初心者でも簡単!斜めバックによる車庫入れのコツと手順【図解付き】

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運転上達の秘訣

車庫入れが苦手…特に「まっすぐバックするよりも、斜めから入れるのは難しそう」と感じる方は多いのではないでしょうか?
初心者やペーパードライバーの方にとって、車庫入れは大きな壁のひとつです。しかし、正しいポイントを押さえて練習すれば、斜めバックも驚くほどスムーズにできるようになります。

前回の記事では、車の動きを理解していただくために「直角バックによる車庫入れ方法」を解説しました。まだご覧になっていない方は、先にそちらを読んでいただくと、今回の内容がさらに理解しやすくなります。
完全初心者向け 車庫入れの基本手順とコツ(直角バック編)

今回ご紹介するのは、多くのドライバーが日常的に実践している「斜めバックによる車庫入れ方法」です。パッと見は難しそうに感じるかもしれませんが、実は車の動きに沿った自然な方法なので、慣れてしまえば直角バックよりも簡単に感じる方も少なくありません。

「毎回切り返しばかりで時間がかかる…」
「車庫に入れるたびに緊張する…」
そんな方こそ、今回の方法をマスターしてほしいと思います。

それでは、斜めバック車庫入れのコツを順を追って解説していきましょう。

ポイント1 車庫側に寄せる

まずは、車庫入れをする車庫側(駐車スペース側)に車を寄せましょう。
これは、どんな車庫入れの場面でも重要な準備動作です。

寄せる理由は主に2つあります。

  1. 狭いスペースにも対応できるようにするため
     駐車スペースは必ずしも広いとは限りません。住宅街や混雑した駐車場では、隣の車との間隔がギリギリということも珍しくありません。日頃から「できるだけ狭い条件でも入れられる」練習をしておくと、いざという時も落ち着いて対応できます。
  2. 外輪差による車体の膨らみを防ぐため
     バックでハンドルを切ると、車は外側に膨らむように動きます(これを「外輪差」といいます)。外輪差が大きいと、隣の車や壁に近づきすぎるリスクがあるため、あらかじめ外側のスペースを広く取っておく必要があります。

この「車庫側に寄せる」という準備をすることで、後のハンドル操作や角度調整がぐっと楽になり、切り返しの回数も減らせます。

ポイント2 車庫の奥側ラインと運転席を合わせる

次に、車庫入れを始めるためのスタート位置を決めます。
図の場合、「赤い波線」で示している駐車スペース奥側のラインに、運転席(運転手の肩の位置)が並ぶまで前進しましょう。

ここで重要なのは、「車の先端」ではなく運転席の位置で合わせるということです。車の前後長は車種によって異なりますが、運転席の位置はほぼ一定の目安になります。

ポイント

  • 奥側ラインと運転席がぴったり並んだら、いったん停止する
  • 車庫入れに慣れていないうちは、このようにポイントごとに確実に止まって操作を行うのがおすすめ
  • 一気にハンドル操作をしようとすると、ラインをオーバーしたり角度が付きすぎたりするので注意

この「位置合わせ」が正確にできれば、後のバック操作がスムーズになり、切り返しの必要も少なくなります。


ポイント3 適切な角度をつける

次は、車庫入れをスムーズに行うための角度づけです。
この段階での目標は、バックを始めたときに自然と車庫方向へ車体が入っていく角度を作ることです。

まず、ハンドルを車庫と反対側(図の例では右側)にいっぱいに回し、ゆっくりと前進します。

このときの最大のポイントは、
「どこまで角度をつけるか」
を見極めることです。

角度の見極め方

  1. 前方に障害物がないか必ず確認しながら進む
  2. 内側(車庫側)のドアミラーに注目する(図の場合は左ミラー)
  3. 先ほど肩を合わせた奥側ラインの先端が、ミラー越しに車体の延長線上に見える位置まで前進する
    • イラストでは、黄色の丸で示した位置がそれにあたります
  4. その位置まできたら、ハンドルをまっすぐ(中立)に戻す

この手順で角度をつけておくと、次のバック動作で無理なく車庫方向に入っていけるようになります。
特に、ミラーで白線先端(奥側ラインの角)が少しだけ見える位置は、車種にかかわらず安定した目安になります。

ポイント4 まっすぐ下がり、白線手前で停止する

角度をつけ終えたら、いよいよバック動作に入ります。
ここでは、まだハンドルを切らずにまっすぐ下がることがポイントです。

そのままゆっくりと後退し、車庫に近づいていきます。
このとき注目するのは、車庫側の後輪です(図の例では左後輪)。

目標は、後輪が白線(駐車枠の境界線)に到達する少し手前で停止すること。
白線ギリギリまで進んでしまうと、次のハンドル操作で車体が枠内に収まりきらない可能性があります。

停止位置の見極め方

  • ドアミラーで後輪の位置を確認しながら進む
  • 白線に後輪が重なる直前で止まる
  • 慣れないうちは、ポイントごとにしっかり停止して次の操作に移る

ここでの停止が、次の「最終ターン」の成功率を大きく左右します。
急がず、ミラーを使って確実に位置を決める意識で行いましょう。

ポイント5 小さく曲がりながら、外側もチェック

停止位置が決まったら、いよいよ最終ターンです。
ハンドルを車庫側(図の例では左)に大きく切り、ゆっくりとバックを開始します。

このときのポイントは、

  • 内側の駐車車両(図の🔴)に沿うように、小さくカーブを描くこと
  • そして、同時に外側(右側)のミラーも確認し、車体が膨らみすぎていないかチェックすること

バックを続け、車体が枠内でまっすぐになったらハンドルを戻し、そのまま奥までゆっくりと下がります。
タイヤが白線を踏まない位置で停車すれば、車庫入れ完了です。


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まとめ

今回は、車庫入れの中でも最もスタンダードで実用性の高い斜めバックの方法をご紹介しました。
ポイントを押さえて練習すれば、狭い駐車場や限られたスペースでもスムーズに駐車できるようになります。

ただし、駐車場の形状や周囲の状況によっては、前回ご紹介した直角バックの方が安全で簡単な場合もあります。
慣れてきたら、直角バック・斜めバック・縦列駐車など、複数の駐車方法を使い分けられるようにしましょう。

今後は、縦列駐車や、車庫入れに失敗した時の対処法などのコツも詳しく解説予定です。
まずは、周囲に駐車車両の少ない広い場所で、今回の斜めバックを何度も練習してみてください。
安全確認を忘れずに、焦らず確実に。これが上達への近道です。