70歳以上の運転免許更新、高齢者講習の具体的内容

2017年3月12日に施行された改正道路交通法によって、高齢者講習の内容が大きく変わりました。
また、講習料金も年々増加傾向にあり、2019年1月現在

75歳未満  5,100円
75歳以上  5,850円〜8,700円(内、認知機能検査750円)

となっており、通常の更新手数料に加え、講習料金も支払わなければならないので、運転免許更新時の高齢者に対する負担は大きくなってきております。

運転免許の更新に際し、不安や不満に感じている高齢者の方も多くいらっしゃると思いますので、私独自の視点で高齢者講習の実態や対処方法を説明させていただきたいと思います。

高齢者講習の歴史

歴史といってもまだまだ浅いですが、高齢者講習は、1980年代後半に全国で任意参加で始まりました。そして1998年(平成10年)から義務化され、開始当初は75歳以上の方限定でしたが、2001年(平成13年)より、70歳以上に引き下げられました。また、75歳以上の方が受けなければならない認知機能検査は、2009年(平成21年)6月から義務付けられ、2017年3月より高度化・合理化による講習がスタート。これにより年齢や認知機能検査結果による講習内容が細分化されました。

2018年現在の高齢者講習内容

75歳未満の方認知機能検査の結果が76点以上の方2時間講習となります。実際に行う項目の順番は教習所や行う時間帯によって異なりますが、基本的にこのような流れで行います。

※講習料金は5,100円(認知機能検査代750円は別途負担)

機能検査の結果が75点以下の方は3時間講習となります。

2時間講習の内容に加え、運転実技の際に撮影するドライブレコーダーの映像を使用し、ご自身の運転を確認していただきながら個別に指導を受けます。その後30分は視聴覚教材を用いて講習の意義についての認識を深めてもらいます

運転実技の内容

いずれの講習でも運転実技を心配される方(特に女性)が非常に多い印象を受けますが、あくまでも講習であり、試験ではない
ので安心して運転していただきたいです(免許取って以来全く運転してないという方にも運転体験していただきます。)。

具体的な内容は教習所ならではのもの、例えばクランクやS字はもちろん、方向変換、段差への乗り上げ(急発進の体験)を行う場合もありますし、8の字型に走行する体験を行う場合もあります。実は教習所によって若干内容が異なります。

こういった課題走行するのに加え、特に注目されるのは、認知機能が低下した場合に行われやすい、交通違反や運転操作する恐れがないかであります。具体的には、
1、信号に従っって走行しているか
2、一時停止の標識を確認しているか、または停止線までに確実に停止しているか、二段階停止をしているか
3、進路変更時、合図や確認、適切な走行速度を選び操作できているか
4、カーブの走行が円滑であるか

特に一時停止場所での一時停止ですが、私の行った講習では70%以上のかたが確実な停止が行われていない結果が出ているように感じます。

前述の通り、講習の結果如何で更新に影響するものではありませんが、自らの運転を見つめ直すいい機会として考えていただければ良いと思います。

適性検査(視力検査)の内容

視力検査では、更新時に行う静止視力だけでなく、
動体視力
視野検査
夜間視力
の検査を行います。

動体視力は、50メートル前方から時速30kmで近づいてくる指標にいかに早く回答できるかを検査するもので、反射神経も要求されます。

視野検査は、前方一点を注視している状態で、左右何度まで視野があるかを計測します。

夜間視力は、30秒間明るい光に目を慣らせたのち、突然暗くなった場合に一体何秒で暗闇に順応できるか、また夜間走行を想定し、対向車のヘッドライトを目に受けながら暗闇をどの程度認識できるかを検査します。

いずれの検査も運転中必要な視力で、50代以降を境に急激に低下してしまう視力について理解を深めていただく為のものであります。

 

まとめ

今回は、現在大きな問題となっている、高齢者講習について、その歴史や実際にどういうことが行われているかについて触れてみました。高齢者講習を担当していると、不安で昨晩は寝付けなかったというような声も多く聞きます。

「どんなことやるのか」、また「教官がものすごい怖いイメージがある(今だに怖い教習所もあるようだが…。)」

そんな不安の声にお応えすべく、これからもシリーズ化して、

・高齢者講習の予約が取れないという問題について
・認知機能検査必勝法
・高齢運転者の実態について
・高齢者講習の未来予想図を考える
・高齢者講習の裏話等

いろんなお話ができればと思っていますので興味のある方、特に間も無く高齢者講習を控えている方は、ぜひご覧いただきたいと思います。

【高齢者講習認知機能検査】認知症の人ってどのくらいいる?

