こんにちは!日々教習所でドライバーの皆さんの安全教育にあたっている、現役教習指導員です。
これまで私は、このブログを通じて一貫して「免許の再取得や上位免許を狙うなら、費用が圧倒的に安い『一発試験(飛び入り試験)』がおすすめ!」と熱く語ってきました。
しかし、2026年に入り、免許を取り巻く状況が大きく変わってきました。結論から正直に言います。 「現在、特定の車種において一発試験を受けると、とんでもない罠にハマります」。
今回は、現場の教習指導員だからこそ知っているリアルな実態と、一発試験を絶対に避けるべき車種について、裏事情も交えながらぶっちゃけて解説していきます。
1. まだ一発試験でOKな車種(該当者はここで離脱してヨシ!)
まず最初に、「今まで通り一発試験で受けても問題ない車種」を挙げておきます。
- 普通車
- 自動二輪(小型・普通・大型)
- けん引
- 大型特殊
- 大型一種・大型二種(※ただし2027年まで)
もしあなたが上記の免許を一発試験で取ろうと考えてこの記事に辿り着いたのであれば、安心してください。そのまま試験場へ向かってOKです!この記事はここでそっと閉じていただいて結構です。 頑張ってきてください!
さて、問題はここからです。
2. 2026年からしばらくの間、一発試験をお勧めできない車種
今、一発試験での取得を絶対にお勧めできない車種。それは以下の3つです。
- 準中型
- 中型一種
- 中型二種(マイクロバス)
費用を抑えたい気持ちは痛いほど分かりますが、これらの車種に関しては、現在一発試験ルートを選ぶと後で泣きを見ることになります。なぜなのか?その恐ろしいカラクリを解説します。
3. なぜお勧めできない?合格後に待ち受ける「取得時講習」の罠
そもそも、一発試験というのは「試験場で実車試験に合格したら、その場ですぐに免許証がもらえる」というシステムではありません。 合格後、指定自動車教習所に行って「取得時講習(または特定教習)」というものを受講して、初めて免許証が交付されます。
問題は、この取得時講習にあります。
一発試験を受ける方の多くは、少しでも合格率を上げるために、操作が簡単な「AT(オートマ)車」で試験を受けようとしますよね。 例えば、すでに普通車のMT(マニュアル)免許を持っている人が、中型のAT車で一発試験を受けた場合。実は、ベースとなる普通車免許がMTであれば、中型をATで受かっても結果的に交付されるのは「中型のMT免許」になります。わざわざ難しいMT車で試験を受けるメリットがないため、当然みんなAT車で受験するわけです。
試験場でAT車を使って合格したら、その後の教習所での「取得時講習」も、当然AT車を使って受講しなければなりません。
【ここが最大の悲劇】 試験には見事合格した。さあ、教習所に取得時講習の予約の電話を入れよう! ……しかし、現在ほとんどの教習所には「準中型・中型のAT車」が用意されていません。
つまり、試験には受かったのに、講習をしてくれる教習所が見つからず、免許の交付が永遠に「おあずけ」になるという地獄のような状態が多発しているのです。
4. 現場の裏事情:なぜ教習所はAT車を用意できないのか?
「いやいや、教習所なんだからATのトラックくらい用意しとけよ!」と思うかもしれません。現場の人間としても耳が痛いですが、これには深い事情があります。
実は、2026年から準中型・中型免許に「AT限定」が新設されました。 これに合わせて、教習所もATのトラックやバスを導入しなければならなくなったのですが、トラックの教習車なんて1台何百万円もします。そんなものを急に何台も買えるほど、教習所は儲かっていません。
特に「中型二種(マイクロバス)」に至っては、車両代だけでなく、教習所のコース自体を改修しなければならないケースもあり、その費用は数百万〜数千万円規模に膨れ上がります。
そのため、現在教習所に対しては国から「無期限の猶予期間」が与えられている状態です。「車両が準備できるまでの間は、今まで通りMT車だけで教習していいよ」という特例ですね。 普通車や二輪車はもともとAT車があるので問題ありませんでしたが、トラックやバスに関しては、お金がかかりすぎるためほとんどの教習所が動けていないのが現状なのです。
車の免許関連の法律では昔からよくあることですが、国や警察庁が、教習所現場の負担や実態を深く考えずに見切り発車で制度を変えてしまうため、現場が全く追いついていないという歪みが、今回モロに出ています。
5. 【警告】2027年にはこの波が「大型」にもやってくる
さらに恐ろしいお知らせです。 今はまだセーフと言った「大型一種・大型二種」ですが、2027年以降は大型免許にもAT限定が新設されることが決まっています。
つまり、来年以降は大型免許でも全く同じパニックが起こるのは必至です。「大型免許を一発試験(AT)で取ろうとしたら、講習難民になってしまった」という人が続出する未来が目に見えています。
まとめ:時は金なり。今なら迷わず教習所へ!
結論として、もしあなたがこれから「準中型」「中型」「中型二種」を取ろうとしているのであれば、時間とお金に余裕を作って、最初から教習所に通うのが一番の近道だと断言します。
「教習所は料金が高いから…」と躊躇する気持ちは分かります。 しかし、トラックなどの貨物系や二種免許に関しては、条件を満たせば国からお金が戻ってくる「一般教育訓練給付金制度」が使える教習所が多くあります。また、運送会社やバス会社に就職するのであれば、会社が免許取得費用を全額負担してくれる「資格取得支援制度」を設けている企業も今非常に増えています。
一発試験で安く上げようとして、結果的に数ヶ月も免許が手に入らず時間を無駄にするくらいなら、こうした制度を賢く利用して、確実に教習所で免許を取得することをお勧めします。
制度の過渡期である今、どうか「一発試験の罠」にハマらないよう、慎重に取得方法を選んでくださいね!

