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【ペーパードライバー・初心者】車庫入れのコツ、簡単に入れる方法

JayMantri / Pixabay

あなたは車庫入れできますか?

日頃から運転している人は、車庫入れなんか当たり前にできるはずです。でも免許を取ってから全く運転していないペーパードライバーの方や免許取りたての方にとっては、かなり難しく感じるでしょう。人によっては、ハンドルを回す方向すらわからなくなってしまう方もいらっしゃいます…。

車を1回動かせば必ずどこかに格納しなければならないわけで、「車庫入れができない」ということは、「車を動かすことができない」ということになりますね。

実は教習所のカリキュラムの中に「車庫入れ」については入っていません。教習所によっては技能教習第2段階15項目「特別項目(地域の特性等からみて、必要性の高い運転技能を習得する項目)」の中で「車庫入れ」について教習する場合もありますが、基本的にはありませんし、やったとしても体験だけです。きっとみなさんが車庫入れだと思っているのは「方向変換」と「縦列駐車」のことで、これは車庫入れではありません。しかもほとんどの教習所では、目印教習を行っていて単なる試験対策で、実践向けではありません。

この記事をみているということは、きっと車庫入れに不安があるか、やり方のわからない方なんだと思います。そんな方に向けて「車庫入れ」について解説いたします。

目次

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まずは質問です。

あなたはどこに入れますか?

下の絵のような駐車場があった場合、あなたはA、B、Cのうちどこに入れますか?

答えはありませんが、私ならBCに入れます。
理由は、基本的に車庫入れをする場合は、前進しながらバックしやすい状態に誘導します。Aの場合、駐車場の一番奥側となり、前進して入れやすくするための奥側の余地がありません。仮にAに入れる場合、何度か切り返すか、そもそもこの駐車場にバックで入ってくることになります。もしAしか空いてないのであればそうしますが、基本的に選択肢からは外されます。

もしあなたが、車庫入れに自信のない方なのであればBをお勧めします。何故かというと、入って右側にあるからです。日本の車の場合ハンドルが右側についているため、右の目標物の方が捉えやすく、この中であればBに入れることが最も難易度が低いと考えられます。

では、次の質問です。

車庫入れをする場合、あなたならどのような形に誘導しますか?

では車をBに入れるとして、前進しながら入りやすい形に誘導します。
下の絵の①②③のうち、あなたならどの形に誘導しますか?

これも答えはありません。どれでも入ります。

因みに私なら②の形にします。

因みに一番入れやすいのは①です。まっすぐ下がるだけですから。しかしこれは、前側にかなり広い余地がないとこの形にはできません。先ほどのイラストのような駐車場の場合、狭いスペースに多くの車を止めさせることがほとんどなので、このような誘導はまず不可能です。

次に③ですが、これは前側のスペースが狭い駐車場の場合に適しています。しかしデメリットは、奥側のスペースが広く必要となることです。絵をみていただければわかりますが、①の場合は奥側のスペースは必要とせず、②の場合は1台分くらいの奥側のスペースがあれば足りるのに対し、③の場合だと奥に2台分程度のスペースが必要となります。

というわけで、前側にも奥側にもほどほどのスペースで格納できるため最もデメリットが少なく、コンパクトにできることから私なら②の形にするということです。

車庫入れをするのに必要なこと

車の位置を俯瞰で捉えよ!

運転席に居ながらにして、駐車場に対する車の位置関係を俯瞰(上から見た様子)で捉えることが大事です。まさにこの記事で紹介するために描いた絵は、全て俯瞰です。今車はどの辺にいるのかを、これから紹介する絵をイメージしながら考えるとわかりやすくなるでしょう。

入る側の後輪の動きを理解せよ!

前進でもバックでも車の動きを知る上で最も重要なのは内側の後輪の動きです。基本的には後輪が今どこにあるかで、ハンドルの回し始めや回す量が決まってきます。しかし残念ながら運転席から後輪はほとんど見えません。なので後車輪はイメージしながら感じてください「Don’t  Think  feel!」です。慣れたら見なくても動きがわかりますよ。ただ初めから感じるのは難しいでしょうから、ドアミラーの角度を調節して、動きを正確に捉えるようにすると良いでしょう。

ミラーで全ての流れを掴むべし!

