免許を取ってまだ1年も経っていないのに、違反をしてしまったあなた。
この通知を手にした時の、血の気が引くような感覚、分かります。「せっかく高いお金と時間をかけて取った免許が、まさか取り消し?」と、夜も眠れないほど不安になっているかもしれません。
結論から言います。
その通知、絶対に無視してはいけません。
そして、ただ言われるがままに講習を受けるのも、実は「唯一の正解」でもありません。
今回は、免許取得後1年以内のドライバー(初心運転者)を待ち受ける「初心者講習」の制度と、その先に待つ「再試験」、そして……**合法的に講習も再試験もチャラにする「裏技」**について、現場の視点から解説します。
まずは制度の仕組みについて。
そもそも「初心者講習」って何?無視すると免許が取り消される
まず、現状を整理しましょう。
免許を取得してから1年間は、法律上「初心運転者期間」と呼ばれます。いわば、仮採用のような試用期間です。
この期間中に、以下の基準で違反をしてしまうと、「あなたはまだ危なっかしいから、もう一度勉強し直しなさい」という通知が来ます。これが初心者講習です。
講習の対象になる基準
ざっくり言うと、**「合計3点」**がデッドラインです。
- 2回以上の違反で3点以下の行政処分を繰り返し、合計3点以上になった場合(例:一時不停止2点 + 信号無視2点 = 4点など)
- 1回の違反で4点以上の思い行政処分が下った場合(例:30km/h以上のスピード違反など)
※厳密には細かい規定がありますが、シンプルに「累積3点を超えたら赤信号」と思っておいて間違いありません。
講習を受けないと待っている「再試験」※ほぼ合格はありません。
通知を受け取ったあなたが取れる行動
選択肢は2つだけ。
- おとなしく「初心者講習」を受ける
- 講習を受けずに「再試験」に挑む
「講習はお金もかかるし、面倒だから再試験で実力を見せてやるよ」なんて思った方。
絶対にやめてください。
この「再試験」、建前上は試験ですが、実態は**「免許を取り消すための試験」と言っても過言ではありません。免許センター(試験場)の一発試験と同じ基準で行われますが、合格率は限りなくゼロ**に近いです。
教習所の卒業検定なんて目じゃないくらい厳しい基準で採点され、ちょっとした確認ミスで即終了。免許センターの技能試験官に忖度は通用しません!
もしこの再試験に落ちると、免許は取り消されます。
唯一の救いは、飲酒運転などの取り消しと違って「欠格期間(免許を取れない期間)」がないこと。つまり、取り消された翌日から教習所に通い直すことは可能です。
……ですが、また20〜30万円払って教習所に通いたいですか? 嫌ですよね?
だからこそ、「通知が来たら1ヶ月以内に必ず講習を受ける」。これが基本中の基本です。
初心者講習の対象区分と、気になる費用・時間
では、初心運転者講習を受ける場合、どれくらいの時間とお金がかかるのか。
これも免許の種類によって異なります。対象となるのは以下の5区分です。
- 原付免許
- 普通自動車免許
- 準中型免許
- 普通自動二輪免許(小型含む)
- 大型自動二輪免許
講習内容と費用一覧
正直、安くはありません。そして長いです。
内容は座学だけでなく、実際にコースに出て運転したり、グループで危険予測ディスカッションをしたりと、かなり本格的です(※詳しい内容は次回の記事で解説します)。
| 免許区分 | 講習時間 | 手数料(目安) | 実施内容の概要 |
| 原付 | 4時間 | 約10,000円 | 実車走行、座学、適性検査など |
| 普通車 | 7時間 | 約15,000円〜 | 路上運転、危険予測、座学など |
| 準中型 | 7時間 | 約20,000円強 | 路上運転、深視力検査など |
| 普通二輪 | 7時間 | 約19,000円前後 | 実車走行、危険予測、座学など |
| 大型二輪 | 7時間 | 約20,000円前後 | 実車走行、高度な運転技能確認など |
※具体的な手数料は各都道府県警察のHPでご確認ください。
丸一日潰れる上に、1万〜2万円の出費。
「違反金の支払いもあったのに、さらにこれかよ……」と落ち込む気持ち、痛いほど分かります。
しかし!
