【教習所はいつ空いてるの?】教習所が実は「年中繁忙期」になってしまった本当の理由

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雑談

前回の記事では、2月・3月の教習所がいかに「予約地獄」であるか、そしてその戦場を生き抜くための「ハイエナ作戦」についてお話ししました。 (まだ読んでいない方は、まずこちらから絶望を味わってください:https://online-ds.jp/2026/01/22/driving-school-reservation-hell-feb-mar/

さて、この記事を読んだ方の中には、こう安堵のため息をついた人もいるのではないでしょうか。

「なるほど、2月・3月がヤバイのは分かった。じゃあ、その嵐が過ぎ去った4月に入校すれば、ガラガラで予約取り放題ってことだよね?

……それは甘い。

現役の指導員として、業界の裏側を知り尽くした私から、もう一つの「真実」をお伝えしなければなりません。 かつては確かに「4月=閑散期」でした。しかし、それはもう過去の話。 実は今、教習所は構造的に「年中繁忙期」になりつつあるのです。

「えっ、じゃあいつ免許取ればいいの?」 そんな悲鳴が聞こえてきそうですが、安心してください。記事の最後には、消去法で導き出された**「唯一の狙い目」**を提示します。 まずは、なぜ教習所から「空き」が消えてしまったのか。その裏にある、法改正と業界の生存戦略について解説しましょう。


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1. 2026年4月からの大改革:仮免許年齢の引き下げが招く「分散」という名の混雑

まず、これから免許を取ろうとしている高校生やその親御さんに、絶対に知っておいてほしい「ルール変更」があります。 それが、**2026年4月から施行される「仮免許取得年齢の引き下げ」**です。

これ、ニュースなどで小耳に挟んだことはありませんか? 具体的には、これまで「18歳」にならなければ取得できなかった仮免許が、「17歳6ヶ月」から取得可能になります。

これまでの「早生まれ」の悲劇

この改正がなぜ行われたのか。それは、これまでの制度が「早生まれ(1月〜3月生まれ)」の高校生にとってあまりにも不利だったからです。

これまでは、どんなに早く進路が決まっても、18歳の誕生日が来るまでは仮免許試験を受けることができませんでした。 つまり、1月〜3月生まれの子たちは、強制的に「教習所が最も混雑する2月・3月」に教習を詰め込まざるを得なかったのです。 これが、春の予約地獄を加速させる大きな要因の一つでした。

これからの「通年混雑」

しかし、2026年度からは世界が変わります。 17歳6ヶ月で仮免許が取れるということは、高校3年生になった年の10月1日には、もう仮免許を手にすることが可能になるのです。 誕生日を待たずして第2段階(路上教習)へ進み、余裕を持って卒業検定まで進めることができる。

「おっ、じゃあ春の混雑が緩和されるから良いことじゃん!」 と思いますよね? 確かに、2月・3月の「超・爆発的な混雑」は多少マシになるかもしれません。

しかし、それは裏を返せば**「これまで空いていた秋・冬に、高校生が分散して流れてくる」**ことを意味します。 これまでは「まだ17歳だから」と入校を待っていた層が、10月、11月、12月と、年間を通してコンスタントに教習所に滞在することになる。

つまり、「地獄のようなピーク」が下がる代わりに、「常に予約が取りにくい状態」が1年中続く。 山が削れて、平地が底上げされるイメージです。これが、教習所が「年中繁忙期」化していく一つ目の理由です。


2. 恐怖の「第2繁忙期」は10月・11月にやってくる

教習所には、一般の方にはあまり知られていない**「第2の繁忙期」**が存在します。 それが、10月・11月頃です。

なぜこの時期に? と不思議に思うかもしれませんが、これは人間の心理と、教習期限(9ヶ月)というルールが生み出す、「現象」なのです。

「期限ギリギリ教習生」の発生プロセス

この時期に殺到するのは、新規の入校生ではありません。 **「春に入校したのに、まだ卒業できていないゾンビのような教習生たち」**です。

彼らの行動パターンは、面白いように共通しています。

  1. 2月・3月(入校): 「大学生になる前に取るぞ!」と意気込んで入校。しかし、前回の記事で書いた通りの「予約地獄」に直面し、思うように進まない。
  2. 4月・5月(放置): 大学の授業履修、サークル選び、新社会人の研修……。新生活の忙しさに追われ、「まあ、教習期限は9ヶ月あるし、落ち着いたら行こう」と足が遠のく。
  3. 7月・8月(夏休み): 時間はできた。しかし、数ヶ月ハンドルを握っていないため、「久しぶりの運転が怖い」という心理的ハードルが上がる。 さらに、夏は海だ祭りだと誘惑が多い。「夏休み中に取ろうと思ったけど、遊びの予定がいっぱいで……」と、結局教習所には来ない。
  4. 9月・10月(雷が落ちる): 夏休み明け、実家に帰省した際などに、親御さんからこう聞かれます。 「そういえば、免許どうなってるんだ?」 学生は気まずそうに答えます。 「行ってるよ……でもさ、予約が全然取れなくてさ……」 ここで、スポンサーである親御さんの堪忍袋の緒が切れます。 「ふざけるな! 半年も経って取れないわけがないだろ! 免許取れなかったら、金は全額返してもらうからな!」

