雑談

【自動二輪免許】バイクの免許を取得すべき7つの理由

自動二輪免許を取りたいけど悩んでる方、危ないからという理由で家族に反対されている方、また乗りたいけど身長が低くて諦めている方へ

悩んでいるなら、まず取りましょう。その後いらないなら乗らなければ良い。

家族に反対されているなら、自動二輪の安全性をご家族の方にしっかり説明しましょう。

身長が不安なら教習所で相談しましょう。身長が140cm台の方でも勇気と根性があれば取得できます。

経済的な面で取れないなら、削れる経費は削ってヘソクリしましょう。

今回のタイトルは「二輪免許を取得すべき理由」ですが、私が思うに二輪免許を取らない理由が見つかりません。むしろどうしても取れない理由、例えばハンディキャップなどがあり物理的に不可能でなければ、全ての方が取得すべき免許だと思っています。

バイクの免許を取りたいと思っている方も全く興味のない方も少しでも二輪免許に関心を持っていただけたらと思っています。是非参考にしてください。

二輪免許のススメ〜取得すべき7つの理由〜

1、原付や車より安全

 

全国の状態別交通事故死者数を見ると、毎年1位が歩行中、2位が自動車乗車中、3位に二輪車乗車中、4位が自転車乗車中となっています。因みに割合は歩行者と自動車乗車中で合わせて70%程度を占めていて二輪車乗車中は17%程度。運転手がむき出しである二輪に比べ自動車乗車中の方が多くの方が亡くなっていることがわかります。

しかも自動二輪が第一当事者となる死亡事故の大半が125CC未満(原付及び原付二種)の車両によるものとなっているようで、普通自動二輪の免許に関わる車両の交通死亡事故件数は圧倒的に少なく、二輪車=危険というのは、統計的に見ても否定される結果となります。

また自動車よりも二輪車の方が安全性が高い理由としては、死角が少ないという点です。自動車にはピラー(柱)があり、運転手の視界を遮ってしまうデメリットがあります。見えない場所にこそ多くの危険が潜んでいる為、こうした死角の少ない二輪車は危険の見落としが少ないと言えますね。

もちろん二輪車は100%安全なわけではありません。安全に道路を使う為に技術を磨く必要はあるでしょうし、知識も備わってなければなりません。さらに安全意識が高ければ、事故に遭遇するリスクはかなり軽減され、安全な乗り物であると言えるわけです。

「バイクで死なない為の考え方」についてまとめた記事はこちら

 

自動車の運転スキルが上がる

二輪免許を取得するメリットは、自動車の運転にも現れます。

道路は、様々な車種が混在し、走り方や考え方、また危険予測も車種によって様々です。もし互いの気持ちが理解できていれば、相手の動きを事前に予測し柔軟な対応が可能になるのではないでしょうか。

であれば、普通自動車と自動二輪車、両方の運転スキルを身に付けることによって互いの動きがより深く読み取ることができ、普通自動車にしても自動二輪にしても運転のレベルが明らかに変わていくはずです。

運転免許の車種を追加するということは、単に追加した免許に関わる車種の運転ができるようになるだけではなく、その他所持する免許の運転スキル向上に繋がると言えます。

現に自動二輪免許を持っている方が普通免許を取得する為に教習所に通うと、明らかに新規で普通免許を取得される方より始めから上手に運転できることがほとんどです。事故を起こさない為の技量を身につける意味でも、いろんな車種の免許を取得することがオススメですが、特に自動二輪は他の車種とは車両特性が大きく異なる為、自動二輪免許を取得すれば、他の車種のスキルアップだけでなく普通車から見た二輪車の動きを深く読み取ることができて、セイフティドライブに大きく寄与することになります。

車に乗るよりリーズナブル

車を維持するためには様々なコストがかかります。保険(自賠責保険及び任意保険)、税金、車検、駐車場、燃料、その他消耗品などは最低必要です。
車とバイクだとその維持費は大きく異なり、圧倒的に自動二輪の方が低コストで乗ることができます。

保険料

車に乗るために絶対に加入しなければならない自賠責保険ですが、2年間(車検ごと)に更新したとすると普通自動車の場合で約26,000円、自動二輪(125cc超250cc以下のクラス)で約12,000と倍以上の開きがあります。

また任意保険は、保険会社や加入内容によって金額が大きく変わりますが、全年齢で最低限加入すべき内容(対人対物無制限など)で考えた場合、年間で自動車は150,000円程度、バイクは70,000円前後といった感じで、やはり金額に倍以上の開きがでます。

税金

税金に関してはどうでしょう。

普通車は毎年払わなければならない自動車税に加え、車検ごとにかかる重量税があります。1年ごとの金額で考えると合計約47,000円(1500ccクラス)程度の負担となり、自動二輪は排気量によって重量税がかからない場合がありますが、125cc超250cc以下クラスの場合で年間合計8,500円(重量税+自動車税)の負担となります。金額差は5倍以上で圧倒的に二輪車の方がコストが抑えられます。

駐車場代

また駐車場は普通自動車の場合、車庫証明を取らなければならず、自宅に止められない場合は近所に車庫を借りなければなりません。車庫証明を取らなくて良い事以外は自動二輪も同じ条件ですが、車両自体の大きさが全く違うので自動二輪の場合は自宅に止めるハードルがかなり低くなりますね。

燃料代

燃料代は、もちろん車種や乗っている頻度によって様々ですが、車種ごとの燃費で普通車と二輪車で比較すると
普通車は、約10km/l前後
二輪車は、約20〜30km/l

といった感じです。もちろん車種によっては、もっと走るものがあったり全く走らない(燃料の垂れ流し)のものがあったりしますが、平均的にみるとこんな感じでしょうか。ここでも倍以上の開きが生じますね。

消耗品

タイヤやバッテリー、ブレーキパッド、各種オイルなど車を維持する上では、絶対に必要な経費となります。それぞれ毎年交換する必要はないと思いますが、もちろん乗っている頻度によっては毎年のように交換しなければなりません。例えばタイヤで比較してみると、もちろん金額はピンキリですが、タイヤの大きさや本数は違うのにそこまで変わらない印象です。消耗品に関しては、二輪の料金設定はかなり強気なものとなっています。二輪の方が割高なものも数多くあります。ただし、年間通じて必ずかかるコストではないので、命を守るためのお金なので惜しみなく使うべきだと思います。

普通車と二輪車の年間コスト総合比較

普通車(1500ccクラス)

・保険 (自賠責保険+任意保険) 約180,000円(年齢や等級、車種によって異なる)
・税金(重量税+自動車税)47,000円(排気量等によって異なる)
・燃料(年間10,000km走る方の場合)約130,000円
・駐車場(都心部)20,000×12ヶ月 約240,000円
・消耗品(オイル交換等)約20,000円

合計 約617,000円

二輪車(250ccクラス)

・保険(自賠責保険+任意保険)約76,000円(年齢や等級によって異なる)
・税金(重量税+自動車税)8,500円
・駐車場 ご自宅の敷地内に止められればタダ、野ざらしの駐車場契約で約5,000円×12ヶ月 60,000円ってとこでしょうか。
・燃料(走行距離10,000km、20km/l計算で)約65,000円
・消耗品(オイル交換その他)約20,000円

合計 約229,500円。

ざっくりですが両者とも多く見積もってこのくらいの年間コストがかかります。しかもこれに加え1年に一回の定期点検代、2年に1回の車検代(250cc以下の二輪車は車検がありません。)がかかります。こう考えると乗り物を維持するのって大変ですね。何れにしても決して安くない金額ですが、自動二輪の方が圧倒的に低コスト。学生のアルバイトレベルでも維持が可能ではないでしょうか。

移動手段の幅が広がる

通学、通勤、その他ちょっとした買い物など、車で行くほどではないけど自転車では遠いってことありませんか。
また、電車で行くと遠回り、直線距離だと物凄く近いとか、車で行くと時間が読めない、バイクで行けば時間に余裕が持てそうとか、、、。

自動二輪があれば様々な場面で活躍してくれそうなことが、かなり多く考えられると思います。

東日本大震災の時も東北地方や関東地方では、電車が止まってしまい、交通が大混乱する事態となりました。帰宅難民が街に溢れ、また都心部に取り残された人を迎えに行く車で大渋滞となり、全く動きがとれなくなるという経験をした方も多かったのではないでしょうか。今後大規模な震災に見舞われた場合、交通規制がかかり都心部への進入ができなくなりますが、街は再び大混乱することが予想されます。震災に限らず電車が動かなくなった場合など、とにかく移動しなければならない状況になった時、最も活躍するのが自動二輪ではないでしょうか?

様々な場面で移動手段の選択肢が広がれば、きっとあなたにとって重要なお助けアイテムになるでしょう。「持っててよかった自動二輪」きっとそう感じるに違いありません。

趣味が増える

移動手段だけでなく趣味として二輪に乗っている方も多いですね。春先や秋の紅葉シーズン、肌で季節を感じながらツーリングを楽しんでみてはいかがでしょうか。みんなで車に乗って楽しい会話をしながらのドライブも良いですが、ツーリングだって、ドライブでは味わえない達成感と壮快感!最高ですよ。いろんな人に出会い、いろんな美味しいものを食べる。突然の雨や気候の変化、辛いこともありますが、それがまたツーリングの醍醐味で良い思い出になります。

あなたの趣味の1つに加えてみてはいかがでしょうか?

