運転免許学科試験、この問題わかる?

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運転免許取得への最後の砦、運転免許試験場で行う「学科試験」。

一度で合格する人もいれば、10回以上かかってやっと合格なんて話も聞いたことがあります。一発で合格するために「裏コー(試験当日、試験場近くにある施設で試験問題と答えを教えてくれる施設)」に行く人なんかもいるようですが、そもそも問題と答えを暗記しなきゃいけないので、立派に勉強してることになりますね(私はオススメしませんが…。)

答えは、○か×かの二択。

かつては、素直に1問1点問題が、100題だったのでわかりやすかったんですが、
現在では、1問1点が90題と危険予測問題が10点分(1題に3問ずつ全て正解して2点、これが5題出る。)

たかが1点ですが、正答率が90%で合格となるので、どれだけ難しい大学入試だって正答率90%で合格なんて存在しないわけで、それなりにしっかりとした勉強をしていないと合格はできません。

そこで今回は、教習時に「こういう場面ならこうしなきゃいけない。」ということについて問題にしてみたので、考えてみましょう。

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学科試験問題

問1、信号のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている場合は、必ず譲らなければならない。

問2、信号のない横断歩道を歩行者が突然渡ろうとしたため、急ブレーキによる追突事故など危険を防止するため譲らないで通過した。

問題の考察

問1、信号のない横断歩道を歩行者が渡ろうとしている状況では必ず譲らなければならないわけですから、極端にいうと止まった事によって「自らが死ぬ事になろうとも」「この世の終わりが来る事になろうとも」その歩行者を譲らなきゃいけないという事になります。
そんな頭の固いことを言うな思う人もいるかもしてませんが、であれば「必ず」と言う言葉を外してほしいものです。

問2、これも極端な話をしますが、突然渡ろうとする歩行者ですから、飛び出し気味ということが考えられます。その場面を想像すると、運転者は慌てて急ブレーキをかけようとするはずです。急ブレーキとなれば、当然後続車の追突が考えられますね。じゃ仮にその後続車が危険物を運んでいる大型のトレーラーだったら?
多分大惨事ですね。譲ったあなたは間違いなく死ぬ事になるでしょうし、追突したトレーラーもガソリンを撒き散らし引火、地域一帯に広がる大火災に発展し、譲られた歩行者も死の直前にこう思うでしょう。「あの運転手が譲らなければこんな事にならなかったのに…」と。

まさに問1で恐れていたことが、問2で起こってしまった事になります。

この2つの問題は、信号機のない横断歩道に歩行者が渡ろうとする歩行者が存在した時に「必ず譲る」必要があるのか、それとも「状況によっては譲らなくて良い」のかを聞いています。
ただ問題をひっくり返しただけの話なので、問1が○であれば、問2は×ということになり、逆に問1が×であれば問2は○ということになる。(考え方によっては、両方とも×もあり得る。)

となると、答えは、

問1「×」

問2「○」

と考えたくなるでしょう。

しかし、道路交通法第38条にはこのように記載されています。

Anewbist / Pixabay

道路交通法解説

道路交通法第38条第1項「横断歩道等における歩行者等の優先」

車両等は、横断歩道又は、自転車横断帯に接近する場合には、当該横断歩道を通過する際に当該横断歩道等によりその進路の前方を横断しようとする歩行者又は自転車がないことが明らかな場合を除き、当該横断歩道等の直前で停止することができるような速度で進行しなければならない。
この場合において、横断歩道等によりその進路の前方を横断し、又は横断しようとする歩行者等があるときは、当該横断歩道等の直前で一時停止し、かつ、その通行を妨げないようにしなければならない。

この条文はこのように言っています。

1、横断歩道を横断しようとする歩行者や自転車が明らかにいない場合は、そのまま通過できる。

2、横断歩道を横断しようとする歩行者がいるかいないか明らかでない場合は、止まれる速度で進行する。

3、横断歩道を横断しようとする歩行者がいる場合は、止まってその進行を妨げないようにしなければならない。

問題の回答・解説

答えを解くカギは、問2に隠されています。

「歩行者が突然渡ろうとした」という状況を考えると、その直前まではその「歩行者」は横断しようとしてなかったということになります。ということは、そもそもその「横断歩道」は、この後歩行者が渡ろうとするかどうかがわからない状況だったということがわかります。

道路交通法解説の「2」にあります通り、横断する歩行者がいるかいないかわからない状況の場合は、止まれる速度で進行しなければならないため、「急ブレーキ」の恐れがあったらおかしいわけです。

よって問2は×ということになります。

問1は、いかなる状況の場合も譲れる状態になければならないため言い訳はできません。

したがって、問1は○になります。

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まとめ

この問題は、危険予測の基本であります。

道路交通法は、「歩行者 対 」であれば、全て歩行者に都合よくできています。

例えば、信号も横断歩道もない交差点で歩行者が渡ろうとしている場合でも歩行者の妨げにならないようにしなければならないというルールもあるんです。車の立場から言えば、そんなところ渡る方が悪いたくなりますが、法律はそうはいきません。

 

問2のような状況で、歩行者をひかずに済んだならそれはたまたまひかずに済んだだけ

残念ながら横断歩道で歩行者に道を譲る人は多くありませんが、歩行者と車、どちらが優先なのか、もっと多くの人が理解を深めるべきです。「もし歩行者を撥ねてしまったら」…。想像するだけで恐ろしい。私の人生だったら一巻の終わりになるでしょう。

 

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