70歳以上の方が運転免許を更新する際に避けて通れないのが「高齢者講習」ですが、最近ではこんな声が全国で聞かれるようになってきました。
「ハガキが来たのに、どこにも予約が取れない!」
「講習が受けられずに免許が失効してしまった…」
更新前に講習を受けないと免許更新そのものができず、結果として失効してしまう高齢ドライバーも増えています。
なぜここまで予約が取りづらくなっているのでしょうか?
この記事では、背景・原因・対策・そして今後の見通しまで詳しく解説します。
1. なぜ高齢者講習の予約が取れないのか?
● 更新頻度が高く、講習対象者が急増中
まず押さえておきたいのは、高齢ドライバーの免許更新サイクルの短さです。
- 70歳未満の運転者:
優良・一般は5年(違反者は3年) - 70歳:
4年(違反者は3年) - 71歳以上:
一律3年ごとに更新
つまり、71歳以上の方は3年に一度、必ず講習が必要になるため、受講者数が非常に多くなっています。
● 団塊の世代が75歳を迎え、完全に飽和状態に
2025年は、「団塊の世代」が一斉に75歳以上となる節目の年です。
この世代は人口が非常に多く、講習対象者が一気に膨れ上がったことで、完全なキャパオーバーが発生しています。
さらに75歳以上になると、以下のような追加検査も必要になります:
- 認知機能検査(全員対象)
- 一定の違反歴がある場合は、運転技能検査も追加
これらの検査は実施機関が限られており、予約困難に拍車をかけています。
● 教習所側も人手・設備が追いつかない
- 指導員が足りない:高齢者講習の対応に人を割けず、本業である教習業務に支障が出る
- 講習室が足りない:複数同時に講習を行えるスペースがなく、物理的に枠を増やせない
このように、需要に対して供給が圧倒的に不足しているのが現状です。
2. 講習はいつからいつまでに受けるべき?
● ハガキが届いたら、すぐに予約を!
高齢者講習は、更新対象者に対して「講習のお知らせハガキ」が届いて(免許の有効期限の6ヶ月前)から受講可能になります。
このハガキが届いたら、すぐに教習所に予約を入れることが鉄則です。
最近では、ハガキに講習の日時や場所が指定されているケースもあります。
とくに都市部では、「指定教習所しか対応してくれない」「日時変更不可」という場合もあるので、内容をしっかり確認してください。
3. 予約が取れないときの対処法
● 複数の教習所にあたる
地域によっては複数の指定教習所があるため、一つにこだわらず複数に連絡するのが効果的です。
オンライン予約に対応している教習所もあるので、ネット検索も活用しましょう。
● キャンセル待ちを活用する
キャンセル待ちを受け付けている教習所もあります。
「毎日電話すれば空きが出ることもある」といった声もあり、根気よく連絡することが大切です。
● 免許センターの「記載窓口」に相談する
「免許センターに相談」とよく言われますが、**相談するのは“ハガキに記載された免許センターの専用の窓口”**が正解です。
以下のような事情がある場合、救済措置や代替対応が認められるケースも:
- 入院・療養などで受講できなかった
- 海外滞在が長期に及んだ
4. まとめと今後の課題
高齢者講習の予約が取れないのは、以下のような複合要因によるものです:
- 団塊の世代が75歳を超えたことによる需要の急増
- 教習所の人員・設備不足
- 認知機能検査や運転技能検査の追加負担
今後も、団塊ジュニア世代の高齢化が控えており、少なくとも今後20年は予約困難な状況が続く可能性があります。
とにかくハガキが届いたら即予約を!!
解決に向けたポイントは以下のとおり:
✅ ハガキが届いたら即予約
✅ 地域の教習所を複数確認
✅ どうしても無理ならハガキ記載の窓口へ連絡
今後の展望として考えられる対策
- 高齢者講習を民間にもっと開放する仕組み
- オンライン講習(eラーニング)の導入
- 指導員資格の柔軟化や省力化支援制度の導入