道路交通法  解説

【二種免許】取得条件緩和について、経験3年から1年へ

現在、アメリカのウーバー社が行う「アプリ一つで一般の自動車が目的地まで運んでくれるライドシェア」、いわゆる白タク行為が世界では当たり前になりつつある中、日本ではまだまだ白タクに対する規制が厳しい状況。タクシードライバーの雇用の問題も踏まえ、白タク合法化は困難であるものの、政府は一般人でも自家用車でタクシーのような有償運送業務ができる制度の拡大に乗り出しています。

またどの業界もそうだが、交通運輸産業は人手不足に悩まされ、特にタクシー業界では平均年齢が高齢化するなど強い向かい風に晒されている。

 

このような背景からも警察庁は有識者会議を開き、二種免許に関する受験資格を緩和について「年齢や運転経験年数の引き下げ」を検討することとなりました。会議は刑法が専門の大学教授や自動車ジャーナリストらで構成され年度内に提言をまとめることになっています。


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二種免許の取得条件

二種免許の取得条件

現行法

・年齢  21歳以上
・経験年数 普通自動車などの免許を有した期間が3年以上

普通二種(タクシー)免許

現行法

・年齢  21歳以上
・経験年数 指定自動車教習所で普通二種に関わる教習を行なった場合に限り、普通自動車免許を有した期間が2年以上

という具合に普通二種に関しては教習所で二種免許についての運転や知識を学んでいた場合、1年間短縮となる特例措置が設けられています。しかしながら18歳で運転免許を取得しても21歳にならなければ普通免許を取得することはできず、結局3年間待たなければなりません。

こうした中、慢性的な運転手の人手不足や高齢化から、高校卒の人材確保を求めるバス・タクシー業界などが要件緩和を要望していました。

 

有識者会議で検討されている内容

主に検討されている内容は、二種免許に関わる受験資格条件です。具体的には年齢と運転経験年数の引き下げということになります。

年齢

現行  21歳
⬇︎
改正後 19歳

運転経験年数

現行  3年(普通二種免許は教習所で取得した場合に限り2年)
⬇︎
改正後 1年

解説

バス・タクシー業界が求めている高校卒業の人材確保ということですが、そもそも普通自動車の取得条件が18歳ということもあり、さすがに初心運転者に人の命を預ける仕組みは難しいようですが、警察庁はタクシーで必要な普通二種免許について、経験年数を「1年以上」に短縮した上で、指定教習所のカリキュラムを充実させる実験を実施しました。

その結果、現行の教習と比較した場合「おおむね同等の危険予測・回避能力などを得られた。」ということです。

また警察庁は、今後バスに必要な大型二種免許でも同様の調査研究を行う予定だということで、その結果を踏まえ 年度内発表に向け要件の緩和について検討されることになっています。

私個人の見立てとしては、警察庁も前向きに考えている為、ほぼほぼ改正に向かって動き出している印象ですが、実際に現場で働く二種ドライバーは少し冷ややかな目線で見ている印象もあります。

 

現場サイドの意見

・今までは3年間経過しなければ取得できなかった。ということは、それだけ道路での経験を経て技術や判断力を磨き、それが備わった者がやっと取れるようになるべき免許で経験1年程度では少なすぎる。

・二種免許の価値が下がる

・二種免許はただ運転すれば良いだけではない。お客様を乗せて安全に目的地に向かっていかなければならない為、若者に「接客・接遇」を行いながら「運転」するなどの適応力があるのか心配。

・免許を取得して1年経った頃(慣れてきた頃)が一番事故を起こしやすいのでは?そんな頃に二種免を取らせては、危険なのではないか?

・そもそも教習料金が高すぎる!その免許代は誰が出すんだ?(この件はまた別の記事で提起してまいります。)

 

などなど、ほとんどの現役ドライバーがネガティブな意見ですね。

二種免許取得条件緩和について私が思うこと

現場の意見としては、どちらかというと後ろ向きな意見が多いですが、冒頭でもお伝えした通り

・「ライドシェア問題」白タク行為が合法化の波

・ドライバーの超高齢化

・慢性的な人手不足

・自動運転普及によるドライバー不要の未来が来る?

など、バス・タクシー業界には逆風ばかり吹いている印象です。

こうした背景から考えると今こそ交通運輸産業は様々なことで進化しなければなりません。その一つが運転免許に関わる条件緩和なのではないでしょうか?

この条件緩和は若者からも注目され、かつては物理的に叶わなかったことが、その選択肢の中に組み込まれる。そしてさらに就職してもらえれば業界の活性化に繋がるはずです。

「人を増やし、若返らせること。」

それこそが交通運輸産業として未来を作る第一歩ではないかと考えます。

この件は前向きに捉え、先輩としてより良くするための導きが今後の業界の発展につながっていくのではないでしょうか。

【70歳以上】「高齢者マーク」つけるべき理由

この記事を見ている方の中で、70歳以上の方、「高齢者マークをつけてますか?」

かつて高齢者講習に携わっていた時に、こんな質問をすると「つけてる」と答える方は、10人いて1人か2人。

ということは70歳以上の方で表示しているのは10〜20%といった印象です。

そんな時によく質問されるのは、

「それ、つける必要あるの?」ということ。

私は、こう答えます。

「つける必要がありますよ。」と。

そいうとだいたい皆さん驚かれます。
それは、みんなつける必要がないと思っているからです。

 

もちろんその後、補足します。

「これは努力義務です。」と。
もちろんつける必要があるかといえば、答えは「イエス!」でも義務ではありません。

正確にいうと一時は義務だったというべきでしょうか。

高齢運転者標識、表示義務から努力義務へ

初めは努力義務だった

1997年(平成9年)10月30日の道路交通法改正で、75歳以上を対象に努力義務規程として導入された。

2002年(平成14年)6月1日に、努力義務の対象年齢を75歳以上から70歳以上に引き下げる改正が行われた。

表示を義務化したが…

2008年(平成20年)6月1日から表示が義務化された。
(違反の名称や反則金の額、違反点数を定める道路交通法施行令の一部を改正する政令も同時に公布された。)
しかし、自民党総務会にて「高齢者マークの義務化をすれば大変な問題になる。そもそも高齢者に『枯れ葉マーク』とは失礼ではないか」と、本法施行を批判したことが報じられ、このことを契機に「高齢運転者標識については、違反の取締りについては、1年の間、指導にとどめること。」となった。

表示義務の不適用化

2009年(平成21年)4月24日に、道路交通法の一部を改正する法律により、75歳以上の運転者の高齢運転者標識表示義務の規定は当分の間適用しない、とされて即日施行され、75歳以上の運転者も高齢運転者標識の表示は努力義務とされた。

