【完全保存版】スピード違反の取り締まり全手口と「警察は違反じゃないの?」という疑問への法的回答

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雑談

「ちょっと急いでいたから」

「周りの流れに乗っていただけなのに」

スピード違反(速度超過)で検挙されたドライバーの多くは、最初こう口にします。

しかし、その「ちょっと」が命取りになるのが車の運転です。スピード違反は、免許停止や取り消しといった行政処分だけでなく、高額な反則金や罰金、最悪の場合は懲役刑まである重大な違反です。

今回は、教習所指導員の視点から、スピード違反の基礎知識(点数・反則金)に加え、警察が行う「3大取り締まり方法(パトカー・オービス・ネズミ捕り)」の手口、そして誰もが一度は抱く**「追尾するパトカー自身はスピード違反じゃないのか?」**という疑問に対する法的な最終回答まで、徹底的に解説します。

知らなかったでは済まされない道路の現実。ぜひ最後まで読んで、ご自身の安全運転に役立ててください。


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1. スピード違反の基礎知識:点数と処分の境界線

まずは敵(取り締まり)を知る前に、己(ルール)を知りましょう。

スピード違反は正式には「速度超過違反」と言います。処分は超過した速度によって「青切符(反則金)」で済むか、「赤切符(刑事罰)」になるかが変わります。

① 「制限速度」と「法定速度」の違い

基本中の基本ですが、ここを勘違いしている人が意外と多いです。

  • 制限速度(指定最高速度):道路標識や道路標示に「50」や「40」と書かれている速度です。その道路状況に合わせて公安委員会が指定した速度であり、最優先されます。
  • 法定速度:標識や標示がない道路で出せる最高速度です。政令で定められています。
    • 一般道路の自動車:時速60km
    • 原付(50cc以下):時速30km
    • 緊急自動車:時速80km
    • 高速道路の自動車:時速100km
    • 高速道路の大型貨物等:時速80km

よくある勘違いが、住宅街などの生活道路で標識がない場合。「標識がないから法定速度の60kmでいいんでしょ?」と思うのは危険です。状況に応じて「他人に危害を及ぼさない速度」で走る義務(安全運転義務)があります。

② 天国と地獄の分かれ目「6点」

スピード違反の処分において、絶対に超えてはいけないラインがあります。それが**「違反点数6点」**です。

過去3年以内に前歴(免停など)がない場合、累積6点で「30日間の免許停止処分」となります。つまり、一発で6点以上つく違反をすると、即免停です。

これを俗に**「赤切符」と呼びます。

これ以下(1〜3点)の場合は「青切符」**と呼ばれ、反則金を納めれば刑事処分は免除されますが、赤切符の場合は「刑事手続き」となり、警察署や検察庁への出頭、そして略式裁判を経て「罰金刑(前科)」がつきます。

③ 【一般道路】における違反点数と反則金

一般道では、時速30kmオーバーが一つの壁です。

超過速度点数反則金(普通車)備考
15km未満1点9,000円青切符
15〜20km未満1点12,000円青切符
20〜25km未満2点15,000円青切符
25〜30km未満3点18,000円青切符
30〜50km未満6点罰金(裁判)赤切符(即免停)
50km以上12点罰金(裁判)赤切符(即免停)

※反則金・罰金は目安です。

④ 【高速道路】における違反点数と反則金

高速道路では、一般道より少し緩和され、時速40kmオーバーが壁になります。

超過速度点数反則金(普通車)備考
30〜35km未満3点25,000円青切符
35〜40km未満3点35,000円青切符
40〜50km未満6点罰金(裁判)赤切符(即免停)
50km以上12点罰金(裁判)赤切符(即免停)

注目すべきは、一般道でも高速道でも、時速50km以上オーバーすると一撃で12点もつくことです。もし過去に軽い違反が1回でもあれば(累積15点になれば)、一発で「免許取り消し」になります。

