「クランクだけがどうしても苦手…」
そう感じている教習生、多いのではないでしょうか?
実は、クランク通過には“バイクの特性上の難しさ”が潜んでいます。でも安心してください。この記事では、現役指導員の視点から「クランク克服の具体的な方法」を5つのポイントに分けてお伝えします。
また、「ジャイロ効果」や「目線の使い方」といった、聞き慣れないけど重要な理論もやさしく解説。
ぜひこの記事を読んで、苦手意識を乗り越えてください!
クランクとは?|なぜ多くの教習生が苦戦するのか
クランクとは、直角に折れた狭い通路を低速で走行する課題です。
多くの教習生がここでつまずく理由は、以下の3点にあります:
- バイクは低速になると自立しにくくなる
- 曲がる時に自然と車体が傾き、バランスを崩しやすい
- 低速での車体傾斜は、転倒に直結する
つまり、「低速で不安定な状態を、正確な操作でコントロールする技術」が求められるのです。
クランク攻略の5つのカギ
1. クラッチ操作の極意|握る・繋ぐのタイミングがカギ
クランクの成功を左右する最大のポイントは、クラッチ操作です。
✔️よくある失敗
- 早く繋ぎすぎ → 外側に膨らむ・脱輪
- 遅く繋ぎすぎ → 内側に倒れる・エンスト
✔️成功のコツ
- 曲がるときはクラッチを握って惰性走行
- 曲がり終えたら アクセルを開けてからクラッチを繋ぐ
惰性で進むためには、事前にある程度の勢いを確保しておくことが大切。クラッチを握ってもバランスが崩れない速度感を掴みましょう。
2. 進入時の速度調整|速すぎても遅すぎても失敗する
クランクの進入速度は、右左折時と同じか、少し遅めがベスト。
✔️速すぎると…
- 曲がれない・外側に膨らむ
✔️遅すぎると…
- バイクが不安定になり、内側に倒れる
✔️補足:ジャイロ効果を味方に
バイクはタイヤが回転することでジャイロ効果が発生し、車体のバランスを保っています。
つまり「ある程度の速度」があると、倒れにくくなるという特性があります。
→ 詳しくは:ジャイロ効果とは?
3. ライン取りの工夫|クランクは“カーブ”のつもりで走る
クランクは一見、直角コーナーの連続。でもバイクにとって直角は苦手な形です。
✔️カーブとして考えるメリット

- 大きなハンドル操作が不要に
- 急旋回による転倒リスクが減る
- スムーズな通過が可能
コース全体を“曲線でつなぐ”ようなイメージを持ちましょう。
4. 視線・目標の取り方|“近く”ではなく“先”を見る
視線は、バイク操作において最も重要な情報源のひとつ。
✔️NG例
- 前輪付近ばかり見てしまう
- ハンドル操作が遅れて転倒
✔️OK例
- 曲がり終わりの出口を早めに見る
- コーンではなく“進行方向”に意識を向ける
怖くてもコーンを見ない!見ると吸い寄せられます!
むしろ「コーンはぶっ倒してOK」くらいの気持ちで大丈夫です。
5. 体の向きと姿勢|バイクと一体になる感覚を
バイクは“人車一体”がキーワード。特にクランクでは「体の向き」が曲がりやすさに大きく影響します。
✔️姿勢のコツ
- 腰を進行方向に向ける
- ニーグリップで車体と密着
- 腕だけでハンドルを切らない
上手な人ほど、腰使いが上手…というのはここだけの話❤️
クランクでよくある転倒ポイントと対策
❌ 第一カーブ(左折→右カーブ)での転倒が最多
原因として多いのは…
- 速度が遅すぎる
- クラッチの繋ぐタイミングが遅い
- そもそもクラッチを使っていない
対策は…
- 「目標を早めに見る」
- 「最低限の惰性を保って進入する」
クランクができると、公道で役立つ場面がたくさん!
一見「こんな道、現実にないでしょ?」と思いがちですが…
実はこんな場面で活躍します:
- 駐輪場での取り回し
- Uターンや切り返し
- 低速時の安定操作(渋滞や坂道)
クランクは、“低速で倒れない技術”の実践練習なのです。
まとめ|クランクは技術の宝庫。焦らず一歩ずつ!
クランクは難しい。でも「難しい=伸びしろ」です!
✔️復習チェックポイント
- クラッチ:繋ぐタイミングに注意
- 速度:ジャイロ効果を活かす“ちょうど良さ”を探る
- ライン取り:直角でなくカーブ感覚
- 視線:とにかく先を見る
- 体の向き:腰からターン!
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苦手なポイントは人それぞれ違います。焦らず、自分のペースでひとつずつクリアしていきましょう。