新デザイン公布、施行

2011年(平成23年)2月1日から高齢者マークが一新され、新デザインが施行された。旧デザインも使用可能。

70歳以上の方で高齢者マークをつけない理由

MikesPhotos / Pixabay

高齢者の方達は高齢者マークの存在は知っているものの、なかなか表示率は上がりません。

私も講習に携わる中で、皆さんに聞いてみたところ様々な理由がありました。

1、高齢者とは認めたくない。

2、いつの間にか70歳を迎え、その存在を忘れてた。

3、つけたい人だけつければ良いと思ってた。

4、つけると家に「高齢者狙い」の詐欺師や泥棒がくる

5、つけるとあおられる

など様々な意見がありました。

「確かに高齢者と認めたくない」とか特に70歳以上の方に向けて「高齢者マークをつけましょう」という旨の通知が届くわけでもありませんから、「その存在を忘れていること」はわかるような気がします。

また、免許を取得後高齢者講習を受講するまで、違反でもしない限り運転に関わる講習を受けることは一切ありませんので、そのような知識をそもそも知らないということも考えられます。

 

因みに道路交通法にはどのように記載されているのかというと

「加齢に伴って生ずる身体機能の低下が自動車の運転に影響を及ぼす恐れがある」場合は、この標識をつけて普通自動車を運転するように努めなければならない。」

となっています。

だから

「身体機能の低下が運転に影響しない」または「身体機能が低下していない」と思っている方は、絶対に表示しないでしょうね。

 

しかし、残念ですが、50歳を超えるとほとんどの方が著しく身体機能は低下します。

特に高齢者講習を受講するとベテランとしての自身は見事に打ち砕かれます。理由は、視力が出ないからです。特に夜間視力はほとんどの方が思うような結果が出ません。

また運転においても、教習所の中で脱輪したり、一時停止で止まらなかったり、50年間蓄積された悪い癖を指摘され、身体機能が低下してると思わざるを得なくなるでしょう。

 

きっとほとんどの70歳以上の方は今検定を受けたら仮免検定すら受かりませんよ。

 

ならば、今後自らの身体機能の低下を自覚し、みんな高齢者マークをつけるようになるのでしょうか?

多分ならないでしょうね。あれだけ厳罰化が進んだ「飲酒運転」だっていまだになくならないんですから、全く罰則のない高齢者マークはつけようという気持ちになりづらいと言えます。

では、逆に高齢者マークをつけるメリットについて考えてみましょう。

 

高齢者マークをつけるべき理由

1、高齢者マークをつけているものに対して、幅寄せや割り込みの禁止

高齢運転者標識を表示すべき者が高齢運転者標識を付けて車を運転している場合、周囲の車の運転者はそれを保護する義務を負います。道路交通法第71条第5号の4は、表示車に対してやむを得ない場合を除き、幅寄せや割り込みをしてはならないと定めています。同条は、初心運転者標識、身体障害者標識、聴覚障害者標識の表示車に対する保護義務も同様に規定しており、本規定に対する違反者は初心運転者等保護義務違反が問われる。

因みに初心運転者等保護義務違反の罰則は、

★初心運転者等保護義務違反の罰則

【行政処分】基礎点数1点(過去の点数が残ってる方や行政処分歴がある方は注意)酒気帯びの場合:0.25mg/l以上は25点、0.25mg/l未満は14点

【反則通告制度】大型車7,000円、普通自動車6,000円、二輪車6,000円、小型特殊自動車5,000円

また、この違反が原因となり死亡事故となった場合、危険運転致死罪に問われることとなりますので、表示をしていない場合よりは、幅寄せや割り込み、あおり運転などの被害に遭いにくいと言えます。

2、周囲の車両に保護される

先ほども述べたように高齢運転者標識を表示した車に対する保護義務がある為、もちろん保護される可能性が高いと言えます。

例えばご自身が運転する車の周囲に高齢者マークを表示している車があれば、
積極的に近づこうと思うだろうか?
むしろ遠ざかりませんか?

これは、結果として周囲に車が近づいてこようとしない為、事故の可能性は軽減されることになります。

3、自ら自覚する意識がもてる

高齢者の事故は身体能力の低下がもたらすものが多い。
しかし、高齢者自らがその自覚がないことが問題です。

自覚を持つということは、若い時よりもより注意深く様々な確認を行うこと。

例えば、

・ペダルを踏む足を意識し、確実に正しいペダルを踏んでいるか?
・顔を向けるだけでは見えない場所がある為、頭を動かし、死角を減らす努力をする。
・高齢になると反応時間が長くなるため、速度をより控えめにする。
・動体視力が低下する傾向にある為、注視点をより遠くに向ける。
・夜間視力は急激に低下している為、夜の運転は控える

など、若年層にも言える話だが、高齢運転者は特に顕著に現れる身体機能の低下。これを自覚することによって、誤操作や判断の遅れが軽減できることが期待できます。

高齢者だということを認めたくない=高齢者標識を表示しない=身体機能低下の自覚がない

自覚があれば絶対に事故を起こさないということはない。
また自覚があっても走り方を変えなければ意味がない。

まずは、自らが高齢者であることを心の底から認めることが大切だと思います。

その第一歩として、高齢運転者標識の表示をお勧めしたい。

誰しもが、70歳以上になれば、若い時のような動きはできません。

「俺はまだ大丈夫!」

その考えを少し変えるだけで、家族みんなが豊かになるか、悲しみの底に落とされるかが変わるかもしれません。

自覚を持つことの第一歩として高齢者マークを表示してみてはいかがでしょうか?


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【免許更新】70歳以上の方の免許更新の流れをわかりやすく解説

2017年3月12日の道路交通法の改正により、70歳以上の方の運転免許更新までの流れが大きく変わりました。この改正によって、75歳未満の方の更新は3時間講習から2時間講習へと時間が短縮され、また料金も多少お安くなるなどメリットのある改正となりましたが、75歳以上の方にとっては、より流れが複雑になり、最悪は運転免許が取り消される恐れがあるなど、不安に感じている方も多いと聞きます。

そこで今回は70歳以上の方の運転免許更新までの流れをわかりやすく解説させていただきたいと思います。

更新までの流れを表にしてみました

1、自宅にハガキが届きます

運転免許更新時の年齢が75歳未満(70歳〜74歳)の方と75歳以上の方とでは流れが異なりますが、いずれの方もまずは自宅にハガキが届きます。
※最近住所を変更したばかりの方や引っ越したのに免許証の住所変更をしていない方はハガキが届かない場合がありますので、変更手続きはお早めに行っておいてください。