映えが狙いやすい

旅先では、絶景や美味しいもの、そこでしか味わえないいろんな出会いがあります。インスタグラムをやってる方にはこれ以上ないインスタ映えの宝庫です。特に女性ライダーには、お勧めですね。そのカッコよさと、美しさに注目されること間違いなし!インスタだけでなくモトブログを初めてみてもいいかもしれませんね。あなたの生活が一変すること請け合いです。

仲間や友達が増える

そういったSNSやブログなどを通じて、多くの仲間や友達が増えます。

また入ったばかりの学校や職場でなかなか仲間ができない方、共通の趣味の人がいれば、そこから仲間の輪が広がっていきます。既に存在するツーリングチームやサークルに入っても良いでしょうし、自ら立ち上げて仲間を増やす方法もあります。

もちろん仲間なんかいらない、一人で楽しみたいという方もいらっしゃいます。そんな方には一人で行くツーリングもお勧めですよ。一人で行くツーリングをソロツーリングと言います。でもソロドライブって言葉は聞いたことがありませんよね?ということはツーリングの場合、一人で行くからこそ魅力的なこともいっぱいあるということです。バイクって一人で楽しんでいても、知らないうちに仲間が増えてるなんてこともあります。

どんどん仲間を増やしてバイクライフを楽しんでください。

おわりに

これまで、二輪車の魅力についてまとめてみましたが、他にももっとあるはずです。そんな魅力に溢れた自動二輪免許、取らない理由が見つかりません。逆に二輪免許がいらない理由がわかりません。

ここまで読んでいただけたなら少しは二輪に興味があるはずです。二輪免許取得に迷っている方、親御さんや奥様に反対されている方、身長の問題で躊躇されている方、経済的に難しい方、二輪に乗るのが怖い方、いろんな方がいらっしゃいます。まずは、教習所に行って話を聞いてみてはいかがでしょうか?

まずはスタートラインに立たなければ何も始まりません。あなたの二輪のある生活、応援してます。

 

【自動二輪】バイクで死なない為の考え方

バイクは一度事故を起こせば「死に直結する乗り物」だということで、敬遠される方も多くいます。私は20年以上バイクに乗ってますが、今もこうして生きています。それって運が良いからでしょうか?因みに最近は危ないと感じる事もほとんどなくなりました。(いや、昔は危ないと感じた事も今では危ないと感じなくなったという方が正解か)経験値が上がれば、全ては予測の範疇にあるからです。

バイクは乗り方によっては危ない乗り物。

でも少しでも事故が起こりづらい走り方や考え方が備わっていれば、防げる事故がほとんどです。

そもそもバイクの事故って何で起きるのでしょうか?

・スピードの出し過ぎ?
・安全不確認?
・すり抜け?
・法令違反?
・技量不足?
・技量過信?
・自分に原因はなかった?

もちろん事故のケースによって様々ですよね。

でも死にたくないのはみんな一緒。死にたくて乗ってる人なんて誰もいません。

では、絶対死なないためにはどうしたらいいのでしょうか?

10代の頃バイクに乗って帰ってくるとよくこんな事を思ってました。
「ああ、今日も生きて帰ってこれた。」
そして夜中に帰ってきてすぐ寝ようとすると、心拍数が上がってしばらく眠れない、なんてことも。

今考えると、その頃の運転は「物凄く危ない走りをしていたなあ」とつくづく思います。

簡単にいうと、ただ走ってただけ。若さゆえの反射神経で標識標示なんて関係ない、ただ道路をくぐり抜けてきました。そして運が良かった。
そんな無謀な走りから年数を重ねるごとに、また教習指導員という仕事の助けもあり、あの頃から比べれば無意識に道路を読む習慣が身についていると思います。もちろん100%ということはありません。道路は想像を超える出来事が起こる場合がありますので。

では、元指導員という立場はもちろんですが、20年以上の運転経験から、私が意識している「バイクで死なない為の考え方」をまとめました。

バイクで死なない為の考え方

技量は必要、過信は禁物

当然のことながら、転倒しない為の技術を磨くことは必要です。教習所を卒業するレベルは最低ライン。年数を重ねるごとに多少上手くはなりますが、それはただ慣れただけで決して本当に上手なわけではありません。私も二輪を乗り始めて何年かした頃、自分自身では上手いと思って走っていました。大型二輪も敢えて試験場の一発試験で取得し、取得した喜びは感じず、当然という気持ちでしかありませんでした。しかし、普通自動車の教習指導員課程を経て、自動二輪の指導員試験の為に訓練が始まった頃、練習に付き合ってくれた先輩指導員の走りに驚愕しました。コーナーリング、低速バランス、小旋回、とにかく何もかも歯が立たず、私の自信も全て崩壊し、かなり悔しい気持ちになった記憶があります。

運転に自信のあるあなた。ハッキリ言ってあなたの運転も下手です。
一本橋3分以上乗れますか?
スラロームで3秒台のタイムが出ますか?
自動二輪に乗ったまま足をつかないで1分止まってられますか?

これができる人も上手だと思ってません。
上手だと思った時点でそれは過信です。

よく初心運転者講習(免許取得後1年以内に1回の違反で4点以上、2回の違反で3点以上の行政処分の付けられた方に対する講習)を担当していた時に、自信に満ち溢れた彼らに対し、絶対ついてこれないようなスピードで、かつ難しい課題をやってもらっていました。ついてこれた人は一人もいませんでした。そしてその後私はこう言います。「よくこの程度の運転で違反運転ができましたね。私なら怖くてできませんよ。」と。

上手な人ほど道路の怖さを知っています。
上手な人ほど違反運転が事故につながることを知っています。
上手な人ほど自分を抑えることができます。

転倒しないための技量は必要ですが、過信は禁物です。
その本当の意味がわかった時、事故を起こさないためのマインドが1つ備わったことになるでしょう。

法律は勉強せよ!

違反をした人の中には、違反をした自覚のない方も多くいます。
事故で亡くなってしまった方の中にも、自分で悪いことをしていたと知らずに亡くなった方もいるでしょう。

道路を使う上で、道路交通法を知らずに運転するのは自殺行為です。もっと言えば、殺人者です。

車は時に凶器になり得るからです。

私の持論ですが、違反者に対する罰則をもっと強化すべきだと思います。例えば、違反した者は、更新時に学科試験を受験しなければならないとし、合格点が出なければ運転免許を取り消しとする法律はいかがでしょう?絶対に誰しもが反対ですよね。でもそれって甘くないですか?人の命に関わる免許、法律を知らなくても反則金を収めればそれで良いというのは、いかがなんでしょうか。例えば法律を知らない人に自分の子供を轢き殺されたらどう思いますか?もう子供は戻ってきませんよ。

法律を勉強するということは、周りの人たちの命を救うことはもちろんですが、みんながそれを守れば、道路はとても安全になるのではないでしょうか?

法律を知らない = 死ぬ(殺す)可能性が高くなる

私はそう思います。

すり抜けは、あの世への近道

以前すり抜けが違法になるかどうかについて記事にしました。見てない方はこちらをどうぞ。

その記事でも触れていますが、そもそもなんですり抜けをするのでしょうか?
すり抜けること自体が運転の癖になってしまっている方も多くいらっしゃいますが、ほとんどの方は先急ぎが理由なのではないでしょうか?

自動二輪の魅力は目的地まで早く着く。そして早く到着するためにすり抜ける。

すり抜けという行為を肯定する方もまた多くいらっしゃいます。
「暑い中、寒い中、雨に打たれても頑張って運転している。自動二輪の最大の魅力は、目的地に早く着くこと。そして時間が読みやすい。だからすり抜けをするんだ。」と。そしてこうも言います。「事故はほとんど交差点で起きるもの。だからすり抜けをしても交差点に出るときは一旦止まりますよ。」

なるほど、交差点事故を防止するために交差点を出る前に一旦止まれば良いんだと。

しかし、当然事故は交差点だけで起きるものではありません。想像してください。

『渋滞の間をすり抜けていきます。交差点に出る前には一旦止まり、再びすり抜けます。しかし、交差点のないところを対向車が右折して曲がってきます。大型貨物が道を譲っているようです。しかし大型貨物の向こう側は、死角となって見えません。そのまま対向右折車に気付かず正面衝突して死亡事故になりました。』

なぜこのようなことが起きるのか。そうです。道路には、交差点だけじゃなく道路に面した駐車場が無数に存在します。コンビニ、ガソリンスタンド、マンション、その他。あなたはこれら全ての駐車場、脇道、その他見極められますか?私は運転経験が豊富ですが、はっきり言って無理です。

すり抜け行為そのものが事故を招き、そしてあの世への近道となるんんです。

死にたくなければ、お家を30分から1時間早く出ましょう。

速度超過は死亡フラグ

死亡フラグとは、ドラマやゲームなどで登場人物に近い将来おこりうる不吉な兆候。

フラグ=旗という意味で、作品内でストーリーや状況が大きく変わる節目、分岐点の目印を意味する。

例えば、戦争映画の登場人物が無事に帰れたら結婚することを語り出した場合「死亡フラグ」が立ったことが想像できる。大体その後の展開で結婚を語った兵士は戦死することになるというベタな流れになりますね。

とにかくドラマなどでその行為をするとその登場人物がこの後死ぬことになるだろうと予感させる瞬間の事で、仮にドラマで「速度超過」をしているシーンが出てきたとしたら、この後この人は事故を起こすんだなーと予見できませんか?