車庫入れ時の車の動きは、基本的にミラーで全てを判断します。もちろんミラーには死角がありますので、100%ではありませんが、ミラーで動きや流れの判断ができると車庫入れの動きが円滑になります。理由は、直接後ろを見ながらハンドル操作を行った場合、片手ハンドルにならざるを得ないからです。ミラーを利用すれば基本的に体は前を向いているため、ハンドル操作にはほとんど影響がなくなります。

これらを踏まえ、誘導の仕方を細かく解説します。

車庫入れのコツ

基本的に車庫入れをする場合は、③の状態(直角バックで入れる方法)か、②の状態(入りやすい角度をつけて入れる方法)のいずれかになります。

直角バック(上の絵③)で入れるポイント

直角バックはまっすぐ前進してきた位置からハンドルを全開に回して入れる手法で、目標の取り方がわかれば、最も簡単な方法となります。しかし前述の通り、かなり奥に進んでゆとりを取らなければならないため、奥側に余地がない場合などは使えません。

直角バックで入れる入れる場合、バックでの車の動きを理解する必要があります。下の絵を参考にしてください。

ポイント1 内輪差くらいの余地をあける

イラストでは横のスペースに車がいないことを想定していますが、車がいた時でも対応できるように右側の駐車スペースから内輪差くらいの間隔をあけるようにしましょう。内輪差とはハンドルを回している状態で前進(または後退)すると内側の前輪が通る位置後輪が通る位置に差が生じます。この内側の前後輪の通る位置の差のことを内輪差と言い、内輪差は最大で約0.9m(概ね1m)ありますので、直角バックであけなければならない内側の間隔(内輪差分の余地)は概ね1m程度となります。

ポイント2 後車輪の中心を角からホイルベース分 前進させ、後方にゆとりを取っておく

・右のミラーで駐車スペースより前に出て後方にゆとりをあけます。「バックで曲がる時の特性」は大回りになってしまう(小回りはできない)ということです。この大回りになる分のゆとりが、ホイルベース分のスペースということになります。
・ホイルベースとは、車の前輪の中心から後輪の中心までの長さのことをいい、乗用車の場合で約2.7mくらいあります。
・まとめると、「前輪の中心から後輪の中心までの長さ(ホイルベース)」「後輪の中心から曲がり角(この場合駐車スペースの右端)までの長さ」が概ね均等になった場所ということになります。

ポイント3 本来はここから動きながら一気に右にハンドルを回していきますが、慣れるまでは「据え切り」を行ってください(「据え切り」とは、止まったままハンドルを回すことで、タイヤの消耗が激しくなるため昔の人は嫌がる回し方)。

その他のポイント

※ご自宅の駐車場であれば、前進した場所にわかりやすい目印を決めておくと良いでしょう。目印がなければ、運転手の肩口が並ぶ位置などに、わかりやすくなるようにガムテープなどを貼っておきましょう。そうすれば次に入れる時からそれを目印にして簡単に入れられるようになります。

※当然一回で入るとは限りません。

・内側(右側)に寄ってしまいそうな場合には小回りし過ぎています。前進でゆとりを取り過ぎたのが原因でしょう。一度元の場所に戻りハンドルを回す時機を少し後ろにずらし微調整するか、上達してきたらバックの途中からハンドルを戻すなどしてもう少し大回りのラインに切り替えましょう。

・外側(左側)に寄ってしまいそうな時は、大回りし過ぎています。ハンドルの回し始めが後ろ過ぎたことが原因でしょう。修正方法は、元の場所に戻って、ハンドルの回し始めをもっと奥側にするか、大回りがわかった時点で左に回して前進します。すると車の向きがまっすぐに戻りながら自然と右に寄っていきます(後でもう少し解説します)。

※外輪差に注意しましょう!
車庫入れをしている場合、どうしても内側ばかりに気を取られてしまいます。しかし車庫入れ時最も危険なのは外側の前です。外側の前車輪は大きく膨らもうとする(外輪差)ので外側の障害物にぶつかる危険が高まります。運転時は常にそうですが一点に集中し過ぎないように絶えず周囲(車の周り360度全て)に気を配りましょう。

入りやすい角度をつけて入れる方法(上絵②)

