?

自動二輪の魅力は目的地まで早く着く。そして早く到着するためにすり抜ける。

すり抜けという行為を肯定する方もまた多くいらっしゃいます。
「暑い中、寒い中、雨に打たれても頑張って運転している。自動二輪の最大の魅力は、目的地に早く着くこと。そして時間が読みやすい。だからすり抜けをするんだ。」と。そしてこうも言います。「事故はほとんど交差点で起きるもの。だからすり抜けをしても交差点に出るときは一旦止まりますよ。」

なるほど、交差点事故を防止するために交差点を出る前に一旦止まれば良いんだと。

しかし、当然事故は交差点だけで起きるものではありません。想像してください。

『渋滞の間をすり抜けていきます。交差点に出る前には一旦止まり、再びすり抜けます。しかし、交差点のないところを対向車が右折して曲がってきます。大型貨物が道を譲っているようです。しかし大型貨物の向こう側は、死角となって見えません。そのまま対向右折車に気付かず正面衝突して死亡事故になりました。』

なぜこのようなことが起きるのか。そうです。道路には、交差点だけじゃなく道路に面した駐車場が無数に存在します。コンビニ、ガソリンスタンド、マンション、その他。あなたはこれら全ての駐車場、脇道、その他見極められますか?私は運転経験が豊富ですが、はっきり言って無理です。

すり抜け行為そのものが事故を招き、そしてあの世への近道となるんんです。

死にたくなければ、お家を30分から1時間早く出ましょう。

速度超過は死亡フラグ

死亡フラグとは、ドラマやゲームなどで登場人物に近い将来おこりうる不吉な兆候。

フラグ=旗という意味で、作品内でストーリーや状況が大きく変わる節目、分岐点の目印を意味する。

例えば、戦争映画の登場人物が無事に帰れたら結婚することを語り出した場合「死亡フラグ」が立ったことが想像できる。大体その後の展開で結婚を語った兵士は戦死することになるというベタな流れになりますね。

とにかくドラマなどでその行為をするとその登場人物がこの後死ぬことになるだろうと予感させる瞬間の事で、仮にドラマで「速度超過」をしているシーンが出てきたとしたら、この後この人は事故を起こすんだなーと予見できませんか?

まさに二輪車の死亡事故の原因の多くは「速度超過」です。

でも、速度を超過したら事故を起こすのは当たり前ですよね。空走距離や制動距離は長くなりますし、遠心力、衝撃力などの運動エネルギーは速度の二乗に比例して大きくなっていきます。

速度超過をする人は、よっぽど運転に自信があるのか、気がおかしくなったとしか思えません。

とにかく死にたくないのであれば、速度は控えましょう。道路はそんなに甘くありません。

言葉無き会話を楽しむ

先日、私の運転する車の前で人身事故が起きました。

前方を走る二輪車が、突然左に寄せて停車しました。その直後を走る車が、まさか停まるとは思っていなかったようで、そのまま追突し二輪車は道路外へ弾き飛ばされ、二輪車の運転手は宙を舞い着地したところを更にその車に踏まれてしまいました。幸いにも命に別条はなかったようですが、あわや死亡事故という場面でした。

この事故の問題は、両者の意思疎通が図れていなかったということ。要するに言葉なき会話が成立してなかったということです。

走行中は、当然他車との会話はできせん。しかし相手の動きやその他の様々な情報の中で、この後の運転行動を読み取る必要があります。例えば方向指示器や走行位置はもちろんですが、相手の走行速度や運転手の視点、周囲の信号機や交差点、またお店など何かが起きる瞬間には、その事柄が起きる前に必ず何かの情報や手がかりが隠されているはずです。それを一瞬で読み取り、判断し、行動するんですが、経験の中で培っていくものです。

運転中こんなことがありました。あなたならこの後どうするか考えてください。

「片側一車線(時速40km制限)の道路を走行中、前方を走行中のタクシーがハザード(非常点滅表示灯)を点灯して左側に寄せていきました。(対向車、後続車はいません。また乗車の為に手を上げているお客も存在しない状況)」

 

大体の方は、このタクシーを単純に避けていくはずです。

 

しかし、その時の私は、何かの違和感を覚え、避ける為に右に寄せながら車両を停止させました。その瞬間です。タクシーは突然転回(Uターン)し、今来た道を戻っていきました。もし私が停止していなければ完全に巻き込まれていたはずのタイミング、瞬間的に状況を読み取りタクシーが突然転回してくるかもしれないことを予見しました。まさにファインプレー!

相手の動きを正確に読み取ること、そして自分が何をするかを正確に相手に伝える走行技術。この2つが確立すれば、事故の可能性はかなり低くなるでしょう。そしてそれを楽しむことができれば運転がもっと楽しくなるはずです。

交差点でスナイパーを見極めろ!

スナイパーとは、狙撃手のこと。日本の道路にそんな人いません。でも殺される人はたくさんいます。そう、ここで言うスナイパーとは事故の加害者になり得る人を指します。そのスナイパーを見つける能力が「バイクで死なない為」に、重要だと言うことです。

特に交差点は道路における最も交通事故の多いポイントとなります。そこで、相手を見極めるんです。

自動二輪と四輪以上の車両が交差点で起こす事故の特徴は、主に3つ「巻き込み」「右直」「出会い頭」です。いずれも死亡事故になり得る交通事故形態となります。

自動二輪の交差点での死亡事故事例を見れば、ほとんどのケースが二輪車が交差点を直進する際に起こっています。そう、ここに落とし穴があります。交差点を直進するといえば、最も優先であり、最も警戒が緩む瞬間。速度は落とさない、ブレーキを構えない、他車を警戒しない。言ってみれば「俺が優先!」と言う感覚になりやすいのです。でも周りの車はそうは思ってません。いや、思えないのです。理由は、二輪車が二輪車の運転手が思っている以上に小さい存在だからです。

例えば、こんな実験をしてみました。

・道路の真ん中に被験者を数名立たせておきます。
・被験者は指示があるまで目を瞑っているように指示を受けます。
・2度指示を受け目を開けます。
・1度目は普通自動車が自らのすぐ近くを走り抜けます。その時感じた普通自動車の速度を書き留めます。
・2度目は二輪車(400CC)の自動二輪が自らのすぐ近くを走り抜けます。再び感じた速度を書き留めます。
・いずれも同じタイミングで瞬間的に速度を判断し書き留めると言う条件で行います。

この時被験者はどのような速度感覚に感じているかは、多少のばらつきがあるものの。面白いのはほとんど全ての被験者が普通自動車の方が早い速度であったと結論づけます。実際には、普通自動車も自動二輪者も全く同じ速度で走っていたというもの。人間の感覚には錯覚があり、同じ速度でも小さいものの方がより遅く感じられてしまうということが、この実験でわかります。

道路を走る中で、運転手は一瞬で状況を判断し行動することを繰り返します。

自動二輪は、その存在が小さいが故、
・相手が遅く感じている(このタイミングなら曲がれると考える。)。
・死角に入りやすい(一瞬見えなければ、答えは存在しないものと考える。)。

しかし、自動二輪の運転手は、交差点を直進するのだから「俺が優先!」となりやすい。

・優先だと思いスロットル(アクセル)を戻さない。いや、むしろ加速する。自動二輪に対して
・先に曲がれる!あるいは、何もいないと思っている交差点周辺の車両。
この両者が衝突するのは必然であります。

「交差点ではスナイパーを見極めろ!」これは自動二輪を「軽視」、または「気付いていない」車両を見極めろということ。

これが見極められれば、あなたは交差点事故を回避することができるでしょう。

おわりに

今回は、私の経験を元に「バイクで死なない為の考え方」をまとめてみました。

この考えが常に備わっていれば、あなたは絶対に事故を起こさないでしょう。

技量研鑽に努め、法律を理解し、すり抜けや速度超過など自ら事故を招く行為は慎み、相手の動きを読み取る。

ここまでできればパーフェクトですが、なかなか簡単なことではありません。しかし、この記事をきっかけに何も考えない運転を卒業し、この究極に向かって一歩ずつ前進してみてはいかがでしょうか。

【軽井沢】スキーバス事故の真相に迫る〜何故あの事故は起こってしまったのか〜

2016年1月15日1時55分頃、長野県北佐久郡軽井沢町の国道の国道18号碓氷バイパスの入山峠付近で、定員45人の大型観光バスがガードレールを超え道路脇に転落した単独事故。乗員・乗客41人(運転手2人、乗客39人)中15人が死亡(うち乗員は2人とも死亡)するという、この30年の中で最悪のバス事故で、また犠牲者の多くが大学生だったということもあり、日本中の人が深い悲しみに包まれました。

何故こんな事故が起こってしまったのか、事故後TVなどで連日報道され、その事故原因について「運転手の飲酒?持病?居眠り?」「会社の管理体制の問題?」「車の故障?」など専門家によって様々な議論が展開されました。

教習所の指導員だった私も、指導員としての視点や運転手の人物像、また会社の管理体制などから、この事故の原因について検証してみました。

あの時車内では一体何が起こっていたのか?
誰が運転していても同じことが起きていたのか?

