※この記事は「Good Driving」シリーズの最終章です。
▶ 第1章:上手な運転とは何か?技術・知識・経験・マインドを分解する
▶ 第2章:その運転、危険因子に侵されていませんか?技術を狂わせる4つのリスク
「完璧なドライバー」など存在しない
第1章と第2章を通して、「上手な運転とは何か?」について、4つの視点(技術・知識・経験・安全マインド)から見てきました。
しかし、どんなにベテランドライバーであっても、人間である以上、ミスや油断の可能性はゼロになりません。
一瞬の気の緩み、体調の変化、集中力の低下……。
完璧なドライバーなど神でもない限り存在しないのです。
だからこそ私たちは、「完璧」を目指すのではなく、限界と向き合いながらリスクを減らす工夫をしていくことが重要です。
【データに学ぶ】死亡事故を起こす“本当の理由”
ここで、警察庁の統計データをご紹介します。

「一般原付以上運転者(第一当事者)の法令別・年齢別死亡事故件数表」には、死亡事故を引き起こした要因が具体的に記されています。
● 高齢者の死亡事故の傾向
- 最多は「運転操作不適」(アクセル・ブレーキの踏み間違いなど)
- 認知機能・運動能力の低下に加え、間違いに気づくのが遅れ、対応が遅れることで事故が重大化する傾向
詳しい解説記事はこちら
● 若年層の死亡事故の傾向
- 最多は「速度超過」
- 経験不足+スピードへの憧れ=対応不能という構図
- 「楽しい」が優先され、「安全」が後手に回る傾向
● 全体で最も多い違反
なんと、**全体の半数以上を占めるのが「安全運転義務違反」**です。
安全運転義務違反には次のような行為が含まれます。
違反項目 | 内容 |
---|---|
漫然運転 | ぼーっとした状態で運転している |
脇見運転 | スマホ・カーナビ・同乗者への注意など |
安全不確認 | 交差点や右左折時などでの目視・確認不足 |
運転操作不適 | ブレーキ・ハンドルの誤操作など |
安全速度違反 | 状況に応じたスピードの調整ができない |
なぜ、そんな運転をしてしまうのか?
この中で、「運転操作不適」以外の違反に共通するのは
**「その運転をする気になった理由」**です。
つまり、
- なぜ確認を怠ったのか?
- なぜスマホを触ったのか?
- なぜスピードを出したのか?
これらの行為は、突き詰めれば――
「運転を舐めている」としか言いようがありません。
上手なドライバーが絶対に持っている“たった一つのこと”
第1章でも触れましたが、運転には「安全マインド」が不可欠です。
安全マインドとは:
- 車社会のモラルを持つ
- 譲り合いと思いやりを大切にする
- 精神的・時間的なゆとりを持って運転する
これをしっかり理解・実践している人は、
そもそも死亡事故の主要因になるような運転はしません。
つまり、安全マインドを根底に持つことができれば、
多くの事故は未然に防ぐことができるのです。
本当に「上手な運転」とは?
- 技術だけではダメ
- 知識だけでもダメ
- 経験だけでもダメ
これらが“自己満足”になり、“過信”につながった時、
「安全マインド」は狂い、事故のリスクが高まります。
ではなぜ、私たちは技術や知識を磨くのか?
それは——
「安全マインド」を支えるため
結論:最も上手なドライバーとは?
上手な運転とは、「技術・知識・経験」をベースにしながら、
それを安全マインドによってコントロールできる人です。
安全マインドを軸に、自らの力を過信せず、他人を思いやる——
その姿勢こそが、“本当に上手な運転”の答えなのです。
最後に:あなたの運転を、もう一度見直してみませんか?
運転は「習慣」です。
事故を防ぐ第一歩は、自分自身を“慣れ”から解放し、
改めて「運転と向き合うこと」。
読んでいただき、ありがとうございました。
「Good Driving」シリーズが、あなたの運転に少しでも変化をもたらすきっかけになれば幸いです。