「ちょっと飛ばしただけ」で、仕事も免許も失う可能性があるのです。


2. 警察の「3大取り締まり方法」徹底解説

では、警察はどうやってスピード違反を見つけ出し、捕まえるのでしょうか。

取り締まり方法は、大きく分けて以下の3種類です。それぞれに特徴があり、ドライバーの心理の隙を突いてきます。

① パトカー・白バイによる検挙(追尾式・定置式)

最もポピュラーで、かつ言い逃れができないのが「人」による取り締まりです。

  • 追尾式(ついびしき):パトカーや白バイ(覆面含む)が、違反車両の後ろにピタリとつき、同じ速度で走行して計測する方法です。一般的に「赤色灯を回してサイレンを鳴らさずに追走し、速度が安定したところで計測ボタンを押す(ストップメーター)」という手順を踏みます。ドライバーがバックミラーで気づいた時には、すでに計測が完了しているケースがほとんど。「後ろにつかれた!」と思った瞬間、サイレンが鳴り響くわけです。
  • レーダー測定(走行間・定置):パトカーによっては屋根にレーダーを搭載しており、前方を走る車や、対向車の速度を計測できるタイプもあります。

② 定置式速度取り締まり(通称:ネズミ捕り)

「ネズミ捕り」という呼び名で恐れられている方法です。

道路脇にひっそりと測定器を設置し、その先で違反車を停止させる、いわば「待ち伏せ型」です。

  • 仕組み:
    1. 現認係(測定係): 死角になる場所や物陰に測定器(レーダーや光電管)を設置し、通過する車両の速度を測る。
    2. 停止係: 測定係からの無線連絡を受け、数百メートル先で旗を持って飛び出し、違反車を「とまれ」のエリアに誘導する。
    3. サイン会場: 脇道や広場などで、切符処理を行う。
  • 特徴:レーダー探知機などが反応しない「光電管式(道路に置いた2つのセンサーの間を通過する時間で計測)」や、最新の「レーザー式」が使われることが多く、発見が極めて困難です。「今日は天気がいいからバイクで……」なんていう週末の幹線道路は、格好の狩り場になります。

③ オービス(速度違反自動取締装置)

機械が24時間365日、目を光らせているのがオービスです。

基本的には「赤切符レベル(一般道30km/h以上、高速40km/h以上)」の大幅な違反を撮影すると言われていますが、最近はもっと厳しい基準で作動する機種もあると言われています。

  • 固定式:高速道路や主要幹線道路の頭上に設置されている巨大なカメラです。Hシステム、LHシステム、ループコイル式などがあります。これらは場所を覚えれば回避できるかもしれませんが、通過速度を落としてまた加速するような運転は、非常に危険です。
  • 移動式(可搬式)オービス:今、最も恐れられているのがこれです。三脚に載った小型のカメラや、中型の半可搬式オービスを、通学路や生活道路(ゾーン30など)に設置します。「ここは狭いからネズミ捕りはできないだろう」というドライバーの油断を突きます。神出鬼没で、場所も時間も選びません。しかも、移動式オービスは「青切符レベル(15kmオーバーなど)」でも撮影し、後日呼び出し通知を送ってくるケースが増えています。「オービス=大暴走しないと光らない」という常識は、もう通用しません。

3. 取り締まりが行われやすい「魔の時間」と「場所」

警察も闇雲に取り締まりをしているわけではありません。効率よく、そして事故防止効果が高い場所を選んでいます。

狙われる時間帯

  1. 平日の朝(7:00〜9:00):通勤ラッシュでイライラし、先を急ぐ車が多い時間帯。特にバスレーン規制とセットで行われることもあります。
  2. 週末の夜〜深夜(21:00〜2:00):交通量が減り、道が空くためスピードが出やすくなります。また、飲酒運転の取り締まりも兼ねて行われることが多いです。

狙われる場所

  • 見通しの良い直線道路: ついアクセルを踏み込んでしまう心理を突かれます。
  • 長いカーブの出口や、下り坂の終わり: 自然と速度が出てしまうポイント。
  • 制限速度が切り替わる境界線: バイパスから一般道に降りた直後など、速度感覚が麻痺している場所は要注意です。

4. 【法的検証】追尾するパトカーはスピード違反じゃないの?

