高齢者講習

【高齢者講習】認知機能検査 点数の計算方法

70歳以上の方が運転免許更新前に受講しなければならない高齢者講習ですが、そのうち75歳以上の方は講習の前に認知機能検査を受けなければなりません。2017年3月12日に施行された改正道路交通法により、認知機能検査の結果によって受講する講習の内容が2時間講習、3時間講習と分けられるようになりました。

点数は100点満点で、

76点以上の方は、2時間講習(2019年1月時点で5,100円で75歳未満の方と一緒に受講可能)
75点以下の方は、3時間講習(2019年1月時点で7,950円)となります。
また75点以下の方のうち、48点以下の点数を取ってしまうと、記憶力・判断力について医師の診断を受けなければならず(受診費用も高額と聞きます)、認知症と診断された場合は、運転免許が取り消されてしまいます

このため、講習時間数や講習料金の違いはもちろんですが、今後安心して運転していくためにも、また運転に関して家族を心配させないためにも、この認知機能検査でいかに良い点数を取るかが、大変重要となります。

この記事では、認知機能検査の検査ごとの配点と計算方法について解説いたします。

認知機能検査 問題ごとの計算方法

問題1「時間の見当識」

↓↓問題の詳細はこちら↓↓
認知機能検査 問題1「時間の見当識」徹底解説

5つの質問に答える問題で質問の内容によって点数が異なります。

上表の通り、今年は何年かの質問がもっとも配点が高く、平成と昭和を間違えたり、1年でもズレてしまえば5点落とすことになります。

この問題は、すべて正解すれば15点獲得となります。

問題2「介入問題」指定された数字に斜線を入れる問題

↓↓問題の詳細はこちら↓↓
認知機能検査 問題2「介入問題」解説

問題1回答後、問題2に移行する前、16枚のイラストを記憶します。言ってみればその記憶を飛ばすためのトラップ問題です。真剣にやってはいけません。しかもこの問題は正解だとしても採点されませんので真剣にやるだけ損です。

問題3「自由再生」

問題2開始前に記憶した16枚のイラストをヒントなしですべて書き出す検査です。

1問正解ごとに2点加算されるので、16枚のイラストをヒントなしで全て思い出せれば32点(16×2点)となります。
※この場合、問題4で全て回答できたとしても加点はありません。

問題4「手がかり再生」

問題2開始前に記憶した16枚のイラストをヒントを手がかりにして再び16枚のイラストを思い出す検査です。

※問題3で思い出せなかったイラストを回答できれば、その思い出せたイラストごとに1点加点となります。

例えば問題3で16枚中10枚のイラストを思い出せた場合→(正解したイラスト10枚)×2点で20点以上が確定します。問題3で回答できなかった残りの6枚を問題4(ヒントあり)で思い出せた場合→(問題3の点数20点)+(問題4で補ったイラスト6枚×1点)=26点となります。

というわけで、問題3、4の最大合計点数は32点となります。

↓↓問題3問題4の詳細はこちら↓↓
認知機能検査「手がかり再生」(記憶力テスト)徹底解説

問題5「時計描画」

公園や学校などにある ごく一般的な時計を描く検査です。

時計の時間を示す数字に漏れがないか、またそのバランスや針の向き、長さなどが採点の対象となります。
配点は次の通りです。

それぞれの項目が、適正であると判断された場合、1点ずつ加点される為、時計描画の満点は7点となります

↓↓問題5詳細はこちら↓↓

»「時計描画」(満点時計の書き方)

問題ごとの採点まとめ

上の表をみておわかりの通り、この検査100点満点ですが、右の合計点数を全て足しても100点になりません。

実はこの数字でそれぞれの問題ごとの点数を計算し、それを係数に当てはめて最終的な点数を算出します。

総合点の算出方法

総合点は、「時間の見当識」、「手がかり再生」、「時計描画」の3つの検査の点を下の計算式に代入して算出します。

<計算式>
総合点=1.15×A+1.94×B+2.97×C

A=時間の見当識の点

B=手がかり再生の点

C=時計描画の点

なんだかよくわかりずらいので、ざっくり説明しますと

・時間の見当識の点 ×約1点

・手がかり再生の点 ×約2点

・時計描画の点   ×約3点

満点の計算は、15(15×1)点+64(32×2)点+21(7×3)点=100点となります。
一番配点が高いのは、手がかり再生ということになります。ということは、いかに16枚のイラストをしっかり覚えられるかにかかってくるということです。そして時計描画は1ポイント約3点で他の問題よりも1つのミスが大きく響く配点となってます。小さなミスでも間違いがないか2度3度見直しをして凡ミスのないように気をつけましょう。

 

3分類(76点以上で2時間講習)のボーダーライン

これまでの内容で概ね認知機能検査の点数計算方法はご理解いただけましたでしょうか?

