2026年5月まで(報道では2026年4月)に、自転車の交通ルールが劇的に変わります。
これまでは「注意」で済んでいた違反に対し、自動車と同じように**「反則金(青切符)」**が科される新しい制度がスタートするためです。
「何歳から対象なの?」「いくら払うの?」「スマホを見たら捕まる?」
そんな疑問をお持ちの方のために、この一大改正のすべてをこの記事一本にまとめました。
本記事は、全3回にわたって解説してきた**「自転車青切符シリーズ」の総集編**です。制度の仕組みから具体的な違反内容まで、これさえ読めば新ルールの全体像が掴めます。
1. 制度の基本:誰がいつから対象なのか?
まずは、最も基本的な「いつから」「誰が」という点を確認しましょう。
開始時期と対象年齢
- 開始時期: 改正道路交通法の公布(2024年5月)から2年以内に施行されるため、2026年5月までにスタートします。
- 対象年齢:16歳以上のすべての自転車運転者が対象です。
- ポイント: 運転免許を持っているかどうかは関係ありません。高校生であっても、16歳以上であれば反則金の対象となります。
青切符(交通反則通告制度)とは?
信号無視や一時不停止などの比較的軽微な違反をした際、刑事手続き(裁判など)に進む代わりに、反則金を納付することで処理を終わらせる制度です。
これまでは自転車にこの制度がなく、「赤切符(刑事罰)」しかありませんでした。しかし、赤切符は手続きが重すぎるため、実質的に多くの違反が見逃されてきました。青切符の導入により、この状況が一変します。
▼制度の背景や目的をさらに詳しく知りたい方はこちら
【2026年開始】自転車の青切符制度とは?対象年齢16歳以上・反則金の仕組みと赤切符との違いを徹底解説
2. 手続きの変化:前科がつかない代わりに「逃げ得」なし
制度が変わることで、捕まった後の流れはどう変わるのでしょうか?
これまでの問題点(赤切符の限界)

従来は、違反を検挙しようとすると「赤切符」を切るしかなく、警察官は膨大な書類作成に追われ、違反者も警察署への出頭や取調べが必要でした。
その結果、軽微な違反は「指導警告(注意)」で済まされることが多く、「自転車なら違反しても大丈夫」という逃げ得が生まれていました。
これからの変化(青切符の手軽さ)

青切符が導入されると、警察官は現場で簡単に違反処理ができるようになります。
つまり、**「今まで見逃されていた違反も、サクサクと切符を切られるようになる」**ということです。
違反者にとってのメリット
「お金を取られる」というのはデメリットですが、最大のメリットは**「前科がつかない」**ことです。
反則金を納めれば、刑事事件として扱われることはなく、裁判も前科も回避できます。
▼赤切符との違いや、手続きフロー図解を見たい方はこちら
【2026年自転車法改正】青切符導入で手続きはどう変わる?赤切符との違いと新ルールを図解

3. いくら取られる?具体的な違反と反則金の目安
では、実際にどのような行為で、いくらぐらいの反則金を払うことになるのでしょうか。
反則金の額は、**原付バイクの反則金(5,000円〜12,000円程度)**を基準に検討されています。
主な反則金の目安(予定)
| 違反内容 | 反則金目安 | 備考 |
| 信号無視 | 6,000円 | 赤信号の交差点進入など |
| 指定場所一時不停止 | 5,000円 | 「止まれ」の標識で止まらない |
| 通行区分違反 | 6,000円 | 右側通行(逆走)、歩道の無断通行 |
| 傘さし・イヤホン | 5,000円 | 公安委員会遵守事項違反 |
| 遮断踏切立ち入り | 7,000円 | 警報機が鳴っている踏切への進入 |
最高額の注意点:「ながらスマホ」
特に注意が必要なのが、スマートフォンを使用しながらの運転です。
- 携帯電話使用等(保持): スマホを手に持って通話したり、画面を注視したりする行為は、1万2,000円程度という高額な反則金になる見込みです。
青切符では済まされない「赤切符」の違反
以下の違反は、青切符(反則金)の対象外であり、即座に**赤切符(刑事罰)**となります。
- 酒酔い運転・酒気帯び運転
- 妨害運転(あおり運転)
- 携帯電話使用等(交通の危険):スマホ操作で事故などを起こした場合
▼スマホやイヤホンの境界線を詳しく知りたい方はこちら
【2026年青切符導入】イヤホン・傘さしは反則金?スマホは赤切符?自転車の「違反ボーダーライン」を徹底整理
4. よくある質問(Q&A)
自転車の青切符に関するよくある疑問をまとめました。
Q. 中学生(16歳未満)が違反したらどうなる?
A. 青切符の対象外です。
ただし、警察官による指導警告が行われ、悪質な場合は保護者への連絡などが求められることがあります。
Q. 自動車の運転免許への影響は?
A. 原則として、自転車の青切符で自動車免許の点数は引かれません。
ただし、酒酔い運転など極めて悪質・危険な違反をした場合は、自動車の運転免許に対しても**停止処分(免停)**などが行われる可能性があります(点数制度とは別の行政処分として)。
Q. 特定小型原付(電動キックボード)は?
A. 特定小型原付も、交通反則通告制度(青切符)の対象となります。
免許は不要ですが、16歳以上という年齢制限があるため、自転車と同様のルールが適用されます。
まとめ
2026年の制度改正により、自転車は名実ともに**「責任を伴う車両」**としての扱いが明確化されます。
「知らなかった」「みんなやってる」という言い訳で反則金を払うことにならないよう、今から交通ルールを再確認し、安全な運転習慣を身につけておきましょう。
ルールを守ることは、無用な出費を防ぐだけでなく、あなた自身の命を守ることにもつながります。