この「親の雷」によって、ようやくお尻に火がついた教習生たちが、期限ギリギリになって一斉に教習所に戻ってくるのが、10月・11月なのです。

彼らはもう後がありません。「期限が切れたら30万円がパーになる」という恐怖で、必死になって予約画面にかじりつきます。 結果、この時期の予約競争率は、春の繁忙期に匹敵するほど跳ね上がるのです。


3. 見えない敵:教習所の「多角化経営」と指導員の激務

そしてもう一つ、予約が取れない決定的な理由があります。 それは、**「教習所は、もう免許を取る人だけを相手にしていては生き残れない」**という業界の切実な事情です。

少子高齢化で、免許を取得する18歳人口は減り続けています。 そんな中で、教習所が経営を維持するために力を入れているのが、**「多角化経営」**です。

企業研修という「伏兵」

特に、皆さんの予約を圧迫している最大の要因が**「企業研修」**です。 近年、コンプライアンス意識の高まりから、営業車を使用する企業が「新入社員の運転実技チェック」や「事故惹起者(事故を起こした社員)への再教育」を教習所に依頼するケースが急増しています。

この企業研修が最も盛り上がるのが、4月・5月です。 新入社員研修の一環として、何十人という単位で企業から人が送り込まれてきます。

ここで何が起きるか。 **「ベテラン指導員と教習車が、企業研修のためにごっそり持っていかれる」**のです。 企業研修は単価も高く、教習所にとっては大事な収入源。当然、そちらにリソースを割きます。

ただでさえ、指導員は2月・3月の繁忙期を休みなしで働き、疲弊しきっています。4月・5月はその代休を消化する時期でもあるため、出勤している指導員の数は通常の半分以下……なんてこともザラです。

  • 指導員が少ない(代休&企業研修対応)
  • 車が少ない(企業研修で使用)

この状態で、一般の教習生のための予約枠が十分に開くわけがありません。 「繁忙期が終わったはずなのに、なんでこんなに予約枠が少ないの?」 その答えは、**「あなたが乗るはずだった車に、スーツを着た新入社員が乗っているから」**なのです。

他にも、高齢者講習(これがまた莫大な数です)、ドローン教習、運行管理者講習、外国人向けの免許切り替え教習(外免切替)……。 現代の指導員は、助手席に座って「はい、左折して」と言っているだけではありません。あらゆる講習を掛け持ちし、分刻みのスケジュールで動いています。 教習所は常にフル稼働。これが「年中繁忙期」の正体です。


4. 結論:じゃあいつ行けばいいの? 狙い目は「6月・7月」

・2月〜3月:高校生の卒業ラッシュ(地獄) ・4月〜5月:企業研修&指導員の休み消化(枠が少ない) ・8月〜9月:学生の夏休み集中(混む) ・10月〜12月:期限ギリギリ勢&法改正による高校生参入(第2繁忙期)

「……詰んでませんか? いつ行けばいいんですか?」

お待たせしました。 消去法で残された、教習所が唯一落ち着きを取り戻す「空白の期間」。 それは、6月・7月です。

なぜ6月・7月なのか

この時期は、奇跡的にすべての要素が落ち着きます。

  • 企業研修: 新入社員研修が一段落する。
  • 大学生: 新歓コンパも終わり、前期試験やレポートに追われて教習所に来なくなる。
  • 高校生: まだ部活を引退しておらず、本格的な参入前。
  • 気候: 梅雨時期で、バイク教習の予約も減る。

このタイミングこそが、予約画面が「◎(空きあり)」で埋め尽くされる、唯一のチャンスタイムです。

ベストな戦略

これから免許を取ろうと考えている高校生、大学生、そして親御さんへ。 私が提案する「最も賢い入校スケジュール」はこれです。

  1. 5月下旬に入校手続きを済ませる (4月・5月の混雑を横目に見ながら、手続きだけは早めに)
  2. 6月から教習スタート (ライバルがいないこの時期に、第1段階を一気に終わらせる)
  3. 7月中旬までに仮免取得
  4. 夏休み(8月)に入る前に、または夏休みの前半で卒業

これなら、予約ストレスに悩まされることなく、最短ルートで免許を手にすることができます。 「みんなが行くとき」に行くと、大損をします。 「みんなが忙しいとき」こそが、教習所のゴールデンタイムなのです。

この情報を知ったあなたは、もう勝ち組です。 賢くスケジュールを組んで、スマートに免許を取得してください。 現場で(できれば6月に)、お待ちしています。