さて、ここからが本記事の核心部分です。

スピード違反で捕まった人が、警察官に食って掛かる一番の文句。

「お前らだって、俺を追いかける時、同じ速度で走ってたじゃないか! お前らもスピード違反だろう!」

確かに、パトカーが時速100kmの違反車を追尾して計測するには、パトカー自身も時速100kmを出さなければなりません。

これに対し、「警察車両も一緒に検挙されるべきだ」という主張は通るのでしょうか?

結論から言えば、「通りません(適法です)」。

なぜなら、法律と判例によって、警察のその行為はガチガチに守られているからです。詳しく解説しましょう。

① 「サイレン」は鳴らさなくていい(政令の特例)

緊急車両(パトカーや救急車)が制限速度を超えて走る場合、通常は「赤色灯の点灯」と「サイレンの吹鳴」がセットで義務付けられています(道路交通法施行令第14条)。

「ほら見ろ! 追尾中はサイレン鳴らしてなかったぞ!」と言いたくなりますよね。

しかし、同条文には続きがあります。

「ただし、警察用自動車が……(中略)……取り締まる場合において、特に必要があると認めるときは、サイレンを鳴らすことを要しない。」

つまり、スピード違反の取り締まりに関しては、特別に「サイレンなし(サイレント)」での緊急走行が法律で認められているのです。

② 「赤色灯」をつけていなかった問題(判例の解釈)

では、赤色灯はどうでしょうか。

法律上、サイレンは免除されていますが、赤色灯の免除までは明記されていません。

追尾中、屋根の赤色灯が光っていなかった(あるいは反転灯がまだ出ていなかった)場合、「赤色灯なしで速度超過したから違反だ!」と言えるでしょうか。

これについても、過去の裁判で決着がついています。

【最高裁 昭和61年2月27日判決】

この判例では、まさに「赤色灯をつけずに追尾計測した行為の違法性」が争われました。

最高裁の判断は以下の通りです。

  • 速度違反車両を追跡し、その速度を正確に計測するためには、相手に気づかれないようにする必要がある。
  • 計測中に赤色灯をつければ、違反者が気づいて減速してしまい、正確な取り締まりができなくなる。
  • したがって、計測が完了するまでの間、赤色灯をつけないことは、業務上必要な行為(正当業務行為)であり、違法性はない。

つまり、**「捕まえるためには隠密行動が必要だから、測り終わるまでは赤色灯を消しててもOK」**というのが、日本の司法の最終回答なのです。

計測が終わった瞬間に赤色灯を回し、サイレンを鳴らせば、手続きとして完璧に合法となります。

結論:警察を道連れにはできない

「お前も違反だ」という反論は、法的に封じられています。

現場で警察官にこの議論を吹っかけても、時間の無駄どころか、「反省の色なし」と判断され、心証を悪くするだけです。

取り締まりを受けた際は、素直に認め、手続きを進めるのが賢明です。


5. まとめ:ゴールド免許への最短ルートは「ゆとり」

長々と取り締まりの手法や法律の話をしてきましたが、私がお伝えしたいことは一つです。

**「取り締まりを回避するテクニックを探すより、スピードを出さない方が圧倒的に楽で安全だ」**ということです。

ネズミ捕りの場所を覚えたり、レーダー探知機を買ったり、バックミラーを常に気にしながらビクビク運転したり……それって疲れませんか?

制限速度を守っていれば、オービスも、パトカーも、ネズミ捕りも、何一つ怖くありません。堂々と通過すればいいのです。

スピード違反をする人の多くは、「時間に遅れそう」という理由でアクセルを踏みます。

しかし、一般道で時速10km上げたところで、信号待ちに引っかかれば到着時間は数分も変わりません。

その数分のために、数万円の反則金を払い、免許停止のリスクを負い、最悪の場合は死亡事故を起こして人生を棒に振る。

これほど割に合わないギャンブルはありません。

「あと10分、早く家を出る」

これだけで、スピード違反の9割は防げます。

心にゆとりを持って、今日も安全運転でいってらっしゃい!