今となっては、運転手の方も亡くなっていますので、真実は闇の中ですが、今回はその運転手の視点に立って専門家などの意見や確認されている事実を元に私独自の考察をまとめました。もちろん事実と異なる可能性もありますのでご了承下さい。

事故の概要

バスは、群馬県から長野県方面に向かう国道18号碓氷バイパスの緩やかな下り坂を走行中、左側ガードレールに接触したのち対向車線へはみ出し、約100m先のガードレールに衝突しながら道路右側に転落しました。バスは3m下の斜面で横倒しになり、フロントガラスが割れるなど車体前面が破損。天井部分も立木に衝突しひしゃげて大破した。事故当時、路面は凍結しておらず、事故後の路面には通常のブレーキ痕とは異なる片輪だけのタイヤ痕が直線的に残されていました。本来バスはツアーの行程表によると、松井田妙義ICから上信越自動車道を利用して斑尾高原のホテルへ向かうことになっており 、事故現場となった碓氷バイパスは計画と異なる経路であったとされています。

乗客乗員合わせて41人中15人が死亡、無事だったその他の乗客も全員が負傷するという最悪の事故となりました。

事故の状況と原因

事故当時、マスコミによって事故状況が明らかにされました。

・運転手は大型バスの運転に不慣れだったこと。
・運行管理者に報告なくルートが変更されていたこと。
・事故を起こした会社「イーエスピー」がツアー会社「キースツアー」から国が定める基準額27万円から大きく下回る約19万円で依頼を受けていたこと。など

また事故原因についても様々な専門家によって議論が展開されました。

・運転手が一定の時間意識を失ってしまったのではないか。
・下り坂でブレーキが効かなくなってしまったのではないか。
・運転手が小型バスには慣れていたが、大型バスの運転に慣れていなかったから。

私も様々な意見を聞く中で、仮に自らが運転していたら同じような事態になっていたのか、またバス会社の管理体制が整っていれば、事故を防ぐことができたのかなど様々な疑問が出てきました。では、「運転手の気持ちになってみては?」ということで、事故の約5ヶ月後ツーリング途中に立ち寄ってみました。

写真は現在の様子(遺族会「1・15サクラソウの会」として2018年5月27日、事故現場近くに慰霊のため「祈りの碑」を建立しました。)ですが、私が訪れた時には、献花台が置かれ、バスが転落した付近と思われる場所は生々しい傷跡が残されていました。

私は、バスの進行方向を逆に戻る形で走行しました。注目したポイントは、カーブのキツさと斜度、また下り(私が進行している側だと登りということになります。)がどのくらい続くのかです。

カーブのキツさ

事故現場付近はものすごく緩やかなカーブで、群馬県側に近づくほど半径が小さくなる。ということは、バスは半径の小さいカーブを走り抜け、緩やかなカーブで事故を起こしたことになりますので、ハンドル操作の難易度は事故原因にはなりません。

斜度

こちらも緩やかな下りという印象です。しかし少し群馬県側に進むと軽井沢方向に向かって下り坂8%の道路標識があり、事故現場手前では少し斜度がキツめだったと言えます。運転手は突然の勾配の変化に耐えられなかった可能性はあります。

下りの長さ

事故現場のなった碓氷バイパスは合計45箇所のカーブがあり、事故現場は群馬県安中市側から数えて43番目となります。因みに下り坂が始まるのは39番目からで、事故は下り始めて4番目のカーブで起きたものです。ということは下り始めて間もなくの事故ということになります。また奇しくも事故現場を通り過ぎた目の前に緊急避難場所が存在し、そのカーブを通過していたら避難場所に入り助かっていたのかもしれません。

現場を見た感想

はっきり言ってこんなところで事故が起きるのが不思議なくらい難易度の低い道路という印象でした。でも事故は起きたんです。必ず何かの原因があるはず、そしてその原因を究明するためには、2つの謎を解く必要があります。この2つの出来事がなければこの事故は絶対に起こっていなかったからです。

2つの謎

1つ目の謎、何故ルートを変えたのか?

本来のルート

・東松山ICで関越自動車道を下りて、一般道で松井田妙義ICへ
・松井田妙義ICから上信越道で斑尾高原のホテルへ

変更されたルート

・本来休憩場所として設定されていた高坂SAを通過しそのまま関越自動車道で上里SAへ(上里SAにて休憩)
・その後高速道路から下りて事故現場となった碓氷バイパスへ向かうが、予定していた松井田妙義ICでは高速道路に乗らずそのまま下道で軽井沢方面に向かっていた。

変更された理由(現場の独断で変更されたため予想)

・事故車に乗っていた交代要員の運転手は前月の乗務中、高坂SAの混雑を理由に、イーエスピーに連絡し、当初下りる予定だった東松山ICを通過して上里SAで休憩を取り、当初利用する予定だった上信越道を利用せず国道18号を利用していました。事故車の乗客も「上里SAで休憩した」と証言しており、事故車の運転手も同様の理由でルートを変更した可能性があるとみられます。

・しかし当日は平日の深夜ということもあり高坂SAを通過したであろう23時頃が混雑していたということは考えにくく、現場の判断で都合の良いルートを選択した可能性が高いと思われます。乗客への説明で休憩場所や休憩回数について具体的なものはなく曖昧な説明だったという証言もあり、どちらかというとベテランの交代要員の運転手の意見で上里での休憩にしたのであろうことが予想できます。

・松井田妙義ICで高速道路に乗らなかった理由は、東松山ICから上里SAまで本来予算にない高速料金を使っているため、その帳尻あわせのため碓氷バイパスをそのまま進む道を選んだということになります。

・交代要員の運転手は過去に幾度か同じことを繰り返し、金額的にも時間的にもバスの運行上問題ないということがわかっていたと思われます。例えば天候などの状況によっては、通常のルートを使うとか、彼なりのマニュアルが頭の中にあったのでしょう。

・しかし、相方の運転手の技量までは測れなかった…。

2つ目の謎、事故当時、何故そんなにスピードが出てた?

では、その相方である事故当事者である運転手は、事故当時なぜそんなにスピードを出してしまったのでしょうか?
いや、出てしまった、あるいは抑えられなかったのでしょうか??

上の写真は、バスが事故を起こす直前(事故現場250m手前)に撮られた監視カメラ映像の静止画です。オーバースピードのために遠心力の影響を受けて車体が外側に傾いてしまっていることがわかりますか?バスは事故直前に急ブレーキをかけていたとみられましたが、監視カメラの映像ではブレーキランプは何度か点滅するが、ほとんど点灯したままの状態だったため、居眠り運転や意識を失っていた可能性は低く、何らかの原因で制御不能となっていたことが伺えます。事故当時のバスの速度は100km/h前後出ていたとみられますが、先ほども紹介した通り、事故現場は碓氷バイパスの長い上り坂が終わり、下り始めた矢先の事故であるということから、制御不能となってしまったことが理解できません。

車の故障?

事故を起こしたバスは2015年3月、メーカによる点検で、車体の床下および車輪支持部品の腐食が進み、使用が危険との報告が上げられたものの、修理されず車両が転売され運行されていたことが判明しましたが、このことが制動装置に影響し制御不能になったことは考えにくいと思います。

ベーパーロック現象?

