【教習指導員の見解】マイナ免許(運転免許証一体型)に今すぐ切り替えるべきか?

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雑談

次の免許更新で、「通常の免許証のままにするか?」「マイナンバーカードと一体型にするか?」――悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

2024年1月から本格的に導入が始まった「運転免許証とマイナンバーカードの一体型(通称:マイナ免許)」ですが、利便性が大きく向上する一方で、まだまだ注意すべき点も多くあります。

この記事では、現役教習指導員の立場から、マイナ免許のメリット・デメリットや、**どんな人が切り替えるべきか?**について、実務レベルでの所感を交えて解説していきます。


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■ マイナ免許のメリット(利点)

まず、マイナ免許にすることで得られる主なメリットを整理してみましょう。

1. 免許更新がオンラインで完結

ゴールド免許の方は、更新時講習を自宅でオンライン受講できます。警察署や免許センターに行かずに済むため、時間と手間を大幅に省けます。

2. 更新手数料が安くなる可能性

一体型免許への移行によって、今後は更新手数料が低く抑えられる見込みです(現在は都道府県ごとに異なりますが、簡素化の方向へ)。

3. ワンストップサービスが便利

住所変更・氏名変更などの各種手続きをマイナポータル上で完結でき、情報は自動的に免許情報にも反映されます。窓口に出向く必要がなくなるのは大きなメリットです。


■ マイナ免許の注意点・デメリット

では、一体型にした場合のデメリットやリスクについても、現場の視点からしっかりと見ておきましょう。

1. 海外では通用しない

国際免許証の発行や、海外で車を運転する予定がある方は要注意です。一体型免許は国内専用であり、国外での使用には向いていません。海外渡航の直前に慌てて通常免許に戻す、というのは非現実的です。

2. 物理的な免許証が必要な場面がまだ多い

一部のレンタカー会社やカーシェア事業者では、マイナ免許のIC読み取りに未対応のケースがあります。また、運転免許証をそのまま提示する必要があるシーン(高齢者講習の受付など)も依然として存在します。

3. iPhoneアプリとの連携は未対応

2025年6月から、マイナカードはiPhoneの「Apple Wallet」に登録できるようになりましたが、免許情報の読み取りには未対応です。つまり、iPhoneに登録したからといって「免許証を持ち歩かなくて良い」わけではありません。不携帯とみなされる可能性もあるため注意が必要です。

4. 有効期限がカード上に印字されない

一体型免許には「運転免許の有効期限」がカードに記載されません。運送・教習・警備など運転業務に関わる職場では、定期的な免許証チェック(点呼時の確認など)が必要ですが、その都度マイナポータルや専用アプリで読み取る手間が発生します。


■ どんな人が一体型にするべきか?

■ 一体型に“すべき”人

以下のような方は、一体型免許への切り替えを前向きに検討して良いでしょう。

  • 運転の頻度が少ない(ペーパードライバー)
  • 今後しばらく海外渡航の予定がない
  • 車関連の業務に従事していない
  • ITリテラシーが高く、オンラインサービスを日常的に使っている

■ 一体型を“慎重にすべき”人

逆に、以下に該当する方は、もう少し様子を見た方が良いと考えます。

  • 海外で車を運転する可能性がある
  • レンタカー・カーシェアの利用が多い
  • 運送業や教習・警備など、免許の提示が業務上求められる
  • iPhoneのWalletで済ませたいと思っている(現時点では不可)

■ マイナカードの更新タイミングにも要注意

現時点でマイナカードの有効期限が令和7年秋ごろまでとなっている方も多いと思いますが、このタイミングで免許更新も控えている場合、一体型を選ぶと「免許の更新とマイナカードの更新が同時に必要になる」ことがあります。

※マイナカードの更新忘れは、一体型免許の有効性にも影響を及ぼしますので、更新通知は絶対に見逃さないようにしましょう。


■ 教習指導員としての見解「まだ時期尚早」

教習現場で数多くの運転者と関わる立場としての個人的な結論を申し上げます。

「マイナ免許への移行は、まだ少し早い」
少なくとも2026年頃まで待ってからでも遅くはない

各種サービスの対応状況やトラブル例を踏まえると、今はまだ過渡期です。今後、読み取り対応機器の普及や、iPhone対応、海外利用の整備などが進めば、一体型の利便性は飛躍的に高まるはずです。


■ まとめ

マイナ免許には確かに多くのメリットがありますが、それは「全ての人にとってのメリット」ではありません。ライフスタイルや仕事の内容によって、向き・不向きが明確に分かれる制度でもあります。

「便利そうだから何となく」で選ぶのではなく、実際に自分の使い方に合うか?をしっかり検討することが大切です。

次回免許更新のタイミングで迷っている方は、ぜひこの記事を参考にして、最適な判断をしていただければと思います。


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