二輪編

【自動二輪免許】スラローム、絶対にタイムを切れるコツ

二輪免許取得する上で難関課題の1つ“スラローム”。あなたは通過基準をクリア出来ますか?

通過タイムの基準は、
普通二輪(400CC以下)  8秒以下
大型二輪(400CC超)   7秒以下
となっています。

今回は、スラロームでどうしてもタイムが切れない方、またタイムは切れるけど不安定な方や上手に出来てる気がしない方へ、スラロームのコツを解説いたします。これを全て意識できれば、必ずタイムを切れることをお約束します。この記事を読んでもタイムを切れない方は、きっと何かが足りないはずです。何度も繰り返し読んでいただき、何が足りないかを考えてみましょう。

スラロームとは

スラロームの正式名称は「連続進路転換コース」です。その名の通り連続して障害物を左右に進路転換し回避するものです。教習コース上にある全ての課題の中で唯一車体をバンクさせながら、なるべく早く通過するという課題となっています。

スラロームのレイアウト

全長27m、直線上に4.5mの等間隔に並んだ大ロードコンを左右に回避しながら通過する、いわゆるジグザグコース。

スラロームの通過ポイント

・ギアはセカンドを使用(プロレベルになるとローギアの方が速い)
・クラッチは一切使用せず、ギアは繋いだまま
・アクセルのコントロールによってリズミカルにテンポよく通過
・この間、基本的にはブレーキは使いませんが、必要であればリアブレーキを使用してください。

【技能検定】スラロームの採点基準

・中止事項(これをやったら不合格)

①ロードコンへの強い接触
②足つき
③コースを逸脱
④エンスト

・減点細目

①通過タイムは、1秒遅れるごとに5点減点
(例えば、普通二輪検定で8.1秒で通過した場合5点減点、10.0秒なら10点減点、10.1秒は15点減点になります。)
②ロードコンへの軽い接触は20点減点

減点のようで減点ではないやり方

①通常は大ロードコン側に回避するが、小ロードコン側で回避した場合は、あくまでも順を追っていればこれに対する減点はありません。しかしその場合、最初から最後まで小ロードコン側を通過しなければならず、間違いなくタイムは遅くなるでしょう。自信があるならやってみてはいかがでしょうか?
②途中でニュートラルに入ってしまっても、これについての減点はありません。しかし、バランスを失う恐れがあるため、足つきによる中止になることは考えられます。ニュートラルに入ってしまった場合は、とにかく足をつかずに、落ち着いて再度ギアを入れ、出口を目指しましょう。

スラロームの練習ポイント

スラロームを練習する場合は、3つのステップに分けて上達を目指しましょう。

1stステップ

・まずは、セカンドギアで入口から出口にかけて一切クラッチを触らずに、
・またアクセルも回さずにハンドル操作のみでジグザグにコントロールしてロードコンに接触しないように通過を目指しましょう。
・万が一ロードコンに接触しそうになった場合は、ブレーキは使わずボーリングのようにロードコンを弾き飛ばした方が安全です。怖がって前輪ブレーキを使用するとほとんどの場合転倒しますのでご注意ください。
・1stステップで、ロードコンに触れずに通過できた場合、タイムの目安は、
普通二輪は約10秒、大型二輪だと約9秒で通過できるはずです。

これができれば、2ndステップへ

2ndステップ

・1stステップをクリアしたら、そろそろタイムを意識し始めます。
・タイムをクリアするためにはアクセルの使用が不可欠ですが、いきなり使用しようとすると転倒の原因となるためこのステップでは、入口と出口だけアクセルを使用しましょう。
・入口の進入速度を少しだけ上げて進入します(あくまでも少しです)。また出口を抜ける残りの約4mもアクセルを使い勢いよく抜けます。
・入口と出口のみ速くするだけで、1秒程度短縮できるはずです。

しかし、このステップをクリアしても普通二輪は約9秒、大型二輪で約8秒程度かかるでしょう。

3rdステップ

・このステップでは、通過基準タイムのクリアを目指します。
・タイムをクリアするためには、入口と出口だけではなく、全体的にアクセルを使用することにより、テンポやペースが遅れないようにコントロールしましょう。
・イラストの赤矢印でアクセルを開き、緑矢印ではアクセルを戻し旋回します。
※始めから強いアクセルを使うと暴走する危険があるため、アクセルはなるべく優しく使いましょう。