最後に「記憶力・判断力に問題がない」とされる76点以上を確実に取るためには、どの問題で何点取らなければならないか。そのボーダーラインについてお話しします。

問題1「時間の見当識」

この問題は、今日の日付と時間を確実に答えるものです。これは絶対に落とさないようにしましょう。検査開始前に時計や手帳などを確認して、この問題の満点である15点は絶対に死守しましょう。

時間の見当識と並んで絶対に落としたくないのは
問題5「時計描画」です。

時計の絵を描く問題です。難しいと感じる方は自宅で何度も練習しましょう。

»満点時計の書き方

ということは、

「時間の見当識」が 15点
「時計描画」が7点

これが絶対条件として、残りは「手がかり再生」で何点取ればいいかということになりますが、

ズバリお答えすると20点です!!20点以上は絶対に取らなければなりません。

ということは、問題3「自由再生」で10枚の絵を思い出せれば、総合点数76点以上が確定となります。
仮に「自由再生」で6枚しか思い出せなかった場合、問題4「手がかり再生」でその他 答えられなかった8枚の正答を出す。「自由再生」7枚正答なら「手がかり再生」は6枚、「自由再生」8枚なら「手がかり再生」4枚、9枚なら2枚、という感じで10枚で76点以上はほぼ確定となります。

A「時間の見当識」15点
B「手がかり再生」20点
C「時計描画」7点

総合点=1.15×A+1.94×B+2.97×C

ですからこれで76点のボーダーラインとなります。

まとめ

今回は認知機能検査の点数計算方法にについてまとめてみました。ボーダーラインの件では76点以上という内容で書きましたが、実際は49点以上が本当のボーダーラインです。48点以下の点数を取れば、免許更新どころか、取り消しの危険が迫ってきます。

この記事を読んでいる方で、なおかつ体調などが万全であるにも関わらず、48点以下の点数になってしまった場合はもしかしたら黄色信号が灯っているのかもしれません。認知機能検査については、いくつかの記事にまとめましたので、是非ご参照いただいて、末長く優良ドライバーであり続けていただければ、嬉しく思います。

【高齢者講習】認知機能検査 問題1「時間の見当識」徹底解説

70歳以上の方が運転免許を更新する際、必ず受講しなければならない高齢者講習。さらに75歳以上の方は、高齢者講習の前に認知機能検査を受け、その結果(点数)により受講する講習の時間や内容が異なります。

認知機能検査の結果(点数)は100点満点のうち76点以上で2時間講習(5,100円)、76点未満だと3時間講習(7950円)、また49点未満だと医師の診断が必要となり認知症と診断されれば、運転免許は取り消されます。よって、認知機能検査でいかに良い点を取るかが重要ということになります。

ここでは認知機能検査 全5問のうち、一番初めの問題である「時間の見当識」について解説します。

認知機能検査問題1「時間の見当識」出題内容

まず認知機能検査開始時には、いくつかのルールが説明されます。このルールが問題1を回答する上で厄介なポイントとなります。

認知機能検査受験時のルール

1、腕時計と携帯電話は音がならないようにして、カバンかポケットにしまう。

2、質問があれば手をあげて聞くこと。

3、回答中は声を出してはいけない。

4、指示があるまで用紙はめくらない。

5、年数に関する質問は、西暦でも和暦でもどちらでも良い。

6、書き方は、漢字・カタカナ・ひらがなのうち何でも良い。

7、消せないボールペン等を使用するため訂正は二重線で行うこと。

 

このような注意点の説明を受けたのち、問題1が出題されます。

問題用紙1

上記出題内容の通り、5つの質問が出題され、わからなくても良いので空欄とならないように回答せよというもの。
説明後、回答用紙をめくり5つの質問を確認します。

 

回答用紙1

内容はものすごいシンプルで

1、今年は何年ですか?

2、今月は何月ですか?

3、今日は何日ですか?

4、今日は何曜日ですか?

5、今は何時何分ですか?

という質問に対して一つずつ回答していきます。
制限時間は、概ね3分となりますが、受検者全ての方が記入が終わった段階で、打ち切られる場合があります。
これに3分??と感じる人もいるかもしれませんが、高齢の方には手が震えてまともに字が書けない方や字を書くスピードが極端に遅い方も多く、3分でも足りない場合があります。
また、日頃からカレンダーを気にせず生活されている方や曜日に縛られず働いている方などにとっては、かなり難しい問題と言えます。認知症でなくても答えられない人もいるのでは?

本検査の目的

現在の自己及び自己がおかれている状況を検査するもので、時間の見当識は、受検者が自らおかれている時を正しく認識しているかについての検査であるということ。

認知症患者の多くは、現在「何年」「何月」「何日」「何曜日」「何時何分」なのかが、自分が何をしているのかさえわからなくなってしまう傾向があり、検査としての妥当性があると言えます。

この問題の配点については後ほど触れるが、回答に多少の誤差があっても結果に大きく影響するものではないが、全くズレた回答をすれば認知症の疑いがあると判定される恐れもあり、特に「何年」についての質問は配点が大きくなっているため、慎重に回答されることをおすすめします。

