問題
安全地帯のある路面電車の停留所で路面電車が停車していました。
乗り降りする人がいなかったので、そのまま通過しました。
この運転は正しいでしょうか?
👉 答え:×(バツ)
答え
道路交通法では、安全地帯のある停留所で路面電車が停まっているときには、乗降客の有無に関わらず「徐行」しなければならないと規定されています。
したがって、「人がいなかったから、そのまま通過した」という運転は誤りです。
解説
1. 路面電車はどこを走っているのか
まずイメージを整理しておきましょう。
路面電車はバスのように車道の端を走るのではなく、道路の真ん中を走ります。
そのため、停留所で乗客が乗り降りする場合、歩行者は車道を横断して路面電車に乗ることになります。
つまり、自動車がその横を通るとき、歩行者と接触する危険がとても高いのです。
2. 路面電車が停車しているときの基本ルール

原則として、路面電車が停まっていて乗降客がいる場合には、自動車は路面電車の後方で一時停止しなければなりません。
これは、歩行者が電車に乗り降りする際に車道を横断する可能性があるからです。
「歩行者優先」の原則を守るためのルールであり、歩行者がいなくなるまで待つことが求められます。
3. 例外:徐行で通行できる場合

ただし、例外もあります。
それは 「乗降客がいない場合」かつ「路面電車との間に1.5m以上の間隔が取れる場合」 です。
この条件を満たせば、一時停止ではなく徐行で通行することができます。
ここが学科試験でよく問われるポイントで、**「歩行者がいないからすぐに進んでよい」ではなく「徐行で進めるだけ」**だという点に注意が必要です。
4. 安全地帯がある場合

次に、安全地帯のある停留所について見てみましょう。
安全地帯とは、歩行者が路面電車に安全に乗降できるように、道路上に白線や柵で区切られたスペースのことです。
この場合はルールが少し変わります。
- 安全地帯のある停留所で路面電車が停まっているとき
→ 乗降客がいてもいなくても、自動車は「徐行」で通行することができます。
一時停止の必要はありません。 - 安全地帯に人がいない、かつ路面電車も停まっていないとき
→ 徐行する必要はなく、通常どおり通過できます。
この違いをしっかり押さえておかないと、学科試験でひっかかります。
5. 注意すべき「ややこしい」ケース
路面電車に関する学科問題は、出題パターンがややこしいことで有名です。
ここで混乱しやすいケースを整理してみましょう。
- 停留所に停まっている路面電車+乗降客あり
→ 一時停止して待つ。 - 停留所に停まっている路面電車+乗降客なし+間隔1.5m以上確保できる
→ 徐行で通行可。 - 停留所に安全地帯あり+路面電車が停まっている(乗降客の有無は関係なし)
→ 徐行で通行可。 - 安全地帯に人がいない+路面電車も停まっていない
→ 徐行の必要なし。
これらを混同すると、「停止するのか徐行でいいのか」があやふやになり、試験で間違えてしまいます。
6. 学科試験での出題例(復習問題)
問題1
停留所に停まっている路面電車のそばを通るとき、乗降客や道路を横断する人がいる場合、車は後方で一時停止しなければならない。
👉 答え:○
問題2
停留所に停止している路面電車のそばを通るとき、安全地帯がある場合でも一時停止しなければならない。
👉 答え:×
(安全地帯がある場合は、乗降客がいても徐行で通過できる。)
問題3
安全地帯のある路面電車の停留所に歩行者がいなく、路面電車が停車していなくても、徐行しなければならない。
👉 答え:×
(人がいない・路面電車も停まっていない場合は、徐行の必要はない。)
7. 実際の運転での注意点
試験問題としてだけでなく、実際の運転においてもこの知識は重要です。
- 夜間や早朝、見た目では歩行者がいないときでも、路面電車の近くでは必ず減速して安全確認をする習慣を持ちましょう。
- 特に高齢者や子どもは動きが予測しにくく、電車に気を取られて急に飛び出すこともあります。
「法律上は徐行でOK」としても、実際の運転では一時停止に近い慎重さが望ましい場面も多いのです。
8. まとめ
- 路面電車の停留所では、歩行者の安全を最優先に行動する。
- 原則は「後方で一時停止」、例外として「1.5m間隔+乗降客なし」なら徐行OK。
- 安全地帯がある場合は「一時停止不要、徐行で通過」。
- 安全地帯に人も電車もいなければ通常通行可。
最後に
学科試験で狙われやすいテーマのひとつが、この「停止中の路面電車と安全地帯」です。
「人がいないからOK」と思い込んでしまうと、不正解になってしまいます。
**「安全地帯の有無」「歩行者の有無」「電車が停まっているかどうか」**を冷静に整理するのが合格のコツです。
ぜひこの記事を何度も読み返して、学科試験に備えてください。

