【75歳以上の方必読】「臨時認知機能検査」と「運転技能検査」で対象となる違反行為の違いとは?

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高齢者講習
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はじめに

75歳以上の方が交通違反をすると、若い頃とは違って“ちょっとした違反”では済まないことがあるのをご存じでしょうか?

「もしかして認知機能が低下しているのでは…?」
「もしかして今後、重大事故を起こすリスクがあるのでは…?」

そんな“疑い”がかけられることで、臨時認知機能検査といった臨時の検査や免許更新時受講する高齢者講習と併せて運転技能検査といった試験を義務付けられるケースがあります。

この記事では、
✅ それぞれの検査の目的の違い
✅ 対象となる交通違反の違い
✅ 両方に該当する可能性がある違反行為
などをわかりやすく整理して解説していきます。


1. 臨時認知機能検査とは?

臨時認知機能検査と臨時高齢者講習についての詳しい内容はこちら

■ 検査の目的

認知機能の低下によって起こされた可能性がある交通違反をきっかけに、記憶力・判断力などをチェックするための検査です。
つまり、「その違反、本当に“うっかり”ですか? 認知機能の問題じゃないですか?」という確認の意味を持ちます。

■ 対象となる人

以下の 2つの条件を満たす方が対象です:

  • 75歳以上であること
  • 「18基準行為」と呼ばれる特定の交通違反をした場合

■ 18基準行為(臨時認知機能検査の対象違反)

以下の18種類が該当します。

  1. 信号無視
  2. 通行禁止違反
  3. 通行区分違反
  4. 横断等禁止違反
  5. 進路変更禁止違反
  6. しゃ断踏切立ち入り等
  7. 交差点右左折方法違反
  8. 指定通行区分違反
  9. 環状交差点左折等方法違反
  10. 優先道路通行車妨害等
  11. 交差点進入車妨害等
  12. 環状交差点通行車妨害等
  13. 横断歩道等の歩行者妨害等
  14. 横断歩道のない交差点での歩行者妨害等
  15. 徐行場所違反
  16. 指定場所一時不停止等
  17. 合図不履行
  18. 安全運転義務違反

2. 運転技能検査とは?

運転技能検査完全解説!はこちら

■ 検査の目的

重大な事故を引き起こす可能性が高い運転行動をしているドライバーかどうかを判定するための検査です。
つまり、「この違反をした者は、もしかして運転そのものが危ないのでは?」というリスク評価です。

■ 通知方法

運転免許更新の際に届く「高齢者講習の案内ハガキ」に、運転技能検査の該当有無が記載されています。
(「あなたの違反内容運転技能検査を受けてください」という内容が明記)

■ 対象となる11類型の違反(技能検査の対象)

以下の11種類の違反が「運転技能検査」の対象となります。

  1. 信号無視通行区分違反
  2. 通行帯違反等
  3. 速度超過
  4. 横断等禁止違反
  5. 踏切不停止等
  6. 遮断踏切立入り
  7. 交差点右左折方法違反等
  8. 交差点安全進行義務違反等
  9. 横断歩行者等妨害等
  10. 安全運転義務違反
  11. 携帯電話使用等

3. 両検査の違反対象を比較すると?

両検査で対象とされる違反は一部重なっていますが、目的が異なるため、違反の“意味づけ”が違います。

分類対象となる違反行為意味・解釈
① 臨時認知機能検査のみに該当通行禁止違反
指定通行区分違反
優先道路通行車妨害等
交差点優先車妨害
環状交差点左折等方法違反

環状交差点通行車妨害等
徐行場所違反
指定場所一時不停止等
合図不履行
横断歩道のない交差点における横断歩行者妨害
認知機能の低下によって起きやすい「操作ミス」的な違反
② 運転技能検査のみに該当通行帯違反等
速度超過
携帯電話使用等
踏切不停止等
交差点安全進行義務違反等
危険性が非常に高く、「重大事故の恐れ」が強い行為
③ 両方に該当信号無視
通行区分違反
横断等禁止違反
交差点右左折方法違反等
横断歩行者等妨害等
安全運転義務違反
遮断踏切立入り等
認知機能の問題 + 運転技能の劣化、両方の可能性がある違反

こうして見ると、違反内容の重みや背景が異なることがよくわかります。


4. それぞれの違反の“意味”を考える

  • 臨時認知機能検査対象の違反は、道交法に対する「うっかり」や「判断ミス」が多く、認知機能の衰えを疑われます。
  • 運転技能検査対象の違反は、死亡事故など重大事故につながる危険行為が多く、運転そのものが危険につながりやすい傾向であることを示しています
  • 両方に該当する違反は、まさに「今後重大事故を起こす可能性が高い」また、「すでに判断力も運転技能も低下している」恐れがあると判断されているわけです。

5. 検査の流れや費用について(参考)

項目内容費用
臨時認知機能検査記憶・判断力を確認(紙・タブレット)更新時と同等の検査1,050円
運転技能検査実車走行で運転技能を評価3,650円
臨時高齢者講習(必要な場合)2時間(運転技能・視力検査・講義※通常の高齢者講習と同等の講習)1時間講習(原付・二輪車免許のみの所持者  2,950円
2時間講習(普通免許以上所持者)    6,600円

6. まとめ|違反ひとつで始まる「次のステップ」にご注意を

75歳以上になると、たった一度の違反が“次の検査”を呼び起こす可能性があります。

✅「うっかりしただけ」のつもりが、臨時認知機能検査の通知に
✅「いつものように運転しただけ」が、運転技能検査の対象に

さらに、検査の結果次第では、臨時高齢者講習の受講、医師の診断、そして最悪の場合は運転免許の取消しにもつながります。

とにかく「日ごろから違反のない安全運転を心掛ける」ということ。このことが、余計な検査に該当しないばかりか、運転寿命を延ばすことにつながっていくでしょう。


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