道路交通法  解説

【高齢者講習】認知症の人ってどのくらいいるの?

認知機能検査とは

昨年(平成29年)の3月より「認知機能検査」が強化されました。

認知機能検査とは、
75歳以上の高齢ドライバーが受けなければならない「記憶力・判断力」を確かめる為の検査で2種類あります。それぞれ検査内容は同じですが、受けなければならない状況が異なります。

1、「更新時認知機能検査運転免許の更新の前までに教習所または一部の公安委員会で行います。

2、「臨時認知機能検査」75歳以上の方が一定の交通違反をした場合に公安委員会で行います。

»臨時認知機能検査、臨時高齢者講習とは

点数の範囲は3つに分類されます。結果は、100点中何点だったかによってその後受けなければならない講習等の内容が異なります。
↓詳しくはこちら↓
70歳以上の運転免許更新、高齢者講習の具体的内容

 

このうち、第1分類(48点以下)に該当した場合は、医師の診断が必要となります。
また診断の結果が「認知症」となった場合は、運転免許が取り消されることがあります。

認知機能検査の実施結果(平成29年3月12日〜平成30年3月31日)

2,106,477人      認知機能検査受検者数

57,099人 (2.7%)     第1分類(認知症の恐れあり)と判定された者

41,486人 (1.9%)  臨時適性検査(専門医の診断)の通知又は診断書提出命令を受けた者

16,470人 (0.7%)  医師の診断を受けた者

1,892人     (0.08%) 免許の取り消し・停止を受けた者

【参考】
4,736人          その他の警察活動などを端緒に診断を受けた者
1,318人          内、免許の取り消し・停止を受けた者

少しわかりづらいのでまとめると

認知機能検査を受験した人は、2,106,477人。
その内、3,210人が取り消し・停止になったということです。
(因みにその他、4,517人が運転免許を失効、16,115人が自主返納したそうです。)

法改正の結果、運転を引退されるかたも多く存在するということです。

運転免許の自主返納は過去最多

私も認知機能検査を行う検査員として従事しておりましたが、第一分類(48点以下)の結果だった方は、その検査内容から、かなりの体調不良か、検査環境の悪さがない限り、記憶力や判断力の衰えを自ら、若しくは家族の方からの説得により自覚すべき点数だと思います。

もちろん中には車が無いと生活できないという環境の方も多いようですが、何かあってからでは遅いのです。生活の為の足を失うこと以上に苦しい日々が待っている可能性があります。

また、自主返納された方には、本人確認証として効力のある運転経歴証明書が交付され、バスやタクシーの割引が受けられるなど特典もあります。

平成29年の1年間に運転免許を自主返納したドライバーは(若年層を含め)4.2万人を超え、過去最多だったことが警察庁のまとめで分かりました。そもそも昨年の道交法の改正により高齢ドライバーへの法律が厳しくなったのも安全運転に対する意識づけだけでなく、運転免許の返納を促す為であることは、明らかであります。

65歳以上の方の7人に1人は認知症と言われている現在、このペースでいくと2025年には5人に1人になると見込まれております。

この記事を書いている私自身もいつ認知症になるか分かりません。

もし、あなたがご家族から免許を返納しなさいと言われた時に素直に受け入れられますか?

何が自分や家族のために一番大事なことなのか

「明日は我が身」ではありませんが、この「認知症」と「運転」についてしっかりと向き合っていかなければならないと思います。

 

バイクのすり抜けは捕まるの?白バイ警察官に聞いてみた。

何故人はリスクを負ってまでバイクに乗るのか

私は自動二輪の免許を取って20年以上になりますが、ほぼ毎日バイクを運転してます。

車を運転するよりも圧倒的に運転頻度が高いんですが、暑い日も寒い日も、雨の日も風の強い日も、ヘルメットで髪型が崩れるし、頭が蒸れてハゲるリスクだって、転倒して死ぬ可能性だってあるのに…。なんでこんなに辛い思いをして、バイクに乗るのか、
バイクの免許持ってない人やバイクに興味のない人には、意味がわからないでしょう。

バイクの魅力ってなんですか?

季節を肌で感じられ、風をキって走る爽快感?
趣味でツーリングに出掛ける方は、そうかもしれませんが、

通勤・通学で乗る人は?
風を感じるなんて、そんなくだらない感情に命はかけられません。
むしろ風なんて感じたくないし、快適が良いに決まってます。

そんな辛い思いをして、いったい何の為にバイクに乗るのか・・・?