図2にて解説

スラロームが苦手な方の特徴

腕が伸びている

自動二輪教習の全ての課題において、腕が伸びて力の入っている人は、柔軟なコントロールが叶わず良い結果が出ないでしょう。よく二輪車は傾けば曲がると言いますが、実際には傾くだけでは曲がりません。二輪車が傾いた時にはハンドルが自然と曲がろうとしますから綺麗な旋回が可能になります。しかし腕で突っ張ってハンドルを押さえてしまえば、せっかく曲がろうとしている二輪の動きを止めることになってしまうため上手く旋回できなくなってしまいます。腕に力が入るのは無意識の運転行動なので、意識的に力を抜く必要があります。

腕の力を抜く方法

一本橋の通り方でも紹介した通り、腕の力を抜くには、肘を下に曲げてやや前傾姿勢になることです。ただ曲げて前傾になるだけではダメです。下に曲げてください。すると不思議なくらいハンドル操作が柔軟になるはずですから、お試しください。

»一本橋攻略法、苦手克服!成功率アップの秘訣

スラロームが上手な人の腕の使い方

スラロームが得意な人は、ただ腕を曲げているわけではありません。このやり方は、教習生の方はやる必要がありませんので、参考程度にご確認ください。
・加速するときの姿勢は、加速度の影響で体が後ろに逸れるため、前傾姿勢絵をとる。
・また減速時には逆に重心が前に移動するので後傾姿勢をとります。

ということは、スラローム時も同じで、「アクセルを開けるときは前傾」「アクセルを戻した時は腕を伸ばし後傾にする」ということです。これがうまく決まるとライダー自身は地面に対して全く姿勢が変わらないように見え、二輪だけがジグザグに動いていくような感覚になります。

ニーグリップが甘い

二輪車はただ座っているだけではありません。初心者が二輪車を上手くコントロールできないのは、ニーグリップの重要性を認識していないからと言っても良いくらい大切です。前項で述べた「腕が伸びる(ハンドルに力が入ってる)」のもこれが理由の可能性が高いです。

本来スラロームは膝でコントロールしますのでニーグリップの働きは重要で、膝が開くということは、強引に腕で旋回しようとするため腕に力が入ってしまうという悪循環が生じます。始めのうちは、無意識にニーグリップするのが難しいため、意識的に膝を締める習慣をつけてください。

視点が近い

イラスト図3の中で紹介しているラインどりの中で、ロードコンの脇を旋回する際はロードコンとミラーがギリギリになっているとベストラインであるということです。しかし、その場所を直視することはありませんのでギリギリであることを見るのではなく感じてください。

基本的に視点は進む先。目の前ではなく1つ先のロードコンあたりを意識します。目先のものを意識しては、次への意識が遅れます。意識の遅れがタイムの遅れにも繋がりますので、特に注意してください。

アクセルを開くタイミングを間違えている

アクセルを使う効果は、イラスト内でも紹介していますが、
・速度をあげる効果。
・一定のタイミングでアクセルを使うことによってリズムが取れる効果。
・復元力によって傾いた車体を起こす効果。
があります。タイミングを間違えればリズムが乱れるため、ラインもめちゃくちゃになりコースアウトする恐れが高まります。赤矢印(全車輪がロードコンの間に入るタイミング)あたりで開くのがベストですが、仮にミラーをロードコンに近づけているタイミングでアクセルを開けば、旋回途中で車体が起きてしまい、目の前のロードコンの回避が間に合わなくなります。

リズムよくテンポよくタイミングよく一定にアクセルを開くことができるよう練習しましょう。

とにかく怖い

怖いにも色々ありますが、

①傾きが怖い

二輪の運転で傾きが怖いのは致命的です。前に進む力が加われば傾いたってそう転倒することはありません。まずはハンドル操作のみで通過できるようになったら、先ほど紹介した手順に従って膝で傾ける意識を持ちましょう。危険物を回避するのには傾ける技術は必須となります。頑張ってクリアを目指しましょう。