まさに二輪車の死亡事故の原因の多くは「速度超過」です。

でも、速度を超過したら事故を起こすのは当たり前ですよね。空走距離や制動距離は長くなりますし、遠心力、衝撃力などの運動エネルギーは速度の二乗に比例して大きくなっていきます。

速度超過をする人は、よっぽど運転に自信があるのか、気がおかしくなったとしか思えません。

とにかく死にたくないのであれば、速度は控えましょう。道路はそんなに甘くありません。

言葉無き会話を楽しむ

先日、私の運転する車の前で人身事故が起きました。

前方を走る二輪車が、突然左に寄せて停車しました。その直後を走る車が、まさか停まるとは思っていなかったようで、そのまま追突し二輪車は道路外へ弾き飛ばされ、二輪車の運転手は宙を舞い着地したところを更にその車に踏まれてしまいました。幸いにも命に別条はなかったようですが、あわや死亡事故という場面でした。

この事故の問題は、両者の意思疎通が図れていなかったということ。要するに言葉なき会話が成立してなかったということです。

走行中は、当然他車との会話はできせん。しかし相手の動きやその他の様々な情報の中で、この後の運転行動を読み取る必要があります。例えば方向指示器や走行位置はもちろんですが、相手の走行速度や運転手の視点、周囲の信号機や交差点、またお店など何かが起きる瞬間には、その事柄が起きる前に必ず何かの情報や手がかりが隠されているはずです。それを一瞬で読み取り、判断し、行動するんですが、経験の中で培っていくものです。

運転中こんなことがありました。あなたならこの後どうするか考えてください。

「片側一車線(時速40km制限)の道路を走行中、前方を走行中のタクシーがハザード(非常点滅表示灯)を点灯して左側に寄せていきました。(対向車、後続車はいません。また乗車の為に手を上げているお客も存在しない状況)」

 

大体の方は、このタクシーを単純に避けていくはずです。

 

しかし、その時の私は、何かの違和感を覚え、避ける為に右に寄せながら車両を停止させました。その瞬間です。タクシーは突然転回(Uターン)し、今来た道を戻っていきました。もし私が停止していなければ完全に巻き込まれていたはずのタイミング、瞬間的に状況を読み取りタクシーが突然転回してくるかもしれないことを予見しました。まさにファインプレー!

相手の動きを正確に読み取ること、そして自分が何をするかを正確に相手に伝える走行技術。この2つが確立すれば、事故の可能性はかなり低くなるでしょう。そしてそれを楽しむことができれば運転がもっと楽しくなるはずです。

交差点でスナイパーを見極めろ!

スナイパーとは、狙撃手のこと。日本の道路にそんな人いません。でも殺される人はたくさんいます。そう、ここで言うスナイパーとは事故の加害者になり得る人を指します。そのスナイパーを見つける能力が「バイクで死なない為」に、重要だと言うことです。

特に交差点は道路における最も交通事故の多いポイントとなります。そこで、相手を見極めるんです。

自動二輪と四輪以上の車両が交差点で起こす事故の特徴は、主に3つ「巻き込み」「右直」「出会い頭」です。いずれも死亡事故になり得る交通事故形態となります。

自動二輪の交差点での死亡事故事例を見れば、ほとんどのケースが二輪車が交差点を直進する際に起こっています。そう、ここに落とし穴があります。交差点を直進するといえば、最も優先であり、最も警戒が緩む瞬間。速度は落とさない、ブレーキを構えない、他車を警戒しない。言ってみれば「俺が優先!」と言う感覚になりやすいのです。でも周りの車はそうは思ってません。いや、思えないのです。理由は、二輪車が二輪車の運転手が思っている以上に小さい存在だからです。

例えば、こんな実験をしてみました。

・道路の真ん中に被験者を数名立たせておきます。
・被験者は指示があるまで目を瞑っているように指示を受けます。
・2度指示を受け目を開けます。
・1度目は普通自動車が自らのすぐ近くを走り抜けます。その時感じた普通自動車の速度を書き留めます。
・2度目は二輪車(400CC)の自動二輪が自らのすぐ近くを走り抜けます。再び感じた速度を書き留めます。
・いずれも同じタイミングで瞬間的に速度を判断し書き留めると言う条件で行います。

この時被験者はどのような速度感覚に感じているかは、多少のばらつきがあるものの。面白いのはほとんど全ての被験者が普通自動車の方が早い速度であったと結論づけます。実際には、普通自動車も自動二輪者も全く同じ速度で走っていたというもの。人間の感覚には錯覚があり、同じ速度でも小さいものの方がより遅く感じられてしまうということが、この実験でわかります。

道路を走る中で、運転手は一瞬で状況を判断し行動することを繰り返します。

自動二輪は、その存在が小さいが故、
・相手が遅く感じている(このタイミングなら曲がれると考える。)。
・死角に入りやすい(一瞬見えなければ、答えは存在しないものと考える。)。

しかし、自動二輪の運転手は、交差点を直進するのだから「俺が優先!」となりやすい。

・優先だと思いスロットル(アクセル)を戻さない。いや、むしろ加速する。自動二輪に対して
・先に曲がれる!あるいは、何もいないと思っている交差点周辺の車両。
この両者が衝突するのは必然であります。

「交差点ではスナイパーを見極めろ!」これは自動二輪を「軽視」、または「気付いていない」車両を見極めろということ。

これが見極められれば、あなたは交差点事故を回避することができるでしょう。

おわりに

今回は、私の経験を元に「バイクで死なない為の考え方」をまとめてみました。

この考えが常に備わっていれば、あなたは絶対に事故を起こさないでしょう。

技量研鑽に努め、法律を理解し、すり抜けや速度超過など自ら事故を招く行為は慎み、相手の動きを読み取る。

ここまでできればパーフェクトですが、なかなか簡単なことではありません。しかし、この記事をきっかけに何も考えない運転を卒業し、この究極に向かって一歩ずつ前進してみてはいかがでしょうか。

【軽井沢】スキーバス事故の真相に迫る〜何故あの事故は起こってしまったのか〜

2016年1月15日1時55分頃、長野県北佐久郡軽井沢町の国道の国道18号碓氷バイパスの入山峠付近で、定員45人の大型観光バスがガードレールを超え道路脇に転落した単独事故。乗員・乗客41人(運転手2人、乗客39人)中15人が死亡(うち乗員は2人とも死亡)するという、この30年の中で最悪のバス事故で、また犠牲者の多くが大学生だったということもあり、日本中の人が深い悲しみに包まれました。

何故こんな事故が起こってしまったのか、事故後TVなどで連日報道され、その事故原因について「運転手の飲酒?持病?居眠り?」「会社の管理体制の問題?」「車の故障?」など専門家によって様々な議論が展開されました。

教習所の指導員だった私も、指導員としての視点や運転手の人物像、また会社の管理体制などから、この事故の原因について検証してみました。

あの時車内では一体何が起こっていたのか?
誰が運転していても同じことが起きていたのか?

今となっては、運転手の方も亡くなっていますので、真実は闇の中ですが、今回はその運転手の視点に立って専門家などの意見や確認されている事実を元に私独自の考察をまとめました。もちろん事実と異なる可能性もありますのでご了承下さい。

事故の概要

バスは、群馬県から長野県方面に向かう国道18号碓氷バイパスの緩やかな下り坂を走行中、左側ガードレールに接触したのち対向車線へはみ出し、約100m先のガードレールに衝突しながら道路右側に転落しました。バスは3m下の斜面で横倒しになり、フロントガラスが割れるなど車体前面が破損。天井部分も立木に衝突しひしゃげて大破した。事故当時、路面は凍結しておらず、事故後の路面には通常のブレーキ痕とは異なる片輪だけのタイヤ痕が直線的に残されていました。本来バスはツアーの行程表によると、松井田妙義ICから上信越自動車道を利用して斑尾高原のホテルへ向かうことになっており 、事故現場となった碓氷バイパスは計画と異なる経路であったとされています。

乗客乗員合わせて41人中15人が死亡、無事だったその他の乗客も全員が負傷するという最悪の事故となりました。

事故の状況と原因

事故当時、マスコミによって事故状況が明らかにされました。

・運転手は大型バスの運転に不慣れだったこと。
・運行管理者に報告なくルートが変更されていたこと。
・事故を起こした会社「イーエスピー」がツアー会社「キースツアー」から国が定める基準額27万円から大きく下回る約19万円で依頼を受けていたこと。など

また事故原因についても様々な専門家によって議論が展開されました。

・運転手が一定の時間意識を失ってしまったのではないか。
・下り坂でブレーキが効かなくなってしまったのではないか。
・運転手が小型バスには慣れていたが、大型バスの運転に慣れていなかったから。

私も様々な意見を聞く中で、仮に自らが運転していたら同じような事態になっていたのか、またバス会社の管理体制が整っていれば、事故を防ぐことができたのかなど様々な疑問が出てきました。では、「運転手の気持ちになってみては?」ということで、事故の約5ヶ月後ツーリング途中に立ち寄ってみました。

