認知機能検査の点数が低かったらどうなる?免許更新への影響とは

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高齢者講習

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はじめに

高齢者の免許更新時に行われる「認知機能検査」。点数が低かったら免許は更新できないのでしょうか?
この記事では、認知機能検査の目的や点数の意味、検査後の流れ、さらには免許返納の判断基準まで、2025年現在の最新情報に基づいてわかりやすく解説します。


なぜ免許更新に認知機能検査が必要なのか?

運転は、判断力・記憶力・注意力といった「認知機能」に大きく依存します。
認知機能が低下すると、交通状況の変化に気づくのが遅れたり、適切な操作判断ができなくなったりと、事故リスクが高まります。

そのため、高齢者が免許更新時に一定年齢(75歳以上)になると、認知機能検査の受検が義務付けられているのです。


認知機能検査で点数が低い=免許が失効?それは誤解です

「点数が悪いと、もう免許は取り上げられてしまうのでは?」と不安に思う方も多いですが、それは誤解です。
まず前提として知っておいていただきたいのは、認知機能検査は「認知症診断」ではなく、その前段階のスクリーニング検査です。

  • 点数に関わらず、誰でも一度は免許更新が可能です。
  • ただし、「36点未満(認知症のおそれあり)」と判定された方は、医師による診断書の提出が必要になります。

2025年現在の検査形式と点数の取り扱いについて

令和7年(2025年)現在、認知機能検査は従来通りの紙で行う形式とタブレット形式のどちらかで行われています。
タブレット形式では、途中で合格基準(36点以上)に達すると検査が自動終了するため、最終点数は本人に開示されません
検査結果は、「認知症のおそれなし」か「認知症のおそれあり」のどちらかで通知されます。

したがって、「何点だったか?」はわからなくても、通知内容で次のステップが決まると理解しておきましょう。


認知症と診断されたらどうなるのか?

「認知症のおそれあり」と判定された方は、医師の診断を受ける必要があります。
その診断結果が「認知症」であった場合、運転免許は取り消しとなります。

ただし、現場の医師も一人の人間です。
免許を失うことで生活に支障が出る高齢者の事情も汲んで、ご本人寄りの慎重かつ柔軟な判断が行われることも多いようです。


認知機能検査の結果は、家族も知らないことがある

検査の結果が悪かった場合でも、ご本人がご家族に話さなかったり(話を切り出しづらい)、そもそも記憶していないケースもあります。
ご家族としては、更新時期になったら「高齢者講習や検査を受けたかどうか」「検査結果はどうだったか?」をさりげなく確認することが大切です。


運転を続けるか?返納するか?一人で判断しないで

認知機能検査の結果が「認知症のおそれあり」となった方でも、体調不良などの一時的な影響がある場合も考えられます。
ですが、明らかに判断力や記憶力に不安があるようなら、ご自身の意志で免許を返納する決断も必要です。

▼ 詳しくは関連記事
👉 免許返納をご検討の高齢ドライバーへ(ガイド)


重大事故の教訓:池袋高齢者暴走事故から考える

2019年に発生した池袋の高齢者暴走事故。
当時87歳だった運転者は、事故の2年前(2017年)に認知機能検査を受けており、**結果は「認知症のおそれなし」**とされていました。
それでもあのような悲惨な事故が起きてしまったのです。

つまり、認知症でなくても、運転に必要なさまざまな機能が低下していれば事故は起きる可能性が高まるということです。


まとめ:認知機能検査を運転人生の節目に

認知機能検査で点数が低くても、すぐに免許が取り消されるわけではありません。
しかし、それは「これからの運転をどうするか?」を見つめ直すサインでもあります。

「何か起きてからでは遅い」という言葉の重みを、今こそ受け止めたいですね。
安全に長く暮らすために、ご自身とご家族のための最善の選択をしてください。