ハガキが届くのは運転免許の有効期限満了の6〜7ヶ月前に届きます。ここで注意しなければならないのが、運転免許更新がまだ半年近く先なので何もせず放置してしまうことです。
※半年前に届くハガキは高齢者講習用で、運転免許更新の案内ハガキではありません。
運転免許更新の案内ハガキは、運転免許有効期限満了の約3ヶ月前に届きます。

ハガキが届いたらとにかく早く電話しましょう

高齢者講習は都道府県によっては予約は5ヶ月待ちのプレミアムチケットとなっています。ハガキが届いたらとにかく早く最寄りの教習所に電話し、高齢者講習または認知機能検査(75歳以上の方)の予約をしましょう(教習所も高齢者講習のために本来の教習業務が回らないなどの理由で門前払い。または音声ガイドでお断りなんてこともあるようです。更新期限ギリギリになるときっとかなり焦りますよ。)

»【高齢者講習】予約が取れない問題について

予約の際に気をつけること

75歳未満の方は「高齢者講習の予約をしたい」と言ってください。
75歳以上の方は「認知機能検査の予約がしたい」と言ってください。

そうすると生年月日や名前、電話番号等聞かれますので、すぐ答えられるように準備しておきましょう。

当日の持ち物は
・ハガキ
・免許証
・講習または認知機能検査の料金
・眼鏡(読み書き用と運転用の両方)
・黒のボールペン

日時や持ち物など案内がありますので講習ハガキに直接メモをとるようにしましょう。これは時間を間違える方が多いためです。当日、間違えて隣の教習所に行ってしまう方も稀にいらっしゃいます。電話の担当者の名前もしっかりメモしておくと良いでしょう。

尚、75歳以上の方は、認知機能検査終了後、再び高齢者講習の為の予約が必要になります。
認知機能検査の結果通知書を手元に用意し、
・いつどこで検査を受けたか
・何点だったか
・結果通知書の紙の色は何色かなど

聞かれますので準備しておいてください。

高齢者講習について

70歳〜74歳の方

2時間講習を受講します。当日は、なるべく早めに行きましょう。万が一遅刻をすればせっかく早めに取った予約がパアになります。再度予約の取り直しは厳しいので、交通渋滞や電車の人身事故など何があるかわかりません。時間にはゆとりを持って早めに行動しましょう

»【高齢者講習】具体的内容について

高齢者講習は、試験ではありませんので、2時間の講習を受講された全ての方が修了証明書を受け取ることができます。

75歳以上の方

75歳以上の方は、まず認知機能検査を受けなければなりません。
検査は100点満点で結果が出ますが、その結果によってこの後の流れが大きく変わります。

»【認知機能検査】点数計算の仕方、認知症のボーダーラインは何点??

ここで良い点数をとることが、今後安心して運転するために、またご家族の方に心配をかけないためにも重要となりますので頑張ってください。

認知機能検査の問題はこちらで解説してます。

»【認知機能検査】問題1「時間の見当識」徹底解説!

»【認知機能検査】徹底解説!問題2

»【認知機能検査】問題3、4 記憶力テスト「手がかり再生」完全解説!!

»【認知機能検査】問題5「時計描画」満点時計の書き方

認知機能検査の点数

・76点以上だった方      → 2時間講習(75歳未満の方と合同で講習を行います。)
・49点以上75点以下だった方 → 3時間講習
・48点以下だった方      → 医師の診断の結果認知症の疑いがなければ3時間講習
                     〃    認知症と診断された場合は運転免許の取り消しや停止となる

私は、体調など万全な状態にも関わらず75点以下だった方や交通の便が悪くないかたなどには運転免許の返納をお勧めしたいです。やはり何かあってからでは遅いのです。

»【運転免許】返納のすすめ〜こんな方は免許を返納しましょう

点数の結果が出ましたら、なるべく早く教習所に再び連絡をし、今度は高齢者講習の予約を取得してください。
講習を受けられた方は、修了証明書を受けとり免許更新に向かってください。

高齢者講習を受講された方

高齢者講習終了時に受け取る「修了証明書」は絶対に無くさないでください。講習を早く受けすぎてしまったために無くされる方がいらっしゃいます。高齢者講習は期限の半年前からできますが、運転免許の更新手続きはどんなに早く講習が終わっていたとしても期限の2ヶ月前からしかできませんのでご注意ください。

更新手続きは69歳以前と全く同じです。最寄りの警察署か運転免許センターなどで行ってください。更新の案内ハガキにどこで更新するかの説明がありますのでご参照ください。

尚、本来交通違反をされている方は、試験場で行う違反者講習を受けて更新しなければなりませんが、実は高齢者講習が違反者講習を兼ねているためそのまま更新ができる形となっています(私はなぜ違反者にメリットがある法律になっているか理解ができません。)。

おわりに

今回は、70歳以上の方の運転免許更新の流れについて解説いたしました。近年何かと話題になる高齢ドライバーですが、警察庁も高齢者の事故防止についてかなり力を入れています。また講習についても予約が取りずらい現状やその仕組みについて今後再び改正されることを期待したいところです。

【道交法】黄色の線を超えて自転車を追い越すと違反になるの?

最近車を運転していると、ロードレースタイプの自転車ををよく見かけます。自転車目線で見れば車は危ない存在かもしれませんが、自動車目線で見ると、邪魔に感じることは否めません。しかしながら自転車は車道通行が原則。決して悪いことをしているわけではありません。

前に教習をしている際、教習生の方にこんなことを聞かれました。

「前の自転車を追い越したいんですけど、黄色の線をはみ出て追い越せますか?」

第一段階の学科試験の勉強をしっかり行っている方にとっては簡単な話で、教本にもちゃんと書いてありますし、当たり前の話。しかし免許を取得して時間が経つとこういう当たり前の話も忘れてしまいがちです。というわけで今回は、「追い越し」をテーマに考えてみます。

追い越しを禁止する場所

追い越しと追い抜きの違い

追い越しについてお話しする場合、まず理解しなければならないのは、追い越しと追い抜きの違いです。よく似た言葉ですが、行う行為には少し違いがあります。

追い越し 車両が、他の車両に追いついた場合、進路を変えてその追いついた車両等の側方を通過し、その車両等の前方に出ること

追い抜き 車両が、他の車両に追いついた場合、進路を変えないでその追いついた車両等の側方を通過し、その車両等の前方に出ること

わかりやすくいうと、どちらも車両等を抜かして前方に出ることは変わりませんが、その前提として進路変更してるかしてないかによって追い越しと追い抜きに分けられます。

では、問題の「黄色の線をはみ出して、自転車を追い越せるか」という質問についてですが、まず前提として黄色の線をはみ出ていることから、進路を変えていることがわかるので、これは、「追い越し」であることに間違いありません。では、そのはみ出ている状態で自転車を追い越していくことができるかについて、道路交通法で確認しました。