本検査の配点

「今年は何年ですか?」 5点

「今月は何月ですか?」 4点

「今日は何日ですか?」 3点

「今日は何曜日ですか?」2点

「今、何時何分ですか?」1点

合計15点となっています(実は実際の点数は15点×約1点(係数)であり、全て誤答だった場合は15点以上の減点となる。)。

上の問題から下に向かって配点が低くなっているため、特に配点が大きい「何年」について慎重にあるべきとはこういうことであります。

誤解答例

上から4問(「何年」「何月」「何日」「何曜日」)については少しでもズレていれば誤答となりますので、例えば正答が2019年だった場合間違えて2018年と回答すれば、5点失うということです。

また、5つ目の「何時何分」については、30分以上のズレで誤答となりますので、仮に9時35分が正答のところを9時05分と回答すれば30分のズレがあるため誤答となります(9時6分と回答すれば正解になる。)ので1点失います。検査中は時計を外さなければならないのでしっかり時間の確認はしておきましょう。

今まで私が見たことのある珍回答は、

「何年」の質問に対して→干支で回答した場合は誤答。圧倒的に多いのは検査前などに記入する申請用紙などは、生年月日を記入してもらっているため、「昭和」で誤答となっている場合が多いです。また2019年以降新元号となるため、西暦で記入する方が無難と言えるでしょう。
また、以前「皇紀」で記入された方もいらっしゃいました(※皇紀とは、日本の紀元を、日本書紀にしるす神武天皇即位の年(西暦紀元前六六〇年)を元年として起算したもので、例えば2019年は、皇紀2679年となる。ちなみに零戦の名前は1940年(皇紀2600年)制式採用となったいわゆるニーロクゼロゼロ年からとってゼロ戦と呼ばれた。)。運転免許本部に確認したところ皇紀の年数が合っていたため正答となったということもありましたが、余計な冒険はしないで素直に回答しましょう。

 

まとめ

基本的に間違えにくい問題1ですが、慣れない環境の中での検査なので、舞い上がってしまい間違えてしまっているケースも多いようです。検査を受ける前には気持ちを落ち着かせて、時計を外す指示がある前にもう一度今日は「何年」「何月」「何日」「何曜日」でそして今「何時何分」か、よく確認しておきましょう。

 

»問題2 介入問題 指定した数字に斜線を引く問題について解説

»認知機能検査 点数の計算方法 認知症のボーダーラインは何点?

【高齢者講習2019】認知機能検査、徹底解説!問題2

70歳以上の方が受講しなければならない高齢者講習。特に75歳以上の方は、高齢者講習を受講する前に認知機能検査を受験しなければなりません。その結果によって受講する高齢者講習の内容や料金が異なりますし、結果によっては病院で行う認知症検査を受診しなければならず、そこで認知症と診断された場合は、運転免許の停止や取り消しの対象となるので、教習所で行う認知機能検査は、まさに第一関門、しっかり良い点数を取っておきたいところです。

この記事では、認知機能検査で良い点数を取るために問題ごとにその詳細について解説を行います。

その中で今回は介入問題「問題用紙2」。指定された数字に斜線を引くという単純作業です。正確に素早く判断や作業ができるかという検査になりますが、、、

先に言っておきますが、この検査は本気でやってはいけません

問題は、たくさん出てくる数字のなかで指導員から指定された数字のみを探し出し上の例のように斜線を引いていきます。

注意点は、必ず左上の数字から右に向かって探していきます。また、1行目を確認し終わったら順次2行目3行目と探していき最終的に表の中全ての数字を見ていきます。

この作業を2回行いますが、1回目は2つの数字、2回めは3つの数字に斜線を引いていきますので、この検査が終わった時には、合計5つの数字に斜線が引かれることとなります。制限時間はそれぞれ30秒。素早さと正確さが求められます。

問題は、上表のように10×10の合計100個の数字から探し出します。
始めは、2つの数字が指定されますから、例えば、「2」と「3」の数字が指定された場合、このように斜線が引かれます。

次に3つの数字が指定されます。今回は、「5」「6」「9」だったとすると、
検査は同じページで行いますから、このようになります。

始めに行った「2」「3」の2種類と合わせて「5」「6」「9」の3種類が加えられ合計5種類の数字に斜線が引かれている状態で検査終了です。

この検査は、冒頭にもお伝えした通り、本気でやってはいけません。数字に斜線を引いていくとういう単純作業ですが、この検査の最大の目的は、問題用紙1(時間の見当識)を行った直後に記憶した16枚の絵を忘れさせるためのもの。残念ながら一生懸命斜線を引いても採点されません

そしていよいよこの検査の後、問題用紙3(手がかり再生)で記憶した16枚のイラストを思い出す検査を行います。

»【高齢者・認知機能検査】問題3 記憶力テスト、「手がかり再生」完全解説

»認知機能検査 点数の計算方法 認知症のボーダーラインは何点?

