【危険】認知機能検査の事前勉強は逆効果?現役指導員が教える配点のカラクリと本当の対策

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認知機能検査

こんにちは!現役の教習指導員として日々、多くの高齢ドライバーの皆様の講習や認知機能検査も担当させていただいております。

75歳以上の運転免許更新で必須となる「認知機能検査」。検査の日が近づくにつれて不安になり、警察のホームページからイラストの過去問を印刷して、毎日必死に暗記しようとしている方も多いのではないでしょうか。

教習所の待合室でも、手作りの単語帳をギリギリまで見つめている方をよくお見かけします。その真面目なお姿には頭が下がる思いですが、現場で何千人もの受検者を見守ってきた私から、あえて大声でお伝えしたいことがあります。

それは、「認知機能検査において、イラストの事前勉強は一切不要。むしろ逆効果になる危険すらある」ということです。

「16枚のイラストなんて、今の私には絶対に覚えられない!」と悩んでいる皆様、どうかご安心ください。本日の記事では、私たちが実際に採点している「テストの配点のカラクリ」を大公開します。これを知れば、なぜイラストを完璧に覚える必要がないのかが論理的に分かり、スッと肩の力が抜けるはずですよ。

1. 認知機能検査の合格点は「36点」。満点は不要です

「テスト」と聞くと、どうしても学生時代のクセで「100点満点を取らなければいけない」「少しでも間違えたらダメだ」と思い込んでしまう方が非常に多いです。

しかし、認知機能検査の目的は優秀な成績を競うことではありません。総合点100点満点(厳密には最大得点99.99点)のうち、たった「36点以上」を取れれば「認知症の恐れなし」と判定されてクリアとなります。

つまり、半分以上間違えてしまったとしても全く問題なく合格できる、非常にハードルの低い基準に設定されているのです。この大前提を、まずはしっかりと胸に刻んでください。

2. 検査の全4問と配点のカラクリを大公開!

「でも、具体的にどうやって点数が決まるの?」という疑問にお答えするため、検査の全4問の構成と、その緻密な配点システムを大公開します。

実は、認知機能検査はただ漫然と記憶力を試しているわけではなく、以下のような計算式に基づいて採点されています。

問題1:介入問題(採点なし)

「たくさん並んだ数字の中から、試験官に指定された数字に斜線を引いてください」という単純な作業問題です。

実はこの問題、採点対象外であり得点には一切関係ありません。

なぜこんなことをするのかと言うと、直前に覚えてもらった「16枚のイラスト」の記憶を、全く別の作業をさせることで一時的に忘れさせる(記憶に介入する)ためです。

ここで焦って数字を見落としても減点にはなりませんので、あまり気合を入れすぎず、リラックスして作業してください。

(※どんな問題か気になる方は、以下のリンクもご参照ください)

▶ 介入問題とは? https://online-ds.jp/2025/07/12/numbers/

問題2:自由回答(ヒントなし)

ここからが本番、最も得点配分が高い最重要パートです。

問題1の前に記憶した「16枚のイラスト」を、ヒントが一切ない状態で思い出して用紙に書き出します。

(※イラストは全4パターン=合計64枚あり、当日はそのうちの1パターン16枚だけが出題されます)

  • 配点: 1問正解ごとに 2点 加点
  • 最大得点: 16問正解で 32点

問題3:手がかり再生(ヒントあり)

問題2(自由回答)でどうしても思い出せなかったイラストに対して、「戦いに関する武器でしたね」「体の一部でしたね」といったカテゴリーのヒントをもとに、再チャレンジする問題です。

  • 配点: 1問正解ごとに 1点 加点
  • 最大得点: 16問正解で 16点
  • 注意点: 問題2ですでに正解して書き出したものも含めて、改めてすべて回答し直す必要があります。

