はじめに
学科試験の問題には、日常生活でも身近な「チャイルドシート」に関するものがよく出題されます。
6歳未満の幼児にチャイルドシートを使用することは原則として義務ですが、実は法律で定められた例外規定も存在します。
この記事では、学科試験で狙われやすい「免除される場合」の具体例を取り上げつつ、実際の運転での注意点についても整理します。
問題
「乗車定員の範囲内にもかかわらず、チャイルドシートを設置することで全員が乗れなくなるため、チャイルドシートを使用せず、幼児を乗車させた。」
答え
👉 答えは ⭕️(正しい) です。
解説
原則として、道路交通法第71条の3により 6歳未満の幼児にはチャイルドシートの使用義務 があります。
しかし、例外的に「使用義務が免除される場合」が道路交通法施行令第26条の3の2で定められています。
その中の一つが、今回の問題文にあるケースです。
チャイルドシート使用義務が免除される場合(道路交通法施行令 第26条の3の2 第3項)
- 座席の構造上、チャイルドシートを固定できないとき
- 定員内の乗車で、チャイルドシートを全員に使用させると全員が乗れなくなるとき
- 幼児が負傷している、または健康上の理由で使用できないとき
- 幼児の体格(著しい肥満など)により適切に使用できないとき
- 授乳など日常生活上の世話をする必要があるとき
- バスやタクシーなど旅客運送事業の自動車で幼児を乗せるとき
- 道路運送法80条による許可を受けた自動車で幼児を乗せるとき
- 医療機関や官公署へ緊急搬送する必要があるとき
実際のケース(Q&Aより)
例えば、大人2人分の座席に幼児3人を乗せるとき、チャイルドシートを人数分設置すると全員が座れないケースがあります。
このような場合は「チャイルドシート使用義務が免除される」とされています。
ただし、ここで重要なのは、
「免除=まったく使わなくていい」という意味ではない
という点です。
可能な限り多くの幼児には、チャイルドシートを使用させる必要があります。
学科試験でのひっかけパターン
学科試験では以下のような誤答を狙った問題が出題されます。
- 「定員内であれば、必ず全員にチャイルドシートを使用しなければならない」
👉 ❌(免除規定がある) - 「全員が乗れなくなる場合は、チャイルドシートを一切使わなくてもよい」
👉 ❌(可能な限り使用する必要がある) - 「チャイルドシートは例外なく義務である」
👉 ❌(施行令で例外規定がある)
実際の運転での注意点
学科試験と現実の運転では少しニュアンスが異なります。
実際に幼児を乗せる場面では、次の点に注意しましょう。
① チャイルドシートの未使用は事故時のリスク増大
事故発生時、チャイルドシートを使用していない幼児は大人よりも重傷化しやすいことがわかっています。
免除が認められているからといって、安易に外してしまうことは大変危険です。
② 違反点数・罰則は?
チャイルドシート未使用は「違反点数1点」が付与されます。
しかし、今回のように 施行令で免除される場合は違反にはなりません。
③ 免除=安全が保証されるわけではない
免除されていても、実際に子どもの安全を守るためにはできる限り使用すべきです。
「1人分だけ設置できるなら、最年少の子どもから優先する」などの工夫も大切です。
まとめ
- 原則:6歳未満はチャイルドシート使用義務
- 例外:人数分設置すると全員が乗れなくなる場合など、法律で定められたケースでは免除
- 注意:免除は「ゼロでよい」ではなく、可能な限り多くの子どもに使用させる必要がある
- 学科試験では「例外規定がある」ことを正しく理解することが重要