マリオカート事故多発!安全基準強化、保安基準改正

渋谷に行くとよく目にするマリオカート。
私に言わせると何が楽しいのか、、「俺たちのこと見て、見て!」と言わんばかりの出で立ちと笑顔で東京などの中心部を駆け巡っています。

どうやら「公道カート MariCAR(マリカー)」という企業が運営するレンタル&ツアー、コスプレ衣装の貸し出しなど外国人観光客向けにサービスを行なっているらしいのですが、本家の任天堂も不正競争行為や著作権侵害差し止めなどの訴訟を提起したり、交通事故が多発するなど、多くの問題を引き起こしていることは事実であります。

「マリカー」の事故実態

2017年3月27日から2018年2月26日までに発生した公道カートによる事故は、東京都内だけで50件で、このうち86%を占める43件に外国人ドライバーが関わっていたそうです。外国人事故の多さもさることながら、日本人も多く関わっていることにも驚きです。

2020年には東京オリンピック・パラリンピックも控え、訪日外国人増加に伴い、一層事故も増加するのではないかという懸念の声も耳にします。

<マリカー交通事故例>

2018年2月23日、千代田区外神田2丁目の交差点で、自転車の少年(18)をはねて逃走しました。そんなに目立つ格好でよく逃げたもんだと思いますが、その事故で逮捕されたのは、台湾籍の男(35)、警視庁は、都内にあるレンタル関連業者に安全対策の徹底を要請しました。

<マリカー事故50件の内訳>

警視庁総務課によると、事故に絡んだ外国人ドライバーは47人で、国籍・地域別に見るとアメリカが15人で最も多く、韓国10人、中国・台湾7人、オーストラリア6人と続き、その他にシンガポール、カナダ、オランダ、フランス国籍もいました。

年齢別では、20代が27人、30代が14人で合計すると9割近くに達しました。年齢不明は1人で、最高齢は54歳でした。

50件全体の事故状況は、乗用車に追突したり、ガードレールなどに衝突したり物損事故が48件で、人身事故2件。

カート側が過失の思い「第一当事者」となった事故は44件に上ります。

公道カート、安全基準を強化へ

国土交通省は、こうした状況を踏まえ、今回、カートの安全確保策を講じるため、道路運送車両法の保安基準の一部を改正し、三輪・四輪の原動付自転車の安全基準を拡充・強化することになりました。

<視認性向上対策>

地上から1メートル以上の高さにおいて、前後・左右から見ても一定の面積が視認できる構造とする。
夜間被視認性を向上するため、尾灯を構造物の最大高さ付近に取り付けを義務付ける。

<乗員保護に関する安全性向上対策>

2点式または3点式座席ベルトの装備を義務付ける。
ヘッドレストの装備も義務付ける。
舵取り装置が衝撃を吸収する構造とする。
このほか、車体からタイヤが突出しない構造となっていることとする。

<適用時期>

対策  新車への適用時期  使用過程車への適用時期
被視認性向上部品の設置義務化  平成32年4月1日
夜間日視認性向上等書きの義務化
座席ベルトの装備義務化 2点式又は3点式
3点式  平成33年4月1日 適用なし
頭部後傾抑止装置の装備義務化
舵取り衝撃吸収構造の義務化
回転部分の突出を禁止

 

まとめ

都心でよく目にする”マリオカート”の事故実態や安全基準強化について述べてきましたが、
私個人としては、集団で走行し、まわりの交通に配慮している様子もない為、あまり好ましくない印象でした。集団危険行為、いわゆる”暴走族”と同じ様にしか思えません。道交法では二台以上走行した場合集団に該当する為、事故例にも挙げたような危険な運転をしているのであれば、まさに集団危険行為に該当し、25点の行政処分が科せられてもおかしくはないのではないでしょうか?

もし、この様な車両と走行中に接触し、相手に怪我を負わせてしまった場合、状況によってではありますが、過失割合は大きい車両の方が不利になる仕組みがある為、状況が一掃悪くなる恐れがあります。

今回の改正によって、安全性向上が図られる為、そういったリスクは多少軽減されますが、微々たるものであります。

一方、カートのレンタル関連業車は、今後どの様な対策がなされていくのかが見モノであります。

では、その頃また話題にあげたいと思います。

 

交通事故死ゼロの日はない?

日々、テレビ等で交通事故のニュースが報道されています。
街を歩いていてもそこら中に「死亡事故発生地点」の立て看板…。

 

物凄い身近に感じる死亡事故ですが、いったい一年間でどのくらいの方が交通事故によって亡くなっているのかまた、何故交通事故は起こってしまうのか、減らすことはできないか、私なりの視点で考えてみました。

交通事故は起きて当たり前

まず、交通事故件数や死者数を知る前に、どうして交通事故が起こるのかを考えたいと思います。

あなたは、こんな事を考えたことはありませんか?
日本の道路の総延長って何キロメートル?

