今日は、教習所の現場にいる人間として、そして高齢ドライバーの安全を願う一人の指導員として、少し衝撃的な情報を入手しました。 これは単なる「噂」や「風の便り」ではありません。かなり確度の高い情報筋から私の耳に入ってきた、近い将来の免許更新制度の激変に関する話です。
早ければ2027年度から、75歳以上の方が受ける「運転技能検査」の難易度が、劇的に上がる可能性があります。 警察庁が導入を検討している新たな課題。それは、多くのドライバーが苦手とする**「方向変換(バック)」**です。
これが実現すれば、免許更新の景色は一変し、残念ながら不合格者や免許返納者が急増するでしょう。 なぜそう言い切れるのか? その理由と、今すぐ皆さんが取るべき対策について解説します。
1. その情報は「風の便り」ではない
「最近、高齢者の事故が多いから検査が厳しくなるらしいよ」 そんな話はよく聞きますが、今回はレベルが違います。
現在、警察庁内部では、運転技能検査の課題に**「方向変換(右バックまたは左バック)」を加える方向で、前向きな検討が進められているようです。 導入時期は早ければ2027年度**からと言われています。
これまで「走る・曲がる・止まる」が中心だった検査に、「狭い場所でのバック操作」というテクニカルな要素が加わる。 これは、これまでなんとなく合格できていた層を、明確に篩(ふるい)にかけるための大きな転換点となります。
2. おさらい:そもそも「運転技能検査」とは?
本題に入る前に、この検査の対象者をおさらいしておきましょう。 75歳以上のすべての人が受けるわけではありません。
- 対象者: 免許更新期間満了日の年齢が75歳以上の方。
- 条件: 誕生日の160日前から過去3年間に、**一定の違反(11基準行為)**歴がある方。
この両方に当てはまる方は、実車を使った「運転技能検査」に合格しないと、免許の更新ができません。
▼ 11基準行為(対象となる違反) 信号無視、通行区分違反、通行帯違反、速度超過、横断歩行者妨害など。 これらは「加齢による技能低下が原因で起こりやすい違反」とされています。
※運転技能検査の詳しい内容や点数配分については、こちらの記事で徹底解説しています。
👉運転技能検査について徹底解説
現状は「9割合格」のザル検査?
現在の検査課題は以下の6つがメインです。
- 右左折方法(巻き込み確認や大回りになっていないか)
- 信号通過(赤で止まれるか)
- 一時停止(止まって確認できるか)
- 段差の乗り上げ(乗り上げた後、1m以内に停止できるか)
- 指定速度(指示通りの速度で走れるか)
- 状況判断(安全確認など)
走行距離は1,200m以上。 正直に言いますと、現在の合格率は9割以上です。 「普通に運転できれば受かる」レベルであり、違反歴のあるドライバーを食い止める「最後の砦」としては、少しハードルが低すぎるというのが現場の実感でもありました。
それを懸念してか、警察庁がついに「本気」を出してきたのが、今回の**「方向変換導入」**の話なのです。
3. 新課題「方向変換」がなぜ「鬼門」なのか
では、なぜ「方向変換」が増えるだけで、そこまで大騒ぎするのか。 方向変換とは、いわゆる**「スイッチターン」**。狭いスペースにバックで車を入れ、向きを変えて出ていく課題です。
これが高齢ドライバーにとって「鬼門」となる理由は明確です。
① 練習なしの「一発勝負」
通常の高齢者講習や、免許取得時の教習では、指導員が「このポールが見えたらハンドルを切って…」といったアドバイスをしたり、練習走行の時間があったりします。 しかし、運転技能検査は「検査」なので、事前の試走や練習は一切できません。 いきなり本番で、慣れない教習車を操り、狭い車庫に入れなければならないのです。
② バックモニター依存と身体機能の低下
最近の車は優秀です。バックモニターやアラウンドビューモニターが付いていて、画面を見ながらなら誰でも駐車できます。 しかし、検査車両(教習車)にそれらの補助機能が充実しているとは限りません。 また、75歳を超えると首や腰が回りにくくなり、直接後ろを目視確認するのが困難になります。 「画面がないとバックできない」「後ろを振り向けない」 この状態で、狭いスペースへ正確に誘導するのは、ベテランであっても至難の業です。
4. 警察庁の狙いは「返納促進」か?
なぜ今、ここまで難易度を上げるのでしょうか。 おそらく、「合格率が高すぎる」ことへの危機感でしょう。 違反歴があるにも関わらず、検査をすり抜けて更新し、その後重大事故を起こすケースを未然に防ぎたい。
「方向変換」という、ごまかしの効かない課題を入れることで、 「バックもろくにできないなら、もう運転は諦めてください」 という、事実上の引導を渡す狙いがあるのではないかと推測されます。
合格者は半減……とまでは言いませんが、不合格者が激増するのは間違いありません。 「自分は運転が上手い」と自負している方ほど、このバック課題で脱輪や接触をして、プライドを折られることになるでしょう。
5. まとめ:最大の対策は「違反をしないこと」
この新ルールは、早ければ2027年度から導入される見込みです。 「まだ先の話か」と思いましたか?
いいえ、違います。 運転技能検査の対象になるのは、**「過去3年間に違反をした人」**です。
もし2027年に更新を迎える方であれば、2024年、2025年(つまり今!)の違反が、検査を受けるかどうかの判定に使われるのです。
これから導入される「激ムズ検査」を回避する唯一にして最強の方法。 それは、**「違反をしないこと」**です。 違反さえしなければ、この検査を受ける必要はありません。
75歳を超えてもハンドルを握り続けたいのであれば、一時停止、信号、速度……これらを徹底的に守ってください。 それが、あなたの免許と、地域の安全を守ることになります。
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