写真は現在の様子(遺族会「1・15サクラソウの会」として2018年5月27日、事故現場近くに慰霊のため「祈りの碑」を建立しました。)ですが、私が訪れた時には、献花台が置かれ、バスが転落した付近と思われる場所は生々しい傷跡が残されていました。

私は、バスの進行方向を逆に戻る形で走行しました。注目したポイントは、カーブのキツさと斜度、また下り(私が進行している側だと登りということになります。)がどのくらい続くのかです。

カーブのキツさ

事故現場付近はものすごく緩やかなカーブで、群馬県側に近づくほど半径が小さくなる。ということは、バスは半径の小さいカーブを走り抜け、緩やかなカーブで事故を起こしたことになりますので、ハンドル操作の難易度は事故原因にはなりません。

斜度

こちらも緩やかな下りという印象です。しかし少し群馬県側に進むと軽井沢方向に向かって下り坂8%の道路標識があり、事故現場手前では少し斜度がキツめだったと言えます。運転手は突然の勾配の変化に耐えられなかった可能性はあります。

下りの長さ

事故現場のなった碓氷バイパスは合計45箇所のカーブがあり、事故現場は群馬県安中市側から数えて43番目となります。因みに下り坂が始まるのは39番目からで、事故は下り始めて4番目のカーブで起きたものです。ということは下り始めて間もなくの事故ということになります。また奇しくも事故現場を通り過ぎた目の前に緊急避難場所が存在し、そのカーブを通過していたら避難場所に入り助かっていたのかもしれません。

現場を見た感想

はっきり言ってこんなところで事故が起きるのが不思議なくらい難易度の低い道路という印象でした。でも事故は起きたんです。必ず何かの原因があるはず、そしてその原因を究明するためには、2つの謎を解く必要があります。この2つの出来事がなければこの事故は絶対に起こっていなかったからです。

2つの謎

1つ目の謎、何故ルートを変えたのか?

本来のルート

・東松山ICで関越自動車道を下りて、一般道で松井田妙義ICへ
・松井田妙義ICから上信越道で斑尾高原のホテルへ

変更されたルート

・本来休憩場所として設定されていた高坂SAを通過しそのまま関越自動車道で上里SAへ(上里SAにて休憩)
・その後高速道路から下りて事故現場となった碓氷バイパスへ向かうが、予定していた松井田妙義ICでは高速道路に乗らずそのまま下道で軽井沢方面に向かっていた。

変更された理由(現場の独断で変更されたため予想)

・事故車に乗っていた交代要員の運転手は前月の乗務中、高坂SAの混雑を理由に、イーエスピーに連絡し、当初下りる予定だった東松山ICを通過して上里SAで休憩を取り、当初利用する予定だった上信越道を利用せず国道18号を利用していました。事故車の乗客も「上里SAで休憩した」と証言しており、事故車の運転手も同様の理由でルートを変更した可能性があるとみられます。

・しかし当日は平日の深夜ということもあり高坂SAを通過したであろう23時頃が混雑していたということは考えにくく、現場の判断で都合の良いルートを選択した可能性が高いと思われます。乗客への説明で休憩場所や休憩回数について具体的なものはなく曖昧な説明だったという証言もあり、どちらかというとベテランの交代要員の運転手の意見で上里での休憩にしたのであろうことが予想できます。

・松井田妙義ICで高速道路に乗らなかった理由は、東松山ICから上里SAまで本来予算にない高速料金を使っているため、その帳尻あわせのため碓氷バイパスをそのまま進む道を選んだということになります。

・交代要員の運転手は過去に幾度か同じことを繰り返し、金額的にも時間的にもバスの運行上問題ないということがわかっていたと思われます。例えば天候などの状況によっては、通常のルートを使うとか、彼なりのマニュアルが頭の中にあったのでしょう。

・しかし、相方の運転手の技量までは測れなかった…。

2つ目の謎、事故当時、何故そんなにスピードが出てた?

では、その相方である事故当事者である運転手は、事故当時なぜそんなにスピードを出してしまったのでしょうか?
いや、出てしまった、あるいは抑えられなかったのでしょうか??

上の写真は、バスが事故を起こす直前(事故現場250m手前)に撮られた監視カメラ映像の静止画です。オーバースピードのために遠心力の影響を受けて車体が外側に傾いてしまっていることがわかりますか?バスは事故直前に急ブレーキをかけていたとみられましたが、監視カメラの映像ではブレーキランプは何度か点滅するが、ほとんど点灯したままの状態だったため、居眠り運転や意識を失っていた可能性は低く、何らかの原因で制御不能となっていたことが伺えます。事故当時のバスの速度は100km/h前後出ていたとみられますが、先ほども紹介した通り、事故現場は碓氷バイパスの長い上り坂が終わり、下り始めた矢先の事故であるということから、制御不能となってしまったことが理解できません。

車の故障?

事故を起こしたバスは2015年3月、メーカによる点検で、車体の床下および車輪支持部品の腐食が進み、使用が危険との報告が上げられたものの、修理されず車両が転売され運行されていたことが判明しましたが、このことが制動装置に影響し制御不能になったことは考えにくいと思います。

ベーパーロック現象?

よく教習で聞く話としては、「下り坂でのブレーキペダル多用は危険です。下り坂ではエンジンブレーキを使用し、なるべくブレーキペダルを使用しないようにしましょう。」というものです。これは、ベーパーロック現象(自動車のフットブレーキの液圧系統内部にブレーキフルードの過熱による沸騰で気泡(蒸気)が生じる現象として知られる。この状態でブレーキペダルを踏んでも気泡が圧力を吸収してしまいブレーキの効きは著しく悪化する。)によってブレーキが効かなくなり、制御不能となり得ます。

しかし、今回のケースは、大型バスでの事故のため、油圧ブレーキではなくエアブレーキ(空気の圧縮の力を使った制動装置)です。要するに沸騰するブレーキフルードが存在しないためベーパーロック現象は起こり得ないということになります。

バタ踏み

ブレーキペダルの踏み込み・ゆるめ操作を短時間に必要以上繰り返すと(俗にいう「バタ踏み」)、コンプレッサーに貯めた空気を消費し、ブレーキ力が失われる場合があります。今回のケースはこの可能性が最も濃厚と思われます

では、なぜ運転手は短時間にコンプレッサー内に貯めた空気を消費するほどブレーキを多用することになったのか。

運転手の経験と知識の不足

何度もお伝えしています通り、この事故は下り坂が始まった矢先の事故であります。しかし距離的にはアクセルを踏んでなくてもバスを時速100kmの速度まで加速させるには十分で、大型の運転手は小型バスの運転とは異なる下り坂の対応が求められます。

排気ブレーキ

ディーゼル車特有のもので、簡単いうとエンジンブレーキを強化するためのものです。大型貨物や大型バスではごく一般的で普段から仕事などで運転する方の中では知らない人はほぼいないでしょう。しかし今回事故を起こした運転手は、それを知らなかった可能性が高いと思われます。

引き上げられたバスのシフトはニュートラルになっていた

今回事故を起こしたバスが数日後に引き上げられ、その時の入っていたシフトはニュートラルだったことが報道されました。

ニュートラルに入っていたということは、下り坂の基本であるエンジンブレーキもそれを強化するための排気ブレーキも効きません。その為このような事故になっても何ら不思議はないということです。問題なのは、何故ニュートラルに入っていたかということです。

スキーバス事故の真相〜なぜこんな事故が起こってしまったのか〜(仮説)

・斑尾高原スキーツアーのバス運転手2名は、事前の打ち合わせで運行管理者への報告なくルート変更を確認した。この変更が重大事故を招くきっかけとなった。
・変更したことによって予定していた休憩ポイントは通らない可能性もあり乗客には曖昧な説明を行った。
・ツアー行程通りであれば立ち寄るはずの高坂SAは通過し上里SAで休憩。0時40分頃出発。この先で交代要員の運転手は仮眠をとっていたと思われる。
・事故を起こす直前の映像が現場1km手前と250m手前の2箇所で残されているが、現場1km手前(入山峠付近)の映像では特に異常は見られず、ここまでは運転手2名の計画通りだった。
・入山峠の坂を登りきり軽井沢町に入る頃、上り坂が斜度8%(100m進んで8m下る程度)の下り坂に変わる。
・現場では、下り坂の警告表示板が多数存在したが、運転手はそれに気付かず上り坂で使用していた力のあるギアから高速ギアへ入れ替える。すなわちそれはエンジンブレーキの効きづらいギアであり、バスは下り坂で速度を増していった。
・慌てた運転手は、シフトレバーを下げようとした(エンジンブレーキの効くギアへ入れようとした)が、無理なギアチェンジはギアの特性上入りづらく、何度か試すがギアはニュートラルのままになってしまう。
・エンジンブレーキ及び排気ブレーキの効かないバスは、一層速度を増していく。
・運転手はフットブレーキを何度も踏むが、エアコンプレッサーに貯まっていた空気を使い切り、事実上ブレーキの効かない状態で下り坂を駆け下りる。

あとは皆さんご存知の通りである。

おわりに

当然亡くなった方からは話は聞けませんので、上述の内容が事実かどうかはわかりませんが、おそらくこのようなことがバス車内では行われていたと考えるのが、自然ではないかと考えます。

この事故の原因が何だったかといえば、

1、バス会社の管理体制(運行管理の杜撰さ、運転手への教育不足等)