②速度が怖い

速度が怖い方は、アクセルを少しずつ使用し、徐々に速度に対する恐怖心を取り除いてください。

③接近してくるロードコンが怖い

人間は怖いと思ったものにむしろ吸い寄せられます。意識的に目先のロードコンは見ないようにし、もし危ないと感じてもブレーキはかけずにロードコンを弾き飛ばしましょう。

※人間誰しも初めてやることは怖いものです。しかし怖いままでいると成長するのに時間がかかりますので、早い段階で限界を突破し、その恐怖心という名の殻を破ることが大切です。それに打ち勝つことができれば、ゴールはすぐそこに見えてくるはず。特に二輪車はそのような特徴の強い乗り物です。まずは技術よりも気持ちに打ち勝ちましょう。

おわりに

スラロームって難しいですよね。でも通過出来た時やタイムをクリア出来た時は、より感動するはず。

世の中には、スラロームを3秒台で走り抜ける人もいます(ちなみに私は4秒くらい)。同じバイクに乗っているのに同じ人間なのに、なんでこんなに差が出るのか。でもこれがバイクの面白いところなんでしょう。

上には上がいるもんです。スラロームが上手にできる方もより高みを目指してみてください。

【自動二輪】バイクで死なない為の考え方

バイクは一度事故を起こせば「死に直結する乗り物」だということで、敬遠される方も多くいます。私は20年以上バイクに乗ってますが、今もこうして生きています。それって運が良いからでしょうか?因みに最近は危ないと感じる事もほとんどなくなりました。(いや、昔は危ないと感じた事も今では危ないと感じなくなったという方が正解か)経験値が上がれば、全ては予測の範疇にあるからです。

バイクは乗り方によっては危ない乗り物。

でも少しでも事故が起こりづらい走り方や考え方が備わっていれば、防げる事故がほとんどです。

そもそもバイクの事故って何で起きるのでしょうか?

・スピードの出し過ぎ?
・安全不確認?
・すり抜け?
・法令違反?
・技量不足?
・技量過信?
・自分に原因はなかった?

もちろん事故のケースによって様々ですよね。

でも死にたくないのはみんな一緒。死にたくて乗ってる人なんて誰もいません。

では、絶対死なないためにはどうしたらいいのでしょうか?

10代の頃バイクに乗って帰ってくるとよくこんな事を思ってました。
「ああ、今日も生きて帰ってこれた。」
そして夜中に帰ってきてすぐ寝ようとすると、心拍数が上がってしばらく眠れない、なんてことも。

今考えると、その頃の運転は「物凄く危ない走りをしていたなあ」とつくづく思います。

簡単にいうと、ただ走ってただけ。若さゆえの反射神経で標識標示なんて関係ない、ただ道路をくぐり抜けてきました。そして運が良かった。
そんな無謀な走りから年数を重ねるごとに、また教習指導員という仕事の助けもあり、あの頃から比べれば無意識に道路を読む習慣が身についていると思います。もちろん100%ということはありません。道路は想像を超える出来事が起こる場合がありますので。

では、元指導員という立場はもちろんですが、20年以上の運転経験から、私が意識している「バイクで死なない為の考え方」をまとめました。

バイクで死なない為の考え方

技量は必要、過信は禁物

当然のことながら、転倒しない為の技術を磨くことは必要です。教習所を卒業するレベルは最低ライン。年数を重ねるごとに多少上手くはなりますが、それはただ慣れただけで決して本当に上手なわけではありません。私も二輪を乗り始めて何年かした頃、自分自身では上手いと思って走っていました。大型二輪も敢えて試験場の一発試験で取得し、取得した喜びは感じず、当然という気持ちでしかありませんでした。しかし、普通自動車の教習指導員課程を経て、自動二輪の指導員試験の為に訓練が始まった頃、練習に付き合ってくれた先輩指導員の走りに驚愕しました。コーナーリング、低速バランス、小旋回、とにかく何もかも歯が立たず、私の自信も全て崩壊し、かなり悔しい気持ちになった記憶があります。

運転に自信のあるあなた。ハッキリ言ってあなたの運転も下手です。
一本橋3分以上乗れますか?
スラロームで3秒台のタイムが出ますか?
自動二輪に乗ったまま足をつかないで1分止まってられますか?