【高齢者・認知機能検査】時計描画、満点時計の描き方

70歳以上の方が運転免許更新の前に必ず受けなければならない「認知機能検査」は現在の日時を答えるものから、16枚のイラストを記憶するものなど、全部で5つの問題が出題されます。その中で最終問題となるのが「時計描画」。内容はその名の通り、時計の絵を描くという単純作業になります。時計といっても特殊なものではなく、学校や公園などにあるようなごく一般的な時計を描きます。

認知機能検査 問題5「時計描画」

「時計描画」描き方 解説

1、最初に文字盤を描いてもらうということなので、問題文の通りページいっぱいとなるような大きな円を描きます。

2、次に円の中に時計の数字を書き込みます。この時に注意したいのは、なるべくバランスよく数字を配置させます。
当たり前のことかもしれませんが、まずは、12、3、6、9という具合に「3」の倍数を先に書くことがコツです。

3、間の数字を書きもらすことないように気をつけてください。最後に中心点を決めておきましょう。

4、ここまでできたら、検査員が「時間」を指定するまで待ちます。先走って時間も聞いてないのに針を書き込まないでください。

記憶の問題同様、時間の指定は、AパターンからDパターンまでの4パターンあります。

パターン別「時間」の指定

Aパターン

11時10分

※ありがちなミスとしては、10分の針を「2」ではなく、「10」に指してしまうことです。単純ミスですが、検査という緊張した場面だとやってしまうことがありますのでご注意ください。

Bパターン

1時45分

※ポイントは、もうすぐ2時だということです。時間を示す針(短針)が「1」と「2」の間に向くように描きましょう。1時なので「1」の方に向かわせないように描いてください。

Cパターン

8時20分

※4つのパターンの中では最も間違いの少ないパターンです。

Dパターン

2時45分

※Bパターン同様になりますが、ポイントは、間も無く3時ということです。短針の示す方向が「2」と「3」の間に来るように意識してください。

時計描画、その他の注意点

1、文字盤を描く際、「1」から「12」までの数字をバランスよく描きますが、
(1)「1」から「12」以外の数字を描かないようにしましょう。途中数字が抜け落ちることがないように気をつけてください。
(2)バランスよくとありますが、配置のバランスが悪くても減点となります。
(3)「12」の所に「0」と描いてしまう方が多いですが減点の対象となるので気をつけましょう。
(4)24時間時計で描かないように、12時間時計で描いてください。
(5)針を何本も描かないように長針と短針の2本だけを正確に描いてください。
(6)下の絵はAパターンの「11時10分」を描いたつもりです。何かおかしな点に気付くでしょうか?
そうです。長針と短針の長さが入れ替わっています。これだと「1時55分」に見えますね。この間違いが最も多くなっています。

時計描画は最も配点が高い!!

48点以下「第1分類(認知症の疑いのある方)」の方でも時計描画の正答率は非常に高くなっています。しかし、時計描画の配点が最も高く、この問題で間違えてしまうと、全く認知症の疑いのない(76点以上でその後行う高齢者講習では2時間講習となる)方でも低い点数(75点以下)となってしまい、3時間講習に該当してしまうことも多いです。

一つ一つの作業を確実に行い、
「1」から「12」までの数字を適切な配置で描いているか。
針の指している方向や長さは適切か。
よく見直してください。

»認知機能検査 点数の計算方法 認知症のボーダーラインは何点?

【高齢者・認知機能検査】記憶力テスト、「手がかり再生」完全解説2019年版

70歳以上の方は運転免許更新前に「高齢者講習」を必ず受講しなければなりません
特に75際以上の方は「高齢者講習」の前に「認知機能検査」を受け、その結果によりそれぞれ講習の内容が異なります。

「認知機能検査」の点数は、3つに分類され、
76点以上2時間講習(5,100円)
75点以下3時間講習(7,950円)となりますが、
さらに48点以下の場合は、更新前に医師の診断を受けなければならず、「認知症」と診断された場合は、運転免許を取り消される場合があります。

認知機能検査の結果が48点以下の方の多くは、警察官や医師、または家族の説得により運転免許を諦め、返納せざるを得ない状況となっています。

↓詳しくはこちら↓
【高齢者講習】認知症の人ってどのくらいいるの?

したがって、運転免許継続を希望される方は、「認知機能検査」が最初の関門となる為、ここで良い点数(76点以上)を取ることが、安心して免許を継続するための絶対条件となってくるのです。

認知機能検査で良い点数を取るためには、問題3と問題4の「手がかり再生」検査でいかに良い点数を取れるかが、大きなポイントになると言えます。

手がかり再生とは

手がかり再生とは、記憶力テストのことで、高齢者の方の多くはこの検査の出来によって、その後の講習内容が左右されるほど、絶対に落とすことはできない重要な検査となっています。

内容は、
「これから一度に4枚ずつ、計16枚の絵をお見せします。
あとで何が書いてあったか答えていただきますので、全て覚えてください。」

ここで記憶した絵を後ほど行う検査の中で回答するものです。言ってみれば、問題の答えを先に見せるのでそれを記憶し、後に出てくる問題で全て回答してくださいということ。

イラストは、4つのパターンがありますが、当日の検査ごとにパターンが異なるため、どのパターンが出題されるかはわかりません。16種類×4パターンで全部で64種類ありますので、全て覚えられれば、検査の結果は、100点満点間違いないでしょう。
しかし、これら全てをしかもパターン別に記憶して臨むのはかなり大変な作業で、そもそも64種類全て覚える能力があれば、その時点で認知症ではありません。

それでは、100点を取りたい方の為にどんなイラストがあるかを完全紹介します。

手がかり再生、4パターン完全公開!