2、運転手の知識と経験不足

この2つが招いたものであることは、明らかであります。

またこの事故は、引き起こしたバス会社だけでなく、このツアーを企画した会社を含め全ての関係者にとって、重要なのは「人の命」よりも「金」と「客を回すこと」でありました。起きて当然の事故だと思います。

 

15名の尊い命は戻りません。

 

悔やんでも悔やみきれない腹立たしい事故ですが、この事故をきっかけにバス業界の安全への意識が少しでも変わることを祈っています。

【高齢者・運転免許】自主返納のススメ〜こんな方は免許を返納しましょう〜

近年、高齢ドライバーによる交通事故が多く報道されています。

当たり前ですけど、事故を起こしたくて起こしている人なんて誰もいません。ハンドルを握る以上誰しもが事故を起こすリスクがあって、高齢運転者ばかりが危ないわけではないんです。でも個人差はあるものの、60歳を過ぎる頃から運動機能が著しく低下するということは紛れもない事実。また、高齢者(特に75歳以上)の事故が死亡事故になってしまう割合も他の年代の倍以上とも言われています。

もはや、「自分は大丈夫。」とか「50年間事故を起こしたことがない。」という主観的な意見はあてになりません。テレビなどで報道されている高齢者の事故も他人事と思っていないでしょうか?今までは大丈夫だったかもしれませんが、今後はわかりません。ご家族や医師などの客観的な意見にも耳を傾け、運転免許を諦めることも重要な選択になるのではないでしょうか?

何か起きてからでは遅いんです。

事故を起こしてしまった方だって運転さえしていなければ、事故の加害者になることはあり得ません。

「後悔先に立たず」

というわけで今回は、運転免許返納を少しでも考えている方やご家族の方に運転を止められていて困っている方、認知検査の結果が思わしくなかった方などに向け「運転免許自主返納のススメ〜こんな方は免許を返納しましょう」というテーマについてまとめました。

運転免許自主返納のデメリット

運転免許を自主返納すれば当然車を運転できなくなります。運転ができなくなるということは足が失われてしまうことになり、特に足の不自由な方や車の運転が仕事だという方にとっては死活問題で運転をやめるわけにはいきません。

またドライブが趣味という方にとっても楽しみを奪われるわけですから抵抗感は計り知れないものだと思います。

その他のデメリットですが、金銭面はどうでしょう?車の維持にかかる費用(税金、保険、駐車料金、ローン、燃料代、メンテナンスなど)とタクシーや公共の乗り物等にかかる費用を比較する必要がありそうですが、毎日長距離を通院や通勤してる方などにとっては、金額的にも時間的にも浪費することとなり大きなデメリットと言えるのではないでしょうか。しかし、近距離での移動や頻繁に運転する必要のない方は、公共の乗り物や家族の送迎等をお願いした方が金銭的にはかなり浮きますね。

しかしながらこういったデメリットこそが運転免許自主返納に踏ん切りがつかない素因となっています。

本当に運転免許は必要ですか?本当に車が無ければ困りますか?事故を起こすリスクとどちらが大事ですか?

運転免許自主返納の特典・メリット

では、運転免許を返納するとどのようなメリットがあるのか考えてみます。

運転経歴証明書

・運転免許を自主返納された方には、「運転経歴証明書」を申請することができます。
・「運転経歴証明書」は、運転免許を返納した日からさかのぼって5年間の運転に関する経歴を証明するもので、これまで安全運転に努めてきた証明になります。

・「運転経歴証明書」は銀行の窓口などで身分証として提示することができます。現在は有効期限なく使用することが可能です。
・また、「運転経歴証明書」を提示することにより、高齢運転免許自主返納サポート協議会の加盟店や美術館などで、様々な特典を受けることができます。
・特典を受けられるのは、年齢等の条件があり都道府県によって異なります。よくご確認ください。

・特典内容は、自治体や民間によって様々で、公共交通機関の割引や有名ホテルの食事の割引など多岐にわたり、運転免許を自主返納することの大きなメリットと言えます。具体的な特典内容は都道府県別にホームページ等でよくご確認ください。

その他のメリット

車の維持費がかからない

デメリットの中でも述べましたが、車を維持するためには莫大な費用(税金、車検、メンテナンス、駐車料金、燃料費、車の購入費用その他)がかかるため、運転免許を返納すれば、当然そのコストはおさえられます。電車やバスの運賃と比較しても圧倒的にコストがかかります。ただし、山奥などに住んでいる方などは、電車やバスが近くを通ってないケースも考えられるため、維持費がかかったとしても、車がなくては生活が成り立たない方にとってはその限りではありませんね。

事故の加害者になるリスクはゼロ

車を運転する以上、切っても切れないのが事故のリスクです。中でも加害者になってしまうと様々な責任(刑事上、民事上、行政上、道義上)を負わなければなりません。

近所の目も気になるところ…。「あの方はいつまで運転するんだろう?」「近くで事故を起こさなきゃ良いけど…。」なんて思ってる人もいるみたいですよ。自分一人で道路を使うわけではありません。近所の人の目も気にしてみてはいかがでしょう?

高齢者講習を受ける必要がない

現在、高齢者講習の予約が大変取りづらくなっています。予約が取れないせいで運転免許を失効してる方も多くいらっしゃいます。因みに運転免許を失効している状態では自主返納出来ません。

また認知症の疑いのある方は免許を取り消される場合があります。この場合ももちろん自主返納は出来ず、先に紹介した特典は一切受けられません。

»【高齢者講習】認知症の人ってどのくらいいるの?

講習自体はとても意義のあるものですが、それはあくまでも運転者にとってのことです。教習所の運用上の問題もあり講習料金は増額傾向にあり、講習に関わるお金や時間、予約を取得するためのストレス、労力など考えると講習を受ける必要がなくなることは大きなメリットと言えます。

また75歳以上の方になると一定の交通違反をした場合に臨時の認知機能検査を受けなければならず、最悪は運転免許の取り消しになる恐れがあります。

»臨時認知機能検査とは?臨時認知機能検査と臨時高齢者講習

運動不足解消、健康促進 、時間の有効活用

運転をやめるということは、必然的に歩いたり自転車に乗ったり立っている時間が増えます。そのような何気ない動作も健康促進に繋がります。

また運転中は運転以外のことは基本的にできませんが、電車やバスでの移動は、読書や携帯電話でネットサーフィンなんかもできますね。長距離ともなれば尚のこと、時間を有効活用することによって今まで出会えなかった楽しみを見つけられるかもしれません。

こんな方は免許を返納しましょう

これまで、運転免許を自主返納したことによるデメリットやメリットついて紹介してきましたが、やはり人生の中で運転免許を返納することは一大行事。なかなか踏ん切りがつかないものです。そこで、私が思う「こんな方は免許を返納した方が良い」についてまとめました。是非これを見て参考になさってください。

・80歳以上の方
もちろん80歳以上の方でも十分運転が可能な方は多いですが、人生の一つの節目として考えても良い年齢。何度も言わせてください。「何かあってからでは遅いんです。」そして「道路は自分一人のものではありません。」。

・75歳以上の方が行う認知機能検査で75点以下だった方
認知機能検査の結果が49点から75点までの方は、「記憶力や判断力が少し低下している」という結果です。また、48点以下だと「認知症の疑いがあります。」という結果です。もしかしたら体調不良の影響で点数が低かった可能性はありますが、「認知症予備軍」とも言える結果です。
自ら幕引きとするのも格好の良い選択だと思います。よくお考えください。

»【認知機能検査】点数の計算方法。認知症のボーダーランは何点?

・70歳以上の方で最寄りの駅やバス停まで徒歩圏内の方
最寄りの駅やバス停まで徒歩圏の方は、早めに返納しても問題ないのではないでしょうか?逆に運転免許にこだわる理由が聞きたいです。よくゴルフをしに行くからとか、田舎に行くときに必要と言われる方も多いですね。何か理由があれば良いと思いますが、特に理由のない方は、早めに自主返納の特典を利用された方がよろしいかと思います。

・65歳以上の方で3ヶ月以上車を運転していない方
運転をしない期間が長ければ、運転に不慣れだったり道路交通の状況判断の遅れに繋がります。様々なリスクを考えると免許を継続することのデメリットしか想像できません。よくご家族の方と相談して良い決断をしてください。

・65歳以上の方でこの1年間に3回以上車をぶつけた方
もしかしたら気付かぬうちに運動機能が低下し、気持ちと動きにズレが生じてる可能性があります。ものにぶつけただけならまだしも、今後は人身事故につながる可能性は否定できません。3回の事故は何かのサイン。早めの決断が求められます。

・気を失う可能性のある持病をお持ちの方
そもそも運転してはいけません。運転すれば犯罪です。専門の医療機関で相談しましょう。

・運転についてご家族や医師から引退を勧められた方
自分あっての家族でありますが、家族あっての自分でもあります。ご家族が引退を勧めるのには何かしらの理由があるのでは?重要なことです。周りの意見に深く耳を傾け、自らを見つめ直してみてはいかがでしょうか?