これができる人も上手だと思ってません。
上手だと思った時点でそれは過信です。

よく初心運転者講習(免許取得後1年以内に1回の違反で4点以上、2回の違反で3点以上の行政処分の付けられた方に対する講習)を担当していた時に、自信に満ち溢れた彼らに対し、絶対ついてこれないようなスピードで、かつ難しい課題をやってもらっていました。ついてこれた人は一人もいませんでした。そしてその後私はこう言います。「よくこの程度の運転で違反運転ができましたね。私なら怖くてできませんよ。」と。

上手な人ほど道路の怖さを知っています。
上手な人ほど違反運転が事故につながることを知っています。
上手な人ほど自分を抑えることができます。

転倒しないための技量は必要ですが、過信は禁物です。
その本当の意味がわかった時、事故を起こさないためのマインドが1つ備わったことになるでしょう。

法律は勉強せよ!

違反をした人の中には、違反をした自覚のない方も多くいます。
事故で亡くなってしまった方の中にも、自分で悪いことをしていたと知らずに亡くなった方もいるでしょう。

道路を使う上で、道路交通法を知らずに運転するのは自殺行為です。もっと言えば、殺人者です。

車は時に凶器になり得るからです。

私の持論ですが、違反者に対する罰則をもっと強化すべきだと思います。例えば、違反した者は、更新時に学科試験を受験しなければならないとし、合格点が出なければ運転免許を取り消しとする法律はいかがでしょう?絶対に誰しもが反対ですよね。でもそれって甘くないですか?人の命に関わる免許、法律を知らなくても反則金を収めればそれで良いというのは、いかがなんでしょうか。例えば法律を知らない人に自分の子供を轢き殺されたらどう思いますか?もう子供は戻ってきませんよ。

法律を勉強するということは、周りの人たちの命を救うことはもちろんですが、みんながそれを守れば、道路はとても安全になるのではないでしょうか?

法律を知らない = 死ぬ(殺す)可能性が高くなる

私はそう思います。

すり抜けは、あの世への近道

以前すり抜けが違法になるかどうかについて記事にしました。見てない方はこちらをどうぞ。

その記事でも触れていますが、そもそもなんですり抜けをするのでしょうか?
すり抜けること自体が運転の癖になってしまっている方も多くいらっしゃいますが、ほとんどの方は先急ぎが理由なのではないでしょうか?

自動二輪の魅力は目的地まで早く着く。そして早く到着するためにすり抜ける。

すり抜けという行為を肯定する方もまた多くいらっしゃいます。
「暑い中、寒い中、雨に打たれても頑張って運転している。自動二輪の最大の魅力は、目的地に早く着くこと。そして時間が読みやすい。だからすり抜けをするんだ。」と。そしてこうも言います。「事故はほとんど交差点で起きるもの。だからすり抜けをしても交差点に出るときは一旦止まりますよ。」

なるほど、交差点事故を防止するために交差点を出る前に一旦止まれば良いんだと。

しかし、当然事故は交差点だけで起きるものではありません。想像してください。

『渋滞の間をすり抜けていきます。交差点に出る前には一旦止まり、再びすり抜けます。しかし、交差点のないところを対向車が右折して曲がってきます。大型貨物が道を譲っているようです。しかし大型貨物の向こう側は、死角となって見えません。そのまま対向右折車に気付かず正面衝突して死亡事故になりました。』

なぜこのようなことが起きるのか。そうです。道路には、交差点だけじゃなく道路に面した駐車場が無数に存在します。コンビニ、ガソリンスタンド、マンション、その他。あなたはこれら全ての駐車場、脇道、その他見極められますか?私は運転経験が豊富ですが、はっきり言って無理です。

すり抜け行為そのものが事故を招き、そしてあの世への近道となるんんです。

死にたくなければ、お家を30分から1時間早く出ましょう。

速度超過は死亡フラグ

死亡フラグとは、ドラマやゲームなどで登場人物に近い将来おこりうる不吉な兆候。

フラグ=旗という意味で、作品内でストーリーや状況が大きく変わる節目、分岐点の目印を意味する。

例えば、戦争映画の登場人物が無事に帰れたら結婚することを語り出した場合「死亡フラグ」が立ったことが想像できる。大体その後の展開で結婚を語った兵士は戦死することになるというベタな流れになりますね。

とにかくドラマなどでその行為をするとその登場人物がこの後死ぬことになるだろうと予感させる瞬間の事で、仮にドラマで「速度超過」をしているシーンが出てきたとしたら、この後この人は事故を起こすんだなーと予見できませんか?

