はじめに
学科試験で頻出するテーマのひとつが「緊急自動車接近時の対応」です。
「寄せて止まる」なのか「寄せるだけでいい」のか、実は場面によって義務が違うため、受験生をよく混乱させます。
例えばこんな問題が出題されます。
問題
「交差点のない場所で緊急自動車が接近してきたときは、左に寄せて緊急自動車を譲れば、停止する必要はない。」
👉 答え:
○(正しい)
理由(法律の規定)
道路交通法第40条では、緊急自動車が接近したときの対応を次のように定めています。
- 交差点付近の場合
- 交差点を避ける
- 左側(※一方通行の場合は右側もあり)に寄せる
- そして停止する - 交差点付近以外の場合
- 左側に寄せて進路を譲る
- 停止の義務はない
緊急自動車とは?
そもそも「緊急自動車」とは、単にパトカーや消防車、救急車のことではありません。
次の 3つの条件が揃っているとき に限り「緊急自動車」として扱われます。
- サイレンを鳴らしている
- 赤色の警光灯(赤色灯)を点灯している
- 緊急用務のために走行中である
このうち一つでも欠けていれば、通常の車両と同じ扱いになります。
つまり「サイレンを鳴らしていないパトカー」や「赤色灯をつけていない消防車」は、緊急自動車とは言えません。
よくある引っかけ問題
学科試験では以下のような出題パターンが多く見られます。
- 「交差点内で緊急自動車が接近したので、左に寄せて停止した。」 → ×(交差点内では停止せず、交差点を抜けてから寄せる)
- 「交差点のない場所で緊急自動車が近づいたので、左に寄せて停止した。」 → ○(停止の義務はないが、停止しても構わない)
- 「交差点のない場所で緊急自動車が近づいたので、左に寄せて進路を譲った。」 → ○(これが本来の義務)
👉 ポイントは「交差点の有無」と「停止義務があるかどうか」。
技能検定での注意点
技能検定でも、緊急自動車が接近する場面を想定しましょう。もちろん道路では何が起こるか分かりません。練習中は全く緊急自動車に遭遇しなくても、検定の時だけ出会ってしまうなんてこともよくあります。
- 交差点付近では必ず停止動作を取る
- 交差点のない直線道路では、スムーズに左へ寄せる
- もちろん緊急自動車を正しく譲る行為がなければ減点対象となります。
もし、検定中本当に緊急自動車が接近してきたら、どんな時でも(交差点を避けて、)左に寄せて停止するのが無難です。
まとめ
🚨 緊急自動車接近時の原則はこう覚えましょう。
- 交差点付近 → 左に寄せて必ず停止
- 交差点のない場所 → 左に寄せて進路を譲る(停止義務はない)
- ただし、停止しても構わない
- 交差点内 → そのまま通過してから寄せる
👉 試験では「停止義務があるのか、ないのか」が問われるので、「交差点かどうか」で判断するのがポイントです。