・その他
視力が著しく低下した方や、認知症ではないが物忘れが多くなった方など

おわりに

この記事に目を通していただいた方は、少なからず自主返納に興味をお持ちの方なのだと思います。また、身内の方に返納をさせたいけど聞いてくれないとか。

返納をさせたい方は、送迎や買い物の協力など絶対的な協力体制を欠くことはできません。それを約束できなければ、返納させる権利はないでしょう。

運転免許の返納は人生にとって大きな大きなイベントです。周りの方の暖かい目でしっかりサポートしてください。

最後にもう一度

「免許は本当に必要ですか?」

「本当に車がなければ困りますか?」

「事故を起こすリスクとどちらが大切ですか?」

「何かあってからでは遅いのです。」

 

【高速道路】自転車が進入!なぜ後を絶たない?

2月14日23時過ぎ、「霞ヶ関トンネル付近」の首都高速道路上で一台の自転車が一般自動車に設置されたドライブレコーダーで撮影されました。映像を提供したドライバーによると「自転車は進入が禁止された高速道路を時速50kmで走っていた。」ということです。危険だと判断したドライバーは、携帯電話のハンズフリー機能を使って警察に通報し、3kmほど追従しながら警察に状況を報告。しかしその後、後続車にパッシングされ敢え無く自転車を追い越してしまいましたが、自転車はその直後、通報を受けた警察官により高速道路上で制止されたということです。

自転車の運転手は外国籍で「代官町内回り入り口」から進入したという。

どうして進入してしまったのか?

2月6日にも阪神高速道路でも自転車で高速道路を逆走するということが起きています。

相次ぐ進入、一体どうして高速道路に進入してしまうのか。一般的にはあり得ないようにも思いますが、歩行者や自転車が高速道路に進入してしまうケースは、年間400件以上起きているということです。ということは、1日1件は高速道路上へ歩行者または自転車が進入してしまっているという計算になりますね。そんなに入り口ってわかりずらいですか?または、自転車は進入してはならないことを知らないか…。

今回のケースで考えてみました。

・自転車の運転手は日本語のわからない外国人だった。

・当日は進入されたという「代官町内回り入り口」手前では、道路工事が行われており、高速道路の入り口がわかりづらい状況だった。
入り口付近は3車線(左2車線が高速道路の入り口につながる。)で左側2車線が工事中で通れなかった。
工事中の左側の2車線を避けて右側の車線を走ってきたが、高速道路の入り口付近で3車線に戻るので、自転車のキープレフトを守りそのまま進入してしまったのではないか。

・料金所は自動発券機であるため、24時間係員は常駐しているものの注視しているわけではない。

・入り口ゲートはバーが下がっているが、自転車が入るには十分なスペースがある。

・入り口ゲートの左側端には自動二輪車の万が一のためのガイドライン(破線)が引かれているが、見方によっては自転車レーンのようにも見える。

・入り口には英語表記でBICYCLE❌と書かれているが、夜間であることはもちろんであるが、とても見えづらい。

・進入した自転車は自転車のハンドル部にスマートフォンを設置し、カーナビアプリを使用していた可能性が高い。とすると、カーナビアプリのルート案内は基本的に車の設定になっていることが多く、車で通行することを想定して高速道路の案内をされていたのではないか。

おわりに

今回のケースは、様々な要因が重なって起きてしまったことが考えられますが、

日本は間も無く東京オリンピックを迎え、多くの外国人が日本に訪れることはもちろんですが、少子高齢化社会の日本において、人口がますます減少していくことが目に見えている一方、日本における外国人の割合が急速に増えていくことが必然的となっております。こうした背景からも、英語表記を増やしたり看板を大きくするなど、誰がみてもわかりやすい道路にしていくことが今後の日本の道路の課題となるでしょう。

2018年交通事故死者数、戦後最少更新

2019年1月4日に警察庁が発表した報告書によると2018年中の交通事故死者数は3,532人(事故発生から24時間以内に死亡した方)で昨年の3,694人から162人減少。3年前の2015年わずか4人ではありますが増加に転じたものの、第2次交通戦争と言われた平成4年(1992年)の11,452人以降大幅な減少傾向にあり、警察庁の保有する昭和23年(1948年)以降の統計で最少となった前年をさらに下回る結果となりました。減少傾向ではあるものの、まだまだ多くの尊い命が失われているのも事実。

この記事では、都道府県別事故実態や死者数減少の要因など、筆者の視点で様々な内容について考えてみました。

2018年都道府県別事故実態

交通事故死者数ワースト10

2018年中の交通事故死者数は前述の通り、全国で3,532人。ここで毎年注目されるのは、都道府県別交通事故死者数ワースト10であります。

1位 愛知県 189(-11)人
2位 千葉県 186(+32)人
3位 埼玉県 175(-2)人
4位 神奈川県 162(+13)人
5位 兵庫県 152(-9)人
6位 大阪府 147(-3)人
7位 東京都 143(-21)人
8位 北海道 141(-7)人
9位 福岡県 136(-3)人
10位 茨城県 122(-21)人

やはり2018年もワースト1位は愛知県で、これで16年連続1位となりました。しかしながら汚名返上に燃える愛知県もただ指をくわえて見ているだけではないようで、近年大幅な減少傾向にあり、交通事故対策など力を入れていることが窺えます。一方で、猛チャージを仕掛けてきたのは千葉県。前年から32人増加し1位の愛知県に3人差まで迫りました。今年はいよいよ首位が入れ替わるかもしれません。

毎年ワースト10に登場する都道府県は代わり映えなく、大都市圏と関東地方で埋め尽くされ、この中で順位を競っている状態が続いています。人口の絶対数が多ければ事故が多いのも当たり前で、ワースト1位である愛知県は、車の保有台数は全国でダントツの1位でもあり、死者数が多いのも頷けるところであります。しかしながら2018年中話題となった「あおり運転」の検挙数は、1位は兵庫県(915件)、2位は愛知県(714件)、3位は静岡県(654件、因みに静岡県は交通事故死者数はワースト11位で警察署管内別交通事故死者数は浜松市内ある警察署管内が毎年もっとも多いらしく、なかなか侮れない地域である。)で交通マナーの悪さも否定できません。

人口10万人あたりの交通事故死者数ワースト3

一方、都道府県ごとに人口にバラつきがあるため、上記の数字では本来の事故実態の数値、あるいは本当に危険な都市なのかどうかは正確なものではない。そこで人口10万人あたりの死者数を算出したものを調べてみました。

人口10万人あたりの死者数ワースト3
1位 福井県 5.26人
2位 富山県 5.11人
3位 三重県 4.83人

 

※算出に用いた人口は、前年の人口であり、総務省統計資料「人口推計」又は「国税調査」による。

もっとも交通事故死する可能性がもっとも高いのは福井県の5.26人で、この順位もほぼ不動に近いものとなっていますので、毎年福井県が上位を取っていることになります。因みに愛知県は全国の41位2.51人、東京都がもっとも低い1.04人となっていますので、よく報道される愛知県やそのほか大都市圏が必ずしも危険な地域ではないということになります。

平成30年中、前年より死者数の増加した都道府県ワースト3

こうした中で全国的には戦後最少の交通事故死者数となった2018年ですが、番外編で死者数減少に貢献できなかった都道府県ランキングも調査しました。

平成30年中、平成29年より死者数が増加した都道府県ワースト3
1位 千葉県 32人
2位 富山県、新潟県 17人
3位 岐阜県 16人

千葉県の32人がダントツの1位、次いで富山県、新潟県の17人、岐阜県の16人という結果です。因みに47都道府県中14県で死者数が増加しました。中でも東北地方6県のうち、岩手県以外の県は全て増加した一方、九州地方では全ての県で減少し、中部地方より東の地区での増加が目立ちました。また、3年連続増加したのは、山形県、神奈川県、広島県の3件のみで今後の対策が求められます。

交通事故死者数減少の要因

このように死者数の増加した県がある一方で、日本全国で見ると死者数は大きく減少している。
2019年1月4日に発表された国家公安委員会委員長のコメントによると、「政府をはじめ、関係機関・団体や国民一人一人が交通事故防止に向け、積極的に取り組んだ結果だと考えております。」としています。

過去もっとも死者数の多かった年は1970年で16,765人(まだ返還されていなかった沖縄の数は含まれない。)の方が亡くなっています。その頃から考えると5分の1に迫る勢いであります。こうした大幅な減少には様々な要因が考えれます。

1、車の性能の向上

2、道路環境の整備

3、医療機関の発達

などがよく挙げられますが、私が感じるもっとも大きな要因となっているのは、警察の取り締まりが強化されたことではないでしょうか。
1970年代は、いわば法律はあっても今ほどうるさくなかった時代。その頃、ほとんどのドライバーは飲酒運転を経験し、そもそもシートベルトの備わっていない車が街を行き交っていました。近年では、シートベルトは後部座席も着用義務、飲酒運転や無免許運転、煽り運転などは厳罰化が進み、本来あるべき安全意識より保身のための安全志向が高まっていると言えます。しかしこうした取り締まりや危険運転に対する厳罰の強化こそが、まさに交通事故死者数減少に大きく起因しているのではないでしょうか。もはや昭和の走りはまさに時代錯誤、平成も終わる今流の走りは、法律を重んじること。これこそが現代のスタンダードと言えます。

