【現役指導員が直伝】二輪教習「S字コース」完璧攻略!クラッチ操作と目線の秘密

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運転上達の秘訣

二輪教習の中で、多くの方が直面する課題の一つに「S字コース」があります。似たような課題に「クランク」がありますが、クランクが車体を直立させたままハンドル操作で直角に曲がる(車幅感覚を養う)のに対し、S字コースは「低速ながらも車体を傾かせて(バンクさせて)曲がる技術」を身につけるための課題です。

比較的難易度は低いと言われますが、油断するとコースアウトやエンストで検定中止になりかねません。今回は、一般的な教習本には載っていないようなプロならではの実践的なアドバイスを交えながら、S字コースを減点なしで「完璧にクリアする」ための4つのポイントと、出口の処理について解説します。

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攻略の要①:速度の作り方

S字コース最大のポイントは、速度のコントロールです。ここで絶対に覚えておいてほしいのが、「進入から出口まで、S字カーブの中では絶対にクラッチを切らない」ということです。 カーブの途中でクラッチを切ってしまうと、駆動力が途切れ、曲がりきれなくなったりバランスを崩したりする原因になります。

  • 進入時(出入り口): S字への出入り口は交差点の右左折と同じ扱いです。つまり「徐行(直ちに停止できる速度)」の義務があります。進入時はクラッチを切りつつ、しっかり速度を落としましょう。そしてコースに入り始めたら、2〜3秒かけてじわじわとクラッチを完全に繋ぎきります。
  • 通過中: ギアは「2速(セカンド)」のまま、クラッチは完全に繋ぎ、アクセルは一切回しません。「アイドリングの速度」だけで進行するのが基本です。
  • 速度の微調整: もしアイドリングでも「速い」と感じたら、右足のリアブレーキを軽く踏んで微調整します。ただし、強く踏みすぎると停止してしまい、クラッチが繋がっているためそのままエンストします。また、間違っても右手のフロントブレーキは使わないでください。カーブ中で前輪にブレーキをかけると、いとも簡単に転倒します。

攻略の要②:視点は常に「行く先(曲がる先)」

バイクは、自分の目線を向けた方向に自然と曲がっていく乗り物です。 S字でよくある失敗が、目の前のパイロン(コーン)や縁石を見てしまうこと。近くの「怖いもの」を見ると、バイクはそれに吸い寄せられるように接近してしまいます。

近くは一切見ず、カーブの見える範囲全体を捉えて走行位置を決めることが重要です。常に自分の「行く先」「曲がる先」へと視線を先行させましょう。

攻略の要③:指導員独自の「内側から離れる」ライン取り

狭い道でのライン取りの基本として、よく「車幅を考えてカーブの外側寄りを走りなさい」と指導されます。しかし、私はあえて「カーブの内側から離れる」と表現しています。

なぜなら、「外側」を意識させると、教習生は無意識に視点まで外側(=向かいたくない方向)に向けてしまうからです。 向かっていきたい方向・意識はあくまで「内側(進行方向)」に置いたまま、物理的な走行ラインだけ「内側から距離を取る(離れる)」。この意識の持ち方が、視線を乱さずに理想のラインを走る最強のコツです。出口付近まで、しっかり内側から離れる意識を持ち続けましょう。

攻略の要④:運転姿勢と「肘を下げる」脱力法

運転姿勢は、バイクと体が同じ角度に傾く「リーンウィズ」が基本です。 下半身はタンクを両膝で挟む「ニーグリップ」を確実に行い、逆に上半身(特に腕や肩)の力は完全に抜きます。

【プロのコツ:肘を下げる】

「力を抜いて」と言われても難しいですよね。意識的に上半身の力を抜く一番の方法は、「両肘をやや下に向ける」ことです。腕を突っ張ってしまうと肩に力が入り、ハンドル操作の妨げやふらつきに繋がります。

そして、ただ目で見るというよりは「顎(あご)をカーブの先に向ける」イメージを持ってください。顔全体でしっかり先を見ることで自然と体重が移動し、ハンドルではなく「車体の傾き」で滑らかに曲がっていくことができます。

総仕上げ:出口付近の処理

最後に、S字の出口です。出口は「徐行」ですので、右足ブレーキを使って(車体が傾かず、真っ直ぐになっていれば右手ブレーキも併用して)しっかり速度を落とし、周囲の安全確認をしてから本線へ出ます。

  • 左折で出る場合: 曲がりがキツく、後輪が内側を通る「内輪差」が生じるため、S字の出口付近でなるべく右側に寄せておき、左側の空間を空けておきましょう。
  • 右折で出る場合: 曲がりが緩やかなため、S字の道の真ん中あたりから自然に出ていって構いません。

【重要】 出口は「徐行」である以上、スピードが出ていないため車体を傾けて曲がることはできません。S字のコース内とは違い、出口を曲がる時だけは「ハンドルを切って曲がる意識」を持ってください。

S字コースは、基本の4ポイント(速度・視点・ライン・姿勢)と出口の処理さえ理解していれば、決して難しくありません。苦手意識がある方や完璧を目指す方は、ぜひこの記事を何度も読み返し、頭の中でしっかりイメージを作ってから次の教習に臨んでみてください。応援しています!

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