追い越しを禁止する場所

「道路交通法第30条 追い越しを禁止する場所」の冒頭にその答えが書いてありました。

この本文を解説すると、
A 車両は道路標識など(黄色の線や追い越し禁止の道路標識など)により追い越しが禁止されているところは、追い越しも追い抜きも禁止である。
B その他(道路の曲がり角附近、上り坂の頂上附近、勾配の急な下り坂、トンネル。
C 優先道路を除く交差点と踏切、横断歩道などの手前30メートル以内の場所。
D 軽車両を追い越す場合を除く。

とあるので、その質問(黄色の線をはみ出して自転車を追い越せる?)の答えは、たとえ追い越し禁止場所(黄色の線など)であったとしても「自転車を追い越すことはできる。」ということになります。

黄色の線をはみ出て原付を追い越せる?

自転車の名のつく乗り物は軽車両以外にもありますね。そう「原動付自転車(原付)」です。自動車の法定速度が60km/hに対し原付の法定速度は30km/h、もちろん30km/hを超える速度を出せる道路であれば、自動車と原付の流れは合いません。そうなれば、当然自動車は原付を追い越すことになりますが、、、

では「原付を追い越すために黄色の線をはみ出すことができるでしょうか?」

先ほどの道交法30条「追い越しを禁止する場所」の中に原付を追い越して良いという例外は一切記載がないので、

答えは、「できない。」

ということになりますね。とうことは、もしそのように黄色の車線がある道路で原付に追いついた場合でも黄色の線をはみ出して追い越すことはできないので、追い越せずに我慢するしかありません。

二重追い越しの禁止

では追い越しについて、その他こんな問題を考えてみましょう。

例題

原付を追い越している途中のハーレーダビッドソン(大型自動二輪)を追い越した。◯か✖️か

わかりやすく絵にするとこんな感じ、

先頭を走る原付を追い越そうとしている大型二輪車を追い越すことができるかという問題です。

答え

答えは◯です。

解説

追い越しに関する法令は、先ほど解説しました道交法30条「追い越しを禁止する場所」の他に道交法第29条「追い越しを禁止する場合」というのも存在します。

この条文に、先ほどの問題を当てはめてみると、

後車とは  自車のことです。
前者とは  ハーレーダビッドソンのこと

では、前車であるハーレーダビッドソンが自動車を追い越そうとしてますか?

原付は車両ではありますが、自動車ではありません。

だからこの条文には当てはまらないので、自車は原付を追い越そうとしているハーレーダビッドソンを追い越すことができるということになります。

※ただし、原付とハーレーの位置関係が逆転した場合(「ハーレーを追い越そうとしている原付を追い越した。」という問題だった場合)は、「前車(原付)が自動車(ハーレー)を追い越そうとしてる」に当てはまってしまうので、追い越しできなくなりますのでご注意ください。

まとめ

今回は、追い越しというテーマについて考えてみました。
追い越しをしたからって目的地にものすごく早く到着するわけではありませんので、追い越しという行為についてそんなにお勧めするものではありませんが、前車が自転車だったり原付だったりした場合は、ずっとそのペースでついていくわけにも行きませんので、追い越しすることになります。

自転車を追い越すのに黄色い線を踏んでいいの?原付は?
意外と聞かれると答えられない方も多い疑問が道路にはいっぱいあります。
実は違反ではないと思っていたことが違反だったり、また違反だと思っていたことが違反ではなかったり。

車は、時に凶器にもなる乗り物です。何かあった時には、知らなかったでは済まされません。

知ってるようで知らない道交法。今後もお知らせできればと思っています。では、

 

【交通違反】信号のない横断歩道での歩行者妨害

あなたは車を運転しているとき、信号のない横断歩道を渡ろうとしている歩行者を発見し場合、その歩行者を譲るために停止しますか?

2018年中、日本自動車連盟(JAF)が興味深い全国調査を行いました。
テーマは「信号機のない横断歩道における一時停止率」
調査期間は2018年8月15日〜9月13日(調査期間の平日、10時から16時)

いったいどのくらいの割合で一時停止しているのか。

今回は、その調査結果を踏まえ、横断歩道について考えてみました。

道路交通法第38条「横断歩道等における歩行者等の優先」

簡単に解説すると

1、明らかに歩行者がいない場合は、そのままの速度で通過できる。
2、歩行者がいるかいないか 明らかでない場合は、すぐに止まれる速度で進行しなければならない。
3、すでに渡り始めてる、または渡ろうとしている歩行者がいる場合は一時停止し、その通行を妨げてはならない。

ちなみにこれに違反した場合、行政処分による違反点数2点が付けられ、また反則金は9,000円となります。

ということは、歩行者が渡ろうとしている場合は必ず止まらなければならず、譲らなければ違反となるわけです。また横断歩道上で歩行者を撥ねてしまえば、当然過失割合は車が100%となり、様々な責任を追うことになるでしょう。このようなリスクを考えれば止まるのが当たり前!当然JAFの調査結果では100パーセントに近い水準で一時停止しているのではないでしょうか?

【運転免許・学科問題】この問題わかる?

というわけで、JAFの調査結果を調べてみました。

2018年「信号のない横断歩道における車の一時停止率」(JAF調べ)

※調査場所等
センターラインのある片側1車線道路で、原則として、調査場所の前後5m以内に十字路及び丁字路交差点がない箇所で、道路幅員が片側2.75m~3.5m、交通量が3~8台/分(目安)とし、制限速度が40~60km/h程度の箇所
※詳細の調査場所は非公表

ということで、ほぼ同じ条件で調査を行ったことがわかります。率直に思うことは、全国平均8.6??1割も止まってない?みんな全然止まらないのね。という感じ。

因みに調査対象車両は、信号のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場面で通過した11,019台で、そのうち一時停止したのは948台だったそうです。

もっともよく止まっていたのは長野県(58.6%)次いで静岡(39.1%) 意外だったのは交通事故死者数16年連続1位の愛知県が22.6%も止まっていたということ(愛知の方すみません。)。

»<参考> 2018年交通事故死者数 戦後最少更新

一番止まってないのは、栃木県(0.9%)100人に1人も止まらないんですね⤵︎

ちなみにもっとも人口の多い東京はワースト5位の2.1%

この記事の冒頭に質問した「信号のない横断歩道で歩行者が渡ろうとしている場合、あなたは歩行者を譲るために停止しますか?」は、結論として8.6%の方が「止まります。」という回答で、その他91.4%は「止まらない」という回答になるということですね。

