【高齢者・運転免許】自主返納のススメ〜こんな方は免許を返納しましょう〜

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近年、高齢ドライバーによる交通事故が多く報道されています。

当たり前ですけど、事故を起こしたくて起こしている人なんて誰もいません。ハンドルを握る以上誰しもが事故を起こすリスクがあって、高齢運転者ばかりが危ないわけではないんです。でも個人差はあるものの、60歳を過ぎる頃から運動機能が著しく低下するということは紛れもない事実。また、高齢者(特に75歳以上)の事故が死亡事故になってしまう割合も他の年代の倍以上とも言われています。

もはや、「自分は大丈夫。」とか「50年間事故を起こしたことがない。」という主観的な意見はあてになりません。テレビなどで報道されている高齢者の事故も他人事と思っていないでしょうか?今までは大丈夫だったかもしれませんが、今後はわかりません。ご家族や医師などの客観的な意見にも耳を傾け、運転免許を諦めることも重要な選択になるのではないでしょうか?

何か起きてからでは遅いんです。

事故を起こしてしまった方だって運転さえしていなければ、事故の加害者になることはあり得ません。

「後悔先に立たず」

というわけで今回は、運転免許返納を少しでも考えている方やご家族の方に運転を止められていて困っている方、認知検査の結果が思わしくなかった方などに向け「運転免許自主返納のススメ〜こんな方は免許を返納しましょう」というテーマについてまとめました。

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運転免許自主返納のデメリット

運転免許を自主返納すれば当然車を運転できなくなります。運転ができなくなるということは足が失われてしまうことになり、特に足の不自由な方や車の運転が仕事だという方にとっては死活問題で運転をやめるわけにはいきません。

またドライブが趣味という方にとっても楽しみを奪われるわけですから抵抗感は計り知れないものだと思います。

その他のデメリットですが、金銭面はどうでしょう?車の維持にかかる費用(税金、保険、駐車料金、ローン、燃料代、メンテナンスなど)とタクシーや公共の乗り物等にかかる費用を比較する必要がありそうですが、毎日長距離を通院や通勤してる方などにとっては、金額的にも時間的にも浪費することとなり大きなデメリットと言えるのではないでしょうか。しかし、近距離での移動や頻繁に運転する必要のない方は、公共の乗り物や家族の送迎等をお願いした方が金銭的にはかなり浮きますね。

しかしながらこういったデメリットこそが運転免許自主返納に踏ん切りがつかない素因となっています。

本当に運転免許は必要ですか?本当に車が無ければ困りますか?事故を起こすリスクとどちらが大事ですか?

運転免許自主返納の特典・メリット

では、運転免許を返納するとどのようなメリットがあるのか考えてみます。

運転経歴証明書

・運転免許を自主返納された方には、「運転経歴証明書」を申請することができます。
・「運転経歴証明書」は、運転免許を返納した日からさかのぼって5年間の運転に関する経歴を証明するもので、これまで安全運転に努めてきた証明になります。

・「運転経歴証明書」は銀行の窓口などで身分証として提示することができます。現在は有効期限なく使用することが可能です。
・また、「運転経歴証明書」を提示することにより、高齢運転免許自主返納サポート協議会の加盟店や美術館などで、様々な特典を受けることができます。
・特典を受けられるのは、年齢等の条件があり都道府県によって異なります。よくご確認ください。

・特典内容は、自治体や民間によって様々で、公共交通機関の割引や有名ホテルの食事の割引など多岐にわたり、運転免許を自主返納することの大きなメリットと言えます。具体的な特典内容は都道府県別にホームページ等でよくご確認ください。

その他のメリット

車の維持費がかからない

デメリットの中でも述べましたが、車を維持するためには莫大な費用(税金、車検、メンテナンス、駐車料金、燃料費、車の購入費用その他)がかかるため、運転免許を返納すれば、当然そのコストはおさえられます。電車やバスの運賃と比較しても圧倒的にコストがかかります。ただし、山奥などに住んでいる方などは、電車やバスが近くを通ってないケースも考えられるため、維持費がかかったとしても、車がなくては生活が成り立たない方にとってはその限りではありませんね。

事故の加害者になるリスクはゼロ

車を運転する以上、切っても切れないのが事故のリスクです。中でも加害者になってしまうと様々な責任(刑事上、民事上、行政上、道義上)を負わなければなりません。

近所の目も気になるところ…。「あの方はいつまで運転するんだろう?」「近くで事故を起こさなきゃ良いけど…。」なんて思ってる人もいるみたいですよ。自分一人で道路を使うわけではありません。近所の人の目も気にしてみてはいかがでしょう?