ここで諦めるのはまだ早いです。
実は、この講習も、その後の再試験も、すべて合法的にナシにする(免除される)方法が存在します。
【ここだけの話】初心者講習・再試験を「免除」にする最強の裏技
教習所の指導員だからこそ知っている、制度の抜け穴……ではありません。正当なルールの活用法です。
その方法とは、**「初心運転者期間が終わるまでに、上位免許を取得してしまうこと」**です。
道路交通法には、「上位の免許を取得した場合、下位免許の初心運転者期間の特例は適用されなくなる(免除される)」という仕組みがあります。
つまり、初心者講習の通知が来ていても、初心運転期間満了までに上位免許を取ってしまえば、**「その講習を受けるよりも価値のある教習を受けたことになるので、講習は受けなくていいですよ。しかも再試験も免除です。」**となるのです。
パターン別:おすすめの回避ルート
1. 普通免許で通知が来た人
→ **「準中型免許」**を取得する。
普通免許のすぐ上にあるのが準中型です。もし仕事でトラックに乗る可能性があるなら、高い講習費を払うくらいなら、それを教習料金の一部に充てて、スキルアップしてしまった方が建設的です。
※準中型免許に上位免許は存在しませんので、対象免許が準中型であれば初心者講習を受けてください。
2. 普通自動二輪(中免)で通知が来た人
→ **「大型自動二輪免許」**を取得する。
ライダーならいつかは乗りたい大型バイク。どうせ取るつもりだったなら、今がその時です。講習で一日潰すより、教習所で大型の練習をした方が楽しくないですか?
※大型自動二輪免許に上位免許はありませんので、対象免許が大型自動二輪の場合は初心者講習を受けてください。
3. 原付免許で通知が来た人【★超おすすめ】
一番この恩恵を受けられるのが、原付免許の皆さんです。
原付で捕まる理由の多くは、「30km/h制限」か「二段階右折」ではありませんか?
今の交通事情で30km/hで走るのは怖いですし、二段階右折も正直面倒くさいですよね。
そこで提案したいのが、**「小型(または普通)自動二輪免許」**を取ってしまうこと。
原付の初心者講習には約1万円かかります。
そして、もし最悪のケースで原付免許が取り消しになっても、試験場で取り直す費用は1万円程度です。
つまり、原付の初心者講習を受けるのは、費用対効果がものすごく悪いんです。「また取り直せばいいや」と同レベルの金額を払って、不便な原付免許を守る意味があまりありません。
それなら、数万円を足して教習所に通い、**「二輪免許」**を取ってしまいましょう。
- 30km/h制限からの解放
- 二段階右折不要
- 二人乗りもできる(1年後)
- そして、初心者講習は免除!
まさに一石四鳥。
「原付の講習通知」は、**「ちゃんとしたバイクの免許を取りなよ」**というサインだと思ってください。
まとめ:ピンチをチャンスに変えよう
初心者講習の通知は、確かにショックです。
でも、そこでただ落ち込んで、言われるがままに高い講習費を払うだけが道ではありません。
- 通知が来たら絶対に無視しない(再試験=免許取り消し確定)。
- 資金と時間に余裕があるなら、「上位免許」を取って講習を回避する。
- 特に原付の人は、講習を受けるより二輪免許へのステップアップが断然お得。
このことを、ぜひ頭に入れておいてください。
どうせお金と時間を使うなら、「現状維持」のためではなく、「自分自身のランクアップ」のために使いましょう。
さて、次回はシリーズ第2弾。
「上位免許を取る余裕なんてないよ!」という方のために、実際に受けることになる**「初心者講習の具体的な中身」と、指導員だからこそ感じる「この講習制度の問題点」**について、さらに深掘りしていきます。
なぜ初心運転者は事故りやすいのか? なぜ違反をしてしまうのか?
その本質に迫ります。お楽しみに。