まさに二輪車の死亡事故の原因の多くは「速度超過」です。

でも、速度を超過したら事故を起こすのは当たり前ですよね。空走距離や制動距離は長くなりますし、遠心力、衝撃力などの運動エネルギーは速度の二乗に比例して大きくなっていきます。

速度超過をする人は、よっぽど運転に自信があるのか、気がおかしくなったとしか思えません。

とにかく死にたくないのであれば、速度は控えましょう。道路はそんなに甘くありません。

言葉無き会話を楽しむ

先日、私の運転する車の前で人身事故が起きました。

前方を走る二輪車が、突然左に寄せて停車しました。その直後を走る車が、まさか停まるとは思っていなかったようで、そのまま追突し二輪車は道路外へ弾き飛ばされ、二輪車の運転手は宙を舞い着地したところを更にその車に踏まれてしまいました。幸いにも命に別条はなかったようですが、あわや死亡事故という場面でした。

この事故の問題は、両者の意思疎通が図れていなかったということ。要するに言葉なき会話が成立してなかったということです。

走行中は、当然他車との会話はできせん。しかし相手の動きやその他の様々な情報の中で、この後の運転行動を読み取る必要があります。例えば方向指示器や走行位置はもちろんですが、相手の走行速度や運転手の視点、周囲の信号機や交差点、またお店など何かが起きる瞬間には、その事柄が起きる前に必ず何かの情報や手がかりが隠されているはずです。それを一瞬で読み取り、判断し、行動するんですが、経験の中で培っていくものです。

運転中こんなことがありました。あなたならこの後どうするか考えてください。

「片側一車線(時速40km制限)の道路を走行中、前方を走行中のタクシーがハザード(非常点滅表示灯)を点灯して左側に寄せていきました。(対向車、後続車はいません。また乗車の為に手を上げているお客も存在しない状況)」

 

大体の方は、このタクシーを単純に避けていくはずです。

 

しかし、その時の私は、何かの違和感を覚え、避ける為に右に寄せながら車両を停止させました。その瞬間です。タクシーは突然転回(Uターン)し、今来た道を戻っていきました。もし私が停止していなければ完全に巻き込まれていたはずのタイミング、瞬間的に状況を読み取りタクシーが突然転回してくるかもしれないことを予見しました。まさにファインプレー!

相手の動きを正確に読み取ること、そして自分が何をするかを正確に相手に伝える走行技術。この2つが確立すれば、事故の可能性はかなり低くなるでしょう。そしてそれを楽しむことができれば運転がもっと楽しくなるはずです。

交差点でスナイパーを見極めろ!

スナイパーとは、狙撃手のこと。日本の道路にそんな人いません。でも殺される人はたくさんいます。そう、ここで言うスナイパーとは事故の加害者になり得る人を指します。そのスナイパーを見つける能力が「バイクで死なない為」に、重要だと言うことです。

特に交差点は道路における最も交通事故の多いポイントとなります。そこで、相手を見極めるんです。

自動二輪と四輪以上の車両が交差点で起こす事故の特徴は、主に3つ「巻き込み」「右直」「出会い頭」です。いずれも死亡事故になり得る交通事故形態となります。

自動二輪の交差点での死亡事故事例を見れば、ほとんどのケースが二輪車が交差点を直進する際に起こっています。そう、ここに落とし穴があります。交差点を直進するといえば、最も優先であり、最も警戒が緩む瞬間。速度は落とさない、ブレーキを構えない、他車を警戒しない。言ってみれば「俺が優先!」と言う感覚になりやすいのです。でも周りの車はそうは思ってません。いや、思えないのです。理由は、二輪車が二輪車の運転手が思っている以上に小さい存在だからです。

