1. 問題
「信号のない横断歩道の直前で停止している車両の横を通過するときは、通過する前に一時停止しなければならない。」
この問題は、運転免許試験や教習所の学科試験でもよく出題される内容です。横断歩道と歩行者保護の考え方を理解していないと間違いやすく、また実際の運転においても交通事故につながる重大なテーマです。
2. 答え
〇（正しい）
横断歩道の直前で停止している車がある場合、その車両の陰から歩行者が横断しようとしている可能性が高いため、必ず一時停止して確認する義務があります。
3. 解説
道路交通法第38条では、信号機のない横断歩道や自転車横断帯において、歩行者や自転車が横断しようとしているときは車両は一時停止し、進路を譲らなければならないと明記されています。
特に「横断歩道の直前で車両が停止している」という状況では、その車が歩行者を優先させるために停車しているケースがほとんどです。したがって、後続の車両がその横を減速せずに通過すると、歩行者と衝突するリスクが極めて高くなります。
また、この義務を怠った場合には、交通違反点数 2点、反則金 普通車9,000円（大型車12,000円）が科されます。
このテーマについては、こちらの記事でも詳しく取り上げています。
👉 横断歩道で歩行者が突然飛び出すケースとその危険性
4. 横断歩道での歩行者の優先
歩行者が明らかにいない場合
信号機のない横断歩道に歩行者がいない場合でも、ドライバーは徐行して安全確認を行う必要があります。これは「横断歩道は歩行者が優先」という大原則を常に意識させるためです。
歩行者が渡ろうとしている場合
横断歩道の前で歩行者が待っている、横断しようとする素振りを見せている場合は、必ず一時停止しなければなりません。通過してしまうと歩行者の妨害となり、道路交通法違反になります。
歩行者が渡るか分からない場合
立ち止まっている歩行者が渡るのか迷っているように見える場合でも、基本は停止して歩行者の意思を確認することが求められます。これは「歩行者ファースト」の考え方が法的に優先されるからです。
横断歩道の前で停止している車がある場合
今回の問題文そのもので、最も危険性が高いケースです。先行車が歩行者のために止まっているのに、その横をノンストップで通過すれば、歩行者の存在に気づかないまま衝突してしまう恐れがあります。
横断歩道に関する考え方は、こちらの記事も参考になります。
👉 歩行者優先のルールと取り締まりの流れ（2016〜2024年の動向）
👉 横断歩道における歩行者優先の基本ルールまとめ
5. 車が止まっている場合、なぜ一時停止が必要なのか
- 歩行者の死角を防ぐため
停止している車両の陰から歩行者が飛び出す危険があるため。 - 安全確認のための余裕を確保するため
一時停止することで、歩行者が横断する意思を確認できる。 - 横断歩道優先の徹底
「歩行者が最優先」という交通ルールの象徴的な場面であり、運転者の遵法意識が試される瞬間でもある。
関連する注意点
- 信号のない横断歩道では歩行者がいなくても徐行・安全確認
- 歩行者が渡ろうとしている場合は必ず一時停止
- 対向車線側の車両が止まっている場合も要注意（反対側から歩行者が出てくる可能性があるため）
補足：歩行者を守る運転のコツ
- 「横断歩道＝歩行者がいるかもしれない場所」と常に意識する
- スピードを控えめにして、いつでも止まれる準備をしておく
- 夕方や夜間は視認性が下がるため、ライトを早めに点灯する
まとめ
今回の問題は「信号のない横断歩道で、すでに車が停止している場面」での対応についてでした。
答えは必ず一時停止して歩行者の存在を確認する必要があるというものです。
このルールを徹底することは、歩行者の安全を守るだけでなく、自分自身が事故や違反を回避するためにも極めて重要です。
実際の試験問題でも、そして日常の運転でも「歩行者優先の原則」を忘れないようにしましょう。