【得点の計算例】

たとえば、自由回答(ヒントなし)で9問思い出し、手がかり再生(ヒントあり)で残りの7問中6問を思い出せた場合。

→(9問 × 2点)+(6問 × 1点)= 24点 となります。

問題4:時間の見当識

現在の日付や時間に関する、5つの簡単な質問に答える問題です。実はここが、合否を分ける隠れたキーポイントになります。

質問項目配点
今年は何年?5点
今月は何月?4点
今日は何日?3点
今日は何曜日?2点
今は何時何分?1点
合計15点

【注意点と現場の裏話】

  • 時間の許容範囲: 「今は何時何分?」という質問は、実際の時間と30分以上のズレがあると不正解になります。(例:正解が9時35分の場合 → 9時や10時と書けば正解ですが、9時05分と書くと30分以上離れているため不正解となります)。
  • 年号の書き方: 回答は「西暦(202○年)」が無難です。もちろん「令和」などの元号でも正解になります。
    • 余談ですが、かつて「皇紀」でご回答された方がいらっしゃいました。当校ではもちろん正解にいたしましたが、今の時代、皇紀をパッと計算できない教習所職員も多いので、あまり冒険はしない方がいいですよ!(笑)

3. 「時間の見当識」を全問正解すれば、イラストは半分で合格確定!?

さて、ここまで読んで「あれ? 全部足しても100点にならないぞ?」と気づいた方は非常に鋭いです。

実は、各問題で獲得した素点に、「特定の係数」を掛けて総合点が算出される仕組みになっています。

  • 記憶の再生(問題2+問題3)の点数 × 2.499
  • 時間の見当識(問題4)の点数 × 1.336

ここからが、私が「イラストを全部覚える必要はない」と断言する最大の理由です。

もしあなたが、問題4の「時間の見当識」を全問正解して15点満点を取ったとしましょう。

15点 × 1.336 = 約20点(20.04点)

合格ラインは「36点」ですから、すでに約20点を確保していれば、残りはたった「16点」取ればいいのです!

では、イラスト問題で16点を取るにはどうすればいいでしょうか。

最も配点の高い「問題2(自由回答:1問2点)」で考えてみましょう。

16点 ÷ 2点 = 8問

お分かりいただけたでしょうか?

時間の見当識をしっかり正解していれば、16枚のイラストのうち、たった半分(8問)をヒントなしで思い出すだけで、その時点で「認知症の恐れなし(合格)」がほぼ確定するのです!

もしヒントあり(問題3:1問1点)に頼ったとしても、決して高いハードルではないことが分かりますよね。

4. だから「イラストの丸暗記」は危険!今日からやるべき事

「16枚全部なんて覚えられない!」という不安は、これで消え去ったのではないでしょうか。むしろ、「絶対に全部暗記してやる!」と意気込むことには、大きな危険が潜んでいます。

検査で使用されるイラストはA、B、C、Dの全4パターン(合計64枚)あり、当日はどれが出題されるか分かりません。これを事前にすべて詰め込もうとすると、本番で極度の緊張状態に置かれた際、記憶が大渋滞を起こします。

「ええと、今配られたのはパターンAの絵柄だけど、昨日一生懸命覚えたパターンCの『戦車』が頭から離れないぞ……あれ? さっきの絵の中に『戦車』はあったっけ? いや『大砲』だったか!?」

このように、事前に詰め込んだ他のパターンの記憶がノイズとなり、本番でパニックを起こして自滅してしまう方が本当に多いのです。

本当に必要なのは「今日の日付を意識する習慣」

イラストの暗記カードを作って机に向かう暇があるなら、今日から絶対にやっていただきたい習慣があります。それは、毎朝カレンダーと時計を見て、「今日は何年の、何月、何日、何曜日、そして今は何時か」を声に出して確認することです。

先ほどの配点のカラクリでお伝えした通り、「時間の見当識」をノーミスで突破できるかどうかが、検査全体の難易度を劇的に下げます。

「定年退職してから、今日が何曜日かあまり気にしなくなったな……」という方は要注意です。日々の生活の中で日付や時間を意識し、スケジュールを管理することは、脳を若々しく保つための最高のトレーニングにもなります。

まとめ:リラックスして、ありのままの実力で臨みましょう

認知機能検査は、あなたを落とすための意地悪な試験ではありません。これからのカーライフを安全に続けていくための「頭の定期点検」です。

今日から、無理な暗記はやめにしましょう。

美味しいご飯を食べ、ぐっすりと眠り、明日の朝は「今日は〇年〇月〇日だね」とご家族と笑顔で確認し合う。それこそが、最強のテスト対策です。

教習所にお越しになる日は、どうか肩の力を抜いて、リラックスした状態でお越しください。私たち指導員も、皆様が本来の素晴らしい実力を発揮できるよう、温かくサポートさせていただきます!