よく教習で聞く話としては、「下り坂でのブレーキペダル多用は危険です。下り坂ではエンジンブレーキを使用し、なるべくブレーキペダルを使用しないようにしましょう。」というものです。これは、ベーパーロック現象(自動車のフットブレーキの液圧系統内部にブレーキフルードの過熱による沸騰で気泡(蒸気)が生じる現象として知られる。この状態でブレーキペダルを踏んでも気泡が圧力を吸収してしまいブレーキの効きは著しく悪化する。)によってブレーキが効かなくなり、制御不能となり得ます。

しかし、今回のケースは、大型バスでの事故のため、油圧ブレーキではなくエアブレーキ(空気の圧縮の力を使った制動装置)です。要するに沸騰するブレーキフルードが存在しないためベーパーロック現象は起こり得ないということになります。

バタ踏み

ブレーキペダルの踏み込み・ゆるめ操作を短時間に必要以上繰り返すと(俗にいう「バタ踏み」)、コンプレッサーに貯めた空気を消費し、ブレーキ力が失われる場合があります。今回のケースはこの可能性が最も濃厚と思われます

では、なぜ運転手は短時間にコンプレッサー内に貯めた空気を消費するほどブレーキを多用することになったのか。

運転手の経験と知識の不足

何度もお伝えしています通り、この事故は下り坂が始まった矢先の事故であります。しかし距離的にはアクセルを踏んでなくてもバスを時速100kmの速度まで加速させるには十分で、大型の運転手は小型バスの運転とは異なる下り坂の対応が求められます。

排気ブレーキ

ディーゼル車特有のもので、簡単いうとエンジンブレーキを強化するためのものです。大型貨物や大型バスではごく一般的で普段から仕事などで運転する方の中では知らない人はほぼいないでしょう。しかし今回事故を起こした運転手は、それを知らなかった可能性が高いと思われます。

引き上げられたバスのシフトはニュートラルになっていた

今回事故を起こしたバスが数日後に引き上げられ、その時の入っていたシフトはニュートラルだったことが報道されました。

ニュートラルに入っていたということは、下り坂の基本であるエンジンブレーキもそれを強化するための排気ブレーキも効きません。その為このような事故になっても何ら不思議はないということです。問題なのは、何故ニュートラルに入っていたかということです。

スキーバス事故の真相〜なぜこんな事故が起こってしまったのか〜(仮説)

・斑尾高原スキーツアーのバス運転手2名は、事前の打ち合わせで運行管理者への報告なくルート変更を確認した。この変更が重大事故を招くきっかけとなった。
・変更したことによって予定していた休憩ポイントは通らない可能性もあり乗客には曖昧な説明を行った。
・ツアー行程通りであれば立ち寄るはずの高坂SAは通過し上里SAで休憩。0時40分頃出発。この先で交代要員の運転手は仮眠をとっていたと思われる。
・事故を起こす直前の映像が現場1km手前と250m手前の2箇所で残されているが、現場1km手前(入山峠付近)の映像では特に異常は見られず、ここまでは運転手2名の計画通りだった。
・入山峠の坂を登りきり軽井沢町に入る頃、上り坂が斜度8%(100m進んで8m下る程度)の下り坂に変わる。
・現場では、下り坂の警告表示板が多数存在したが、運転手はそれに気付かず上り坂で使用していた力のあるギアから高速ギアへ入れ替える。すなわちそれはエンジンブレーキの効きづらいギアであり、バスは下り坂で速度を増していった。
・慌てた運転手は、シフトレバーを下げようとした(エンジンブレーキの効くギアへ入れようとした)が、無理なギアチェンジはギアの特性上入りづらく、何度か試すがギアはニュートラルのままになってしまう。
・エンジンブレーキ及び排気ブレーキの効かないバスは、一層速度を増していく。
・運転手はフットブレーキを何度も踏むが、エアコンプレッサーに貯まっていた空気を使い切り、事実上ブレーキの効かない状態で下り坂を駆け下りる。

あとは皆さんご存知の通りである。

おわりに

当然亡くなった方からは話は聞けませんので、上述の内容が事実かどうかはわかりませんが、おそらくこのようなことがバス車内では行われていたと考えるのが、自然ではないかと考えます。

この事故の原因が何だったかといえば、

1、バス会社の管理体制(運行管理の杜撰さ、運転手への教育不足等)

2、運転手の知識と経験不足

この2つが招いたものであることは、明らかであります。

またこの事故は、引き起こしたバス会社だけでなく、このツアーを企画した会社を含め全ての関係者にとって、重要なのは「人の命」よりも「金」と「客を回すこと」でありました。起きて当然の事故だと思います。

 

15名の尊い命は戻りません。

 

悔やんでも悔やみきれない腹立たしい事故ですが、この事故をきっかけにバス業界の安全への意識が少しでも変わることを祈っています。

【高齢者・運転免許】自主返納のススメ〜こんな方は免許を返納しましょう〜

近年、高齢ドライバーによる交通事故が多く報道されています。

当たり前ですけど、事故を起こしたくて起こしている人なんて誰もいません。ハンドルを握る以上誰しもが事故を起こすリスクがあって、高齢運転者ばかりが危ないわけではないんです。でも個人差はあるものの、60歳を過ぎる頃から運動機能が著しく低下するということは紛れもない事実。また、高齢者(特に75歳以上)の事故が死亡事故になってしまう割合も他の年代の倍以上とも言われています。

もはや、「自分は大丈夫。」とか「50年間事故を起こしたことがない。」という主観的な意見はあてになりません。テレビなどで報道されている高齢者の事故も他人事と思っていないでしょうか?今までは大丈夫だったかもしれませんが、今後はわかりません。ご家族や医師などの客観的な意見にも耳を傾け、運転免許を諦めることも重要な選択になるのではないでしょうか?

何か起きてからでは遅いんです。

事故を起こしてしまった方だって運転さえしていなければ、事故の加害者になることはあり得ません。

「後悔先に立たず」

というわけで今回は、運転免許返納を少しでも考えている方やご家族の方に運転を止められていて困っている方、認知検査の結果が思わしくなかった方などに向け「運転免許自主返納のススメ〜こんな方は免許を返納しましょう」というテーマについてまとめました。

運転免許自主返納のデメリット

運転免許を自主返納すれば当然車を運転できなくなります。運転ができなくなるということは足が失われてしまうことになり、特に足の不自由な方や車の運転が仕事だという方にとっては死活問題で運転をやめるわけにはいきません。

またドライブが趣味という方にとっても楽しみを奪われるわけですから抵抗感は計り知れないものだと思います。

その他のデメリットですが、金銭面はどうでしょう?車の維持にかかる費用(税金、保険、駐車料金、ローン、燃料代、メンテナンスなど)とタクシーや公共の乗り物等にかかる費用を比較する必要がありそうですが、毎日長距離を通院や通勤してる方などにとっては、金額的にも時間的にも浪費することとなり大きなデメリットと言えるのではないでしょうか。しかし、近距離での移動や頻繁に運転する必要のない方は、公共の乗り物や家族の送迎等をお願いした方が金銭的にはかなり浮きますね。

しかしながらこういったデメリットこそが運転免許自主返納に踏ん切りがつかない素因となっています。

本当に運転免許は必要ですか?本当に車が無ければ困りますか?事故を起こすリスクとどちらが大事ですか?

運転免許自主返納の特典・メリット

では、運転免許を返納するとどのようなメリットがあるのか考えてみます。

運転経歴証明書

・運転免許を自主返納された方には、「運転経歴証明書」を申請することができます。
・「運転経歴証明書」は、運転免許を返納した日からさかのぼって5年間の運転に関する経歴を証明するもので、これまで安全運転に努めてきた証明になります。

・「運転経歴証明書」は銀行の窓口などで身分証として提示することができます。現在は有効期限なく使用することが可能です。
・また、「運転経歴証明書」を提示することにより、高齢運転免許自主返納サポート協議会の加盟店や美術館などで、様々な特典を受けることができます。
・特典を受けられるのは、年齢等の条件があり都道府県によって異なります。よくご確認ください。

・特典内容は、自治体や民間によって様々で、公共交通機関の割引や有名ホテルの食事の割引など多岐にわたり、運転免許を自主返納することの大きなメリットと言えます。具体的な特典内容は都道府県別にホームページ等でよくご確認ください。

その他のメリット

車の維持費がかからない

デメリットの中でも述べましたが、車を維持するためには莫大な費用(税金、車検、メンテナンス、駐車料金、燃料費、車の購入費用その他)がかかるため、運転免許を返納すれば、当然そのコストはおさえられます。電車やバスの運賃と比較しても圧倒的にコストがかかります。ただし、山奥などに住んでいる方などは、電車やバスが近くを通ってないケースも考えられるため、維持費がかかったとしても、車がなくては生活が成り立たない方にとってはその限りではありませんね。

事故の加害者になるリスクはゼロ

車を運転する以上、切っても切れないのが事故のリスクです。中でも加害者になってしまうと様々な責任(刑事上、民事上、行政上、道義上)を負わなければなりません。

近所の目も気になるところ…。「あの方はいつまで運転するんだろう?」「近くで事故を起こさなきゃ良いけど…。」なんて思ってる人もいるみたいですよ。自分一人で道路を使うわけではありません。近所の人の目も気にしてみてはいかがでしょう?

高齢者講習を受ける必要がない

現在、高齢者講習の予約が大変取りづらくなっています。予約が取れないせいで運転免許を失効してる方も多くいらっしゃいます。因みに運転免許を失効している状態では自主返納出来ません。

また認知症の疑いのある方は免許を取り消される場合があります。この場合ももちろん自主返納は出来ず、先に紹介した特典は一切受けられません。

»【高齢者講習】認知症の人ってどのくらいいるの?

