【70歳以上】「高齢者マーク」つけるべき理由

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この記事を見ている方の中で、70歳以上の方、「高齢者マークをつけてますか?」

かつて高齢者講習に携わっていた時に、こんな質問をすると「つけてる」と答える方は、10人いて1人か2人。

ということは70歳以上の方で表示しているのは10〜20%といった印象です。

そんな時によく質問されるのは、

「それ、つける必要あるの?」ということ。

私は、こう答えます。

「つける必要がありますよ。」と。

そいうとだいたい皆さん驚かれます。
それは、みんなつける必要がないと思っているからです。

 

もちろんその後、補足します。

「これは努力義務です。」と。
もちろんつける必要があるかといえば、答えは「イエス!」でも義務ではありません。

正確にいうと一時は義務だったというべきでしょうか。

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高齢運転者標識、表示義務から努力義務へ

初めは努力義務だった

1997年(平成9年)10月30日の道路交通法改正で、75歳以上を対象に努力義務規程として導入された。

2002年(平成14年)6月1日に、努力義務の対象年齢を75歳以上から70歳以上に引き下げる改正が行われた。

表示を義務化したが…

2008年(平成20年)6月1日から表示が義務化された。
(違反の名称や反則金の額、違反点数を定める道路交通法施行令の一部を改正する政令も同時に公布された。)
しかし、自民党総務会にて「高齢者マークの義務化をすれば大変な問題になる。そもそも高齢者に『枯れ葉マーク』とは失礼ではないか」と、本法施行を批判したことが報じられ、このことを契機に「高齢運転者標識については、違反の取締りについては、1年の間、指導にとどめること。」となった。

表示義務の不適用化

2009年(平成21年)4月24日に、道路交通法の一部を改正する法律により、75歳以上の運転者の高齢運転者標識表示義務の規定は当分の間適用しない、とされて即日施行され、75歳以上の運転者も高齢運転者標識の表示は努力義務とされた。

新デザイン公布、施行

2011年(平成23年)2月1日から高齢者マークが一新され、新デザインが施行された。旧デザインも使用可能。

70歳以上の方で高齢者マークをつけない理由

MikesPhotos / Pixabay

高齢者の方達は高齢者マークの存在は知っているものの、なかなか表示率は上がりません。

私も講習に携わる中で、皆さんに聞いてみたところ様々な理由がありました。

1、高齢者とは認めたくない。

2、いつの間にか70歳を迎え、その存在を忘れてた。

3、つけたい人だけつければ良いと思ってた。

4、つけると家に「高齢者狙い」の詐欺師や泥棒がくる

5、つけるとあおられる

など様々な意見がありました。

「確かに高齢者と認めたくない」とか特に70歳以上の方に向けて「高齢者マークをつけましょう」という旨の通知が届くわけでもありませんから、「その存在を忘れていること」はわかるような気がします。

また、免許を取得後高齢者講習を受講するまで、違反でもしない限り運転に関わる講習を受けることは一切ありませんので、そのような知識をそもそも知らないということも考えられます。

 

因みに道路交通法にはどのように記載されているのかというと

「加齢に伴って生ずる身体機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼす恐れがある」場合は、この標識をつけて普通自動車を運転するように努めなければならない。」

となっています。

だから

「身体機能の低下が運転に影響しない」または「身体機能が低下していない」と思っている方は、絶対に表示しないでしょうね。

 

しかし、残念ですが、50歳を超えるとほとんどの方が著しく身体機能は低下します。

特に高齢者講習を受講するとベテランとしての自身は見事に打ち砕かれます。理由は、視力が出ないからです。特に夜間視力はほとんどの方が思うような結果が出ません。

また運転においても、教習所の中で脱輪したり、一時停止で止まらなかったり、50年間蓄積された悪い癖を指摘され、身体機能が低下してると思わざるを得なくなるでしょう。

 

きっとほとんどの70歳以上の方は今検定を受けたら仮免検定すら受かりませんよ。

 

ならば、今後自らの身体機能の低下を自覚し、みんな高齢者マークをつけるようになるのでしょうか?

多分ならないでしょうね。あれだけ厳罰化が進んだ「飲酒運転」だっていまだになくならないんですから、全く罰則のない高齢者マークはつけようという気持ちになりづらいと言えます。

では、逆に高齢者マークをつけるメリットについて考えてみましょう。

 

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高齢者マークをつけるべき理由

1、高齢者マークをつけているものに対して、幅寄せや割り込みの禁止

高齢運転者標識を表示すべき者が高齢運転者標識を付けて車を運転している場合、周囲の車の運転者はそれを保護する義務を負います。道路交通法第71条第5号の4は、表示車に対してやむを得ない場合を除き、幅寄せや割り込みをしてはならないと定めています。同条は、初心運転者標識、身体障害者標識、聴覚障害者標識の表示車に対する保護義務も同様に規定しており、本規定に対する違反者は初心運転者等保護義務違反が問われる。

因みに初心運転者等保護義務違反の罰則は、

★初心運転者等保護義務違反の罰則

【行政処分】基礎点数1点(過去の点数が残ってる方や行政処分歴がある方は注意)酒気帯びの場合:0.25mg/l以上は25点、0.25mg/l未満は14点

【反則通告制度】大型車7,000円、普通自動車6,000円、二輪車6,000円、小型特殊自動車5,000円

また、この違反が原因となり死亡事故となった場合、危険運転致死罪に問われることとなりますので、表示をしていない場合よりは、幅寄せや割り込み、あおり運転などの被害に遭いにくいと言えます。

2、周囲の車両に保護される

先ほども述べたように高齢運転者標識を表示した車に対する保護義務がある為、もちろん保護される可能性が高いと言えます。

例えばご自身が運転する車の周囲に高齢者マークを表示している車があれば、
積極的に近づこうと思うだろうか?
むしろ遠ざかりませんか?

これは、結果として周囲に車が近づいてこようとしない為、事故の可能性は軽減されることになります。

3、自ら自覚する意識がもてる

高齢者の事故は身体能力の低下がもたらすものが多い。
しかし、高齢者自らがその自覚がないことが問題です。

自覚を持つということは、若い時よりもより注意深く様々な確認を行うこと。

例えば、

・ペダルを踏む足を意識し、確実に正しいペダルを踏んでいるか?
・顔を向けるだけでは見えない場所がある為、頭を動かし、死角を減らす努力をする。
・高齢になると反応時間が長くなるため、速度をより控えめにする。
・動体視力が低下する傾向にある為、注視点をより遠くに向ける。
・夜間視力は急激に低下している為、夜の運転は控える

など、若年層にも言える話だが、高齢運転者は特に顕著に現れる身体機能の低下。これを自覚することによって、誤操作や判断の遅れが軽減できることが期待できます。

高齢者だということを認めたくない=高齢者標識を表示しない=身体機能低下の自覚がない

自覚があれば絶対に事故を起こさないということはない。
また自覚があっても走り方を変えなければ意味がない。

まずは、自らが高齢者であることを心の底から認めることが大切だと思います。

その第一歩として、高齢運転者標識の表示をお勧めしたい。

誰しもが、70歳以上になれば、若い時のような動きはできません。

「俺はまだ大丈夫!」

その考えを少し変えるだけで、家族みんなが豊かになるか、悲しみの底に落とされるかが変わるかもしれません。

自覚を持つことの第一歩として高齢者マークを表示してみてはいかがでしょうか?


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