問題
「狭い雪道を走行するときは、対向車との行き違いを考えて、なるべく道路の左端を通行した方が良い」
答え
👉 ❌バツ
1. なぜ「左端」が危険なのか?
一見すると、「狭い雪道で対向車が来るかもしれないなら、左端に寄ったほうが安全そう」と思う方も多いでしょう。しかし雪道では、左端に寄ることがかえって危険を招きます。その理由は大きく3つあります。
- 路肩に積雪が多い
雪が積もっていると、どこから路肩か、どこから側溝かの境界が見えにくくなります。左端に寄りすぎると、気付かぬうちに脱輪してしまうことがあります。 - ガードレールや障害物が雪に隠れている
除雪されていない道路では、ガードレールやポールなどが雪に埋もれていて見えないことがあります。左端に寄ることで車体を擦ったり、最悪の場合は車両を損傷させる恐れもあります。 - スタック(動けなくなる)リスク
路肩付近は雪が深く、固まっていないことが多いです。タイヤが雪に取られると空転してしまい、そこから動けなくなることがあります。
このように、「左端に寄る=安全」という発想は雪道では通用しません。むしろ危険なのです。
2. 雪道走行の基本ルール
雪道での基本は、とにかく 「ゆっくり・慎重に」。教習所や学科試験でも繰り返し強調される内容です。
- スピードは控えめに
雪道は滑りやすく、急ブレーキや急ハンドルはスリップの原因になります。特に橋の上や日陰は凍結しやすいため注意が必要です。 - 車間距離を大きく取る
雪道では制動距離が乾いた路面の数倍に伸びます。前車にピッタリついて走るのは危険。余裕を持った車間を意識しましょう。 - 対向車が来たら減速・徐行
無理にすれ違おうとせず、徐行や停止で譲り合う姿勢が大切です。
3. 轍(わだち)の上を走るのが基本
雪道で最も重要なポイントのひとつが「轍の上を走ること」です。轍とは、先に走った車のタイヤが雪を押し固めてできた跡のことです。
メリット
- グリップ力が増す
圧雪された部分はタイヤがしっかり接地するため、滑りにくく安定します。 - 走行ラインが予測できる
前走車のラインをなぞるだけで済むため、余計なハンドル操作が不要になります。 - 路肩リスクを回避できる
轍は車道中央寄りに形成されることが多く、左端の危険地帯に近づかずに走れます。
注意点
- 轍の幅がタイヤに合わないと取られやすい
- わだちとわだちの間に雪山ができているとハンドルを取られる
- 除雪が不十分な道路では轍が偏っていることもある
👉 したがって、雪道では「轍の上を走る」を基本としつつ、無理にまたがないことが重要です。
4. 学科試験での狙われ方
この問題が引っかけやすい理由は、「狭い道路=左に寄る」という普段の運転イメージがあるからです。
しかし、雪道という条件が加わると答えは逆。「左端は危険」「中央寄り+轍を走る」が正解になります。
試験では次のようなパターンが多く見られます。
- 「雪道では徐行すれば左端に寄らなくても良い」
- 「狭い雪道ではむしろ中央寄りに走る」
- 「轍の上を走行するのが基本」
これらの知識をしっかり整理しておけば、迷わず答えられるでしょう。
5. 実際の運転で気をつけたいこと
- 上り坂ではエンジンブレーキを使いながら一定速度で登る
- 下り坂では早めに減速し、フットブレーキと併用
- カーブは小さく切って外側に膨らまない
- 夜間や吹雪ではフォグランプ・ハイビームを適切に使用
- スタッドレスタイヤやチェーンを事前に装着
特に雪道で多いのは「交差点でのスリップ事故」。停止線の手前から十分に減速し、余裕を持ったブレーキングを心がけましょう。
まとめ
- 雪道で「左端に寄る」は危険。路肩の雪や側溝にハマるリスクあり
- 基本は 中央寄り+轍の上を走行
- 徐行義務のある場面を理解しておくことが重要
- 学科試験では「左端=安全」と思い込ませる引っかけに注意
👉 雪道走行の鉄則は「中央寄りを徐行」「轍の上を走る」「無理をしない」。
試験対策としても、実際の運転としても、頭に叩き込んでおきましょう。