【第1章】「上手な運転」とは何か?|技術だけではダメな理由を解説

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運転上達の秘訣
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「あなたの運転、本当に“上手”ですか?」

まだ運転免許を持っていない方も、すでに免許を持っている方も、一度は考えたことがあるのではないでしょうか?

「自分の運転って、上手いのかな?」
「あの人みたいに上手くなりたいな」

お父さん、お兄さん、友人など、身近な人を思い浮かべたかもしれませんね。

ですが、その「上手い運転」──本当に正しい評価ですか?

実は多くの人が、「上手な運転」というものを誤解しています。そして、その誤解が思わぬ事故やトラブルにつながることも。


【実例】この運転、上手だと思いますか?

さっそくですが、こちらのケースをご覧ください。


茨城県の高速道路で発生した“あおり運転事件”

  • 高速道路上で蛇行運転を繰り返す
  • 前方を走る車を追い越し、前に割り込みながら威嚇
  • なかなか止まらない後続車を強制的に停止させ
  • 高速道路上で車を降りて、運転手を窓越しに殴打

    この人めちゃくちゃ上手じゃありませんか?

一見、運転のスキルだけを見ると、確かにかなり高度です。

  • 車線変更もスムーズ
  • 周囲の車両を思い通りに“コントロール”
  • 高速道路で緊急停止までこなす

…ですが、この人の運転、上手だと思いますか?


技術がある=運転が上手、ではない

運転の「上手さ」を誤解していませんか?

「操作がうまい」「早い」「スムーズに走れる」だけで上手と評価していませんか?

本当に上手な運転とは、以下の4つすべてを備えてこそ、成立するのです。


【上手な運転】に必要な4つの要素


1. 技術(スキル)

当然ながら、車を思い通りに操る「操作技術」は必須です。

  • 車幅感覚・車両感覚
  • 死角の把握
  • 内輪差・外輪差の理解

そして最も重要なのは「絶対にぶつけない技術」。それが本当の意味での“操作スキル”です。

こんなことを言っている人もいます。

本当に上手な人はぶつけられることもない!って
そうなるともはや神の領域ですね(笑)


2. 知識

(1) 道路交通法の理解

免許を持っているあなた、今「学科試験」を受けて合格できますか?

私の予想ではほとんどの方が合格できません。ちなみに・・・

道交法第1条を知っていますか?
この法律(道路交通法)を作った目的なんです。それは、

1、道路の危険防止

2、安全かつ円滑な走行

3、公害・障害の防止

ということは、法律を理解していない人、つまり

学科試験を再びやって合格できない人は、

・道路の危険を防止できない子もしれない?
・安全かつ円滑に走れないかもしれない?
・道路の障害を非越す可能性がある?

道交法を知らずに運転している人が果たして「上手」と言えるんでしょうか?

(2) 実践的な安全知識

  • 雨の日に気をつけるべきこと
  • 見通しの悪い交差点での判断
  • 自転車や歩行者の動きの予測

法令だけでは測れない「経験則としての安全運転知識」も極めて重要です。

(3) 車の構造知識

  • パンク時の対応
  • オイルや冷却水の点検
  • ランプ・ブレーキの確認

トラブルに強くなるには、構造的理解が欠かせません。
そして出先でトラブルに見舞われないように日頃からの整備点検する知識も重要となるでしょう。


3. 経験

運転には、年数だけでない「質の高い経験」が求められます。
そんな質の高い経験を積んできた方は、こんな特殊能力が備わっているはずです

  • 他車との“言葉なき会話”ができる(=空気を読む力)
  • 死角に人がいると“感じる”感覚(=透視力…的な)
  • 数秒先の交通の流れを“予知”できる(=予知能力)

これらは「安全予測能力」の進化なわけです。


4. 安全マインド(心の余裕)

最も軽視されがちですが、実はこれが最重要。

  • 譲り合う気持ち
  • 他者を思いやる視点
  • 怒らない心(精神的ゆとり)
  • 焦らず余裕を持つ(時間的ゆとり)

先述の煽り運転の例、どれか1つでも備わっていれば、事件は防げたかもしれません。


上手な運転とは、バランスの結晶

  • 技術(スキル)
  • 知識(ルールと実践)
  • 経験(予測力と対応力)
  • 安全マインド(社会性と心の余裕)

この4つが全てそろって「上手な運転」と呼べるのです。

1つでも欠ければ、「ただの危険なドライバー」に成り下がるかもしれません。
ご自身の運転を振り返ってみてください。また、冒頭で想像した、あなたが上手いと思っている人は、これら全てを兼ね備えていましたか?


次回予告|第2章:上手な運転を阻害する“落とし穴”

「自分は大丈夫」と思っていても、それは錯覚かもしれません。

次章では、技術・知識・経験・マインドを狂わせる“危険因子”について詳しく解説していきます。