「進行方向別通行区分」と「指定方向外進行禁止」の違いと取り締まりのポイント

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学科試験問題集
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問題

「この標識は、『指定方向外進行禁止』である。」


答え

❌(バツ)


解説

問題に示された標識は「進行方向別通行区分」と呼ばれるものです。
一方で「指定方向外進行禁止」という標識も存在しますが、両者はまったく別の意味を持ちます。

  • 進行方向別通行区分 → 車線ごとに進める方向を示す標識
  • 指定方向外進行禁止 → 特定の方向以外へ進むことを禁止する標識

形や矢印の使い方が似ているため、学科試験でもよく出題される「ひっかけ問題」になります。両者の違いを正しく理解していないと、実際の運転でも誤解を招き、違反につながるおそれがあります。


進行方向別通行区分とは

進行方向別通行区分は、交差点の手前で各車線ごとにどの方向へ進めるのかを示す標識です。

特徴は以下のとおりです。

  • デザイン:青地の四角い標識に白い矢印が描かれる
  • 意味:その車線を走行している車両は、矢印の方向にしか進めない
  • 設置場所:交差点の直前(信号機の下や道路の左側、あるいは車線上)

例えば、左車線に「左折のみ」と描かれた矢印がある場合、その車線を走行している車両は必ず左折しなければなりません。直進や右折をすることはできません。

もしドライバーが指定された方向以外へ進んでしまうと「進行方向違反」となり、取り締まりの対象となります。


指定方向外進行禁止とは

一方で「指定方向外進行禁止」は、特定の方向以外に進んではならないことを示す標識です。

  • デザイン:青い円形に白い矢印が描かれる
  • 意味:描かれた矢印の方向にのみ進める。矢印以外の方向は進行禁止
  • 設置場所:交差点や分岐点で、右折や左折を制限したい場所

例えば、「左折と直進の矢印」が描かれている標識であれば、運転者は左折か直進のいずれかしかできません。右折は明確に禁止されている、という意味になります。

このように「進行方向別通行区分」は「進める方向の指定」であるのに対し、「指定方向外進行禁止」は「進めない方向を禁止」するものです。ニュアンスが微妙に異なるため、試験でも間違えやすい部分です。


それぞれの具体的な設置場所

進行方向別通行区分

  • 都市部の大きな交差点
  • 車線数が多く、直進・右折・左折を整理する必要がある場所
  • 高架道路や地下道の分岐の手前

例:
・左の車線は「左折のみ」
・中央の車線は「直進のみ」
・右の車線は「右折のみ」

このように整理されることで、交差点内での混乱を防ぎ、交通の円滑化を図ります。


指定方向外進行禁止

  • 一方通行の出口
  • 狭い交差点で直進や右折を禁止したい場合
  • バス専用レーンや優先道路と組み合わせて使われる場合

例:
・「直進と左折のみ」→ 右折は禁止
・「直進のみ」→ 左折・右折は禁止

特定の方向以外を完全に禁止することで、事故防止や交通整理を徹底する狙いがあります。


いずれも取り締まりの対象となりやすい

これらの標識はいずれも取り締まりの対象となりやすいものです。なぜなら、進行方向違反や指定方向外進行禁止違反は、交差点での交通の流れを乱し、事故につながる可能性が非常に高いからです。

特に都市部では警察官が交差点付近に立って監視していることも多く、進行方向違反で検挙されるドライバーも少なくありません。

「つい間違えて進んでしまった」という言い訳は通用しません。標識をしっかり確認し、安全に従うことが求められます。


反則金、行政処分の点数

進行方向違反、指定方向外進行禁止違反の罰則は同じです。

  • 反則金
    • 普通車:6,000円
    • 大型車:7,000円
    • 二輪車・原付:5,000円
  • 違反点数
    • 1点

一見すると軽い違反に思えますが、これが積み重なると免許停止につながる場合があります。また、違反歴は保険料の増加や事故リスクの高さと結び付けられることもあるため、決して軽視できません。


まとめ

「進行方向別通行区分」と「指定方向外進行禁止」は、いずれも交通ルールを守るうえで重要な標識です。

  • 進行方向別通行区分:車線ごとに進める方向を指定する標識
  • 指定方向外進行禁止:矢印以外の方向へ進むことを禁止する標識

似ているようで全く意味が異なるため、ドライバーは正しく理解しておく必要があります。違反すれば反則金や点数の対象になるだけでなく、交通の流れを乱し事故につながる危険性が高まります。

交差点は交通事故がもっとも多い場所のひとつです。標識の意味を正しく理解し、安全確認を徹底することが、安全運転の第一歩となります。