講習自体はとても意義のあるものですが、それはあくまでも運転者にとってのことです。教習所の運用上の問題もあり講習料金は増額傾向にあり、講習に関わるお金や時間、予約を取得するためのストレス、労力など考えると講習を受ける必要がなくなることは大きなメリットと言えます。

また75歳以上の方になると一定の交通違反をした場合に臨時の認知機能検査を受けなければならず、最悪は運転免許の取り消しになる恐れがあります。

»臨時認知機能検査とは?臨時認知機能検査と臨時高齢者講習

運動不足解消、健康促進 、時間の有効活用

運転をやめるということは、必然的に歩いたり自転車に乗ったり立っている時間が増えます。そのような何気ない動作も健康促進に繋がります。

また運転中は運転以外のことは基本的にできませんが、電車やバスでの移動は、読書や携帯電話でネットサーフィンなんかもできますね。長距離ともなれば尚のこと、時間を有効活用することによって今まで出会えなかった楽しみを見つけられるかもしれません。

こんな方は免許を返納しましょう

これまで、運転免許を自主返納したことによるデメリットやメリットついて紹介してきましたが、やはり人生の中で運転免許を返納することは一大行事。なかなか踏ん切りがつかないものです。そこで、私が思う「こんな方は免許を返納した方が良い」についてまとめました。是非これを見て参考になさってください。

・80歳以上の方
もちろん80歳以上の方でも十分運転が可能な方は多いですが、人生の一つの節目として考えても良い年齢。何度も言わせてください。「何かあってからでは遅いんです。」そして「道路は自分一人のものではありません。」。

・75歳以上の方が行う認知機能検査で75点以下だった方
認知機能検査の結果が49点から75点までの方は、「記憶力や判断力が少し低下している」という結果です。また、48点以下だと「認知症の疑いがあります。」という結果です。もしかしたら体調不良の影響で点数が低かった可能性はありますが、「認知症予備軍」とも言える結果です。
自ら幕引きとするのも格好の良い選択だと思います。よくお考えください。

»【認知機能検査】点数の計算方法。認知症のボーダーランは何点?

・70歳以上の方で最寄りの駅やバス停まで徒歩圏内の方
最寄りの駅やバス停まで徒歩圏の方は、早めに返納しても問題ないのではないでしょうか?逆に運転免許にこだわる理由が聞きたいです。よくゴルフをしに行くからとか、田舎に行くときに必要と言われる方も多いですね。何か理由があれば良いと思いますが、特に理由のない方は、早めに自主返納の特典を利用された方がよろしいかと思います。

・65歳以上の方で3ヶ月以上車を運転していない方
運転をしない期間が長ければ、運転に不慣れだったり道路交通の状況判断の遅れに繋がります。様々なリスクを考えると免許を継続することのデメリットしか想像できません。よくご家族の方と相談して良い決断をしてください。

・65歳以上の方でこの1年間に3回以上車をぶつけた方
もしかしたら気付かぬうちに運動機能が低下し、気持ちと動きにズレが生じてる可能性があります。ものにぶつけただけならまだしも、今後は人身事故につながる可能性は否定できません。3回の事故は何かのサイン。早めの決断が求められます。

・気を失う可能性のある持病をお持ちの方
そもそも運転してはいけません。運転すれば犯罪です。専門の医療機関で相談しましょう。

・運転についてご家族や医師から引退を勧められた方
自分あっての家族でありますが、家族あっての自分でもあります。ご家族が引退を勧めるのには何かしらの理由があるのでは?重要なことです。周りの意見に深く耳を傾け、自らを見つめ直してみてはいかがでしょうか?

・その他
視力が著しく低下した方や、認知症ではないが物忘れが多くなった方など

おわりに

この記事に目を通していただいた方は、少なからず自主返納に興味をお持ちの方なのだと思います。また、身内の方に返納をさせたいけど聞いてくれないとか。

返納をさせたい方は、送迎や買い物の協力など絶対的な協力体制を欠くことはできません。それを約束できなければ、返納させる権利はないでしょう。

運転免許の返納は人生にとって大きな大きなイベントです。周りの方の暖かい目でしっかりサポートしてください。

最後にもう一度

「免許は本当に必要ですか?」

「本当に車がなければ困りますか?」

「事故を起こすリスクとどちらが大切ですか?」

「何かあってからでは遅いのです。」

 

【高速道路】自転車が進入!なぜ後を絶たない?

2月14日23時過ぎ、「霞ヶ関トンネル付近」の首都高速道路上で一台の自転車が一般自動車に設置されたドライブレコーダーで撮影されました。映像を提供したドライバーによると「自転車は進入が禁止された高速道路を時速50kmで走っていた。」ということです。危険だと判断したドライバーは、携帯電話のハンズフリー機能を使って警察に通報し、3kmほど追従しながら警察に状況を報告。しかしその後、後続車にパッシングされ敢え無く自転車を追い越してしまいましたが、自転車はその直後、通報を受けた警察官により高速道路上で制止されたということです。

自転車の運転手は外国籍で「代官町内回り入り口」から進入したという。

どうして進入してしまったのか?

2月6日にも阪神高速道路でも自転車で高速道路を逆走するということが起きています。

相次ぐ進入、一体どうして高速道路に進入してしまうのか。一般的にはあり得ないようにも思いますが、歩行者や自転車が高速道路に進入してしまうケースは、年間400件以上起きているということです。ということは、1日1件は高速道路上へ歩行者または自転車が進入してしまっているという計算になりますね。そんなに入り口ってわかりずらいですか?または、自転車は進入してはならないことを知らないか…。

今回のケースで考えてみました。

・自転車の運転手は日本語のわからない外国人だった。

・当日は進入されたという「代官町内回り入り口」手前では、道路工事が行われており、高速道路の入り口がわかりづらい状況だった。
入り口付近は3車線(左2車線が高速道路の入り口につながる。)で左側2車線が工事中で通れなかった。
工事中の左側の2車線を避けて右側の車線を走ってきたが、高速道路の入り口付近で3車線に戻るので、自転車のキープレフトを守りそのまま進入してしまったのではないか。

・料金所は自動発券機であるため、24時間係員は常駐しているものの注視しているわけではない。

・入り口ゲートはバーが下がっているが、自転車が入るには十分なスペースがある。

・入り口ゲートの左側端には自動二輪車の万が一のためのガイドライン(破線)が引かれているが、見方によっては自転車レーンのようにも見える。

・入り口には英語表記でBICYCLE❌と書かれているが、夜間であることはもちろんであるが、とても見えづらい。

・進入した自転車は自転車のハンドル部にスマートフォンを設置し、カーナビアプリを使用していた可能性が高い。とすると、カーナビアプリのルート案内は基本的に車の設定になっていることが多く、車で通行することを想定して高速道路の案内をされていたのではないか。

おわりに

今回のケースは、様々な要因が重なって起きてしまったことが考えられますが、

日本は間も無く東京オリンピックを迎え、多くの外国人が日本に訪れることはもちろんですが、少子高齢化社会の日本において、人口がますます減少していくことが目に見えている一方、日本における外国人の割合が急速に増えていくことが必然的となっております。こうした背景からも、英語表記を増やしたり看板を大きくするなど、誰がみてもわかりやすい道路にしていくことが今後の日本の道路の課題となるでしょう。

【普通自動車免許】第一段階技能教習、上達の秘訣「3つのポイント」

車の特性である「走る」「曲がる」「止まる」という単純作業ですが、車という大きな箱を道路の形状に合わせて、また他の交通の流れを考慮しながら適切に動かすということは、とても繊細で難しいと感じる方も多くいらっしゃいます。

中には少しの説明を受けただけで、簡単に動かせる方もごく稀にいますが、ほとんどの方は第一段階の教習を開始したばかりの頃はうまくいかないことが多いと思います。

少なからず人それぞれが持っているセンスや才能、今までどれだけ車の運転に興味を持って助手席に同乗していたか、また個々の体格や性格も含め運転能力や上達の進度に影響していることは紛れもない事実であります。しかしながら、教習所に通い始めてやる気を持って頑張った方は、必ず免許が取得できることも事実であります。

この記事では、第1段階技能教習で運転がなかなか上達しない方や久々の教習で不安な方などに向け、一歩でも運転が上達できるように運転の基本「上達のための3つのポイント」について紹介いたします。

ポイント1「速度の調節」

車を運転する上で最も基本的なことであり最も重要な操作、それは速度の調節です。

どんなに運転が上手い人でもどんなに運転の慣れた人でも教習所のコースの全てを時速30kmのままずっと走り続けることはできません。直線やカーブは走れても曲がり角では早すぎて曲がりきれず事故になってしまいます。その場所に応じて適正な速度があり、その速度を超過すれば、カーブも曲がり角も曲がり切れないし、必要以上に遅ければ、余計にハンドル操作をしたくなり蛇行運転、また交通の流れが悪くなる原因となります。重要なのはその状況や場所の特徴に応じた速度になっているかどうかです。