多分、ライダーのほとんどは、こう考えるんじゃないでしょうか、
身軽さと時短が最大のメリットだと

身軽さで言えば、例えばちょっとコンビニ行くのだって、車を出すほどじゃないけど、歩きじゃ遠いからバイクで行く、なんてことも多いです。最近では、大型二輪やビックスクーターの需要が減り、小型二輪の人気が上がってきたようにも思います。特に今夏を目標に小型二輪を最短二日間で取得できるようにという法改正も行われるようです。

AT小型二輪(125CC以下)免許を最短二日間で取れるようになる!!

「目的地まで車より早く着く」
「渋滞なんて関係ない」
「時間が読める」

身軽さは時間短縮に繋がり、そして、その時間を有効活用できるようになります。

時は金なり

時間こそお金以上の価値がある!
だからこそ、人はリスクを負ってまで、バイクに乗るんじゃないでしょうか?

すり抜けは捕まる??

しかし、そもそも何でバイクは時短につながるのか、

例えば、スポーツカー小型AT二輪車朝の通勤時間帯に都心部まで高速道路を使ってはいけない条件で30kmの距離を競争したとしましょう。どっちが先につきますか?

答えは、「ほぼ同着!」のはず!

だって道路交通法上、高速道路に乗ることができるかどうか以外、特に速度に関しては全く両者の条件は変わらないのでなので、先に出た方がやや先に到着するということになります。

しかし、大半の方が、小型二輪の方が先に着くと思ったんじゃないでしょうか?

それは、やっぱり二輪の方が、身軽で、僅かの隙間でもすり抜けできるからに他なりません。
でも、「すり抜け」って違法じゃないの?

ではこのすり抜けの行為が違反になるのかを考えてみましょう。

追い越し違反

まずは、やはり前車を追い越すわけですから、追い越しに関する法律に抵触するかどうかです。

道路交通法第2条21号 「追い越し」

ということは、「すり抜け」は、二輪車が、前者に追いつき、進路を変えて、その前車の前方に出るわけですから立派な追い越しに該当するわけです。では、その方法についてはどうでしょうか。

道路交通法第28条 「追い越しの方法」についてこの様に記載されている。

とあるので、追い越しは、右からしなさいというものです。
ですから左側からのすり抜けはもちろん、二車線の真ん中をすり抜ける行為も同様にこの条文に反するということです。

私は訳あって警察官の方とお話しすることが多く、実際に交通機動隊に所属し普段から白バイで取締りを行なっている複数の方に確認してみました。

[回答]白バイの方全員ではないらしいですが、止まっている車両の左側から抜けていく二輪車については、取り締まっていないのが現状だそうです。

ただし、もちろん走っている車両の左側を抜けていく二輪車や、二車線の真ん中を抜けていく車両は取締りの対象となるようです。また止まっている車両であっても割り込み違反に抵触する場合があるということです。

道路交通法第32条「割り込み等の禁止」

例えば、左側をすり抜けていき、駐車車両があって、それを回避しようと割り込んで入ったり、交差点の近くで後車の前方を横切って右折レーンに入ろうとしたりする行為です。

というわけで、「追い越し」に関しては、

・走行中の車両を左側から追い越してはならない。
・後車の前に割り込んだり、横切ったりしてはならない。
・交差点(優先道路を除く。)の30m手前では、そもそも追い越しが禁止されているため、本来すり抜けは、できない

ということになります。ほとんどのライダーがやっているんじゃないでしょうか?

信号無視

すり抜けていく二輪車のほとんどは、信号待ちの車両の先頭に出ようとします。

この場合、信号無視に該当するのかでありますが、

道路交通法施行令第二条三号「赤色の灯火」このように記されている。

とあるので、停止位置を超えた場合は、信号無視ということになります。しかし逆に言えば、停止線を超えなければ、違反にはならないということですね。
ただ、先頭に出た二輪車のほとんどが、停止線を超過しているようにも思いますが…。

その他の道交法

路側帯への侵入については、もちろん違反と言えるでしょう。 道交法では、歩行者の通行の用に供するとあるため、
道路外に出る(例えば、コンビニに入る)ため横切ることはできますが、走行することはできません。
車道外側線(歩道が設けられている道路に設けられた白色の実線または破線)については、車道外側線と歩道との間
の路肩部分も車道であるため、一般道路の路肩走行は(高速道路は違法です。)違法とは認められません。
進路変更の禁止について、道路交通法第26条の2では、車両は、みだりにその進路を変更してはならない。
とありますので、車両間の真ん中をすり抜けていく行為は、これに抵触するのではないでしょうか。