例えば、こんな実験をしてみました。

・道路の真ん中に被験者を数名立たせておきます。
・被験者は指示があるまで目を瞑っているように指示を受けます。
・2度指示を受け目を開けます。
・1度目は普通自動車が自らのすぐ近くを走り抜けます。その時感じた普通自動車の速度を書き留めます。
・2度目は二輪車(400CC)の自動二輪が自らのすぐ近くを走り抜けます。再び感じた速度を書き留めます。
・いずれも同じタイミングで瞬間的に速度を判断し書き留めると言う条件で行います。

この時被験者はどのような速度感覚に感じているかは、多少のばらつきがあるものの。面白いのはほとんど全ての被験者が普通自動車の方が早い速度であったと結論づけます。実際には、普通自動車も自動二輪者も全く同じ速度で走っていたというもの。人間の感覚には錯覚があり、同じ速度でも小さいものの方がより遅く感じられてしまうということが、この実験でわかります。

道路を走る中で、運転手は一瞬で状況を判断し行動することを繰り返します。

自動二輪は、その存在が小さいが故、
・相手が遅く感じている(このタイミングなら曲がれると考える。)。
・死角に入りやすい(一瞬見えなければ、答えは存在しないものと考える。)。

しかし、自動二輪の運転手は、交差点を直進するのだから「俺が優先!」となりやすい。

・優先だと思いスロットル(アクセル)を戻さない。いや、むしろ加速する。自動二輪に対して
・先に曲がれる!あるいは、何もいないと思っている交差点周辺の車両。
この両者が衝突するのは必然であります。

「交差点ではスナイパーを見極めろ!」これは自動二輪を「軽視」、または「気付いていない」車両を見極めろということ。

これが見極められれば、あなたは交差点事故を回避することができるでしょう。

おわりに

今回は、私の経験を元に「バイクで死なない為の考え方」をまとめてみました。

この考えが常に備わっていれば、あなたは絶対に事故を起こさないでしょう。

技量研鑽に努め、法律を理解し、すり抜けや速度超過など自ら事故を招く行為は慎み、相手の動きを読み取る。

ここまでできればパーフェクトですが、なかなか簡単なことではありません。しかし、この記事をきっかけに何も考えない運転を卒業し、この究極に向かって一歩ずつ前進してみてはいかがでしょうか。

自動二輪「一本橋」攻略法!苦手克服、成功率アップの秘訣

二輪教習において、初めに訪れる難関「一本橋」!!

すぐに上手に通過できる方もいれば、この教習だけで10時間以上費やし、なかなか先の項目に進めない方もいらっしゃいます。この記事に目を通していただいているの方はきっと後者であり、「上手に渡りきることができない。」か「タイムをクリアできない。」とにかく一本橋の成功率が低い方なんだと思います。

今回は、そんな方へ、私が指導してきた経験から、長く上手に通過できる方法ではなく、今の現状を打開し、
安定して渡り切れる「成功率アップ」の方法をお教えします。

これを見ればきっと一本橋を渡るのが楽しくなると思います。

一本橋が苦手な方の特徴

・渡れない方の多くは、男性で、特に40代以上の方。

・発進時からふらつく傾向があり、台にすら乗れないこともあります。

・また、渡っている最中は、歯を食いしばり、目先ばかりを注視。

・腕にはものすごく力が入り、バランスを体全体でとろうとします。
その結果、頭は大きく揺れて、膝は開き、頭が揺れた方へと落下。

いかがでしょう?ご自身に該当する内容はありますか?

かつて、何千人もの教習生の方に指導経験がありますが、苦手な方のほとんどがこのような特徴です。

これを改善できれば、攻略できるのですが、それが出来ているなら、なんの苦労もいりません。

しかしながら、この中で改善できないものは、性別と年齢くらいなもので、他のものは、改善可能な内容だと私は思います。

独自の指導法

基本的に私は、はじめから「10」のことは教えません。

何故なら、始めから上手に出来る方もいるし、色んなことを始めから詰め込まれても全て実践するのは困難。また、出来ないところから上達した方が何故出来るようになったのか、フィードバックしやすい。という理由です。

