はじめに
「車はブレーキで止まるもの」というのは当然のこと。
しかし学科試験には、こんな問題が出てくることがあります。
問題
「ブレーキはむやみに使わないで、なるべくアクセルの操作で徐々に速度を落としてから止まるようにする。」
答え
👉 ○（正しい）
直感的には「え、ブレーキを使わないなんて危なくない？」と思ってしまうかもしれません。
でも実は、この問題の答えは ○（正しい） です。
この記事では、なぜこの答えになるのか、ブレーキを使いすぎるリスク、エンジンブレーキの活用法、そして試験での引っかけポイントを詳しく解説します。
理由（道路交通法の観点と実務）
この問題が「正しい」とされる理由は、ブレーキを否定しているわけではなく、「むやみに」使わないという表現にあります。
道路状況を早めに把握し、アクセルを戻して 惰性走行やエンジンブレーキ で減速 → 最後にブレーキで停止する。
これが燃費・安全性の両面で最も合理的だからです。
ブレーキを多用するデメリット
- ブレーキパッドの消耗
- 頻繁に踏み込むと摩耗が進み、交換サイクルが短くなります。
- タイヤの摩耗
- 急ブレーキや強い制動を繰り返すと、タイヤ寿命を大きく縮めます。
- 熱による制動力低下
- 長い下り坂などでブレーキを多用すると「フェード現象」や「ベーパーロック現象」が発生し、制動力を失う危険があります。
これらは整備費の増加だけでなく、重大事故につながる恐れがあるため、「むやみに使うな」という教えが大切になるのです。
ブレーキを使うメリット
もちろんブレーキを使うことにも大きなメリットがあります。
- 後続車に知らせる効果
→ ブレーキランプが点灯し、後ろの車に「減速するよ」と伝えられる。 - 確実な制動力
→ 最終的に停止するには必ず必要。
つまり、完全に使わないのではなく「必要なときに確実に使う」ということです。
実際の運転ポイント
1. 予測運転
信号や先の交通状況を早めに見て、アクセルを戻すタイミングを早めに取ります。
「急加速→急ブレーキ」を避けるのがコツです。
2. 下り坂の走行
ブレーキペダルを連続して使うと熱で効きが悪くなるため、
- アクセルを戻す
- 低速ギアを選ぶ
- エンジンブレーキを効かせる
こうすることで、ブレーキの負担を減らします。
3. エコドライブの観点
- 無駄なブレーキ＝無駄な燃料消費。
- 「早めにアクセルオフ」＝燃費改善。
学科試験でもエコドライブの考え方は出題されるので、覚えておきましょう。
学科試験での落とし穴
「ブレーキは使わない」と読んでしまうと ×（誤り） だと考えがち。
しかし「むやみに」という表現がポイントです。
- 「必要な時には当然ブレーキを使う」
- 「無駄に踏みすぎないでエンジンブレーキを活用する」
このニュアンスを理解できていれば正解を導けます。
まとめ
- 停止は必ずブレーキで行うが、減速はエンジンブレーキを有効活用するのが基本。
- ブレーキの多用は摩耗・事故リスクを高める。
- 「むやみに」という言葉に注目し、引っかけ問題に惑わされない。
- エコドライブの観点からも「アクセルでの減速→最後にブレーキ」が正解。
👉 答えは ○。
学科試験でも路上運転でも、この感覚を身につけておくことが合格・安全運転への近道です。