まとめ

結論は、日本の道路交通法は、事故やその恐れのある運転行動に対して、言い訳や言い逃れができない仕組みになっているわけです。白バイも「すり抜け」に関して、そこまで厳しく取り締まっているわけではないようですが、

あまりにもスピードが早い状態ですり抜ける車両や先ほど紹介した「みだりな進路変更」など、明らかに危険と認められる車両については何かしらの理由付けをして(例えば、整備不良やナンバープレートの折り曲げ、自賠責保険未加入など)積極的に取り締まっているようです。

すり抜けで捕まらない方法は、

申し訳ないですけど、ありません。

捕まりたくなければ、すり抜けないことです。

その為には、時間にゆとりを持って行動することしかありません。
その為に30分から1時間前行動をオススメします。

因みに私は実践しています。バイクで死にたくないですからね。
「目的地に早く到着することと無事に到着することのどちらが大事なことなのか…。」
ということですね。

それでは、

 

【AT小型(125CC以下)限定自動二輪免許】二日で取得!7/11スタート

AT小型二輪、最短2日で取得可能に!

平成30年4月5日、警察庁が、普通自動車免許所持者に限りAT小型免許(AT小型限定自動二輪免許)の教習にかかる日数を現行の3日間から2日間に短縮するという方針を固めたそうです。

教習時限数は、普通自動車免許を所持している場合
第一段階 3時限
第二段階 5時限   合計8時限です。

現行の道路交通法施行規則第33条<教習の時間及び方法>によると1日に受けることができる教習時限は、

第一段階は2時限まで
第二段階は3時限まで、ただし、連続して3時限行うことはできないとあります。
現在は、最短日数が3日間ですが、
この場合、

・初日は第一段階なので2時限のみ

・二日目は第二段階が含まれるため、3時限の教習が可能となる。
・三日目は第二段階のみなので3時限の教習を行った場合最短3日間が可能であります。

法改正が行われた場合の日程

法改正後は一日の教習時限の上限が3時限から4時限になるということなので

ということが可能になるというわけです。

因みにどの教習所においても、この8時限のうち3時限以上は、シミュレータ教習が設定してある為(これも教習所業界では問題となっている。「ただでさえ短い教習時限の中でシミュレータ教習多すぎだろ!!」という感じ。)教習所ごとに設定されている教習計画次第ではありますが、1日に何度もシミュレータを行わなければならないという問題が発生します。

また第二段階のシミュレータ教習「危険を予測した運転」はセット教習となる為、2時限目は連続して「危険予測ディスカッション」を受講しなければならず、実質1日の教習時限数が5時限となります(学科は今日時限の上限に含まれません。)。

基本的に二輪教習は、コースを覚えてもらわなければならないことがあり、特に第一段階と第二段階では、コース設定も異なる教習所が多いと思われますので、受講者に対する負担が大きくなることは必至であります。

そして、何より1日でいろんなことを詰め込まれるので、果たして、安全教育としての理解度を深めることができるのか、心配されるところです。

事の発端は経済産業省自動車課長の発言?

2016年に神戸市で開催された「BIKE LOVE FORUM」のなかで発言された、経済産業省の川野大志自動車課長の一言が引き金になったのではないでしょうか。

「排気量125CCの自動二輪免許取得を今までより簡単にするというような取り組みにチャレンジしてみた。」と述べている。(これを聞いたどこかのニュースでは、普通自動車免許を取得すれば小型二輪免許が運転できるようになると誤報を流し、一時騒動になっていたが…。)

その後も、自動二輪を推進する業界団体や、メーカー等の粘り強い働き掛けにより、警察庁が動き出したという経緯だそうです。

今後、パブリックコメント(意見公募)を実施した上で道路交通法施行規則を改正し、今夏にも導入する方針だそうです。

『警察庁からの情報によると平成30年7月11日改正がほぼ確定とのことです。また、この法改正によりどの教習所でもできるようになるわけではありません。受け入れ側も行政に申請するなど手続きを踏まなければならないでしょうから全ての教習所が前向きに取り入れるとは考えにくいです。ひとまず、「法律上は可能になった。」というだけで、教習所として取り入れる義務はないということ。
【平成30年6月15日追記】』

まとめ

この法改正により、小型ATの取得人口が増加することになれば非常に喜ばしいことです。
近年下火になりつつある自動二輪業界に一石を投じる政策であることを期待しております。