1、まずは、渡りきるクセをつけることが重要でタイムは二の次

例えば、これから渡る平均台が、吊橋だと思ったらどうですか?落ちるわけにはいきません。タイムのことなんか考えてる場合じゃないですよね?だからとにかく早く渡るイメージを持つ。失敗すれば次はもっと早く、成功すればそれを何度か繰り返すことが大切です。そして、意識や目線は常にゴール地点!近くは意識しないこと。とにかく繰り返しましょう(その時の指導員次第ですが…。教習生の方が勝手なことはできないでしょうから。)。

これは、渡りきる事が出来たという「自信をつけること」と、一本橋で重要な、「安定した発進の練習」に効果があります。

2、渡りきることが出来るようになってきたら徐々にタイムを作っていく

因みに最終目標タイムは、
小型二輪  5秒以上
普通二輪  7秒以上
大型二輪 10秒以上

タイムを延ばす方法は、
a)一本橋に乗った後、安定したところでクラッチを切ったまま(握ったまま)にしておく
b)リアブレーキを優しくかける
c)速度が落ちてバランスが崩れる前にアクセルを一定に回したままゆっくり動く半クラッチにする(クラッチを繋ぎすぎない)
※あくまでもアクセルでエンジンに力をかけている状態で半クラッチにするのが正解で、逆に、半クラッチにしてからアクセルを使うと速度が上がりすぎたり、安定しない場合が多いので間違えないように!

d)また速度作りだけではなく、ハンドルをわざと右や左へ大きく曲げて、車輪をジグザグ左右に振る事により距離を稼ぐのも効果的です。
※一本橋の規格は、長さ15m 幅30cm 高さ5cmで、一本橋に長く乗るカギは、いかに「幅30cm」を有効に(端から端まで)使えるかどうかで決まります。

3、上体のバランスとニーグリップ

タイムを意識しだすとまた成功率が一気に下がる傾向があります。
安定性がない最大の理由は、

腕に力が入りすぎ、本来はハンドルで修正すべきバランスが、上体の揺れに繋がり、上体が揺れれば、それとバランスを保とうと膝が大きく開いてしまいます。結果、必ずバイクは頭が揺れた方へと流れてしまい、落下につながります。いわゆる負のスパイラルです。

実は、一本橋の落下につながる全ての原因は腕の力みによるものなんです。悪循環の始まりは、体の硬さに他なりません。

腕の力み、体の硬さをとる超裏技

かつて一本橋の指導法について悩んでいました。その中の一つが一本橋で体や腕の力みを取るためのわかりやすい指導方法でした。なんども試行錯誤を繰り返すうちに、劇的に改善する神の言葉にたどり着きました。ある一言、声をかけただけで、全く渡れなかった人達が次々に渡りきれるようになる奇跡の言葉。

その言葉をお教えする前にまずは実験してみましょう。

両手をテーブルの上に乗せて、腕をピンと伸ばしてください。腕には思い切り力を入れます。
これが、皆さんが陥りやすい、一本橋走行時の腕の状態です。

この状態から力を抜かなければならないのですが、一本橋走行時と考えれば、なかなか力は抜けません。
初めの頃は、少し前傾姿勢をとってください。と指導していましたが、改善できる方もいれば、むしろ、克服できない方の方が多かった印象です。

是非やってみてください。テーブルに乗せた手に力を入れたまま前傾姿勢。

どうですか?力が入ったままですよね?これでは裏技とは言えません。

しかし、これならどうでしょう。

ヒジを下に下げてください。

どうですか?前傾姿勢とほぼやってることは一緒なのに多少力が抜けたのがわかりますか?ちなみに注意していただきたいのは、あくまでもヒジを下に下げるのであって、ただ単に曲げているだけではない、下に下げることが大事なんです。

実際にこの言葉で力が抜けて、さっきまでとは別人のようになる方がほとんどです(ごめんなさい100%とは言い切れませんが、劇的に改善されるのは間違いないです)。

またこれは、一本橋だけに限らず、よく力が入りすぎと注意を受けるポイント全てに有効ですので、

スラローム、クランク、8の字等、いろんな場面で試してみてください。

この記事がきっかけで上達していただけることを祈っております。

それではまた、