「免許更新のお知らせ」というハガキが届くと、なんとなく「ああ、面倒だなあ」と思ってしまいますよね。 特に、75歳以上(更新期間満了日の年齢)になられるドライバーの皆さんにとっては、今回の更新はこれまでとは少し勝手が違います。
「ハガキが来たから、とりあえず警察署に行けばいいんだろう?」 もしそう思って手ぶらで行ってしまうと、残念ながら更新手続きはできません。
75歳以上の更新には、事前に教習所などで「講習」や「検査」を受ける必要があり、さらに当日は**「その結果を証明する書類」**を持参しなければならないからです。
現場で仕事をしていると、せっかく試験場や警察署まで来たのに、「あの書類がない!」と気づき、肩を落として出直される高齢者の方を何人も見てきました。 若い頃なら「また明日くればいいや」で済みますが、高齢になってからの「出直し」は、体力も気力も大きく消耗します。
そうならないために、今日は現役の教習所指導員である私が、**「75歳以上の免許更新に必要な持ち物」**を、分かりやすく徹底解説します。 ご本人はもちろん、更新をサポートされるご家族の方も、ぜひ一緒にチェックしてみてください。
【保存版】更新当日の持ち物チェックリスト
更新手続き(警察署や免許センターに行く日)に必要なものは以下の通りです。 地域によって多少の違いはありますが、これらを揃えておけば基本的には安心です。
1. 必ず持っていくもの
- 運転免許証 (※マイナ免許証をお持ちの方は、そちらも忘れずに持参してください)
- 更新連絡書(ハガキ) 「運転免許証更新連絡書」というハガキです。万が一なくしてしまっても手続きは可能ですが、あると受付がスムーズに進みます。
- 手数料 更新手数料(2,500円)や講習手数料が必要です。キャッシュレス化が進んでいる地域もありますが、まだ現金のみの場所も多いので、現金を用意しておくと安心です。
- 眼鏡・補聴器(必要な方のみ) 免許証の条件欄に「眼鏡等」「補聴器」とある方は必須です。また、最近視力が落ちたと感じる方は、念のため眼鏡を持って行きましょう。視力検査に通らないと、その日の更新はできません。
- 【超重要】各種講習・検査の終了証明書 これが一番の忘れ物ポイントです。詳しくは後ほど解説しますが、事前に受けた「高齢者講習」や「認知機能検査」の証明書がないと受付してもらえません。
2. 用意しておくと安心なもの
- 申請用写真(縦3cm×横2.4cm) 免許センターで撮影する場合は不要ですが、警察署で更新する場合や、持ち込み写真を使いたい場合は必要です。地域によってルールが違うので、念のため1枚持っておくと安心です。
- マイナンバーカード マイナ免許証への切り替えや一体化を希望される方は必要です。
- 黒色のボールペン 申請書の記入に使います。会場にもありますが、自分の書きやすいペンがあると便利です。
ここが一番ややこしい!「3つの証明書」の違いと役割
75歳以上の更新で一番混乱するのが、**「自分がどの証明書を持っていけばいいのか分からない」**という点です。 人によって必要な書類が異なります。以下の3つを確認してください。
① 高齢者講習修了証明書(70歳以上全員)
これは、70歳以上のすべてのドライバーが事前に受講しなければならない講習の修了証です。
- 普通免許の方: 2時間の講習(実車指導あり)
- 原付・二輪免許のみの方: 1時間の講習
これを受講した後に手渡される証明書です。 【指導員のワンポイント】 「あれ? どこにやったかな?」と紛失される方が意外と多いです。もし失くしてしまった場合は、受講した教習所(または試験場)で再発行してもらわなければなりません。警察署に行っても再発行はできないので注意してください。 ▶︎高齢者講習の内容について詳しく知りたい方はこちら https://online-ds.jp/2025/07/16/actualvehicleinstruction/
② 運転技能検査結果通知書(対象者のみ)
これは全員ではありません。 誕生日の150日前(約5ヶ月前)を起点として、過去3年間に**「信号無視」や「スピード違反」など特定の違反歴がある方**のみ、受検が必要です。
この検査は、実際に車を運転し、右左折の方法や一時停止、段差への乗り上げ(1m以内で停止できるか)などをチェックします。 減点方式で70点以上(二種免許は80点以上)取らないと、免許の更新自体ができません。
もし対象になっている方は、合格した際に貰える「運転技能検査結果通知書」を、高齢者講習の証明書とセットで必ず持参してください。 ▶︎どんな違反が対象? 検査内容は? 詳しくはこちら https://online-ds.jp/2025/07/08/2025driving-skills-test-english-translation/
③ 認知機能検査結果通知書(75歳以上全員)
75歳以上の方は、記憶力や判断力を測る「認知機能検査」を受けなければなりません。この結果通知書も更新時に必須です。
合格点は36点以上です。記憶力が極端に低下していなければ合格できるレベルですが、ここで一つ注意点があります。
【指導員のワンポイント:36点未満だった場合】 もし検査結果が36点未満(認知症のおそれあり)であっても、直ちに免許取り消しになるわけではありません。 その代わり、更新手続きをするためには**「医師による診断書(認知症ではない旨の診断)」**が追加で必要になります。
ここでよくある勘違いが、「医師の診断書があれば、検査結果通知書はいらないだろう」というもの。 原則として、「認知機能検査の結果通知書」と「医師の診断書」の両方が必要になるケースがほとんどです(※最初から検査を受けずに、医師の診断書だけ提出する手続きもありますが、レアケースです)。 手元にある書類は、自己判断で捨てたり家に置いたりせず、すべて持参するのが一番安全です。 ▶︎認知機能検査の点数や診断書について詳しくはこちら https://online-ds.jp/2025/07/20/low-cognitive-test-scores/
手続きの流れと注意点
75歳以上の更新は、以下のような流れになります。
- ハガキが届く
- 教習所や試験場に予約を入れる(非常に混み合いますのでお早めに!)
- 認知機能検査・高齢者講習(対象者は運転技能検査も)を受ける
- すべての証明書を受け取る
- 更新期間内に、警察署や免許センターへ行き、更新手続きをする
最後に:お出かけ前の再確認を
手続きの場所や受付時間は、お住まいの都道府県警察のウェブサイトで最新情報を確認しましょう。 「昔はこうだった」という記憶で行くと、予約制になっていたり、受付時間が変わっていたりすることがあります。
免許更新は、長いドライバー人生の節目です。 当日、窓口で「書類が足りません」と言われてガッカリしないよう、家を出る前に、もう一度カバンの中身をチェックしてみてくださいね。
忘れ物がなければ、気持ちよく新しい免許証を受け取ることができます。 皆さんの更新が無事に終わることを、陰ながら応援しています。