パターンA

・大砲(戦いの武器)・オルガン(楽器)・耳(体の一部)・ラジオ(電気製品)
・てんとう虫(昆虫)・ライオン(動物)・たけのこ(野菜)・フライパン(台所用品)
・ものさし(文房具)・オートバイ(乗り物)・ぶどう(果物)・スカート(衣類)
・ニワトリ(とり)・ばら(花)・ペンチ(大工道具)・ベッド(家具)


Bパターン
・戦車(戦いの武器)・太鼓(楽器)・目(体の一部)・ステレオ(電気製品)
・トンボ(昆虫)・うさぎ(動物)・トマト(野菜)・ヤカン(台所用品)
・万年筆(文房具)・飛行機(乗り物)・レモン(果物)・コート(衣類)
・ペンギン(鳥)・百合(花)・カナヅチ(大工道具)・机(家具)


Cパターン
・機関銃(戦いの武器)・琴(楽器)・親指(体の一部)・電子レンジ(電気製品)
・せみ(昆虫)・牛(動物)・トウモロコシ(野菜)・ナベ(台所用品)
・ハサミ(文房具)・トラック(乗り物)・メロン(果物)・ドレス(衣類)
・クジャク(鳥)・チューリップ(花)・ドライバー(大工道具)・椅子(家具)


Dパターン
・刀(戦いの武器)・アコーディオン(楽器)・足(体の一部)・テレビ(電気製品)
・カブトムシ(昆虫)・馬(動物)・カボチャ(野菜)・包丁(台所用品)
・筆(文房具)・ヘリコプター(乗り物)・パイナップル(果物)・ズボン(衣類)
・スズメ(鳥)・ひまわり(花)・ノコギリ(大工道具)・ソファー(家具)


例えばパターンAであればこんな感じで始まります。
「これは、大砲です。」
「これは、オルガンです。」
「これは、耳です。」
「これは、ラジオです。」

まずは1ページ4つずつ絵を紹介していきます。
その後、「私から質問をするので、みなさん声を出して答えてください。」と言われ、一つずつ質問されます。

「この中に体の一部がありますが、それはなんですか?」
そうしたらあなたは「耳です。」と大きな声で答えてください。

「それでは、この中に電気製品がありますが、それはなんですか?」と聞かれたら
「ラジオです。」と答えます。

この調子で1ページ4つずつ計16枚の絵をヒントから答えてもらう作業をしていただきます。

因みに先ほどのイラスト紹介にカッコ書きがあったと思います。【例、大砲(戦いの武器)】
これは、大砲が絵の名前で、カッコ内はその絵を示すヒントです。

問題3 自由再生(ヒントなしで16枚の絵を思い出します)

回答用紙3では先ほど覚えていただいた16枚の絵をヒントなしで回答していただきます。

書き出す順番は、覚えた順番ではなく、思い出した順番で構いません。また書き方は漢字でもカタカナでもひらがなでもなんでも構いませんが、前にドイツ語で書かれたことがあり、正解かどうか調べるのに苦労した経験があります。

また似てるものを書いても誤回答となる場合があるので、検査官の言ったその通りのものを書くようにしましょう。

誤回答例

・大砲◯ 鉄砲❌
・万年筆◯ ペン❌
など

問題4 手がかり再生(ヒントありで思い出します)

 

回答用紙4では、先ほど紹介したヒントが左側に書かれているので、そのヒントを手掛かりにして、再び全ての絵を思い出してもらう問題です。

戦いの武器なら 「大砲」
楽器なら「オルガン」という具合です。

問題3、問題4の配点

問題3のヒントなしでの回答は、正答だった場合、1問につき2点となるので、全て正解した場合で32点となります。

問題4は、手掛かり再生で、問題3で回答できなかった絵を回答できれば、1点加点されます。

例えば、問題3で10個の絵を回答できた場合、10×2で20点となりますが、問題4で回答できなかった残りの6つを補うことができれば6点が加算される為20+6で26点となります。

因みにまた別の記事でも紹介しますが、この検査で20点以上取らなければ、2分類又は1分類(3時間講習 7,950円)が確定となる為、いかにこの問題で良い点を取れるかが最も重要でありますので、事前に予習することができるのなら是非オススメしたいと思います。

 

»問題5「時計描画」満点時計の書き方!!

»認知機能検査 点数の計算方法 認知症のボーダーラインって何点?

