はじめに
自動車免許の学科試験では、信号機や標識だけでなく「警察官の手信号」が頻出します。
実際の道路交通でも、信号機が故障していたり、大きなイベントや事故が発生したときには、警察官や交通巡視員が交差点に立って手信号で交通整理を行います。
さらに教習所の卒業検定や実際の運転中でも、工事現場などで交通誘導員から合図を受けることがあります。
「誰の合図を優先すべきか」を誤解していると、試験で不合格になるだけでなく、実際に事故につながる可能性もあるのです。
今回は、学科試験でよく問われる 「対面する警察官が両腕を垂直に上げたときの意味」 を中心に、警察官や交通巡視員の権限と、工事現場の交通誘導員との違いについて整理していきます。
問題
対面する警察官が両腕を垂直に上げている状態は、黄色信号を意味する。
⭕/❌/わからない
正解
❌(バツ)
警察官の手信号の基本ルール
警察官の手信号は、信号機に優先して従わなければなりません。
大きく分けると「腕の水平」「腕の垂直」「赤い灯火の使用」の3パターンがあります。
1. 腕を水平に伸ばしている場合

- 対面・背面する交通:赤(停止)
- 平行する交通:青(進行)
👉 警察官を横から見ている車や歩行者は進めますが、正面・背面から見る場合は必ず停止です。
2. 両腕を垂直に上げている場合

- 対面・背面する交通:赤(停止)
- 平行する交通:黄(注意/停止準備)
👉 対面で見る場合は、常に赤です。黄色信号を意味することはありません。
3. 赤い灯火による合図
- 横に振っている場合:対面・背面は赤、平行は青
- 垂直に上げている場合:対面・背面は赤、平行は黄
👉 ライトを持っていても基本は同じ。「対面は赤、平行は黄か青」と整理して覚えましょう。
よくあるひっかけ問題
学科試験では、今回のように「対面する警察官が両腕を垂直に上げている=黄色信号」と誤解させる問題がよく出ます。
しかし実際は「対面は赤」なので、必ず❌を選びます。
ここで重要なのは、 「対面=赤」 という鉄則を頭に入れておくことです。
どのようなポーズでも、警察官を正面から見ている限りは進めないと覚えると、迷わず解けます。
警察官・交通巡視員と交通誘導員の違い
ここで混同しやすいのが、工事現場などに立っている「交通誘導員(ガードマン)」です。
警察官・交通巡視員
- 法律上の権限を持っている
- 信号機よりも優先される
- 赤信号でも「進め」と指示されたら進行可能
交通誘導員(工事現場など)

- あくまで安全確保のための案内役
- 信号機を無効化する権限はない
- 赤信号で「進め」と言われても、進むことはできない
- 青信号で「止まれ」と言われたら、安全のため必ず停止
👉 まとめると、警察官=信号に優先、誘導員=信号に従う です。
教習所・卒業検定での注意点
実際の卒業検定でよくある不合格ケースを紹介します。
- 赤信号+誘導員の「進め」に従ってしまう → 不合格
- 青信号+誘導員の「止まれ」を無視して進む → 不合格
これらは「信号と誰の合図かを区別できていない」と判断され、即中止レベルの重大違反扱いになります。
学科試験だけでなく、実技試験や実際の運転でも重要なポイントです。
学科試験対策ポイント
- 警察官の合図は信号より優先
- 対面は常に赤(水平でも垂直でも赤)
- 平行の場合だけ、腕の位置で青か黄に分かれる
- 誘導員は信号を無効化できない
- 卒業検定では信号と誘導を混同しないこと
👉 この5つを押さえておけば、学科試験の手信号問題は確実に得点できます。
まとめ
- 対面する警察官が両腕を垂直に上げているとき、意味するのは「赤」。黄色ではない。
- 警察官や交通巡視員の指示は信号に優先するが、工事現場の交通誘導員にはその権限がない。
- 学科試験では「対面=赤」を鉄則に覚え、誘導員との違いもセットで理解しておく。
- 卒業検定では、赤信号で誘導員に進めと言われても進まない。青信号で止まれと言われたら必ず停止する。
この記事を読むことで、学科試験に出る「警察官の手信号」と、現場でよく出会う「交通誘導員の合図」の違いが明確に理解できるはずです。
試験対策だけでなく、実際の道路交通での安全運転にも直結する知識ですので、しっかり身につけておきましょう。