教習所ごとに速度の設定は異なりますが、道路には必ず「直線」「カーブ」「曲がり角」があります。それぞれの場所ごとに適切な速度に調節しましょう。

直線の速度

直線は、教習所ごとに制限速度(30〜50km/h)の設定が異なります。
仮免の検定では長い直線路において指示速度が設定されており、指示された速度で走らなければならない課題があります(渋滞等あれば出さなくても良い。)。もちろん出さなければ減点対象となります(減点10点)。また指示速度を受けない直線でも、速度が出せる状況なのに出さなければこちらも減点の対象となります(特別減点10点)。

検定以外での教習中も指定された制限速度は積極的に出した方が良いです。その理由は、
・速度感覚の練習(様々な速度での感覚になれるため)
・ブレーキの練習(速度を上げなければブレーキを踏む必要がなくなるため、ブレーキングが下手なままになります。)
・交通の流れが円滑になる(教習所では自分一人だけ練習しているわけではありません。周りの教習生のためにも積極的に)
・練習量が増える(速度が上がれば、一定の時間での走行距離が伸びるため、単純に練習量が増えます)

このように速度を出すことのメリットは多くあり、出さなければ良い練習はできません。

カーブの速度

もちろんカーブの形状によってカーブでの円滑な速度は異なります。理想的なのは、それほど遠心力がかからない中で安定した速度で走行できることが重要です。カーブの半径が小さいほど(例えば陸上のトラック競技であれば、6コースより1コースの方が半径が小さい。)速度を抑えるようにしましょう。カーブの形状による円滑な速度がわからない場合には、同乗している指導員に聞きましょう。ただし速度を教えてもらっても速度計を注視しすぎないように気をつけましょう。

スローイン・ファストアウト走行が有効

カーブに進入する前までに断続ブレーキ(ブレーキを数回に分けて踏むこと)によって十分速度を落とし、カーブの終わり(直線の始まり)とともにアクセルを踏んで、加速しながらカーブを抜けること。カーブに対して「ゆっくり入って速く出る」ということです。まだ運転に慣れていない教習生の方は、「ファストインスローアウト」、要するにカーブに対し速く進入して遅く抜けてしまっている方も多くみられます。

曲がり角や交差点を右左折するときの速度

曲がり角や交差点を右左折する場合の速度は、徐行です。

徐行とは

徐行とは、車が直ちに停止できる速度で進行することをいい、一般的に時速10km以下で、ブレーキをかけてから1m以内に止まれる速度と言われています。ですから、たとえ時速10km以下であっても他に気をとられていたり。操作にもたつき1m以内に止まれなければ、それは徐行ではありません。

曲がるどのくらい手前までに徐行にすべきか

交差点に近づいてから減速していたのでは、間に合いません。その出ている速度により早めのうちから減速し、少なくとも1車長(車1台分、約5m)から2車長(約10mくらい)手前までには徐行しておかなければなりません。

曲がり角や交差点の左折時に大回りになる場合は、減速が間に合わない事が原因となっている場合が多く考えられますので早めの速度コントロールを意識しましょう。

ポイント2 「視点」

基本的に車の運転は、目で誘導すると言っても良いくらい、視点の向け方が重要となります。何を見て何を意識して曲がるか、またこの先がどのような状況になっているかを早めに判断することによって、適切な走行位置を選択します。

視覚吸引作用

人間の特性の中でも運転操作の邪魔となるものがあります。

例えば、凄く綺麗な女性が歩いていたり、また美味しそうな食べ物があったりするとその気になるものに視線を奪われることがあります。また同じように、見たくないものでも、危険なものや怖いものなどつい見てしまう無意識の習慣があります。これを視覚吸引作用と言い、運転中は見たものや意識したものに吸い込まれる特性もあるため、むしろ積極的に危険なものに接近してしまうという現象が起こってしまいます。

例えば運転中も対向車が怖いとか縁石にぶつからないかなど危険なものに意識を向けたとき、その恐怖心からかハンドル操作が固まってしまい、柔軟なコントロールが困難になります。そうならないためにも対向車や縁石、壁などが近づいてきても、意識的に進行方向の走行ラインを確認し、正しいところを走れているかを確認しましょう。

視点の向け方「直線」

慣れないうちは近くばかりを見ようとするため、無意識にアゴが上がってしまうことが多いです。近くから遠くにかけて直線の全体を意識し、先の方の道路の中心あたりに目標おきます。その目標に向かって進行できているかを意識しましょう。もし車体の進路がズレ始めていたらハンドルで微妙な修正を行います。

視点の向け方「カーブ」

カーブ走行時も直線路と同じように視点を先に向け、カーブ全体を意識します。特に曲がる先を意識するため、カーブの形状によってはフロントガラスの枠外のピラー(窓の柱)あたりや横窓にも意識を向けなればなりません。外側の縁石や対向車に意識を奪われていないか注意しましょう。

視点の向け方「左折」

左折時のハンドルを回すタイミングは、曲がり角の形状にもよりますが、教習所の場合、基本的に直角に曲がることが多いため、内角の延長線に前車輪が差し掛かるタイミングで回し始めるため(下のイラストでも解説)、視点は曲がった先の縁石の延長線で、左ミラーの付け根あたりに見えるタイミングと言われていますが、練習時に自分自身でわかりやすいタイミングを見つけておきましょう。

修了検定時には、左折で脱輪したことが原因となり中止になるケースも多く、そのほとんどが正しいところを確認できていないために起こっています。正しいところを意識できるよう習慣付けましょう。

視点の向け方「右折」

右折方法は、中央線に寄せている状態から、交差点の中心のすぐ内側を通り曲がった先の左車線に向かいます。そのためまずは交差点の中心の道路標示を確認し曲がりながら近づける意識を持ちます。曲がり始めの頃から中心の表示は死角に入り確認できなくなるため、曲がった先に意識を移し、正しい場所に向かっているかを確認しましょう。

ポイント3「ハンドルの回し方、戻し方」

速度や目線が適切なのに正しく曲がれない場合、ハンドル操作に問題がある可能性が高いです。教習の中でもハンドルの回し方を修正するだけで劇的に運転レベルが上がる方も多く、正しく回せているかを注意してた方が良いでしょう。

ハンドルの回し方には、「送りハンドル」「内掛けハンドル」「小刻みに手を持ち帰るハンドル操作」など様々ですが、どれもお勧めできません。と言いながらハンドルの回し方、戻し方についての具体的な解説は別の記事にまとめたいと思います。ただこれだけは言えます。ハンドルの回し方をちゃんとやるだけで運転は上手くなりますよ。

今回は、「直線」「カーブ」「右左折」のハンドル操作で注意すべきことをまとめます。

ハンドル操作「直線」

直線路では、どんなに上手い人でもずっとハンドルを固定したまままっすぐは進めません。ハンドルの修正は必ず行わなければなりませんが、運転に慣れてくるとズレてくる車の方向を修正するというよりは、ズレないように合わせるという感覚になってきます。ということは、ズレが生じている段階でおかしいということになります。それはいわゆる蛇行運転。あっち行ったりこっち行ったりではなく、とにかくズレないように合わせます。直線路では、ハンドルの回し方よりも視点の向け方の方が重要になります。

ハンドル操作「カーブ」

カーブでのハンドル操作で陥りがちなのは、ハンドルを持ったまま手が固定されてしまい、急なカーブなどで外側に膨らんで曲がってしまうというケースです。特にハンドルを回した時、下方に来る手が持ったままだとそれ以上回せなくなるため、大回りになることが多くなります。また、闇雲に回すのではなくカーブでは微調節が大切。修正が大きくなりすぎないように注意しましょう。

ハンドル操作「左折」

教習所の左折は、コースの設計上、ハンドルを左へ全部回して曲がります。
回すタイミングは、曲がり角の内角の延長線に前車輪が差し掛かる頃なので、自分なりの目印が決められて正しいハンドルの回し方ができればられればもの凄い簡単に曲がれます。

左折の曲がり方をイラストで解説

ハンドル操作「右折」

「右折」は「左折」とは違い、目標に来たら全部回すわけではありません。交差点の形状を考慮して、交差点の中心のすぐ内側を徐行で曲がっていきます。ですからハンドル操作もカーブのように回していきますが、

回し始めは、交差点の中心の表示が運転席からボンネットの死角で見えなくなる頃で
回す量は、1回転回さないくらいで調節します。

右折の曲がり方をイラストで解説

おわりに

第一段階の初期に苦労している方に向けて解説してまいりました。

お話の中に出てくる3つのポイント「速度調節」「視点」「ハンドル操作」ですが、この3つがリンクしていれば必ず綺麗に曲がります。ただし、この3つをリンクさせることが難しいんです。

・「速度調節」ブレーキとアクセル   →足元の操作
・「視点」目と意識で車をコントロール →頭の中の意識
・「ハンドル操作」正しい回し方と戻し方→手元の操作

これら3つが全てバラバラな動きをしなければなりません。

しかし、ただ闇雲に運転するだけでは、上達も遅くなってしまうでしょう。ですからやるべきことが具体的にわかるように頭を整理させて教習に臨みましょう。健闘を祈ります。

【大型自動車教習】隘路(あいろ)のコツ、解説

平成19年の道路交通法改正より中型、大型、中型二種、大型二種免許に関わる車両の基準や教習内容などが大きく変わりました。変更点は「路端への停車」や「貨物特性」「夜間の運転」など様々ですが、今回はその中でも苦手な方の多い「隘路(あいろ)」について解説いたします。

隘路って何?

