自転車保険に入ってますか?自転車保険の重要性
はじめに:自転車事故は「他人事」ではない
「うちは車も持ってないし、保険なんて…」
そんなふうに思っていませんか?
でも、実は自転車も「れっきとした車両」であり、重大事故を引き起こす可能性がある“加害者”にもなり得ます。
特に近年、自転車事故による高額賠償請求の事例が増加しており、都道府県によっては自転車保険の加入が義務化されている地域もあります。
1. 自転車事故の現実:子どもでも1億円!?
実際にあった事故例を見てみましょう。
- 兵庫県神戸市・小学5年生(男児)
- 歩行中の女性(62歳)と接触し、女性は意識不明の重体に。
- 親に科せられた損害賠償額は 約9,500万円。
- 東京都内・男子中学生
- 夜間、無灯火でスマホを操作しながら運転。
- 歩行者に衝突し、後遺障害が残る。
- 賠償額は 約6,800万円。
これらの事故に共通しているのは、「加害者が未成年」という点です。
つまり保護者が責任を負うということです。
2. 加入が義務の自治体も:知らないと「違反」に
以下のような都道府県では、条例で自転車保険の加入が義務づけられています(一例):
- 東京都(令和2年4月1日施行)
- 大阪府
- 神奈川県
- 埼玉県
- 愛知県 など
未加入で事故を起こした場合、加入努力義務違反として責任が問われる可能性も。
3. 保険の中身:どんな補償が必要?
自転車保険といっても、主に以下のような補償が含まれているものを選ぶのが基本です。
補償内容 | 説明 |
---|---|
個人賠償責任補償 | 歩行者にケガをさせた、自動車にキズをつけた等への補償(1億円以上が望ましい) |
傷害補償 | 自分や子どもがケガをした場合に対応(通院・入院・手術) |
示談交渉サービス | トラブル発生時、保険会社が間に入って交渉してくれる |
4. 自転車保険はどうやって入る?
実は「自転車保険専用」に新たに加入しなくても、すでに加入している保険に“特約”という形で付加できるケースが多くあります。代表的なのが以下の4つです。
(1)火災保険に付帯する「個人賠償責任特約」
自宅を借りている方やマイホームを所有している方なら、多くが火災保険に加入していると思います。
この火災保険に**「個人賠償責任特約」**をつけることで、自転車事故を含む日常生活における対人・対物の賠償事故をカバーできます。
✅ ポイント:
- 加害者となった場合の賠償額(数千万円~1億円規模)を補償可能
- 家族全員が補償対象になるケースが多い(契約内容による)
- 年間の保険料は1,000円〜3,000円程度と非常に安価
注意: 保険会社や契約プランによって対象範囲が異なるため、「自転車事故も補償されるか」を必ず確認しましょう。
(2)自動車保険の「ファミリーバイク特約」「個人賠償責任特約」
ご自身や配偶者が自動車保険に加入している場合、同様の個人賠償責任特約を追加できることがあります。
✅ メリット:
- 家族全体をカバーできる
- 他の保険に新たに入らなくてもOK
- 自動車保険の更新時に確認しやすい
ただし「ファミリーバイク特約」は、原動機付自転車(50ccなど)向けのものであり、自転車には直接適用されないケースがあるため、個人賠償責任特約の方を選ぶのが安全です。

(3)クレジットカード付帯の保険
実は一部のゴールドカードやプラチナカードには、個人賠償責任補償が自動付帯している場合があります。
✅ 確認ポイント:
- 利用付帯か自動付帯か
- 家族が対象に含まれているか
- 補償金額はいくらか(1億円未満が多い)
補償内容が十分でないこともあるので、メインの保険としては不十分なことも。あくまで“補助的な保険”として考えましょう。
(4)学校・PTA・スポーツクラブ等での団体加入保険
お子さんがいるご家庭なら、学校やPTA、地域のスポーツクラブなどで団体加入している保険に注目を。自転車事故もカバーしているケースがあります。
✅ 例:
- 日本スポーツ振興センター(学校管理下での事故補償)
- スポーツ安全保険
- PTA独自の保険制度
団体加入だと保険料が割安になるうえ、学校活動中の事故に対応できるのも大きなメリットです。ただし**「通学中」や「プライベートの外出中」は対象外のこともある**ため、確認が必要です。
◎どれが自分に合っているか分からない場合は?
複数の保険が重複していても問題ありませんが、実際に事故に遭ったときに「どの保険が使えるのか」すぐ分かるように、契約内容の整理が重要です。
- 保険証券や契約者サイトで「個人賠償責任」の項目を探す
- 家族の誰が対象か確認する
- 補償金額はいくらか把握しておく(1億円以上が望ましい)
中には年間1,000円〜3,000円程度で加入できるものもあり、コスパは非常に高いです。

5. 指導員の視点:加害者にも、被害者にもなる可能性
自転車に乗っていて、一瞬の不注意で加害者になる。
そして、相手に一生背負う後遺障害が残れば、金銭的・精神的負担は計り知れません。
教習所でも「安全確認の大切さ」を繰り返し教えていますが、現実にはすべての事故を防ぐことは不可能です。
だからこそ、
備えとしての「自転車保険」は必須なのです。
まとめ:自転車に乗るなら保険はマナー
- 自転車は立派な“車両”。事故の加害者にもなり得る。
- 子どもが加害者になった場合、親の責任は極めて重い。
- 多くの自治体では自転車保険の加入が義務。
- 月100〜300円程度の保険で、1億円規模の損害に備えられる。
今すぐ、自分と家族の「自転車保険加入状況」を見直してみましょう。