しかしながら東京最速(渋滞が多いからすり抜けしやすい小型は早い。)であり、無法者も多い乗り物、悪質ライダー量産により、交通事故数増加とならないことをお祈り申し上げます。

マリオカート事故多発!安全基準強化、保安基準改正

渋谷に行くとよく目にするマリオカート。
私に言わせると何が楽しいのか、、「俺たちのこと見て、見て!」と言わんばかりの出で立ちと笑顔で東京などの中心部を駆け巡っています。

どうやら「公道カート MariCAR(マリカー)」という企業が運営するレンタル&ツアー、コスプレ衣装の貸し出しなど外国人観光客向けにサービスを行なっているらしいのですが、本家の任天堂も不正競争行為や著作権侵害差し止めなどの訴訟を提起したり、交通事故が多発するなど、多くの問題を引き起こしていることは事実であります。

「マリカー」の事故実態

2017年3月27日から2018年2月26日までに発生した公道カートによる事故は、東京都内だけで50件で、このうち86%を占める43件に外国人ドライバーが関わっていたそうです。外国人事故の多さもさることながら、日本人も多く関わっていることにも驚きです。

2020年には東京オリンピック・パラリンピックも控え、訪日外国人増加に伴い、一層事故も増加するのではないかという懸念の声も耳にします。

<マリカー交通事故例>

2018年2月23日、千代田区外神田2丁目の交差点で、自転車の少年(18)をはねて逃走しました。そんなに目立つ格好でよく逃げたもんだと思いますが、その事故で逮捕されたのは、台湾籍の男(35)、警視庁は、都内にあるレンタル関連業者に安全対策の徹底を要請しました。

<マリカー事故50件の内訳>

警視庁総務課によると、事故に絡んだ外国人ドライバーは47人で、国籍・地域別に見るとアメリカが15人で最も多く、韓国10人、中国・台湾7人、オーストラリア6人と続き、その他にシンガポール、カナダ、オランダ、フランス国籍もいました。

年齢別では、20代が27人、30代が14人で合計すると9割近くに達しました。年齢不明は1人で、最高齢は54歳でした。

50件全体の事故状況は、乗用車に追突したり、ガードレールなどに衝突したり物損事故が48件で、人身事故2件。

カート側が過失の思い「第一当事者」となった事故は44件に上ります。

公道カート、安全基準を強化へ

国土交通省は、こうした状況を踏まえ、今回、カートの安全確保策を講じるため、道路運送車両法の保安基準の一部を改正し、三輪・四輪の原動付自転車の安全基準を拡充・強化することになりました。

<視認性向上対策>

地上から1メートル以上の高さにおいて、前後・左右から見ても一定の面積が視認できる構造とする。
夜間被視認性を向上するため、尾灯を構造物の最大高さ付近に取り付けを義務付ける。

<乗員保護に関する安全性向上対策>

2点式または3点式座席ベルトの装備を義務付ける。
ヘッドレストの装備も義務付ける。
舵取り装置が衝撃を吸収する構造とする。
このほか、車体からタイヤが突出しない構造となっていることとする。

<適用時期>

対策  新車への適用時期  使用過程車への適用時期
被視認性向上部品の設置義務化  平成32年4月1日
夜間日視認性向上等書きの義務化
座席ベルトの装備義務化 2点式又は3点式
3点式  平成33年4月1日 適用なし
頭部後傾抑止装置の装備義務化
舵取り衝撃吸収構造の義務化
回転部分の突出を禁止

 

まとめ

都心でよく目にする”マリオカート”の事故実態や安全基準強化について述べてきましたが、
私個人としては、集団で走行し、まわりの交通に配慮している様子もない為、あまり好ましくない印象でした。集団危険行為、いわゆる”暴走族”と同じ様にしか思えません。道交法では二台以上走行した場合集団に該当する為、事故例にも挙げたような危険な運転をしているのであれば、まさに集団危険行為に該当し、25点の行政処分が科せられてもおかしくはないのではないでしょうか?

もし、この様な車両と走行中に接触し、相手に怪我を負わせてしまった場合、状況によってではありますが、過失割合は大きい車両の方が不利になる仕組みがある為、状況が一掃悪くなる恐れがあります。

今回の改正によって、安全性向上が図られる為、そういったリスクは多少軽減されますが、微々たるものであります。

一方、カートのレンタル関連業車は、今後どの様な対策がなされていくのかが見モノであります。

では、その頃また話題にあげたいと思います。