JAFが17年6月に「ドライバーが一時停止しないと考えられる理由」についてアンケート調査したところ
「自車が停止しても対向車が停止せず危ないから」
「後続車が来ておらず自車が通り過ぎれば歩行者は渡れると思うから」
「横断歩道に歩行者がいても渡るかどうかわからないから」
という回答が上位3つを占めたといいます。非常に身勝手な意見ばかりですね。多分実際に事故に遭わないとわからないのでしょう。

2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて

先進国の中で、こんなに歩行者を譲れないのは日本くらいと言われています。

また、2017年までの5年間に全国で発生した車対歩行者の死亡事故計6,576件のうち、4,811件(73%)が歩行者が道路を横断中だったことが警察庁の調べで分かったそうです。

「世界一の安全都市」日本に向けて、まだまだドライバー一人一人の意識を変えなければなりません。

警察庁は2020年開催の東京オリンピック・パラリンピックに向けて横断歩道での歩行者妨害について取り締まりを一層強化するとしていますのでご注意ください。

教習所の卒業検定では、横断歩道を渡ろうとしている歩行者を譲れなかった場合は不合格だったことを覚えているでしょうか。この記事を読んだ方は、ぜひ初心に帰って歩行者を譲るという基本的なことを実践していただきたいと思います。

 

【2017改正道路交通法】2019年あなたの免許で乗れる車、徹底解説

2017年3月12日施行された改正道路交通法によって、準中型免許が新設されました。これによって、第1種の運転免許区分が細分化され、取得する免許の幅が広がった一方で、乗れる車の重量制限についても細かくなりすぐたため、自分の免許で一体何が運転できるのか、また運転できないのか、改正されてから1年以上経過した今でも理解していないドライバーが多いのが現状です。

教習所に通う方でこんな方がいました。

運転免許の取り直しで、実は以前運転免許を取り消されたという方。差し支えなければということで、取り消しになった理由を尋ねたところ、

「会社の最大積載量2tのトラックで走行中、白バイに止められました。運転免許を提示したところ、あなたの免許ではこの2t車を運転することはできないとの指摘を受け、無免許運転により取り消しになってしまった。」とのことです。

その事実を知らなかった会社のあり方にも問題がありますが、やはり自ら運転することができない車両であるという認識がなかったことが一番の問題となったわけです。運転免許の管理は自ら徹底して行うもの。「うっかり失効」なんて言葉もありますが、知らなかったでは済みません。

というわけで今回は、教本を読んでもわかりづらい、「あなたが運転できる車の重さ」について徹底解説していきたいと思います。

最大積載量と車両総重量

最大積載量とは、その車両が積載することができる貨物の最大限度の重量を示すもので、
右絵でいう赤色部分の最重量貨物の重さのことです。

 

車両総重量とは、その車両の最大定員(人の重さは55kgで計算される。)が乗車し、
積載することができる最重量の貨物を乗せた自動車全体の重さのことを言います。
右絵でいう全てのが最大の状態だった場合の重さを示します。

 

 

あなたの免許で運転できる車を解説

上の表では、免許を取得した年代ごとに運転できる車両が異なるため、わかりやすく表にしたものです。

2007年6月1日までに普通自動車免許を取得した方

今思えば最高の時代、普通免許を取得しただけで最大積載量4tの車両を運転できました。今の免許区分に合わせると「中型8t免許」と呼ばれています。

大型免許も今でいう中型免許になる最大積載量5.5t程度の車両を用いて練習できたため、試験場での一発試験でも十分取得可能な免許でした。私自身もこの時代に免許を取得し、学生のうちに大型まで練習なしの一発試験で取得してしまいました。

しかしこの時代の運送業は、「早い」「安い」というのが売り文句だったため、大型貨物による重大事故が絶えず、法改正へと流れていきました。

残念です。

2007年6月2日〜2017年3月11日までに普通自動車免許を取得した方

この時、中型貨物自動車が新設されました。

世はゆとり教育世代と呼ばれる人たちが社会に出てきた頃、男性もオートマチック免許を取得する人口が増えて、貨物自動車なんか眼中にないといった感じ。若者の車離れ、少子高齢化の波が押し寄せて教習所業界も一校、また一校と学校閉鎖に追い込まれていきます。

一方、日本の血液とも言える運送業界へ就職する若者が激減。まさに現在の運送業界人手不足の原因とも言える法改正となりました。

教習所では大型教習で使用する車両が5tクラスから10tクラスへの改正に伴い、車両準備、コース改修など予算的に無理があるところばかりで、ほとんどの教習所が大型教習から手を引きました。

その結果、一つの教習所に入校が集中するため、予約が取れないなど、問題も発生しています。

こうした背景の中、免許制度に関する問題が発生します。普通免許で運転することができる最大積載量2tの貨物自動車でも、冷蔵車やユニック車など車両装置により車両総重量が5tを超えてしまい、当時の普通自動車免許では運転することができません。その車両を運転するためには、20歳から取得できる中型貨物自動車免許が必要ということで、実質高卒での採用ができない企業が増えてしまったということです。

そこでトラック協会や全国高等学校長協会などから国へ要請があり、運送業への斡旋を促す仕組みづくりの提案がなされました。

結果的にこのことが、2017年の改正道路交通法への引き金になったわけです。

2018年現在、普通自動車免許を取得した方

この法改正によって、一番迷惑だったのが、教習所業界。

1、準中型用のコース改修と車両準備にお金がかかる
2、新免許が増えたことによって他車種も含め教習を受講する種類も増加、この結果不適正事案が急増する恐れあり
3、準中型免許は期待ほど入校しないため、なんのための法改正だったのかいささか疑問が残る
4、高校側により就職先を斡旋したいということが引き金になったわけですが、卒業するまで免許を取らせない高校がいまだに多い

その他、様々な問題もありますが、ひとまず18歳で取得可能な準中型免許を取得すれば運転できない最大積載量2t車はなくなるので、そういった問題は解消されたことになります。

普通自動車免許で運転してはいけない車

最大積載量2t以上で車両総重量3.5t以上の車両です。一部の大きなアメ車も運転できません。

少しでもトラックや大きなアメ車を運転したいと考えているなら準中型免許を取得してください。
準中型免許は、普通自動車免許を取得してなくても取得可能なので、時間とお金に少しでもゆとりのある方は、準中型免許をお勧めします。