調べるとこんなことが書いてあります。

あいろ【隘路】
①狭い道。狭く険しい道。
②物事を進めるのに障害になるもの。難関。ネック。
③ボトルネックに同じ。

教習で行う「隘路」は②の意味が強いのかなと思いますが、よくこんな名前をつけたものだと感心します。

では、本当に「障害」となり、「難関」なのか?
その中身に入っていきます。

まず、隘路とはどんなことをするのかといえば、一言で言うとコンビニなどの駐車場でたまに見かける いわゆる「前向き駐車」です。ただし、まっすぐの状態からの駐車ではなく90度向きを変えて入れなければなりません。

その格納する場所の白線の長さや幅は次の通りです。

隘路の白線の長さや幅

因みに中型、大型自動車の幅や長さは次の通りです。

・中型 長さ→約8m
幅 →約2.3m

・大型 長さ→約12m
幅 →役2.5m

隘路について、「前向き駐車」と説明しましたが、格納する場所は、上の図の中央部にある、長さ12m(中型車は8m)の2本線の間です。実寸から考えると、長さにはほとんどゆとりがないものの、幅に関しては、中型大型それぞれ0.5m程度のゆとりがあります。

隘路を行う際のルール

・上の図の左側の最も長い白線は踏んではならない。踏んだ場合は、脱輪となる。

・左側の長い白線に沿わせている状態から90度右(左)に向きを変えている間は途中停止してはならない。
(止めた場合は、全身迂回でやり直しとなる。)

・中央の12(8)mの白線を踏むことはできる。

・格納範囲は中央2本線の進行方向前側と左右側方からミラー以外の車体の一部がはみ出ないところ(下のイラスト 色の部分)

・格納範囲から逸脱している場合には3回以内で切り返しできる(4回で検定中止)。<切り返し範囲は後ほど紹介>

隘路のコツ、裏技紹介

①−1外側の白線を踏まないように、しっかり添わせる(添わせることにより曲がる側に距離的なゆとりができる。)

①−2前車輪が手前の白線を超えるくらいのタイミングでハンドルを回す。
前輪の位置が掴めない場合は、自分なりに回し始めの目印を作る。目印の立て方は、運転手の肩が手前の白線を超えたぐらいで回し始めると覚えるのが基本ですが、感覚には個人差があるため、人によっては、入るスペースの中央に自分の肩が来たら回すと覚える方もいるようです。何度も練習していくうちに目印を微妙に修正し、検定までに確実なタイミングを掴んでおきましょう。

②−1曲がっていく途中は、車両全体の動きを確認する。
・後輪の軌跡(この場合、中央の白線を踏んでいても問題はない。後輪が曲がった先のどこに入ってくるかを予測しながら通る。)
・左右の幅(左右のミラーで後方に見えてくる左右の白線と車両の幅との隙間がバランスよく均等な間隔で進入できているかを確認。)。
・曲がる側の前車輪(イラストの場合、右前輪)が概ね2本線の外側から少しだけ外にはずれて曲がれているか(イラスト 色の線、この位置を通れていればハンドルが全部回っている状態だった場合ベストラインと言える)。

③左右のミラーなどで指定の範囲に収まっているかを確認して、収まってれば、N(ニュートラル)ギアに入れ、パーキングブレーキをかけて、終了した旨を検定員に告げる。収まってなければ止まることなく切り返しを開始する。

課題の範囲から逸脱した場合の切り返し

課題の範囲から逸脱した場合の例

④課題の範囲から前がはみ出している

⑤課題の範囲から横がはみ出している

隘路の切り返し範囲

④や⑤のように課題の範囲に収まらなかった場合は、直ちに切り返しを行います。ただし、切り返しの範囲も決まっており、その範囲から逸脱した場合は、検定中止となりますのでご注意ください。

前の切り返し範囲は、3(2.7)mに引かれた白線からミラー以外の車体の一部が超えないこと
後ろの切り返し範囲は、後輪の接地面が格納範囲を超えないこと

この範囲の中で3回まで切り返しを行うことができます。

切り返しの方法

切り返しの方法は、その状況によって様々ですが、イラスト⑤の状況からでもその後の前進のなかでイラスト④の状態に誘導できれば、あとはまっすぐ下がるだけなので「切り返し」としては非常に楽になります。しかし、大幅にズレてしまった時などは、普通自動車の車庫入れなどでよく使われる「幅寄せ」が有効となります。

おわりに

記事冒頭で、隘路は「前向き駐車のようなもの」と説明しましたが、私はバックで車庫入れするよりも前向き駐車の方が難しいと思います。その理由は、後輪の動きを読み取って内輪差の影響を考え全車輪を誘導しなければならないからです。

しかしながら長さは違えど、やっていることは普通自動車での考え方と全く一緒。

・ハンドルの回し始め
・車輪の動き
・切り返しなど

この記事で紹介したポイントを参考に実践すれば苦手な方も必ず克服できるはず。

因みに今まで私が見させていただいた方で、隘路が苦手な方は、そもそも低速のコントロールの苦手な方が多かった印象です。
そんな方へ低速コントロールについても別の記事で紹介したいと思います。

それでは健闘を祈ります。

 

【仮免検定】合格の秘訣!「切り返し」の方法解説

車の免許を取得する上で、第一段階の最終砦が修了検定、いわゆる仮免試験です。この試験に合格しなければ仮免許を取得することはできません。また仮免許を取らなければ路上教習はできませんので、なんとか一度で合格して第二段階に繋げたいところ。

今回は「修了検定合格の秘訣」第一弾として、「切り返し」をテーマにして解説してまいります。

修了検定合格基準

修了検定に合格するには、第一段階で教習した基本操作やS字やクランク、坂道発進などの課題、また安全確認などが習得できているのかがポイントになります。

合格基準は、最初の持ち点100点から減点方式によって採点されます。許される減点は30点(中型、大型自動車は40点)なので最終的に70点(中型、大型自動車などは、60点)が残ってれば合格となります。例えば、左折大回りは5点減点、巻き込み不確認があれば10点減点など、行う行為によって減点の点数も異なります。もちろん一度で検定中止の課題もあるので、なるべく大きいミスは避けたいところです。

最も不合格の原因となっている課題

一時不停止や信号無視、減点超過など基本的に不合格の原因となるものは決まってきますが、その中で最も多いのは、S字やクランク(第一段階11項目「狭路の通行」)です。第一段階技能教習の中でしっかり練習しているはずだし、また習得できているからこそ第一段階最終時間「みきわめ(教習効果の確認)」にもパスしているはず、なのになぜか検定では練習の成果が出せない方が多いです。

なぜ狭路で不合格になるのか

狭路で不合格になる原因は、脱輪や接触によるものです。

採点基準

脱輪大(検定中止)タイヤが縁石に接触し、その後縁石に乗り上げ1.5m以上進行した状態
・脱輪中(20点減点)タイヤが縁石に接触し、少しでも縁石に乗り上がった状態から切り返した場合
・脱輪小(5点減点)タイヤが縁石に接触したが、縁石に乗り上げる前に切り返した場合
※タイヤが縁石に触れただけで切返さず通過した場合、「脱輪小(5点)」+「速度速すぎ小(10点)」で合計15点減点となる場合がある(都道府県によって考え方が少し異なる)。
接触大(検定中止)車の一部が立体障害物(ポールなど)に強く接触したり、軽くでも押した場合
・接触小(20点減点)車の一部が立体障害物に軽く接触したがその後切り返した場合