 

【高齢者講習】高齢者も大変だけど教習所も困ってる

近年、高齢ドライバーによる交通事故が社会問題となっています。
「ブレーキとアクセルの踏み間違い」「高速道路の逆走」などの操作ミスや判断ミス。また認知症が原因と思われる通常では考えられないような重大事故が、連日のように報道されています。
交通事故死者数が減少する一方で、高齢者が関わる死亡事故は急増

こいった背景から、平成29年3月より教習所で行う高齢者講習が強化されました。以前よりも高度で合理的な講習内容となり、高齢ドライバーによる交通事故の抑止率を高めることと、免許証の返納率を高めることが大きな狙いと言えるでしょう。

この法改正により、75歳未満の高齢者は、3時間講習から2時間講習へと短縮されたため、講習時間だけでなく料金も安くなりメリットの強い改正だったと言えます。

しかし75歳以上の方にとっては、これまでは認知機能検査当日に講習が受けられていたものが、認知機能検査後新たに講習の為の予約を取り直し、別日に講習を受講しなければならなくなりました。また講習内容も認知機能検査の結果次第では2時間講習(5,100円)と3時間講習(7,950円)に分けられ、年金生活の方にとってはかなり苦しい法改正(改悪?)になったと言えるでしょう。

運転免許の更新については、ゴールド免許であっても71際以上の方は免許の有効期限を3年しか受けられず、認知症でもなく、無事故無違反の方にとっては、何のメリットもない講習であるわけです。因みに違反をされてる方(試験場でないと更新手続きができない)にとっては本講習が違反者講習を兼ねているので、講習後警察署でも更新手続きが可能となり多少メリットはあります。

法改正後、高齢者講習の受講料が上がったんだから教習所はさぞ儲かっているだろうと思いませんか?

実はそんなことありません。

というわけで、今回は「高齢者講習の法改正によって教習所も困っている」という話をしたいと思います。

高齢者講習の問題

講習料金

講習料金については平成31年1月現在、
75歳未満の方は5,100円(2時間講習
75歳以上の方は認知機能検査750円(結果まで含めて約1時間)で
5,100円(認知機能検査の点数が76点以上の方、2時間講習

7,950円(認知機能検査の点数が75点以下の方、3時間講習
と非常にお高い設定ではあると思いますが、
しかし1時間毎の売り上げで考えると、指導員1人につき受講者が1人だった場合で2,550円、2人だった場合で5,100円、3人だった場合で7,650円となります。
また認知機能検査にいたっては、1人で10人まで受け持つことができますが、10人行なった場合で7,500円の売り上げとなります。

しかし、講習の裏では、講習時間前の会計や事務処理などの時間は含まれていませんし、また予約の突発的なキャンセルもあります。因みに通常の教習業務であれば、1時間につき普通車教習で時間単価で4500円以上に設定している教習所が多く、車種によっては、1時間あたり10,000円以上のものもあるので、高齢者講習の生産性の低さが窺えます。普通の教習をやってた方が儲かります。

しかも、都道府県によっては、教習所の売り上げとして100%計上できる場所もあれば、何%か行政に持っていかれる「県」もあるようなので、全国で統一した仕組みづくりが求められるところです。

であれば「講習料金をあげるべき?」という意見もありますが、これ以上年金生活の人からお金を徴収することも難しく、私はお金を上げることよりももっと少ない人員で多くの方が受講できるような講習の簡略化が望ましいと思っています。

講習時間

講習時間も教習所関係者の間では大きな問題となっています。

理由は、

教習時限は50分に対し、
高齢者講習時間は、60分単位になっているため、指導員の休み時間がなくなってしまうということです。

通常の教習では、インターバルの10分間の間にトイレやタバコを済ませ、次の時間の準備にあてますが、講習時間は60分毎に設定されているため、休む間も無くすぐ次の講習や教習を行わなければなりません。教習所によっては休み時間を取らせない時間設定になっていると聞きます。また、休み時間を作ったとしても通常の教習とは10分ずつの時間差が生まれ、講習担当者は、タイミングよく教習業務に移動できないという問題があるんです。

今となっては後の祭りですが、高齢者講習というものは、そもそもほとんど教習所で行なっているわけですから、教習所のカリキュラムに沿った仕組みづくりを検討すべきでした。

担当者の人数と資格

担当者の数は、
1人の担当者につき受講者3人までで最大12人の方が一回の講習で受講できます。
また、認知機能検査では、最大15人(指導員は2人)までしか受検できません。

それ以外にも会計や事務処理を行う者、また認知機能検査では採点要員(原始的な採点方法により時間がかかる)など、一回の講習で多くの職員が動いています。教習所によっては高齢者講習に多くの職員を従事させ、本来の仕事である通常の教習業務に人手が足りなくなり、予約が取れなくなっている教習所もあるそうです。

また講習を担当できる指導員は高齢者を実施するための資格が必要で、その資格取得には茨城県ひたちなか市にある中央研修所に派遣され泊まり込みで取得しなければならず、当然そこにも経費がかかります。

どの業種もそうかもしれませんが、教習所業界は今や人手不足が大きな問題で、資格を取らせてもやめてしまったり、そもそも職員の数が少ないので高齢者講習に人を回せないなど、近年の道交法改正によって仕事量は増えているのに職員数や売り上げは増えないという超悪循環に陥っています。そういった意味で高齢者講習に大きく力を注ぐことのできない教習所ばかりなので、高齢者の間では予約が取れないといった声も多く出ている現状であります。

予約を取ってあげられない

前述の通り、予約を取れないのには理由があります。

そもそも教習所のキャパシティを計算せずに見切り発進気味の法改正だったため、はっきりいってパンクしてます。

新潟県など独自の方法で予約がスムーズに取得できる仕組みを取っている都道府県もありますが、東京や愛知県を始め多くの場所では、講習の予約が3ヶ月待ち4ヶ月待ちが当たり前の状態になっています。

