曲がり角は徐行義務?見通し良くてもなぜダメ?徐行すべき5ヶ所と追い越し禁止場所の違い

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運転免許の学科試験に挑戦!「徐行」の本当の意味

自動車を運転する際、「見通しが悪い場所では速度を落とす」というのは常識ですが、道路交通法には、**「見通しが良い場合であっても、徐行しなければならない」**と定められた、ドライバーが勘違いしやすい場所が存在します。

今回のテーマは、その代表例である**「道路の曲がり角付近での徐行義務」**です。なぜ、見通しの良し悪しにかかわらず、徐行が義務づけられているのでしょうか?

本記事では、この義務の法的根拠を明確にするとともに、徐行の厳密な定義、徐行すべき全5箇所、そして「徐行すべき場所」と混同しやすい「追い越し禁止場所」の違いを、語呂合わせを用いて徹底的に解説します。この知識は、学科試験の合否だけでなく、実地での安全運転に直結する非常に重要なルールです。


1. 問題提起と回答:見通しが良くても徐行は義務

まずは、多くのドライバーが「見通しが良ければ大丈夫」と誤解しやすい問題を見てみましょう。

問題:「道路の曲がり角付近では、見通しが効く場合であっても、徐行しなければならない。」

さて、この内容は

⭕️ 正しい

❌ 誤り


答え:⭕️ 正しい

正解は ⭕️ 正しい です。

道路交通法は、道路の曲がり角付近を徐行すべき場所の一つと明確に定めており、見通しの良し悪しにかかわらず、徐行義務が発生します。

回答の根拠:安全の絶対的確保

徐行義務が課される理由は、以下の二点にあります。

  1. 遠心力の作用: カーブを曲がる際は、必ず遠心力が働きます。速度が高いと遠心力が強くなり、ハンドル操作を誤った際に車体が不安定になり、曲がりきれずに車線を逸脱する危険が高まるためです。
  2. 予測不能な事態への対応: 見通しが良くても、予期せぬ場所から歩行者や自転車が飛び出してくる可能性は常にあります。徐行は、そうした**「予測不能な事態」**が発生した際に、確実に停止できるための最低限の準備なのです。

2. 解説:「徐行」の厳密な定義と重要性

徐行の義務は、単に「速度を落とす」ことではありません。法律で定められた徐行の本当の意味を理解することが重要です。

徐行の法的定義

道路交通法における**「徐行」**とは、

「車両等が直ちに停止することができるような速度で進行すること」

と定義されています。

速度の目安と真の徐行

一般的に、徐行は時速10km/h程度が目安とされていますが、**「時速10km/h以下に落とすことが徐行ではない」**ことに注意が必要です。

  • 真の徐行の基準: 徐行の真の意味は、ブレーキをかけた瞬間から約1メートル以内で車輪を完全に停止させられる速度で進行することです。
  • 状況による変化: 悪天候で路面が濡れている場合や、視線が脇の景色などに奪われて注意力が散漫になっている状態では、時速10km/hでも1メートル以内に止まることは困難になります。
  • 運転者の責任: 運転者は、その時の道路状況、車両の状態、自身の集中度に応じて、意識的にすぐに止まれる速度に落とすことが、徐行義務を果たしたことになります。

3. 網羅解説:徐行すべき全5箇所と暗記術

徐行すべき場所は、道路交通法によって全5箇所が定められています。これらの場所は「危険を予測できない場所」として共通しています。

徐行すべき全5箇所(語呂合わせ)

徐行すべき場所を覚えるための語呂合わせは、**どこのこ 徐行**です。

語呂場所補足と例外
道路の曲がり角付近見通しの良し悪しにかかわらず、常に義務(本問題)。
見通しの悪い交差点例外: 信号機などによる交通整理が行われている場合や、優先道路を通行している場合は除く。
上り坂の頂上付近頂上を越えるまで対向車の有無が分からないため、徐行義務。
勾配の急な下り坂スピードが出やすく、制動が難しい場所は、安全確保のため徐行義務。
徐行徐行の標識がある場所標識がある限り、道路状況に関係なく徐行義務。

徐行場所と追い越し禁止場所の比較

徐行すべき場所(曲がり角付近、上り坂の頂上付近など)は、追い越し禁止場所とも多く重なっています。これは、どちらも「視界が悪く、事故を起こしやすい場所」という共通の危険性を持っているためです。

  • 区別: 「徐行」は速度の義務であり、「追い越し禁止」は行為の制限です。両方の規制がある場所では、徐行しつつ、追い越しもしてはならないという二重の義務が発生します。

4. 徐行義務違反と安全運転の重要性

徐行義務を怠ることは、単なる反則金の問題ではなく、命に関わる事故リスクを許容する行為です。

徐行義務違反の罰則

徐行すべき場所で徐行を怠った場合、徐行義務違反として罰則が適用されます。

  • 罰則の例: 普通車の場合、反則金7,000円、違反点数2点が科せられます。

徐行と一時停止の区別

徐行の義務は厳重ですが、それよりも重い一時停止の義務が課せられる場所もあります。

  • 一時停止が義務の例: 赤色点滅信号横断歩道に歩行者がいる場合踏切など。

徐行と一時停止を混同すると、重大な違反となります。徐行は「止まれる準備」、**一時停止は「完全に止まる」**という、義務のレベルを明確に区別することが重要です。

実地での危険性と事故時の責任

徐行を怠った結果、対向車や歩行者と衝突した場合、事故の過失割合は徐行義務違反を犯した側に重く課せられます。徐行義務がある場所は、法律が「ここは事故が起こりやすい」と警告している場所であることを認識しましょう。


5. まとめと提言

今回の問題は、「曲がり角では見通しが良くても徐行」という、安全運転の基礎を再認識させてくれるものでした。

  • 最重要ルール: **「曲がり角は見通しが良くても徐行」**を徹底する。
  • 徐行の真の意味: 徐行は「時速10km/h以下」ではなく、**「1メートル以内に止まれる速度」**であることを理解し、その時々の状況に応じて速度を調節すること。
  • 危険の予測: 徐行義務がある全5箇所は、すべて**「予測できない危険が潜んでいる場所」**です。この知識を、罰則を避けるためだけでなく、命を守るための準備として徹底してください。

この徐行のルールを正しく実践することが、安全運転の基礎であり、あなたの運転への信頼を高めることにつながります。