修了検定合格のために重要なこと

上の採点基準を見ておわかりの通り、検定が中止となるのは、縁石を乗り越えてそのまま行ってしまったり、障害物に強く接触した場合です。「切り返し」をした場合は、必ずしもその行為が不合格の原因になるわけではなく、減点の適用のみとなります。

先ほど述べたとおり、修了検定の最も不合格の原因となっている課題は「狭路の通行」です。ということは不合格の方のほとんどは「切り返し」をしなかったか、あるいは「切り返し」をしたが適切なものではなかった、ということです。

これだけは断言できます。

「切り返しを制するものは、全ての教習を制す!!」

嘘ではありません。ここから、切り返しについて解説しますので、ダマされたと思って、しっかりマスターしましょう。

「切り返し」の解説

クランクやS字を通行する際の失敗例は様々ですが、基本的には2種類しかありません。

1、ハンドルの回し始めが遅く前が曲がりきれなくなってしまうパターン
2、ハンドルの回し始めが早く内輪差の影響で内側の後輪が脱輪するパターンです。

切り返しによる減点

切り返しによる減点は、切り返しを行う場所によって異なります。

1)クランクやS字などに車の一部でも入っている場合

・1回目の切り返しは、チェックは入るものの減点にはなりません。

・2回目の切り返しから5点ずつの減点となります。

・切り返し可能回数は3回まで、4回目で検定中止となるのでご注意ください。

2)クランクやS字以外の場所での切り返し

・1回目から5点の減点が入ります。

・この場合、70点合格ラインの減点が許される限り何度でも可能です。

※いずれにしても、ゆとりを持って検定が進行できるよう、なるべく少ない切り返し回数でゴールを目指しましょう。

1、ハンドルの回し始めが遅れてしまい前が曲がりきれない時の切り返し

上のイラストのような状態。ハンドルを右に回すタイミングが遅れ、大回りになってしまい、左の前方が接触しそうになっています。

この場合、まず気をつけなければならないのは、前にぶつかりそうになっていることに気付くことです。クランクでは、前方にポールなどの障害物があり、ぶつかりそうなことに気付かなければ、ポールへの接触で「接触大」、検定中止となってしまいます。よく教習の中では、曲がる先を見るように指導されることがありますが、接触に気付かなければそれは事故ですから曲がる先ばかり見ていれば良いというわけではありません。前方が通過できるか、またぶつからないかどうかしっかり確認してください。因みに狭路の通行で重要なのは、内輪差による影響を考慮して大回りで通ることが基本です。そのため前方のポールに対し、ある程度近付けて通ることが理想なので、それを確認する意味でも前方のポールはしっかり見てあげましょう。

また、「一か八か、なんとか通ってくれ!」という神頼みは禁物です。上に示したように切り返しは、大きな減点になるわけではないので、「切り返せばいいや」くらいの軽い気持ちで行えるように、切り返し方法はしっかり頭に入れておきましょう。

切り返し方法

この場合の切り返し方法は、当然バックするわけですが、ハンドルを回す方向は、簡単に一言で覚えれば良いです。

「ぶつかるタイヤに向かって回せ!」です。

ですから上のイラストの場合、の前方がぶつかりそうになっていますので。

左にいっぱいに回してバックすれば良いわけです。そうすれば、車のお尻(後方)は左の方向に向かい、また前方は進行方向へと傾くため、曲がりやすくなります。
この場合の後ろに下がる量は、次に曲がれる程度で良いので、下がったとしても50cm程度で十分。下がり過ぎれば、内側に近づきすぎてしまうため、逆に内側が危なくなってしまいます。

そして気を付けなければならないのは、再び進行方向にハンドルを回し直してから前進すること。そのままのハンドルで前進したら「ぶつかる方向」にハンドルが回っているわけですから すぐにまたぶつかってしまいます。

車の前がぶつかりそうな場合の切り返しポイント

1)バックする前に後方の確認を忘れずに!
2)バックギアに入れ忘れないように!
3)ぶつかる方向に向かっていっぱいハンドルを回す。
4)バックする距離は少し(50cm以内)で十分。
5)再び進行方向に回し直す(この場合、慣れてきたら下がっている途中から、下がりながらハンドル操作できるのが理想。)。
6)前進のギアに入れ忘れないように。

2、ハンドルの回し始めが早くて、内側の後輪がぶつかりそうな場合の切り返し

このイラストの場合、ハンドルを左に回すのが早すぎて、内輪差の影響を受けて左の後輪が脱輪している状態です。

切り返し方法

ズバリ、この場合も前がぶつかりそうな時の「切り返し方法」同様の合言葉「ぶつかりそうな方へ回せ!」を適用します。

そうすると、このイラストではの後輪が脱輪しているわけですから、に回すということになります。
しかしハンドルはすでに左に回ってる状態なので、さらに左に回すことはありません。というわけで、内側のタイヤが接触した場合にはハンドルはそのまま下がれば良いということになります。

ただし、前が曲がりきれない場合の切り返しでは、バックする量は「次に曲がれるくらい(多くても50cm)」くらい下がればよかったわけですが、内側が接触した場合は、ハンドルはそのままで元に戻るわけですから、再び同じことを繰り返さないように完全に道路に対してまっすぐまで下がった方が確実です。

その後前進する際は、もともと接触した原因が、ハンドルの回し始めが早かったためなので、今度は少し回す時機を遅らせて曲がっていきます。当然遅らせ過ぎれば、今度は前がぶつかってしまうので注意です。

内側のタイヤがぶつかりそうな場合の「切り返し」ポイント

1)バックする前に後方の確認を忘れずに!
2)バックギアに入れ忘れないように!
3)ハンドルはそのままでバックする。
4)バックする距離は道路に対してまっすぐになるまで下がる。
5)ハンドルを元に戻し前進する。
6)同じミスを繰り返さないように曲がる時機を少し遅らせる。

S字での切り返し

S字カーブで脱輪した場合も、上記の通り切り返せば、問題ありません。
「ぶつかりそうなタイヤに向かって回せ」です。

しかし、内輪差が影響して内側の後輪が脱輪した場合、ぶつかりそうな内側のタイヤに向かって回してバックするとさ、らに内側の縁石に食い込むように乗り上げてしまう恐れがあります。理由は、S字の場合必ずしもハンドルを全部回して進行するわけではなく、まだ内側にハンドルを回す余地が残っている可能性があるため、さらに回してしまった場合もっと内側に食い込んでしまうということです。少しわかりずらいかもしれないので、こう覚えてください。

「S字でぶつかったら、とにかくそのまま元に戻れ!」です。

元に戻ると言ってもどこまで下がるかですが、

修正可能な位置までです。距離でいうと1m〜1.5mくらいでしょうか。

基本的にS字で接触する方の多くは、内輪です。ハンドルを回しすぎたか、回し始めが早かったことが原因となってます。
ですからバックしたのち再び前進するときは、小回りにならないように大回りを意識して修正しましょう。

S字が苦手な方はこちらの記事で通り方の解説をしています。

»S字克服!仮免検定、合格の秘訣

まとめ

皆さんならこんな二人がいた場合どちらかといえばどちらが理想でしょうか?

1、練習中、クランクやS字に関しては百発百中で通過できるけど、切り返しを全く理解していない人

2、練習中、クランクやS字で必ず脱輪してしまう。でも切り返しが完璧な人

もちろん言うまでもなく2番が理想です。理由は、最終的に狭路から脱出できるから。
1番の人は、普段の練習では完璧に通過できるかもしれませんが、試験だったらそうはいきません。必ずしも練習の成果が出せるとは限りませんので、脱輪した場合はかなり焦ることになるでしょう。備えあれば憂いなし。失敗した時の対処法がわかっていたら「失敗しても切り返せば良いや」と、気持ちにゆとりが持てるでしょう。

「切り返しを制するものが全ての教習を制す」です。

免許取得後も嫌ってほどやることになりますので、しっかりマスターしておきましょう。

 

【高齢者講習】適性検査とは 内容をわかりやすく解説

運転免許の更新時に70歳以上になる方は、高齢者講習を受けなければ、更新することはできません。

高齢者講習内容は、2時間講習の場合、運転実技、適性検査、双方向講義を行います。その他75歳以上の方は講習の前に行う認知機能検査の結果により、3時間講習に該当する場合があります。この場合、2時間講習の内容に加え、個別指導などが加わり、ご自身の運転について映像を確認しながら、アドバイスを受ける内容となっております。

今回は、この中で適性検査について、解説してまいります。

適性検査とは

高齢者講習で行う適性検査とは、いわゆる視力検査のことです。ただし、運転免許更新時に行う通常の視力だけではなく、運転に深く関わりのある視力で動体視力、夜間視力、水平視野の計測をします。