また高齢者講習の予約が取れないという理由で免許を失効される方が続出しています。もちろん失効すればその間は運転できなくなります。
因みに失効しても半年以内に更新手続きを完了すれば、免許は戻ってきますが…。

この状況を見て警察庁が何も手を加えないのが不思議でしようがありません。

法律を改悪し、自らの失態を隠すかのように傍観しているように思えてなりません。

講習内容

講習内容にもいろいろ問題がありますが、

今回は運転実技の中身に触れておきます。
運転講習は、S字やクランクなどの技術的なことから法規走行などを実施します。

高齢者の方も50年の運転経験があるわけですから、それなりにプライドもあります。あくまでも講習であって教習ではありませんので、95%以上の方は仮免も取れないくらいの運転能力なのが残念ですし、こんな人たちが同じ道路を使っていると思うと、怖くてたまりません。

もちろん最後の講評ではプライドを傷つけないようにアドバイスをさせていただきます。

問題なのは、こんな狭い教習所で、一時停止を守らない高齢者と免許も持っていない教習生が共存しているわけですから事故を起こさない方が難しい。それを気を張って事故が起きないように最善を尽くしているんです。

 

まとめ

そのほか、高齢者講習に関わる教習所の苦悩を挙げればキリがありません。例えば、予約の電話が長すぎてなかなか切ってくれないとか、やりたくもない講習に来てるので何かあるとすぐにキレるおじいちゃんとか、たまに講習中お漏らしする方も…。

この記事は、教習所に携わる方が見ていただいた方が共感を持っていただけるかもしれませんが、本心から言うと是非高齢者の方に一読していただきたい内容であります。

警察庁も今後、このような様々な意見を精査し、改善を目材したいと言うコメントを発表しているということです。

高齢者講習は、安全安心の交通社会実現の為に欠くことのできない講習です。

私たちも免許を更新する以上、いつか必ず受けなければなりません。免許を持つ全ての方に関わる話、また高齢者の事故防止は自らの身をも守るという深いテーマであることは、全ての方が共有し、もっとよく話し合っていかなければならないものだと思います。

 

【高齢者講習】認知症の人ってどのくらいいるの?

認知機能検査とは

昨年(平成29年)の3月より「認知機能検査」が強化されました。

認知機能検査とは、
75歳以上の高齢ドライバーが受けなければならない「記憶力・判断力」を確かめる為の検査で2種類あります。それぞれ検査内容は同じですが、受けなければならない状況が異なります。

1、「更新時認知機能検査運転免許の更新の前までに教習所または一部の公安委員会で行います。

2、「臨時認知機能検査」75歳以上の方が一定の交通違反をした場合に公安委員会で行います。

»臨時認知機能検査、臨時高齢者講習とは

点数の範囲は3つに分類されます。結果は、100点中何点だったかによってその後受けなければならない講習等の内容が異なります。
↓詳しくはこちら↓
70歳以上の運転免許更新、高齢者講習の具体的内容

 

このうち、第1分類(48点以下)に該当した場合は、医師の診断が必要となります。
また診断の結果が「認知症」となった場合は、運転免許が取り消されることがあります。

認知機能検査の実施結果(平成29年3月12日〜平成30年3月31日)

2,106,477人      認知機能検査受検者数

57,099人 (2.7%)     第1分類(認知症の恐れあり)と判定された者

41,486人 (1.9%)  臨時適性検査(専門医の診断)の通知又は診断書提出命令を受けた者

16,470人 (0.7%)  医師の診断を受けた者

1,892人     (0.08%) 免許の取り消し・停止を受けた者

【参考】
4,736人          その他の警察活動などを端緒に診断を受けた者
1,318人          内、免許の取り消し・停止を受けた者

少しわかりづらいのでまとめると

認知機能検査を受験した人は、2,106,477人。
その内、3,210人が取り消し・停止になったということです。
(因みにその他、4,517人が運転免許を失効、16,115人が自主返納したそうです。)

法改正の結果、運転を引退されるかたも多く存在するということです。

運転免許の自主返納は過去最多

私も認知機能検査を行う検査員として従事しておりましたが、第一分類(48点以下)の結果だった方は、その検査内容から、かなりの体調不良か、検査環境の悪さがない限り、記憶力や判断力の衰えを自ら、若しくは家族の方からの説得により自覚すべき点数だと思います。

もちろん中には車が無いと生活できないという環境の方も多いようですが、何かあってからでは遅いのです。生活の為の足を失うこと以上に苦しい日々が待っている可能性があります。

また、自主返納された方には、本人確認証として効力のある運転経歴証明書が交付され、バスやタクシーの割引が受けられるなど特典もあります。

平成29年の1年間に運転免許を自主返納したドライバーは(若年層を含め)4.2万人を超え、過去最多だったことが警察庁のまとめで分かりました。そもそも昨年の道交法の改正により高齢ドライバーへの法律が厳しくなったのも安全運転に対する意識づけだけでなく、運転免許の返納を促す為であることは、明らかであります。

65歳以上の方の7人に1人は認知症と言われている現在、このペースでいくと2025年には5人に1人になると見込まれております。

この記事を書いている私自身もいつ認知症になるか分かりません。

もし、あなたがご家族から免許を返納しなさいと言われた時に素直に受け入れられますか?