これは、農道や林道を除いた日本の道路(高速道路や一般道路、都道府県道など)を全部つなぎ合わせたら一体何キロメートルになるか、ということです。
2016年4月1日の情報によると、1,278,183kmだそうです。なんだか物凄い大きな数字で想像しにくいので、もう少しわかりやすく言うと、赤道の長さが、40,075kmなので、地球を約32周したぐらいの長さってことです。私の想像を遥かに超える長さでした…。

そして次に
日本の自動車の保有台数って何台?

ナンバーを受けて道路を走ることができる自動車の数ってことですが、これは、二輪車から大型車まで大小様々ではありますが、2018年現在で、82,022,872台・・・。すごい数ですね。

では、全ての車が道路に出てきた場合、日本の道路はどうなっちゃうんでしょう??

自動車が全て普通自動車だったと想定した場合、車両の長さを5mで計算すると、
約10mずつの車間距離で、日本の道路が全て埋め尽くされてしまうことになり、言わば満員電車に乗っているのと同じ状態と言えるのではないだろうか?渋滞が起きて当然、そして何より事故は起きて当たり前、と言う気がします。

交通事故件数と交通事故死者数

それでは、この満員大国ニッポンで、一体どのくらい事故が起こっているんでしょうか?

(平成29年)
交通事故件数  472,165人件(因みに最も多かった年は、平成16年の952,720件<比較的最近なのね>)
交通事故死者数          3,694人<24時間以内に亡くなった方>(戦後最少)

戦後最少の死者数だったとはいえ、果たしてこれが少ないと感じるかは、難しいところですが、
過去最悪だった昭和45年(20世紀少年に描かれている大阪万博の年)では16,765人(この時、沖縄はまだ返還されていなません。)の方が亡くなっているので、そこから考えれば、大きな減少と言えるでしょう。(因みにこの頃の時代背景や減少の理由などについては、別の機会に書きたいと思います。)

交通事故死ゼロの日

これだけ減少してきた死者数なんだから、きっと交通事故死ゼロの日があるはず、と思い調べてみました。
しかしながら、記録の残る昭和43年以降今日に至るまで、交通事故死ゼロの日は、存在しませんでした。
毎日、全国のどこかで、交通事故によって尊い命が奪われているということです。

今後、近い将来交通事故死ゼロの日は、訪れるのでしょうか?

ちょっとそんな日を想像してみました。

  1. 家から一歩も外に出てはいけないと言う法律ができた時(戦争でも起きればあるかもね。)。
  2. 全てが自動化されコンピュータによって全てが管理されている世の中がきた時。
  3. 全ての人がルールを守り、技術やマインドなど事故を起こさないためのスキルを身につけた時。

果たしてそんな日は来るのでしょうか? 3 が一番理想ですね。

ウチにも まだまだ道路で目を離せないチビ達がいます。やはり何度か轢かれそうにもなってます。
事故が起きれば、加害者も被害者も相当ツライ思いをしなければなりません。

交通事故死0の日、また世界一安全な道路に貢献すべく、活動をしていきたいと思います。

オートマ、マニュアル、準中型…運転免許どれにする??

昨年の3月12日に改正された道路交通法により準中型免許が新設され、18歳で取得可能な免許の幅が広がりました。

これから教習所に通おうと考えている人は、こんなことに悩むかもしれません。オートマチック車、マニュアル車、準中型車、どれをとったらいいの??

私が運転免許を取得した頃は、「男」はマニュアル!「女」はオートマ!それが、暗黙のルールだった気がします。「男」がオートマチック限定免許を取得すれば、「何でオートマ取ったの?」と、必ず理由を求められたものでした。
現在はそれが完全に逆転し、マニュアル免許を取れば、「何でマニュアルにしたの?」と聞かれるようになってきたようです。

因みに私は、始めからマニュアル免許を取得しました。何でかって?家の車がマニュアルだったからなのと、モテそうな気がしたから…。

よく教習所に通うオートマチック限定免許を取りに来た男性に、何でオートマチックにしたのかを聞いてみると、
一番多い答えは、親に「オートマチックにしなさい!」と言われた。というものです。自分の意見はないのか!と心の中では、思ってしまいますが、親がスポンサーなら致し方ないのかもしれませんね。

またこんなのも多いです。「もうマニュアル車なんてほとんど無いんじゃないですか?」とか
「教習料金がオートマチックの方が安いんで…。」なんて言われる方もいますが…。

どんな免許を取得するかは、個々人の環境に応じて決めればいいのですが、今回は、こんな人はこの免許にした方がいいんじゃないかというものを考えてみましたので参考にしていただければと思います。

2017年中の卒業者数を比較

2017年中に全国の指定自動車教習所を卒業した数で比較してみました。

オートマチック マニュアル 準中型
709,905人 439,392人 7,572人

圧倒的にオートマチックが多いことがわかります。オートマ限定免許が新設されたのは、1991年11月1日でありますからこの二十数年の間に時代は大きくオートマチックにシフトしてきたことがわかります。