最もスタンダードな入れ方で、また最も狭いスペースで駐車する場合に有効です。広い場所でも狭い場所でもこれさえ覚えれば問題ありません。

ポイントa まずは駐車スペースの方に寄せます

寄せなくても入れられますが、寄せた方が狭いスペースでの対応が可能となるため寄せるやり方で覚えましょう。

ポイントb ミラーを奥のラインに合わせる

右のミラーを駐車スペースの奥のライン(下の絵赤ライン)に合うくらいの位置で停止(出来る方は車を動かしながら次の行程へ)

ポイントC 左へハンドルを一回転以上回す

ハンドルを左に一回転以上回して左方向に角度をつけます。この時意識するのは右のミラーです。右のミラーには車の右後方が映るため、右の車体の延長線が見えます。わかりやすく駐車するためにはこの車体の右延長戦を駐車スペースの境界線(絵でいう白線)の先端に合わせて停止します(下絵の水色ライン)。

ポイントd できればこの時ハンドルがまっすぐに戻っていると良いでしょう

ハンドルを戻し遅れると、車の後ろ側の方向が右の車庫に向いてしまいます。
逆に戻しが早くても大きな問題はありませんが、若干角度が浅くなり、バックの大回りの特性上より奥側に進まなければならなくなります。

わかりやすくやるには、ポイント通り、白線の先端に会う頃に合わせてハンドルを戻せると良いでしょう。

ポイントe まっすぐ駐車スペースに向かって下がっていきます

ポイントf 右の後車輪位置を見てハンドルを回す

車の動きの中で最も重要なのが後輪の位置を把握しておくことです。下絵のように入りやすい角度をつけることができた場合のハンドル回し始めのポイントは、後輪が間も無く駐車スペースに差し掛かる手前の位置です。絵を見ていただいた方がわかりやすいと思いますが、右の後車輪がもうすぐ赤ラインに到達しそうなのがわかりますか?到達してから回したら遅いので大回りになります。少し見切りで動いた方が良いでしょう。

当然駐車スペースに赤ラインなどありませんし、右後車輪も非常にわかりずらいと思いますが、これを掴めるようになると車庫入れがかなり楽になりますよ。

ポイントg 右の後車輪が駐車スペースに入ってきたら、車が向かう先を予測する

車庫入れをするときは、左右の間隔が均等でまっすぐ入りたいですよね。この左右の間隔が均等になるかどうかを曲がっている段階から予測するのです。これは繰り返しやれば誰でも身につく技術だと思います。因みに下の絵の場合、このまま行ったら少しだけ左に寄りそうなのがわかりますか?バックは内側の後輪(絵の場合は右の後輪)を軸に曲がっていくため、下絵の場合、右の後輪はこれ以上内側に寄ることはありえません。むしろさらに左側に離れていくため、最終的には左側に寄ってしまいます。そうなった場合、修正は次のように行ってください。

ポイントi 外側(絵の場合は左側)に寄りそうな場合の修正方法

下絵のようにまだ車に角度が残っている(真っ直ぐになりきってない)場合はハンドルを逆側(下絵の場合は左側)にいっぱい回して前進します。すると、車は左に向きを変えながら前進することになるので、車の全体は真っ直ぐに(前は左側に後ろは右側に)向くようになるわけです。

左側に寄ったまま まっすぐまで下がってしまった場合は、「幅寄せ」をします。「幅寄せ」は車を横に平行移動することで、物理的に真横には動きませんので前進(及び後退)しながら車を右側に寄せ直します。

ポイントh 右に寄りそうな場合の修正方法

右に寄りそうな場合は、小回りし過ぎている状態なので、後退中ハンドルを状況に応じて戻しながら大回りのラインに切り替えます。戻し過ぎて左側に寄ってしまいそうな場合には、再び右に回して下がり微調節を行ってください。

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おわりに

今回は車庫入れについて解説致しました。

駐車場は、常に同じ形で入れられるとは限りません。今回紹介したような形は、最もスタンダードで入れやすい形と言えるでしょう。駐車場によっては、ものすごい狭かったり、そもそも駐車場にバックで入ってこなければ入れられない場合もあります。あるいは今回紹介していない縦列駐車で入れる駐車場(いつか記事にします)も存在しますが、基本的にはバックでの考え方はどこでも同じなので、基本をしっかり理解して上達を目指しましょう。

初心者やペーパードライバーの方が最もぶつけやすいのが駐車場です。車の動きをしっかり理解して視野を広くとり、あとは繰り返し練習です。

頑張ってください。