尚、準中型免許はAT限定免許はありませんので、あしからず。

まとめ

意外と理解してない方の多い、昨年施行された改正道路交通法のお話。教本を読んでもいまいち理解でいなど、相談もあったりします。

今回は特に、運送会社を経営されている方必見となっております。知らず知らずのうちに従業員の方に無免許運転をさせてしまったというわけにはいきませんので、今一度、ご自身の所有する車両の最大積載量と車両総重量、そして従業員の方の免許証を合わせてチェックして間違いがないようにお気をつけください。

【岡山女子中学生死亡事故】何故、無免許運転をするのか

2018年7月1日午前4時55分ごろ、岡山市北区青江2の国道30号で、中学2年の男女5人が乗った乗用車が中央分離帯に乗り上げ、金属製ポールに衝突し大破した。同区の女子生徒が車外に投げ出され、頭を強く打って搬送先で死亡が確認された。他の男子2人と女子1人が足の骨折などで重傷、さらに男子1人が軽傷を負った。岡山県警岡山南署は、無免許の中学生だけで乗車していた経緯について調べを進めている。

〈毎日新聞〉

またもや無免許運転による死亡事故が起きてしまいました。

ネットの書き込みなどを見ると

・誰が運転してたのか
・誰の車なのか
・飲酒運転だったのか
・5人乗りに6人乗車してたのか
・責任は、本人達か親にあるのか

様々な憶測が飛び交ってはいるが、真実はわかっていない状態だそうです。

多発する無免許運転

今年3月にも同じ中国地方の鳥取県で中学生の無免許運転による死亡事故が起きたばかりでした。

軽トラックを盗んだ中学生3人が単独事故を起こし、荷台に乗っていた中学2年生の男子生徒が亡くなったというもの。

その事故では亡くなった中学生と同中学2年の男子生徒(14)を窃盗無免許過失運転致死道路交通法違反(危険防止措置義務違反、報告義務違反)の疑いで、助手席にいた市内の別の中学3年の男子生徒(15)を窃盗道路交通法違反(無免許運転車両同乗)の疑いで逮捕された。

無免許運転は2013年12月に厳罰化されたばかりで、それまで「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」だったものが、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」になっただけでなく、車の提供者や同乗者にも同様程度の罰則が与えられることとなりました。

また無免許運転による行政処分も19点(欠格期間1年)から25点(欠格期間2年)となり、様々な罰則が強化されました。

しかしながら、無免許運転をする人たちは、そもそもそういった教育を受けておらず、捕まって初めて罪の重さに気づくことになります。それが、捕まって気付く場合ならまだ良い方で、今回のように犠牲者が出てからその恐怖に気付くことも少なくありません。

無免許運転厳罰化の背景(京都府亀岡市死亡事故)

この厳罰化の引き金となったのは、2012年4月、京都府亀岡市で起こった、登校中の児童の列に「遊び疲れによる居眠り」をしていた少年の(無免許)運転する車が突っ込み、引率していた保護者と保護者のお腹にいた胎児、また児童2名の合計4つ命が同時に奪われたという事故です。

その後亡くなった方のご遺族による懸命な努力により、無免許運転に関する厳罰化がはかられることとなりました。

事故を起こした少年には未成年に対する過去最高の懲役5年以上8年以下の実刑判決、また少年ら5名に損害賠償7400万円、また負傷した方へは1500万円の賠償命令が出ています。

何故、無免許運転をするのか

私は無免許運転をしたことがないので、そういう人の気持ちはわかりませんが、私が何故無免許運転をしなかったかはわかります。

当たり前の話ですが、それが違法だとわかっているから。

また、運転ができたとしても「運転する楽しさ」と「捕まったり事故を起こした時の恐怖」を天秤にかけたら圧倒的に恐怖が勝るから

そして、何より周りの全ての人に迷惑がかかるから

その分別がつくかどうかでしかありません。無免許運転をする人は、きっと違法だとわかっていてもノリだったり自己満足だったり過信して自分だったら大丈夫とか、捕まらなきゃいいんでしょという考えから抑えが効かなくなってしまうんでしょう。

中学生のようにまだまだ幼い感情は、周りの大人がしっかり正しい方へ誘導しなければいけません。手の付けられない不良であれば、時に警察の手を借りなければならないかもしれません。しかし、今回の岡山県の事故に関しては、頻繁に車を乗り回してたという情報もあることから、鍵の管理の不徹底(?もしかして容認してた?)が大きな原因の一つと言えるでしょう(そもそもの躾もあると思うが)。

まとめ

先日も渋谷のど真ん中で仮免許の男がクラクションを鳴らし多くの人が横断するスクランブル交差点を突き抜けていく映像が話題を呼んでいました。犯人は、仮免許を取得したんだから無免許ではないだろうと供述しているようですが、仮免許での運転はあくまでも練習目的のみに使用できるのであって、同乗者の条件や練習中の表示義務があるなどの条件を満たしていたとも思えず、またその走行の悪質性からも練習中とは言いがたいところから、十分無免許運転に相応することは明確です。

教習の時も「実は無免許で運転したことがあります」という教習生は一人や二人じゃありません。

ちなみに平成29年中に無免許運転で検挙された数は、全国で20,620人です。あくまでも検挙されている数ですから、この数字は氷山の一角と言えるでしょう。想像しただけで恐ろしいです。

教習所期限ギリギリの対処方法

教習所を卒業するまでには、いくつもの期限の縛りがあります。

中には仕事や学校が忙しくてなかなか通えなくなってしまう人、サボっていたらいつの間にか期限を迎えていたという人、指導員に厳しいことを言われ通いたくなくなってしまった人など様々な状況で期限を迎えてしまうケースがあります。

教習料金はオートマチック免許でも30万円近くするものです。当然期限がなくなれば、その30万円をドブに捨てることになってしまいます。30万円を捨てるくらいなら多少辛くても、面倒臭くても、厳しい指導員に出会ったとしても頑張って乗り切って欲しいと思います。

今回は、そんな教習期限のお話。

期限ギリギリでもなんとかなるかもしれない、そんな時の対処法をお伝えしたいと思います。

免許取得までにある様々な期限

教習期限 9ヶ月

これは、教習所に通い始めて、初回教習(学科教習1「運転者の心得」、学科免除の方は初めて行った技能教習。)を受けた日から9ヶ月以内に第一段階、第二段階の全ての技能教習と学科教習を修了しなければなりません。ただし、これは卒業期限ではないので、卒業検定や学科の効果測定は合格していなくても問題ありません。

また、入校手続きだけ済ませて、その後出張や入院など長期的に通えなくなる可能性のある方は、初回教習を始めなければ期限が発生することはないので、今後の予定を考慮した上で教習開始することをお勧めします。

