【道路工事】「赤信号でも誘導員が進めと言ったら?」道路工事現場の”絶対ルール”

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運転上達の秘訣

年度末である3月に向けて、街中のいたるところで道路工事が行われています。 走り慣れたいつもの道が、突然バリケードで塞がれ、片側交互通行になっている。ドライバーにとっては少しストレスを感じる時期かもしれません。

しかし、工事現場は単なる「通りにくい道」ではありません。 車線が減り、重機が動き、人が歩き回る。通常の道路とは全く異なるルールが適用される**「高リスクゾーン」**です。

特に皆さん、こんな経験はありませんか? 「目の前の信号は赤なのに、誘導員が『行け』と合図している」 この時、あなたは進みますか? それとも止まりますか?

今回は、現役の教習所指導員であり、かつて交通誘導員のアルバイト経験もある私が、工事現場通過時の「迷い」を断ち切るための絶対ルールを解説します。


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1. 基本の「キ」:看板と誘導員は命綱

まず、工事現場に近づいた時の基本的な心構えから確認しましょう。

減速の徹底と車間距離

「工事中」の看板が見えたら、まずアクセルを緩めてください。 現場周辺は、鉄板が敷かれていて滑りやすかったり、仮設の白線で道幅が狭くなっていたりと、路面状況が悪いことがほとんどです。

また、前の車が急ブレーキを踏む可能性も高くなります。 「作業員が急に動いて驚いた」「重機の動きを見て思わず止まった」など、理由は様々です。 通常時よりも長めの車間距離(詰めすぎない!)を確保することが、追突事故を防ぐ第一歩です。

「前の車についていけばいい」はNG

片側交互通行などで、前の車に盲目的に追従するのは危険です。 前の車がギリギリ通過できても、あなたのタイミングでは対向車が来ているかもしれません。 「前の車ではなく、自分の目で状況を見る」。これを徹底してください。


2. 【最重要】「信号機」vs「誘導員」どっちが偉い?

さて、ここからが今日の本題です。 片側交互通行の現場で、仮設の信号機が設置され、さらに交通誘導員も立っている場合。 「信号機」と「誘導員」、どちらの指示に従うべきなのでしょうか?

結論から言うと、状況によって**「絶対に従ってはいけないケース」**が存在します。 以下の2つのパターンを頭に叩き込んでください。

パターン①:信号は「青」だが、誘導員が「止まれ」を出している

【正解】停止する(誘導員に従う)

信号が青なら進めるはずですが、なぜ誘導員は止めているのでしょうか? それは、**「工事区間内に、まだ対向車や作業車が残っているから」**である可能性が極めて高いです。 あるいは、重機が旋回しようとしているのかもしれません。

この状況で「青だから!」と突っ込めば、正面衝突や接触事故になります。 ここでは、現場の状況を把握している誘導員の「安全確保のための停止指示」を優先してください。

パターン②:信号は「赤」だが、誘導員が「進め」を出している

【正解】絶対に停止する(信号に従う)

これが最大の落とし穴です。 「誘導員が行けって言ってるんだから、行っていいんでしょ?」と思うかもしれませんが、絶対にダメです。

なぜなら、交通誘導員は警察官ではないからです。 警察官や交通巡視員であれば、手信号は信号機よりも優先されます(法的権限があります)。 しかし、民間の警備会社の誘導員には、「信号機の灯火(赤信号)を無効化して、車を進ませる法的権限」はありません。

もし、誘導員の指示に従って赤信号で交差点に進入し、青信号で発進してきた交差道路の車と衝突したらどうなるか? あなたは**「信号無視」**に問われます。 過去の判例でも、誘導員の誘導ミスによる事故で警備会社が損害賠償責任を負ったケースはありますが、それでもドライバー自身の過失(信号無視・安全不確認)がゼロになるわけではありません。

誘導員も人間です。勘違いをしているかもしれませんし、信号の変わり目を見落としているかもしれません。 「赤信号=絶対停止」。 誘導員がどんなに「行け」と腕を回していても、頑として動かないでください。それがあなたの身を守ります。


3. 元・中の人が語る「作業員は車を見ていない」

私は学生時代、道路工事の交通誘導員のアルバイトをしていました。 その経験から、もう一つ知っておいてほしい「現場のリアル」があります。

それは、**「作業員は、車のことを気にしていない」**ということです。

スコップで穴を掘っている人、測量している人、図面を見ている現場監督。 彼らは「工事を完成させること」に全集中しています。 プロだから車の動きも見ているだろう……というのは、ドライバー側の勝手な思い込みです。

突然の「バックステップ」に注意

作業に夢中になっていると、周りが見えなくなることがあります(トンネル視)。 「あと一歩下がって確認しよう」と、後方確認もせずに車道側へバックステップで飛び出してくる。そんなヒヤリとする場面を何度も見てきました。

特に、道幅の狭い生活道路での工事現場は要注意です。 「作業員は、いきなり飛び出してくるものだ」 そう思って、作業員の横を通過する時は、すぐに止まれる速度まで落とし、距離を空けて通過してください。


4. まとめ:自分の身は自分で守る

道路工事現場は、ドライバーと誘導員、そして作業員の「信頼関係」で成り立っています。 しかし、最終的にハンドルを握り、アクセルを踏むのはあなた自身です。

  • 赤信号なら、誰がなんと言おうと止まる。
  • 作業員は、こちらを見ていない前提で走る。

この2つを守るだけで、事故のリスクは激減します。 年度末の慌ただしい時期ですが、心に余裕を持って、ご安全に!