高齢者講習で行われる視力検査は、大きく分けて以下の3つです。
- 静止視力・動体視力
- 夜間視力(暗順応)
- 水平視野
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高齢者講習で行う視力検査の内容と意味を解説
視力検査の結果があまりよくなかったとき、「運転を続けていいのか不安…」という方も多いはず。
そこで今回は、それぞれの視力検査が運転にどう関係しているのか、また検査結果が思わしくなかった場合の対処法について、教習指導員の視点から解説します。
高齢者講習で行う3つの視力検査とは?
① 静止視力と動体視力の違い
静止視力は、静止している状態で、止まっているものを見る力。
一方の動体視力は、自分や対象が動いているときに、正しく対象を捉える視力です。
運転免許更新時に必要なのは静止視力(両眼で0.7以上、片眼0.3以上)。
しかし実際の運転中は対象が動くことがほとんど。そこで高齢者講習では、より実際の運転に近い「動体視力」も検査します。
動体視力の検査は、「時速30kmで接近してくるマーク(ランドルト環)の切れ目を、どのタイミングで識別できるか」という内容です。
🟡ポイント:
- 高齢者の多くが0.1〜0.2と、やや低い結果
- 視力が悪い=運転NGではない
- 見る力を補う運転行動が必要になる
対処法:
- 注視点は「近く」ではなく「遠く」に
- 情報を早めにキャッチ → 判断時間を確保
- メガネの見直しや眼科受診も検討を
② 夜間視力と暗順応
現在の高齢者講習では、主に明順応と暗順応を体験します。
これは、明るい室内から突然暗い場所に出たとき、どれだけ早く目が暗さに慣れるか(暗順応)を見る検査です。
🟡運転での例:
- 明るいスーパーの駐車場から出てすぐの暗い道路
- 高齢者は目が暗さに慣れるまでに平均60秒以上かかることも
過去には「眩光下視力検査」も行われていましたが、現在は省略されています。
とはいえ、夜間の視力低下は重大事故につながるリスクが高く、特に夜間の歩行者との接触事故には注意が必要です。
対処法:
- 夜間運転はなるべく避ける(特に出入口直後)
- 夜間視力が気になる場合は眼科相談を
- フロントガラスの汚れや曇りにも注意
③ 水平視野(周辺視野)
視界の「横幅」=水平視野も重要です。
道路脇の歩行者や自転車をいち早く認識するには、この周辺視野の力が欠かせません。
🟡検査では、
- 中心を見たまま左右から出てくる光やマークに反応できるかをチェック
周辺視野が狭くなると、右左折時の見落としや、歩行者との接触事故につながる危険性が高まります。
対処法:
- 交差点では「一時停止+顔をしっかり左右に振る」
- 「見えてるつもり」が一番危ない
- ドアミラー・目視の併用で確認範囲を広げる
検査結果が悪くても、運転を諦める必要はありません
視力検査の結果が思わしくなかったとしても、即座に「運転はやめよう」と考える必要はありません。
大切なのは、
- 自分の「見え方の特徴」を知る
- 見えにくいことをカバーする運転行動を意識する
ことです。
✅ 例えば:
- 余裕をもった速度で走る
- より遠くを見て、判断時間を確保する
- 夕方や夜間の運転は避ける
また、白内障・緑内障などの加齢性眼疾患が進行している可能性もあります。
医師による早期の診断・治療で視力が回復するケースもあるため、年に1回の眼科受診をおすすめします。
まとめ|視力検査は「気づきのチャンス」
高齢者講習で行われる視力検査は、
ただのテストではなく、これからの安全運転に役立つ「気づき」の場です。
検査の結果に一喜一憂せず、
「どうすれば今の自分の見え方で、安全な運転ができるか」
を考えることが大切です。
視力の変化に気づいたら、無理せず、早めに対処を。
見直すのは「視力」だけでなく、「運転スタイル」かもしれません。
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