運転適性検査結果の期限 9ヶ月

教習所に通い始めて、教習を開始する前に受けなければならない適性検査です。期限の9ヶ月とは、検査を受けた日から9ヶ月以内に教習を開始しなければならないということです。期限が切れてしまった場合は、再度検査の受け直しとなります。

適性検査の期限は、運転免許取得後も有効になるため、卒業後別の免許を取得する際、適性検査の期限が残っていれば、そのまま使用することができるため、次の免許を考えている方は早めに卒業することをお勧めします。

修了検定(技能検定)の有効期限 3ヶ月

路上教習のある車種では、第一段階修了後、修了検定を受検することになります。学科試験がある場合は、修了検定(技能検定)合格したその日に受験することになります。万が一落ちてしまった場合は修了検定の合格日から3ヶ月以内に学科試験に受からなければなりません。

仮免許の有効期限 6ヶ月

修了検定(学科試験がある場合は学科試験)に合格すると仮免許を取得できます。この仮免許の有効期限が6ヶ月となります。6ヶ月を経過すると路上教習や卒業検定をを行うことができないので教習期限や卒業期限が残る場合には再度修了検定を受検できます。

卒業検定期限 3ヶ月

第一段階、第二段階の技能教習及び学科教習が全て修了してから3ヶ月以内に卒業検定に合格しなければなりません。

期限内に合格できなかった場合は、仮免許の期限内に第二段階の技能教習と学科教習を再度受け直しとなります。

卒業証明書の有効期限 1年

教習所を卒業すると現住所のある都道府県の運転免許試験場で(学科試験のある者は試験場で本免試験を受験し合格したら)運転免許の交付を受けます。この1年の期限内に交付を受けないと今までやってきたことは全て水の泡となります。

試験場での交付は基本的に平日のみ(神奈川県など一部例外あり)となるので、新社会人の方などは比較的休みを取りずらい環境にあるため、学生のうちに交付を受けておいた方が良いでしょう。

期限がギリギリでも諦めないで、「期限ギリギリ対処方法」

残念ながら期限が切れてしまった場合は、その期限は戻ってきません。その場合は教習受け直しや、試験場で一発試験を受けて再度取得を目指すしかありません。期限がなくなってしまった方のほとんどは、最終的に諦めてしまいます。そして何年かしてから必要に迫られて再び教習所に通うことになるようです。

そうならないために、期限満了のギリギリで気が付いた場合は諦めず、対処法がないかを考えた方が良いでしょう。そこまでかかったお金が全て無駄になってしまいます。

まず期限ギリギリになってしまった場合は、教習所の職員に相談しましょう。もし対処法があれば色々教えてくれると思います。

色々な期限の中で一番ポイントになるのは教習期限です。

1、仮免許取得前に期限がギリギリになってしまった場合

仮免許取得前であれば、とにかく仮免許を取得してください。

仮免許取得後、一度退校手続きをとります。そうすると第二段階の料金が戻ってくはずです(この場合、第二段階の教習は一切手をつけてない方が良いでしょう。)そしてそのお金を使って再度入校手続きを行います。これを仮免入所といいます。そうすると仮免許の期限内に卒業すれば良くなり、期限が6ヶ月間増えることになります。

2、仮免許も間に合わない若しくは仮免許の有効期限が危ういなど

教習所によってはスケジュールコースの設定がある場合があります。中にはVIPコースというプランを持つ教習所もありますが、だいたい有料プランとなります。その場合予約が取りづらくても、全てのスケジュールを組んでくれます。

予約の解放は教習所次第なので、なんの相談ものってくれない教習所はないと思います。

3、個人の予定でどうしても取り切れない

突発性の予定は致し方ないとしても、ある程度磯貝しいことがわかっていれば初めから有料コースを選択したほうが良いと思います。免許がなぜ必要なのかを良く考え、今ご自身が置かれてる状況を考え教習計画を立てるべきと思います。

突発性のものでどうしようもない場合は、やはり各教習所に相談していただくしかないですね。

まとめ

教習所は、道路交通法の下で運営しています。法律の中で最もうるさく書かれているのは、時間なんです。

例えば、学科教習中居眠りをしていたら欠略となりその時間は未実施ということになったり、始業の時間に間に合わなくても不成立となります。これらに違反した場合教習所は厳しく罰せられるため、教習所側も注意深く確認を行なっています。

様々なものにはだいたい期限が付きまといます。その期限も教習所では、一分一秒まかり通りません。もしまかり通ったのであれば、その教習所は違反をしています。

免許取得にかかるお金は決して安いものではありません。教習所では入所していただいた全ての方に免許を取得しもらいたいと願っております。

残念ですが、期限の管理は、いくつかの逃げ道はあるものの、個々人がしっかり管理し守ってもらうのが一番良い方法であります。

 

 

【乗車定員】子供は何人乗れるか、表にしてみました。

これからの季節、レジャーや買い物などお出かけすることも多くなりそうですね。出先でたくさんお金も使うので、「なるべく経費を抑えたい」、そう考える方も多いと思います。例えば複数の家族でお出かけする場合、それぞれの家族で車を出すとそれぞれに高速料金や燃料費など多くのコストがかかります。それなら一台にみんな乗って割り勘にすれば大きなコスト削減になります。しかも車内はたくさん乗ってて楽しいし、運転の交代要員も増えて一石何鳥にもなります。

ただし車には乗車定員があり、それを超過すれば、取り締まりの対象にもなるし、また事故につながる恐れもありますので、しっかり確認をしてください。

今回は、そんな時に間違えないようにしていただくために、乗車定員の計算方法をわかりやすく表にしたものをまとめてみました。

子供は何人乗れるか?【計算方法】

道交法上、12歳未満が子供、12歳以上が大人となります(体格や体重は関係ないようです。)。

また子供3人を大人2人として計算されますので、子供は大人の1.5倍乗車できるということになるため、計算式はこうなります。

(乗車定員ー大人の数)×1.5=乗車できる子供の人数(小数点以下は切り捨て)

※乗車定員は車検証に記載されてます。

では例題です。

〈例題〉

乗車定員8人の乗用車に運転手以外大人が3人乗車した場合 子供は何人乗車できますか?