高齢者講習を受ける必要がない

現在、高齢者講習の予約が大変取りづらくなっています。予約が取れないせいで運転免許を失効してる方も多くいらっしゃいます。因みに運転免許を失効している状態では自主返納出来ません。

また認知症の疑いのある方は免許を取り消される場合があります。この場合ももちろん自主返納は出来ず、先に紹介した特典は一切受けられません。

»【高齢者講習】認知症の人ってどのくらいいるの?

講習自体はとても意義のあるものですが、それはあくまでも運転者にとってのことです。教習所の運用上の問題もあり講習料金は増額傾向にあり、講習に関わるお金や時間、予約を取得するためのストレス、労力など考えると講習を受ける必要がなくなることは大きなメリットと言えます。

また75歳以上の方になると一定の交通違反をした場合に臨時の認知機能検査を受けなければならず、最悪は運転免許の取り消しになる恐れがあります。

»臨時認知機能検査とは?臨時認知機能検査と臨時高齢者講習

運動不足解消、健康促進 、時間の有効活用

運転をやめるということは、必然的に歩いたり自転車に乗ったり立っている時間が増えます。そのような何気ない動作も健康促進に繋がります。

また運転中は運転以外のことは基本的にできませんが、電車やバスでの移動は、読書や携帯電話でネットサーフィンなんかもできますね。長距離ともなれば尚のこと、時間を有効活用することによって今まで出会えなかった楽しみを見つけられるかもしれません。

こんな方は免許を返納しましょう

これまで、運転免許を自主返納したことによるデメリットやメリットついて紹介してきましたが、やはり人生の中で運転免許を返納することは一大行事。なかなか踏ん切りがつかないものです。そこで、私が思う「こんな方は免許を返納した方が良い」についてまとめました。是非これを見て参考になさってください。

・80歳以上の方
もちろん80歳以上の方でも十分運転が可能な方は多いですが、人生の一つの節目として考えても良い年齢。何度も言わせてください。「何かあってからでは遅いんです。」そして「道路は自分一人のものではありません。」。

・75歳以上の方が行う認知機能検査で75点以下だった方
認知機能検査の結果が49点から75点までの方は、「記憶力や判断力が少し低下している」という結果です。また、48点以下だと「認知症の疑いがあります。」という結果です。もしかしたら体調不良の影響で点数が低かった可能性はありますが、「認知症予備軍」とも言える結果です。
自ら幕引きとするのも格好の良い選択だと思います。よくお考えください。

»【認知機能検査】点数の計算方法。認知症のボーダーランは何点?

・70歳以上の方で最寄りの駅やバス停まで徒歩圏内の方
最寄りの駅やバス停まで徒歩圏の方は、早めに返納しても問題ないのではないでしょうか?逆に運転免許にこだわる理由が聞きたいです。よくゴルフをしに行くからとか、田舎に行くときに必要と言われる方も多いですね。何か理由があれば良いと思いますが、特に理由のない方は、早めに自主返納の特典を利用された方がよろしいかと思います。

・65歳以上の方で3ヶ月以上車を運転していない方
運転をしない期間が長ければ、運転に不慣れだったり道路交通の状況判断の遅れに繋がります。様々なリスクを考えると免許を継続することのデメリットしか想像できません。よくご家族の方と相談して良い決断をしてください。

・65歳以上の方でこの1年間に3回以上車をぶつけた方
もしかしたら気付かぬうちに運動機能が低下し、気持ちと動きにズレが生じてる可能性があります。ものにぶつけただけならまだしも、今後は人身事故につながる可能性は否定できません。3回の事故は何かのサイン。早めの決断が求められます。

・気を失う可能性のある持病をお持ちの方
そもそも運転してはいけません。運転すれば犯罪です。専門の医療機関で相談しましょう。

・運転についてご家族や医師から引退を勧められた方
自分あっての家族でありますが、家族あっての自分でもあります。ご家族が引退を勧めるのには何かしらの理由があるのでは?重要なことです。周りの意見に深く耳を傾け、自らを見つめ直してみてはいかがでしょうか?

・その他
視力が著しく低下した方や、認知症ではないが物忘れが多くなった方など

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おわりに

この記事に目を通していただいた方は、少なからず自主返納に興味をお持ちの方なのだと思います。また、身内の方に返納をさせたいけど聞いてくれないとか。

返納をさせたい方は、送迎や買い物の協力など絶対的な協力体制を欠くことはできません。それを約束できなければ、返納させる権利はないでしょう。

運転免許の返納は人生にとって大きな大きなイベントです。周りの方の暖かい目でしっかりサポートしてください。

最後にもう一度

「免許は本当に必要ですか?」

「本当に車がなければ困りますか?」

「事故を起こすリスクとどちらが大切ですか?」

「何かあってからでは遅いのです。」

 

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