【教習所の悲鳴】2027年、高齢者講習に「方向変換」復活!? 予約が取れなくなる最悪の悪循環とは

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高齢者講習

今回は、教習所の現場から、少し辛口な「本音」をお話しさせてください。 70歳以上のドライバーが免許を更新する際に必須となる「高齢者講習」。しかし、この講習、本当に意味があるのでしょうか?

現在の講習は、教習所のコースをただぐるっと走るだけ。「勉強になりました」と笑顔で帰られる方も多いですが、実際は「法律で決まっているから、仕方なくやらされている」と感じている方が大半でしょう。たった数十分走っただけで、長年の運転の癖が劇的に改善されるわけではありません。むしろ、講習で注意されたことを意識しすぎて不自然な運転になり、帰りの公道で周囲の流れに乗れなくなる方も見受けられます。

正直に申し上げましょう。私たち指導員側も、「法律で決められたカリキュラムだから、誰からも文句が出ないように無難にこなしているだけ」になってしまっているのが、現場のリアルな実態なのです。

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現場の限界:時間と効率のシビアな戦い

現状の高齢者講習が、いかにギリギリの綱渡りで運用されているかをご存知でしょうか。

現在のルールでは、指導員1人につき最大5人の高齢者を担当します。実車指導では、一人あたり1,500m以上のコースを走行し、それを60分という限られた時間の中で5人分回さなければなりません。さらに、静止視力・動体視力・夜間視力・水平視野の4項目にも及ぶ視力検査も、限られた時間内で全員分をこなす必要があります。

教習所も営利企業ですから、効率よく多くの方に受講していただく必要があります。しかし、相手はご高齢の方々です。当然、乗降や動作はゆっくりになります。 例えるなら、コンビニのレジで前に並んでいるお年寄りが、小銭をゆっくり探している時の「あの時間」を想像してみてください。私たちは、あれと全く同じ状況下で、分刻みのシビアなタイムアタックを毎日強いられているのです。

最悪の改定:方向変換の復活が招く「悪循環」

そんな限界ギリギリの現場に、とんでもない激震が走ろうとしています。 早ければ2027年、遅くとも2028年から、高齢者講習の課題に「方向変換(狭いスペースへのバックでの車庫入れ)」が復活するという動きがあるのです。

現状でも時間が足りないのに、難易度も所要時間も圧倒的に跳ね上がるバックの課題が追加されれば、現場はどうなるでしょうか? 答えは火を見るより明らかです。

時間が足りなくなる → 1コマあたりの定員を減らさざるを得ない → 高齢者講習の予約がますます取れなくなる(予約難民の増加)

この「最悪の悪循環」に陥ります。さらに深刻なのは、教習所の限られたコースや配車枠を高齢者講習に割くことで、これから免許を取ろうとしている一般の教習生(高校生や学生たち)の教習時間まで削られてしまうという大問題です。

唯一の効果は「根拠のない自信を砕くこと」?

そもそも、時間に追われながらたった1回だけ方向変換をやらせたところで、受講者の技術が向上するような効果など皆無です。指導する時間すらありません。

もし唯一、何かしらの効果があるとすれば、それは「高齢者の根拠のない自信に亀裂を入れること」くらいでしょう。 講習に来る高齢者の多くは、「長年無事故で乗ってきた」という強い自信を持っています。しかし、教習所の方向変換は、独自のコツや指導がなければ、ベテランでも一発で決まらないことがよくあります。何度も切り返し、焦り、失敗することで、「自分の運転技術は思っていたより衰えているのかもしれない」と自覚させる……。警察庁の狙いは、ひょっとしてそこにあるのでしょうか?

かつて、高齢者講習には方向変換が含まれていました。しかし、時間がかかりすぎる上に、縁石に乗り上げまくるため、課題から除外された歴史があります。あの時、現場の指導員たちがどれほど歓喜したことか。それを今さら復活させるなど、現場の人間や受講者をただ苦しめたいだけとしか思えません。

警察庁への苦言と、真の事故防止策の必要性

今後、どこかの教習所で導入に向けた「実験」が行われるでしょう。しかし、そんなものは導入を前提とした「建前」に過ぎません。実験を担当する教習所には、「できます」と安請け合いするのではなく、現場が直面するマイナス面をしっかりと国に突きつけていただきたいと切に願います。

高齢者によるバック事故が多いからといって、講習にバック課題を組み込めば解決するというのは、あまりにも短絡的で現場の窮状を無視した机上の空論です。 今回は教習所側の文句ばかりになってしまいましたが、高齢者の痛ましい事故を防ぐためには、現場を圧迫するだけの付け焼き刃ではなく、自動ブレーキなどの技術的サポートの普及や、より実情に即した有意義な講習制度の構築が必要不可欠です。国には、現場の悲鳴にもっと耳を傾けた仕組みづくりを強く求めます。