 

[答え]は,

6人です。

乗車定員8人に運転手以外大人が3人乗車したわけですから、大人は4人いることになりますので、
(8−4)×1.5=6人となります。

乗車定員と大人の数によって子供が何人乗車できるかを表にしてみました

現在の免許制度では、普通自動車免許で運転することができる車の乗車定員は10人までとなっています。

例えば、3家族で旅行することになった場合、人数は大人が6人子供が6人の合計12人だったとします。
レンタカーでは10人乗り(ハイエース)も扱っているので、それを借りていけば1台で乗車が可能となります。

計算上問題なくても、注意すべき点

先ほどあげた例(大人6人、子供6人いても10人乗りなら乗車できる)からすると、乗車定員を超過する人数でも12歳未満の子供がいれば計算上問題ないという話ですが、ここにはいくつかの注意点があります。

注意点1、人数分のシートベルトが確保できない

車には本来乗車定員分のシートベルトしか備わってませんので、10人乗りに大人子供合わせて12名が乗車したとすると、2名分のシートベルトが足りないことになります。しかし、道路交通法施行令第26条の3の2(座席ベルト及び幼児用補助装置に係る義務の免除)第2項第1号によると、「運転者席以外の座席の数を超える数のもの乗車させるためこれらの者のうちに座席ベルトを装着させることができない者がある場合において、当該座席ベルトを装着させることができない者を運転者席以外の乗車装置(助手席を除く。)に乗車させるとき」はやむを得ない理由として、シートベルト着用が免除されます。

注意点2、チャイルドシート着用によりスペースが狭くなる

チャイルドシートは6歳未満のお子さんに着用しなければならない義務となっております。着用方法は製品によって異なりますが、基本的にはシートベルトを利用して設置することになります。また、チャイルドシート着用により、座席のスペースは、狭くなることが予想されます。狭くなるから着けないというわけにもいきませんので、チャイルドシートの数を考慮して計画を立てることをお勧めします。

注意点1、2共にベルト着用免除について法律上問題ないと言っても安全面から考えると、乗車定員以内での乗車が望ましいと思います。子供の車外放出による死亡事故も聞いたことがあります。何かあってからでは遅いので、そのことを十分理解してドライブを楽しんでいただければと思います。

 

運転免許学科試験、この問題わかる?

運転免許取得への最後の砦、運転免許試験場で行う「学科試験」。

一度で合格する人もいれば、10回以上かかってやっと合格なんて話も聞いたことがあります。一発で合格するために「裏コー(試験当日、試験場近くにある施設で試験問題と答えを教えてくれる施設)」に行く人なんかもいるようですが、そもそも問題と答えを暗記しなきゃいけないので、立派に勉強してることになりますね(私はオススメしませんが…。)

答えは、○か×かの二択。

かつては、素直に1問1点問題が、100題だったのでわかりやすかったんですが、
現在では、1問1点が90題と危険予測問題が10点分(1題に3問ずつ全て正解して2点、これが5題出る。)

たかが1点ですが、正答率が90%で合格となるので、どれだけ難しい大学入試だって正答率90%で合格なんて存在しないわけで、それなりにしっかりとした勉強をしていないと合格はできません。

そこで今回は、教習時に「こういう場面ならこうしなきゃいけない。」ということについて問題にしてみたので、考えてみましょう。

学科試験問題

問1、信号のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場合は、必ず譲らなければならない。

問2、信号のない横断歩道を歩行者が突然渡ろうとしたため、急ブレーキによる追突事故など危険を防止するため譲らないで通過した。

問題の考察

問1、信号のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている状況では必ず譲らなければならないわけですから、極端にいうと止まった事によって「自らが死ぬ事になろうとも」「この世の終わりが来る事になろうとも」その歩行者を譲らなきゃいけないという事になります。
そんな頭の固いことを言うな思う人もいるかもしてませんが、であれば「必ず」と言う言葉を外してほしいものです。

問2、これも極端な話をしますが、突然渡ろうとする歩行者ですから、飛び出し気味ということが考えられます。その場面を想像すると、運転者は慌てて急ブレーキをかけようとするはずです。急ブレーキとなれば、当然後続車の追突が考えられますね。じゃ仮にその後続車が危険物を運んでいる大型のトレーラーだったら?
多分大惨事ですね。譲ったあなたは間違いなく死ぬ事になるでしょうし、追突したトレーラーもガソリンを撒き散らし引火、地域一帯に広がる大火災に発展し、譲られた歩行者も死の直前にこう思うでしょう。「あの運転手が譲らなければこんな事にならなかったのに…」と。

まさに問1で恐れていたことが、問2で起こってしまった事になります。

この2つの問題は、信号機のない横断歩道に歩行者が渡ろうとする歩行者が存在した時に「必ず譲る」必要があるのか、それとも「状況によっては譲らなくて良い」のかを聞いています。
ただ問題をひっくり返しただけの話なので、問1が○であれば、問2は×ということになり、逆に問1が×であれば問2は○ということになる。(考え方によっては、両方とも×もあり得る。)

となると、答えは、

問1「×」

問2「○」

と考えたくなるでしょう。

しかし、道路交通法第38条にはこのように記載されています。

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道路交通法解説

道路交通法第38条第1項「横断歩道等における歩行者等の優先」

車両等は、横断歩道又は、自転車横断帯に接近する場合には、当該横断歩道を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前で停止することができるような速度で進行しなければならない。
この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

この条文はこのように言っています。

1、横断歩道を横断しようとする歩行者や自転車が明らかにいない場合は、そのまま通過できる。

2、横断歩道を横断しようとする歩行者がいるかいないか明らかでない場合は、止まれる速度で進行する。

3、横断歩道を横断しようとする歩行者がいる場合は、止まってその進行を妨げないようにしなければならない。

問題の回答・解説

答えを解くカギは、問2に隠されています。

「歩行者が突然渡ろうとした」という状況を考えると、その直前まではその「歩行者」は横断しようとしてなかったということになります。ということは、そもそもその「横断歩道」は、この後歩行者が渡ろうとするかどうかがわからない状況だったということがわかります。

道路交通法解説の「2」にあります通り、横断する歩行者がいるかいないかわからない状況の場合は、止まれる速度で進行しなければならないため、「急ブレーキ」の恐れがあったらおかしいわけです。

よって問2は×ということになります。

問1は、いかなる状況の場合も譲れる状態になければならないため言い訳はできません。

したがって、問1は○になります。

まとめ

この問題は、危険予測の基本であります。

道路交通法は、「歩行者 対 」であれば、全て歩行者に都合よくできています。

例えば、信号も横断歩道もない交差点で歩行者が渡ろうとしている場合でも歩行者の妨げにならないようにしなければならないというルールもあるんです。車の立場から言えば、そんなところ渡る方が悪いたくなりますが、法律はそうはいきません。

 

問2のような状況で、歩行者をひかずに済んだならそれはたまたまひかずに済んだだけ

残念ながら横断歩道で歩行者に道を譲る人は多くありませんが、歩行者と車、どちらが優先なのか、もっと多くの人が理解を深めるべきです。「もし歩行者を撥ねてしまったら」…。想像するだけで恐ろしい。私の人生だったら一巻の終わりになるでしょう。