因みに準中型免許は2017年3月12日に施行されたので一年間に満たないデータになりますが、その差は歴然です。準中型免許の新設についての裏話は別の記事で上げたいと思いますが、全体の1%にも満たない結果になりました。あれだけ苦労して新設された免許なのにあまり需要がないことがわかります。

これだけオートマチックの取得者が多いことを考えれば、免許条件の記載にも「オートマチック車に限る」という文言は不要で、オートマチック免許として確立してもいいように思えますが…。

また、男女比率は示してませんが、最近は、男女問わず、取りたい免許を取得している傾向であります。

免許種別による取得理由や用途を比較

運転免許を取る理由も人それぞれありますが、その取得した理由やその用途について、考えてみました。

オートマチック限定免許

よく、「身分証が必要でオートマチック免許で十分。」と言われる方もいますが、身分証がわりなら原付免許でいいのでは?とという気もしますが…。また、オートマチック免許は、他の免許より、「早い」「安い」「簡単」 という最大のメリットがありますから、そりゃオートマにしますよね!

では2018年現在の法律でオートマチック限定普通自動車第1種免許を取得するとどんな車が運転できるのか、

車両総重量 3.5トン未満
最大積載量 2.0トン未満のオートマチック車ということになります。

重さで言われてもよくわからないかもしれませんが、要するに一般の家庭にあるようなオートマチックの乗用車しか運転できない免許ということになります。一部のアメ車(男の憧れであるハマーなど)は重量の関係で運転することはできません。

ただ、最近の車は、ほとんどオートマチック(レンタカーなんかも全てオートマチックになっていると聞きます。)なので、この免許さえあれば、よほどのことがない限り、運転できない乗用車はないということになります。

マニュアル免許

基本的に運転することができる車両の重量は、前文にあげたオートマチック車と変わらないので、スポーツカーなどのマニュアルの乗用車を運転したい方にオススメの免許ということになります。

しかし、貨物自動車にはまだまだマニュアル車が多い印象ですが、普通自動車免許では、貨物でよく使用される2t車の運転はできませんので、貨物系車両の運転を考えている方は、準中型免許じゃないとダメということになりますね。

マニュアルを希望される方の用途は、他にもあり、例えば”おじいちゃんの持ってる軽トラックを運転したい”とか”外国に行くことがよくあり、そこでも運転したい”とか、”車のことをより理解したいので”なんて方もいますね。

何れにしても現在では少数派の免許ということ。

準中型免許

私の最もオススメ免許はこれ!教習時限数は長いし、料金もかなり高い…。でもこの免許には取る価値がある!

まずは、運転することができる車両の重量ですが、
車両総重量 7.5t未満
最大積載量 4.5t未満

因みに、平成19年の道交法改正までに取得できた普通自動車免許では、
車両総重量 8t未満
最大積載量 5t未満でした(因みに私はこの時代に取得しました。)。

ということは、18歳で取得可能な運転免許区分の中で、限りなくかつての普通自動車免許の重量基準に近い車両の運転が可能になるということです。これは、運転できる車両の幅が広がるだけでなく、就職先の選択肢も大きく広がるため、高校卒業時から運送業などの就職先も視野に入れることが可能になりました。

特に、卒業後の進路が決まっていない学生さんや、将来大型車やバスにもチャレンジしたいと考えてる方、また自らのスキルアップや大きなアメ車に乗りたい方などにオススメです。

私は、かつての仕事柄、この世に乗れない車両があることが耐え難く、もし私がまだ学生であれば、間違いなく取得する免許だと思います。

また、気をつけなければならないのが、免許の区分があまりにも増えすぎてしまったため、知らず知らずのうちに運転してはいけない大きさの車両を運転してしまい、運転免許が取り消される、、ということも実際起きているようですので、「大は小を兼ねる」という言葉があるように、取っておけばそのような問題もなくなり、「保険のつもりで取っておくに越したことはない免許」ということになります。

まとめ

かつては、四輪の自動車免許を取得すれば、二輪免許も勝手についてきた時代もありました。羨ましい限りです。しかし、現在は運転免許の区分も細分化され、個人の事情にあった運転免許を選択する必要があります。

また教習料金の問題や取得までの期間の問題、個人の用途と様々ですが、夫婦共稼ぎの時代、男女問わず生活をしていくためにはなんでも働けなければならないと思います。大きな車両の免許を取得すれば、生活のための視野も大きく広がり、皆さんの生活を豊かにするばかりか、人出不足が深刻化する物流業界も活発となり、日本経済発展にも寄与することにもなります。

 

これから運転免許を取得する方へ

是非、準中型免許に挑戦していただき、18歳の100人に一人も持っていない免許を自慢してみてはいかがでしょうか?