どうなる自動運転。教習所はもういらない?

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近年、急速に自動車の運転の自動化が進んできております。

最近では、アウディが「トラフィック ジャム パイロット(一定条件を満たした場合、60km/h以下の渋滞時に、ドライバーが監視義務のない同一車線内の自動運転を行うもの)」を発表するなど、国内外各自動車メーカーも競うようにシステムの開発に取り組み、近い将来完全自動化は夢の話ではなくなってきたように思います。

ここでよく耳にするのは、「車の運転が完全に自動化になれば、教習所なんていらないんじゃない?」ということです。

そこで今回は、「車の自動運転と教習所の存続」ついて考えてみたいと思います。

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自動運転のレベル

まず、自動運転って何だ?と思われる方も多いと思います。

例えば「自動的にブレーキが効けば自動運転だ。」と思う人もいれば、「人が運転操作しなくても車が勝手に目的地まで連れて行ってくれる状態。」を自動運転と考える人まで様々な意見がありますが、大なり小なり車が自動で運転の一部を行なってくれる状態はまさに自動運転であります。

自動運転の定義は、一般的にアメリカのSAEインターナショナルが「SAE J3016」に定めたものによって表され、その自動の程度よってレベル1からレベル5まで分類されます。

レベル0(自動運転機能なし)

人が自分で運転する。自動運転機能がない車で、一般的な車はこれに該当します。強いて言うなら、オートマチック車は、自動でギアをチェンジしてくれるわけですから自動運転の第一歩ということになりますね。

レベル1(運転支援)

アクセル、ブレーキ、ハンドル操作の一部を支援してくれる状態で、追突や衝突などに対するブレーキ操作を車が判断して行う自動ブレーキや、走行や減速などを自動で行うACC(アダプティブ クルーズ コントロール)や車線の逸脱を防止するための路外逸脱抑制機能もこれに分類されます。

現在は、この様な機能を搭載した車も多く存在し、ホンダセンシングなどがこれに該当します。

レベル2(部分運転自動化)

アクセル、ブレーキ、ハンドル操作を支援してくれるのは、レベル1と変わりませんが、そのACC(アダプティブ クルーズ コントロール)を進化させ、機能領域を広げたものがレベル2になります。日産の「プロパイロット」スバルの「ツーリングアシスト」などがこれにあたります。

前車との車間距離をキープしてくれるのはもちろん、白線を検知し車線中央を保ったまま走行してくれる機能です。

しかしながらこの段階ではまだまだ運転手の確認義務はあり、あくまでも運転支援というレベル。機能に過信し事故になってしまったという事例もあるようでが、この場合、システムエラーが起こっていたとしても、まだまだ責任は運転手にあるようです。

さらに高速走行時には大きく力を発揮するものの、一般道路に出れば、まだまだドライバーがほぼ全ての操作をしなければなりません。

レベル3(条件付き自動運転)

交通量が少ないことや、天候や視界が良好など、運転しやすい環境が整っている条件で、システムが周囲の状況を判断し運転してくれる本格的な自動運転になりますが、緊急時には人間による操作が必要だそうで、この段階でも「たまに手放しが出来そう」というレベル。

しかも日本ではまだまだ法整備は整っておらず、アウディが自動運転レベル3の「A8」を発表し、まもなく発売という流れになりそですが、こういった車両もあくまでも「人の運転」が前提での発売になるのではないでしょうか?

またこのレベル3以降、交通事故の場合の過失は、運転手とシステムのどちらが負うことになるのか、難しいところでもあります。

レベル4(高度自動運転)

運転しやす環境が整っている条件は変わらないものの、レベル3では、緊急時には、人間による操作が必要だったものが、このレベル4では、必要なくなります。ということは、ほぼ完全自動のレベルということになります。

しかしながら走行できる条件は変わらないわけですから、その車両専用の道路でも出来ない限り実質的に運転手が必要ということになりますね。

レベル5(完全自動運転)

これは、どのような条件下でも自律的に自動走行してくれる車です。

現在はレベル5は実現不可能なのではないかとも言われています。

レベル4でも挙げた通り、自動運転車専用レーンでも作れば実現可能なのでしょう。しかし、歩行者や自転車、他の車の動き、また雨や雪などの天候その他の様々な条件が異なる場面において、完全自動化というのはなかなか難しいと言えます。

また法整備や自動車保険などを考えるといっそう複雑なものとなり、実現にはかなり長い年月が必要となるでしょう。

教習所は必要なくなるのか?

長い年月を費やしたとしても、いつかは自動運転レベル5に到達する日が来るはずです。便利になる一方で働き手が必要なくなり、運送会社やタクシー、バスなど全て自動運転任せになる時代が来るということにもなります。

少子高齢化に伴って、日本人の数も減少しているしちょうど良いかもしれませんが、それでも多くの人が、働く場所を失うことになるでしょう

中でも車の運転技術が必要なくなるわけですから、教習所の存在、もっと言えば免許の存在もいらなくなるのかもしれません。

現在、警察庁も自動運転についての法整備やそのロードマップは一切議論していないということです。しかしながら自動運転レベル3の時代に突入した現在、早急な対応が図られるべきものでもあります。

運転免許制度は、その時代と共に改正されてきました。記憶に新しいところでは、平成29年3月に準中型免許が新設されたばかりであります。

また20年以上前までは自動車はマニュアル免許のみでありましたが、オートマチック車の普及に伴い、オートマチック限定免許が登場したわけであります。

ということは、今後免許制度が変わったとしても、それぞれのレベルに応じた免許、例えば「自動運転レベル3限定免許」といったものが出来るのではないでしょうか?そうなれば教習所の役割はなくならず、それぞれのレベルに応じた教習を行うことになるでしょう。

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まとめ

今回は自動運転と教習所の存続について考えてみました。

各自動車メーカーの自動運転開発競争が激化する中、便利になる一方、苦労する人たちもいるんだということも忘れてはいけません。

日本人の5人に1人は高齢者という時代ですから運転の自動化は、そういった高齢者にとっても喜ばしいことだし、交通事故減少にも大きく寄与することになります。最近では自動ブレーキ限定免許も検討中という話です。

教習所の役割は、その時代にあった運転教習でありますので、自動運転がレベル5に到達してもその役割は失わないでしょう。

 

 

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