何が自分や家族のために一番大事なことなのか

「明日は我が身」ではありませんが、この「認知症」と「運転」についてしっかりと向き合っていかなければならないと思います。

 

70歳以上の運転免許更新、高齢者講習の具体的内容

2017年3月12日に施行された改正道路交通法によって、高齢者講習の内容が大きく変わりました。
また、講習料金も年々増加傾向にあり、2019年1月現在

75歳未満  5,100円
75歳以上  5,850円〜8,700円(内、認知機能検査750円)

となっており、通常の更新手数料に加え、講習料金も支払わなければならないので、運転免許更新時の高齢者に対する負担は大きくなってきております。

運転免許の更新に際し、不安や不満に感じている高齢者の方も多くいらっしゃると思いますので、私独自の視点で高齢者講習の実態や対処方法を説明させていただきたいと思います。

高齢者講習の歴史

歴史といってもまだまだ浅いですが、高齢者講習は、1980年代後半に全国で任意参加で始まりました。そして1998年(平成10年)から義務化され、開始当初は75歳以上の方限定でしたが、2001年(平成13年)より、70歳以上に引き下げられました。また、75歳以上の方が受けなければならない認知機能検査は、2009年(平成21年)6月から義務付けられ、2017年3月より高度化・合理化による講習がスタート。これにより年齢や認知機能検査結果による講習内容が細分化されました。

2018年現在の高齢者講習内容

75歳未満の方認知機能検査の結果が76点以上の方2時間講習となります。実際に行う項目の順番は教習所や行う時間帯によって異なりますが、基本的にこのような流れで行います。

※講習料金は5,100円(認知機能検査代750円は別途負担)

機能検査の結果が75点以下の方は3時間講習となります。

2時間講習の内容に加え、運転実技の際に撮影するドライブレコーダーの映像を使用し、ご自身の運転を確認していただきながら個別に指導を受けます。その後30分は視聴覚教材を用いて講習の意義についての認識を深めてもらいます

運転実技の内容

いずれの講習でも運転実技を心配される方(特に女性)が非常に多い印象を受けますが、あくまでも講習であり、試験ではない
ので安心して運転していただきたいです(免許取って以来全く運転してないという方にも運転体験していただきます。)。

具体的な内容は教習所ならではのもの、例えばクランクやS字はもちろん、方向変換、段差への乗り上げ(急発進の体験)を行う場合もありますし、8の字型に走行する体験を行う場合もあります。実は教習所によって若干内容が異なります。

こういった課題走行するのに加え、特に注目されるのは、認知機能が低下した場合に行われやすい、交通違反や運転操作する恐れがないかであります。具体的には、
1、信号に従っって走行しているか
2、一時停止の標識を確認しているか、または停止線までに確実に停止しているか、二段階停止をしているか
3、進路変更時、合図や確認、適切な走行速度を選び操作できているか
4、カーブの走行が円滑であるか

特に一時停止場所での一時停止ですが、私の行った講習では70%以上のかたが確実な停止が行われていない結果が出ているように感じます。

前述の通り、講習の結果如何で更新に影響するものではありませんが、自らの運転を見つめ直すいい機会として考えていただければ良いと思います。

適性検査(視力検査)の内容

視力検査では、更新時に行う静止視力だけでなく、
動体視力
視野検査
夜間視力
の検査を行います。

動体視力は、50メートル前方から時速30kmで近づいてくる指標にいかに早く回答できるかを検査するもので、反射神経も要求されます。

視野検査は、前方一点を注視している状態で、左右何度まで視野があるかを計測します。

夜間視力は、30秒間明るい光に目を慣らせたのち、突然暗くなった場合に一体何秒で暗闇に順応できるか、また夜間走行を想定し、対向車のヘッドライトを目に受けながら暗闇をどの程度認識できるかを検査します。

いずれの検査も運転中必要な視力で、50代以降を境に急激に低下してしまう視力について理解を深めていただく為のものであります。

 

まとめ

今回は、現在大きな問題となっている、高齢者講習について、その歴史や実際にどういうことが行われているかについて触れてみました。高齢者講習を担当していると、不安で昨晩は寝付けなかったというような声も多く聞きます。

「どんなことやるのか」、また「教官がものすごい怖いイメージがある(今だに怖い教習所もあるようだが…。)」

そんな不安の声にお応えすべく、これからもシリーズ化して、

・高齢者講習の予約が取れないという問題について
・認知機能検査必勝法
・高齢運転者の実態について
・高齢者講習の未来予想図を考える
・高齢者講習の裏話等

いろんなお話ができればと思っていますので興味のある方、特に間も無く高齢者講習を控えている方は、ぜひご覧いただきたいと思います。

【高齢者講習認知機能検査】認知症の人ってどのくらいいる?