また、運転免許の更新時に行う視力検査と違い、この検査は試験ではありませんので、合否があるわけではありません。ですから、検査の結果が悪くても講習を修了すれば、(医師の診断結果で認知症との認知症と診断を受けた方を除く)全ての方が運転免許の更新ができますので安心してください。

この検査の最大の目的は、今後の運転のあり方について、ご自身で考えるきっかけを作る為の検査です。ですから、結果は良いに越したことはありませんが、悪かった場合も悪かったなりの運転方法や考え方をご自身なりに見つめ直していただくことが大切です。人によっては、この結果次第で、夜間の運転を引退される方もいらっしゃるようです。

では、動体視力、夜間視力、水平視野それぞれの検査の仕方と検査結果による注意点などを解説します。

静止視力と動体視力

静止視力

静止視力とはその名の通り、止まっている状態で止まったものを見る時の視力です。

静止視力の検査は、きっと誰もが馴染みのあるランドルト環(C) のマークのどちらが空いているかを答えるものです。かつては斜め方向もありましたが、現在は、上、下、右、左の4択となっています。

機械は、上下左右を声で答えてもらうタイプと手元のレバーで指し示すタイプとありますが、いずれも正解だとCマークが小さくなり、確認できなくなったところの前に正解したところが結果となります。因みに運転免許更新に必要な視力は次の通り、

運転免許の更新に必要な視力

一種免許(大型自動車、牽引免許は除く。)、大型特殊、自動二輪免許

・両眼で0.7以上
・片眼で0.3以上
・片眼が0.3未満の場合は他眼の視力が0.7以上

二種免許、大型自動車、中型自動車、牽引、大型仮免許

・両眼で0.8以上
・片眼で0.5以上

原付、小型特殊免許

・両眼で0.5以上
・片眼が見えない場合は他眼の視力が0.5以上

となります。基本的には普通自動車第一種免許をお持ちの方がほとんどですから、0.7以上が求められます。

高齢者講習の視力検査で更新に必要な視力に届かなくても、講習自体に合否はありませんが、更新時に測る視力検査では基準に達しなかった場合免許更新はできませんので、更新前に眼科医や眼鏡屋さんなどと相談した方が良いでしょう。

でも、機械によっても相性があるようなので、講習で行う検査の結果が悪くても更新時には問題ない方も多いようなので、なんとも言えませんが、目は良いに越したことはないので、更新時には万全にしておくことをお勧めします。

動体視力

動体視力は、自らが動いているか目標物が動いていた場合の視力になります。基本的に静止視力と同じ検査機で測定しますが、今度は先程のランドルト環(C)マークが近づいて来る状態でどのくらい視力があるかを計測します。

計測方法

・ランドルト環が50m先にある設定(視認するのは困難な状態)から時速30kmの速度でご自身に向かって近づいてきます。

・ランドルト環の空いた方が確認できたら素早くレバーを倒し回答します。

・もちろん早く回答できた方が結果が良くなります。

・練習2回やった後、本番は5回行います。

・本番5回の平均値が結果となります。

70歳代の平均値

動体視力は、動いている状態での視力なので、静止視力よりも視認するのは大変困難となります。例えば、時速50kmで走行していた場合、視力が1.2ある若者でも0.7まで下がると言われてます。

この動体視力は、50代以降急激に低下し、70歳以上の方の平均は、時速30kmで走行中であったとしても0.1~0.3くらいと言われています。

動体視力が低下している方の対策

残念ながら動体視力を矯正することはできません。物の動きを捉える能力や反射神経は歳を重ねるごとに低下します。動体視力低下を補うためには、

・速度を控えめにしたり

・注視点を遠くに向けるなど

運転の中で工夫していく必要があります。しかし、速度を控えるといっても時速30kmの想定でも0.1という結果だった場合は、これ以上なかなか速度を控えようがありません。ですから運転中は意識的に注視点を遠くに向けて、早めに先の状況を確認する意識が必要となります。ただ、遠くを見ようにもそもそもの視力が低ければ遠くの確認は出来ませんので、ご自身の視力にあった矯正や白内障の手術など、専門機関で相談しましょう。

夜間視力

xusenru / Pixabay

高齢者講習の中で受講者の方が最も苦労するのがこの夜間視力です。

夜間視力では、2つ(教習所によっては1つ)の検査を行います。

視力の回復時間と眩光下視力

視力の回復時間

視力の回復時間とは、突然暗闇になった時にどのくらいの時間で順応するかを計測するものです。

検査方法

・30秒間眩しい光を直視します(明るい状態に目を慣らす。)。
・30秒後突然真っ暗な状態になり、暗闇の中にあるランドルト環の空いている方向が確認できるまで我慢します。
・確認できたらレバーなどで回答します。

70歳代の平均値

検査開始前に「どのくらいで回復できると思いますか?」と質問することがよくあります。すると大抵の方は「5秒くらいかな。」とお答えになりますが、残念ながらそんなに早く回復しません。

「視力の回復時間」も「動体視力」同様50代を迎える頃から急激に低下する傾向にあります。
この検査結果の平均は、だいたい60秒から70秒くらいです。90秒でも回復しない方も大勢いらっしゃいます。

因みに若年層(20代)はというと同じ検査機で計測した場合10秒かからず確認できる方がほとんどです。

運転時の想定場面

視力の回復時間が、運転に関わる場面は、例えばトンネルの入り口です。日中の明るい時間突然真っ暗なトンネルに入ったらしばらく見えずらくなります。特に都心部ではなく郊外にあるような古いトンネルは薄暗く見えずらい状態が続くことが考えられます。

また、夜間、レストランなどで食事をした帰り道などは、明るいレストランから暗い夜道に出るわけですからこのような状態になりやすいと言えます。夜道を走る場合は、少し暗闇に目を慣らしてから走行することをお勧めします。

眩光下視力

眩光下視力とは、夜間、眩しい光を目に受けた状態でどのくらい暗闇の中を認識できるかを計測するものです。

検査方法

眩しい光とは、対向車のヘッドライトを想定しており、2ヶ所から放たれる眩しい光を目に受けている状態で暗闇にあるランドルト環の空いた方向を答えます。

70歳代の方の平均値

平均値というよりは、ほとんど確認できません。結果の良い方でも0.5くらいでしょうか。

残念ながら高齢者の方は、ほとんどの方が暗闇の中を認識しっかり認識できません。夜間視力も矯正できませんので、それを補う運転は、速度を控えたり車間距離を十分開けたりご自身なりに防衛した運転を考える必要があります。

夜間は、見えずらい一方、交通量は減少します。ということは、きちんと見えていないのに速度が上がり、重大事故になるリスクが高まるということです。

私のお勧めは、「夜は、運転を引退です。」何かあってからでは遅いので、夜の運転を控えることが、最も安全策なのではないでしょうか?

水平視野

jplenio / Pixabay

水平視野とは、まっすぐ前方を見ている状態で左右どのくらい角度まで横を認識できるかというものです。

検査方法

視野測定器にも様々ありますが、基本的にアゴやおでこが固定されている状態で前方に視点を集中させ、横に移動する物体を(目で追わず)認識できる範囲を測定します。

結果は、移動する物体が「視野範囲から外れた(消失)角度」と「視野の範囲に入った(出現)角度」の平均値で示されます。

例えば、右目の検査で、見えなくなった(消失)角度が80度で戻ってきた物体が視野の中に入った(出現)角度が76度だった場合、平均は78度ということになります。

これを左右それぞれ計測し、その合計が結果となります。

70歳以上の方の平均値

70歳以上の方の左右合計視野角度の平均は、概ね150度程度です。残念ながら真横まで認識できない方がほとんどです。
若年層の方には左右200度以上見やる方も多く、動体視力や夜間視力同様50代以降視野が狭くなっていく傾向です。

視野測定結果の低かった方

視野が狭くなってきた方は、側方の状況の把握がやや遅れる傾向にあります。例えば、二輪車が側方から接近してきても全く気付かず巻き込んでしまうケースもあるようです。

視野測定は、あくまでも注視点から目を外せない条件での結果となりますが、実際の運転中は、そのような縛りはないため、絶えず目や顔を左右に動かし、視野を広げることが大変重要になります。

まとめ

今回は、高齢者講習で行う適性検査(視力検査)について説明いたしました。

運転中の様々な情報は目から入ってくることが多く、視力の低下は命に関わることになります。今回紹介しました動体視力、夜間視力、水平視野は、通常視力とは異なり矯正できるものではありません。しかし、運転中の様々な工夫によって、それをカバーすることは可能になります。

高齢者講習では、客観的にご自身の身体機能について検査結果を確認していただき、より長く運転していくために、より安全に運転するためにどうしていくべきか、ご自身なりに見つめ直していただくことが大切だと思います。