黄色点滅は徐行でOK？間違いだらけの点滅信号ルール！全信号の意味と罰則リスクを解説

車を運転していて、「あの信号の意味は何だったかな？」と一瞬迷うことはありませんか？特に、誰もが知っているはずの青・黄・赤信号よりも、点滅信号や警察官の手信号といった「イレギュラー」なルールは、多くのドライバーが誤解しがちです。

中でも「黄色の灯火の点滅信号」は、「注意して徐行すればいい」と解釈している人が非常に多く、これが原因で重大な事故や交通違反につながるリスクを生んでいます。信号機の意味を正しく理解していないと、安全運転はできません。

本記事では、多くのドライバーが間違える点滅信号の正しいルールを明確にし、すべての信号機の意味、そして優先される警察官の手信号までを網羅的に解説します。

1. 問題提起と回答：黄色の点滅信号に徐行義務はない

まずは、多くのドライバーが誤解しやすい交通ルールに関する問題を見てみましょう。

問題：「黄色の灯火の点滅信号は、他の交通に注意して徐行しなければいけない。」

さて、この内容は

⭕️ 正しい ❌ 誤り

答え：❌ 誤り（徐行義務はない）

正解は ❌ 誤り です。

黄色の灯火の点滅信号の意味は、**「他の交通に注意して進行することができる」**であり、徐行の義務はありません。

• 徐行の義務があるのは、赤色灯火の点滅信号です。
• 問題文を正しく表現するなら、「黄色の灯火の点滅信号を通過する際、他の交通に注意して徐行した。」であれば、注意して進行した行為自体は問題ないので⭕️となりますが、「徐行しなければならない」という義務は存在しないため、問題文は不正確です。

この誤解を解消し、信号機が持つ明確な**「法的指示」**を正しく理解しましょう。

2. 基礎知識：信号機の灯火の意味（点滅信号は特に注意）

信号機は単なる注意喚起ではなく、道路交通法に基づく明確な指示であり、その指示に違反すれば罰則の対象となります。

信号機の基本的な5種類とその義務

信号機には、主に以下の5種類の灯火とその意味があります。

信号の種類	意味	守るべき義務
青信号	進むことができる。	前進。右折や左折も可能。
黄信号	停止位置を越えて進んではならない。	安全に停止できない場合のみ進むことができる。停止が原則。（「注意して進む」ではない）
赤信号	停止位置を越えて進んではならない。	**交差点に入ってはいけない。**必ず停止。
赤色灯火の点滅信号	一時停止しなければならない。	**「止まれ」標識と同じ義務。**必ず停止線で止まり、安全を確認してから進む。
黄色灯火の点滅信号	他の交通に注意して進行することができる。	**徐行義務はない。**注意して周囲を確認し、安全な速度で進む。

「徐行」と「一時停止」の違い

点滅信号のルールを理解する上で重要なのが、義務の重さです。

• 徐行: 車輪を止める必要はなく、すぐに止まれる速度（概ね時速10km以下）で進むこと。
• 一時停止: 車輪を完全に停止させること。

赤色点滅信号は**「一時停止」が義務であり、徐行では違反となります。一方、黄色点滅信号は徐行の義務すらない**のです。

発展：セパレート信号・黄色灯火の矢印信号

一般的な信号の他に、複雑な交差点や路面電車の走行経路には特殊な信号が使われます。

• セパレート信号（分離式信号機）: 右折車や左折車など、進行方向別に青信号が点灯する信号機です。対向車や歩行者との接触を防ぐために設置されます。
  
• 黄色灯火の矢印信号: 通常、路面電車が走行する交差点に設置されます。路面電車専用の信号であり、この黄色い矢印が点灯している場合、自動車は原則として停止し、路面電車の進行を妨げてはいけません。
  

3. 応用知識：警察官の手信号の重要性

信号機が故障したり、大規模な停電や事故が発生したりした場合は、警察官の手信号が交通整理のルールとなります。

手信号は信号機よりも優先される

警察官や交通誘導員の行う手信号は、信号機の灯火表示よりも優先されるという法的効力を持っています。これは、現場の状況に応じて柔軟かつ安全に交通を制御するために不可欠なルールです。

警察官の動作と意味

警察官の手信号は、主に腕の上げ方によって「青信号と同じ意味」と「赤信号と同じ意味」を表現します。

警察官の動作	動作の意味	信号の意味
腕を横に水平に上げている	腕と平行する交通: 青信号（進め）	青信号
	腕と対面の交通: 赤信号（止まれ）	赤信号
腕を垂直に上げている	すべての方向の交通: 黄信号（原則停止）	黄信号

例えば、警察官が腕を水平に上げている場合、その腕の方向と平行する車線の車は「進め」という指示を受けていることになります。

警察官の手信号は、信号機が機能しない緊急時の生命線となります。運転免許を取得した後も、その意味を忘れないようにすることが重要です。

4. 発展解説：誤解が招く罰則リスクと優先順位

点滅信号の誤解は、単なる知識不足で済まされず、違反や事故時の過失に直結します。

黄信号で無理に進んだ場合の罰則リスク

黄信号の意味は「原則停止」です。安全に停止できるにもかかわらず進行した場合、信号無視とみなされる可能性があります。

もし黄信号で交差点に進入し、対向車と接触事故を起こした場合、たとえ相手側にも過失があったとしても、黄信号で進入した側の過失割合が重くなる傾向にあります。

点滅信号のある交差点の優先順位

黄色点滅信号の交差点は、信号機が設置されているものの、一時停止の義務がないため、ドライバーの注意義務が非常に重要になります。

• 黄色点滅同士の交差: 両方に徐行義務がないため、基本的には**「左方優先」（左側から来る車の交通を妨げてはならない）や「広路優先」**（広い道路を走る車が優先）といった、通常の交差点の優先ルールが適用されます。
• 赤色点滅と黄色点滅の交差: 赤色点滅側の車には一時停止義務があります。したがって、黄色点滅側の車が圧倒的に優先されます。赤色点滅側が一時停止を怠って進入すれば、重大な違反となります。

点滅信号は、**「信号機の指示がない交差点」としてではなく、「信号機が特定のルールを指示している交差点」**として認識し、法定の優先順位に従う必要があります。

5. 知識定着のための例題と解説

ここで、実際の運転で遭遇しうる信号に関する例題を解いてみましょう。

6. まとめ：すべての信号は法的指示である

黄色の灯火の点滅信号は「徐行義務はない」というルールは、多くのドライバーが間違えるポイントです。しかし、徐行義務がなくても、「他の交通に注意して進行する」という注意義務は非常に重いものです。

点滅信号は、単なる「注意してね」という看板ではなく、**「徐行しなくていいが、他の優先車に注意しなさい」**という明確な法的指示です。

すべての信号の意味を正しく理解し、特に点滅信号や手信号といった通常と異なる指示に遭遇した際は、法定のルールに従って行動することが、自身の安全と、同乗者、そして他の交通を守るために不可欠です。