【岡山女子中学生死亡事故】何故、無免許運転をするのか

2018年7月1日午前4時55分ごろ、岡山市北区青江2の国道30号で、中学2年の男女5人が乗った乗用車が中央分離帯に乗り上げ、金属製ポールに衝突し大破した。同区の女子生徒が車外に投げ出され、頭を強く打って搬送先で死亡が確認された。他の男子2人と女子1人が足の骨折などで重傷、さらに男子1人が軽傷を負った。岡山県警岡山南署は、無免許の中学生だけで乗車していた経緯について調べを進めている。

〈毎日新聞〉

またもや無免許運転による死亡事故が起きてしまいました。

ネットの書き込みなどを見ると

・誰が運転してたのか
・誰の車なのか
・飲酒運転だったのか
・5人乗りに6人乗車してたのか
・責任は、本人達か親にあるのか

様々な憶測が飛び交ってはいるが、真実はわかっていない状態だそうです。

多発する無免許運転

今年3月にも同じ中国地方の鳥取県で中学生の無免許運転による死亡事故が起きたばかりでした。

軽トラックを盗んだ中学生3人が単独事故を起こし、荷台に乗っていた中学2年生の男子生徒が亡くなったというもの。

その事故では亡くなった中学生と同中学2年の男子生徒(14)を窃盗無免許過失運転致死道路交通法違反(危険防止措置義務違反、報告義務違反)の疑いで、助手席にいた市内の別の中学3年の男子生徒(15)を窃盗道路交通法違反(無免許運転車両同乗)の疑いで逮捕された。

無免許運転は2013年12月に厳罰化されたばかりで、それまで「1年以下の懲役または30万円以下の罰金」だったものが、「3年以下の懲役または50万円以下の罰金」になっただけでなく、車の提供者や同乗者にも同様程度の罰則が与えられることとなりました。

また無免許運転による行政処分も19点(欠格期間1年)から25点(欠格期間2年)となり、様々な罰則が強化されました。

しかしながら、無免許運転をする人たちは、そもそもそういった教育を受けておらず、捕まって初めて罪の重さに気づくことになります。それが、捕まって気付く場合ならまだ良い方で、今回のように犠牲者が出てからその恐怖に気付くことも少なくありません。

無免許運転厳罰化の背景(京都府亀岡市死亡事故)

この厳罰化の引き金となったのは、2012年4月、京都府亀岡市で起こった、登校中の児童の列に「遊び疲れによる居眠り」をしていた少年の(無免許)運転する車が突っ込み、引率していた保護者と保護者のお腹にいた胎児、また児童2名の合計4つ命が同時に奪われたという事故です。

その後亡くなった方のご遺族による懸命な努力により、無免許運転に関する厳罰化がはかられることとなりました。

事故を起こした少年には未成年に対する過去最高の懲役5年以上8年以下の実刑判決、また少年ら5名に損害賠償7400万円、また負傷した方へは1500万円の賠償命令が出ています。

何故、無免許運転をするのか

私は無免許運転をしたことがないので、そういう人の気持ちはわかりませんが、私が何故無免許運転をしなかったかはわかります。

当たり前の話ですが、それが違法だとわかっているから。

また、運転ができたとしても「運転する楽しさ」と「捕まったり事故を起こした時の恐怖」を天秤にかけたら圧倒的に恐怖が勝るから

そして、何より周りの全ての人に迷惑がかかるから

その分別がつくかどうかでしかありません。無免許運転をする人は、きっと違法だとわかっていてもノリだったり自己満足だったり過信して自分だったら大丈夫とか、捕まらなきゃいいんでしょという考えから抑えが効かなくなってしまうんでしょう。

中学生のようにまだまだ幼い感情は、周りの大人がしっかり正しい方へ誘導しなければいけません。手の付けられない不良であれば、時に警察の手を借りなければならないかもしれません。しかし、今回の岡山県の事故に関しては、頻繁に車を乗り回してたという情報もあることから、鍵の管理の不徹底(?もしかして容認してた?)が大きな原因の一つと言えるでしょう(そもそもの躾もあると思うが)。

まとめ

先日も渋谷のど真ん中で仮免許の男がクラクションを鳴らし多くの人が横断するスクランブル交差点を突き抜けていく映像が話題を呼んでいました。犯人は、仮免許を取得したんだから無免許ではないだろうと供述しているようですが、仮免許での運転はあくまでも練習目的のみに使用できるのであって、同乗者の条件や練習中の表示義務があるなどの条件を満たしていたとも思えず、またその走行の悪質性からも練習中とは言いがたいところから、十分無免許運転に相応することは明確です。

教習の時も「実は無免許で運転したことがあります」という教習生は一人や二人じゃありません。

ちなみに平成29年中に無免許運転で検挙された数は、全国で20,620人です。あくまでも検挙されている数ですから、この数字は氷山の一角と言えるでしょう。想像しただけで恐ろしいです。

教習所マジックのメカニズム

教習所マジックとは

長年教習所に勤務していましたが、教習所マジックという言葉があることを知りませんでした。

教習所に通っている間に教官のことを好きになってしまう現象らしいが、卒業するとすぐにその恋愛感情は薄れてしまうので、まさにマジックにかかったような感覚に陥ることから教習所マジックと呼ばれているそうです。

最近では女性指導員も増えていますので、男性教習生が女性教官に抱く恋愛感情もあるかもしれませんが、基本的にこの教習所マジックというのは女性教習生から男性指導員に向けて抱かれる恋愛感情のことをいうのだと思います。

教習所マジックの実態

自慢をするわけではありませんが、私自身も30代前半くらいまでは、毎月のように手紙(お礼の言葉と連絡先が書いてある手紙)をもらっていたように思います。多い月で10通以上なんて時もありました。「ほんとかよ!」と言われるかもしれませんが事実です。当然そう仕向けたわけではありませんが、結果的に「マジック」をかけてしまっていたんでしょうか??

因みに指導員の後輩たちからも相談を受けることがありました。「手紙をもらったんですけど、どうしたらいいですか?」と。

今の時代は、少しでも問題ある行動を起こすとすぐに罰せられ、指導員免許剥奪なんてこともあり得ます。何年か前に神奈川県の某教習所では、調子に乗った指導員が、教習中ラブホテルに入ったということで大騒ぎになったこともあります。

私は、相談を受けた場合は、一昔前まではいろんな意味を込めて「好きにすれば」とだけ答えてましたが、最近は、「ちゃんとお付き合いする気があるなら連絡したら?」と答えます。無下に扱うとありもしないようなことをでっち上げられて運転免許本部(都道府県ごとに設置される警察の部署)に垂れ込まれます。名指しされた場合、「指導員終わり」ですね。

しかし、恋愛は多少のリスクがあるから面白いのかもしれません。

少しでも良い「マスク」を持ってる指導員は、しょっちゅ手紙などをもらってリスクを厳選しているはずですから、「火傷する覚悟」を持って手紙を渡した方が良いでしょう。

何故、マジックにかかるのか

マジックとは

①魔法。奇術。手品。

②不思議な力のある意で、多く他の外来語と複合して用いられる。

いわゆる魔法や奇術と同じで「まやかし」であります。それは、インチキであり偽物の恋愛。一部本物もあるようですが、大半は魔法が解けるとさっぱり忘れさられます。

リゾラバ効果

昔はこんな言葉も流行りました。

「リゾラバ」

リゾラバとは、リゾート地で男性とその場限りの恋愛をすること。

これも全く同じ現象ではないでしょうか?

1989年大ヒットした爆風スランプの「リゾ・ラバ」にはこんな歌詞が、

🎶全部嘘さ そんなもんさ
 夏の恋は まぼろし
 嘘じゃないさ うぶじゃないさ
 夏の女は まやかし
 季節変わりは ちょっとね 身悶える

教習中は密室で二人きり、運転中は顔も見れないので、耳元で優しい言葉をかけられると一時的にそんな感情になってしまうのかもしれません。

吊り橋効果

吊り橋効果とは、吊り橋の上のような不安や恐怖を強く感じる場所で出会った人に対して恋愛感情を抱きやすくなる現象のこと。
教習中のドキドキを恋愛のドキドキと勘違いしてしまうというものです。

この理論は、カナダの心理学者が立証しているものです。しかし相手の容姿がよくない場合には、逆効果になる場合があるとのことで、教習の入り口の段階で少しでも好みのタイプなどであれば、効果が現れやすいということでしょうか。

まとめ

教習中は、リゾラバ効果吊り橋効果などから見てもマジックにかかりやすい環境であることは間違いありません。

前の時間担当した指導員が、あまりにも無口だとか、厳しすぎるとか、お粗末な教習だった場合は、次の教習で楽しくて、優しくて、またわかりやすい教習をしてくれた人に対しては、特に恋愛感情を抱きやすいのでしょう。また密室という環境がそういう気持ちを後押しします。

指名して担当者についてもらう、一種のホストクラブであり、教習中マジックにかかることは、まさに自然現象。かかって当たり前どということを理解して冷静な判断で技術向上を目指して見てはいかがでしょうか?

 

 

教習所期限ギリギリの対処方法

教習所を卒業するまでには、いくつもの期限の縛りがあります。

中には仕事や学校が忙しくてなかなか通えなくなってしまう人、サボっていたらいつの間にか期限を迎えていたという人、指導員に厳しいことを言われ通いたくなくなってしまった人など様々な状況で期限を迎えてしまうケースがあります。

教習料金はオートマチック免許でも30万円近くするものです。当然期限がなくなれば、その30万円をドブに捨てることになってしまいます。30万円を捨てるくらいなら多少辛くても、面倒臭くても、厳しい指導員に出会ったとしても頑張って乗り切って欲しいと思います。

今回は、そんな教習期限のお話。

期限ギリギリでもなんとかなるかもしれない、そんな時の対処法をお伝えしたいと思います。

免許取得までにある様々な期限

教習期限 9ヶ月

これは、教習所に通い始めて、初回教習(学科教習1「運転者の心得」、学科免除の方は初めて行った技能教習。)を受けた日から9ヶ月以内に第一段階、第二段階の全ての技能教習と学科教習を修了しなければなりません。ただし、これは卒業期限ではないので、卒業検定や学科の効果測定は合格していなくても問題ありません。

また、入校手続きだけ済ませて、その後出張や入院など長期的に通えなくなる可能性のある方は、初回教習を始めなければ期限が発生することはないので、今後の予定を考慮した上で教習開始することをお勧めします。

運転適性検査結果の期限 9ヶ月

教習所に通い始めて、教習を開始する前に受けなければならない適性検査です。期限の9ヶ月とは、検査を受けた日から9ヶ月以内に教習を開始しなければならないということです。期限が切れてしまった場合は、再度検査の受け直しとなります。

適性検査の期限は、運転免許取得後も有効になるため、卒業後別の免許を取得する際、適性検査の期限が残っていれば、そのまま使用することができるため、次の免許を考えている方は早めに卒業することをお勧めします。

修了検定(技能検定)の有効期限 3ヶ月

路上教習のある車種では、第一段階修了後、修了検定を受検することになります。学科試験がある場合は、修了検定(技能検定)合格したその日に受験することになります。万が一落ちてしまった場合は修了検定の合格日から3ヶ月以内に学科試験に受からなければなりません。

仮免許の有効期限 6ヶ月

修了検定(学科試験がある場合は学科試験)に合格すると仮免許を取得できます。この仮免許の有効期限が6ヶ月となります。6ヶ月を経過すると路上教習や卒業検定をを行うことができないので教習期限や卒業期限が残る場合には再度修了検定を受検できます。

卒業検定期限 3ヶ月

第一段階、第二段階の技能教習及び学科教習が全て修了してから3ヶ月以内に卒業検定に合格しなければなりません。

期限内に合格できなかった場合は、仮免許の期限内に第二段階の技能教習と学科教習を再度受け直しとなります。

卒業証明書の有効期限 1年

教習所を卒業すると現住所のある都道府県の運転免許試験場で(学科試験のある者は試験場で本免試験を受験し合格したら)運転免許の交付を受けます。この1年の期限内に交付を受けないと今までやってきたことは全て水の泡となります。

試験場での交付は基本的に平日のみ(神奈川県など一部例外あり)となるので、新社会人の方などは比較的休みを取りずらい環境にあるため、学生のうちに交付を受けておいた方が良いでしょう。

期限がギリギリでも諦めないで、「期限ギリギリ対処方法」

残念ながら期限が切れてしまった場合は、その期限は戻ってきません。その場合は教習受け直しや、試験場で一発試験を受けて再度取得を目指すしかありません。期限がなくなってしまった方のほとんどは、最終的に諦めてしまいます。そして何年かしてから必要に迫られて再び教習所に通うことになるようです。

そうならないために、期限満了のギリギリで気が付いた場合は諦めず、対処法がないかを考えた方が良いでしょう。そこまでかかったお金が全て無駄になってしまいます。

まず期限ギリギリになってしまった場合は、教習所の職員に相談しましょう。もし対処法があれば色々教えてくれると思います。

色々な期限の中で一番ポイントになるのは教習期限です。

1、仮免許取得前に期限がギリギリになってしまった場合

仮免許取得前であれば、とにかく仮免許を取得してください。

仮免許取得後、一度退校手続きをとります。そうすると第二段階の料金が戻ってくはずです(この場合、第二段階の教習は一切手をつけてない方が良いでしょう。)そしてそのお金を使って再度入校手続きを行います。これを仮免入所といいます。そうすると仮免許の期限内に卒業すれば良くなり、期限が6ヶ月間増えることになります。

2、仮免許も間に合わない若しくは仮免許の有効期限が危ういなど

教習所によってはスケジュールコースの設定がある場合があります。中にはVIPコースというプランを持つ教習所もありますが、だいたい有料プランとなります。その場合予約が取りづらくても、全てのスケジュールを組んでくれます。

予約の解放は教習所次第なので、なんの相談ものってくれない教習所はないと思います。

3、個人の予定でどうしても取り切れない

突発性の予定は致し方ないとしても、ある程度磯貝しいことがわかっていれば初めから有料コースを選択したほうが良いと思います。免許がなぜ必要なのかを良く考え、今ご自身が置かれてる状況を考え教習計画を立てるべきと思います。

突発性のものでどうしようもない場合は、やはり各教習所に相談していただくしかないですね。

まとめ

教習所は、道路交通法の下で運営しています。法律の中で最もうるさく書かれているのは、時間なんです。

例えば、学科教習中居眠りをしていたら欠略となりその時間は未実施ということになったり、始業の時間に間に合わなくても不成立となります。これらに違反した場合教習所は厳しく罰せられるため、教習所側も注意深く確認を行なっています。

様々なものにはだいたい期限が付きまといます。その期限も教習所では、一分一秒まかり通りません。もしまかり通ったのであれば、その教習所は違反をしています。

免許取得にかかるお金は決して安いものではありません。教習所では入所していただいた全ての方に免許を取得しもらいたいと願っております。

残念ですが、期限の管理は、いくつかの逃げ道はあるものの、個々人がしっかり管理し守ってもらうのが一番良い方法であります。

 

 

【乗車定員】子供は何人乗れるか、表にしてみました。

これからの季節、レジャーや買い物などお出かけすることも多くなりそうですね。出先でたくさんお金も使うので、「なるべく経費を抑えたい」、そう考える方も多いと思います。例えば複数の家族でお出かけする場合、それぞれの家族で車を出すとそれぞれに高速料金や燃料費など多くのコストがかかります。それなら一台にみんな乗って割り勘にすれば大きなコスト削減になります。しかも車内はたくさん乗ってて楽しいし、運転の交代要員も増えて一石何鳥にもなります。

ただし車には乗車定員があり、それを超過すれば、取り締まりの対象にもなるし、また事故につながる恐れもありますので、しっかり確認をしてください。

今回は、そんな時に間違えないようにしていただくために、乗車定員の計算方法をわかりやすく表にしたものをまとめてみました。

子供は何人乗れるか?【計算方法】

道交法上、12歳未満が子供、12歳以上が大人となります(体格や体重は関係ないようです。)。

また子供3人を大人2人として計算されますので、子供は大人の1.5倍乗車できるということになるため、計算式はこうなります。

(乗車定員ー大人の数)×1.5=乗車できる子供の人数(小数点以下は切り捨て)

※乗車定員は車検証に記載されてます。

では例題です。

〈例題〉

乗車定員8人の乗用車に運転手以外大人が3人乗車した場合 子供は何人乗車できますか?

 

[答え]は,

6人です。

乗車定員8人に運転手以外大人が3人乗車したわけですから、大人は4人いることになりますので、
(8−4)×1.5=6人となります。

乗車定員と大人の数によって子供が何人乗車できるかを表にしてみました

現在の免許制度では、普通自動車免許で運転することができる車の乗車定員は10人までとなっています。

例えば、3家族で旅行することになった場合、人数は大人が6人子供が6人の合計12人だったとします。
レンタカーでは10人乗り(ハイエース)も扱っているので、それを借りていけば1台で乗車が可能となります。

計算上問題なくても、注意すべき点

先ほどあげた例(大人6人、子供6人いても10人乗りなら乗車できる)からすると、乗車定員を超過する人数でも12歳未満の子供がいれば計算上問題ないという話ですが、ここにはいくつかの注意点があります。

注意点1、人数分のシートベルトが確保できない

車には本来乗車定員分のシートベルトしか備わってませんので、10人乗りに大人子供合わせて12名が乗車したとすると、2名分のシートベルトが足りないことになります。しかし、道路交通法施行令第26条の3の2(座席ベルト及び幼児用補助装置に係る義務の免除)第2項第1号によると、「運転者席以外の座席の数を超える数のもの乗車させるためこれらの者のうちに座席ベルトを装着させることができない者がある場合において、当該座席ベルトを装着させることができない者を運転者席以外の乗車装置(助手席を除く。)に乗車させるとき」はやむを得ない理由として、シートベルト着用が免除されます。

注意点2、チャイルドシート着用によりスペースが狭くなる

チャイルドシートは6歳未満のお子さんに着用しなければならない義務となっております。着用方法は製品によって異なりますが、基本的にはシートベルトを利用して設置することになります。また、チャイルドシート着用により、座席のスペースは、狭くなることが予想されます。狭くなるから着けないというわけにもいきませんので、チャイルドシートの数を考慮して計画を立てることをお勧めします。

注意点1、2共にベルト着用免除について法律上問題ないと言っても安全面から考えると、乗車定員以内での乗車が望ましいと思います。子供の車外放出による死亡事故も聞いたことがあります。何かあってからでは遅いので、そのことを十分理解してドライブを楽しんでいただければと思います。